2002年 2月
*炸アンディーブ・春筍
*カサゴの聖護院大根蒸し
*金銀蛋粉絲白菜
*豚バラと餅米の醤油味蒸し
*魚香茄子[保/火]
*辣子鮮貝、新牛蒡添え
*清炒銀芽韮黄
*無花果シャーベット
*合桃露
*杏仁豆腐
+82 Bourgogne Pinot Fin / Arnoux
+台湾、鳳凰單叢、濃い目の烏龍
[AQ!]
ついに森田さんが店を出したらしい。
え、そりゃ行かなくちゃ。
森田さんとは10年以上のつきあい。ったって、店で「こんにちは」と言うだけで深いつきあいでなし、お店にも大したローテで行くわけでなし、申し訳ないような客ではあるが、いつも気になっているサービス人である。まぁそれは(あれ、いつごろだろ)1990年前後くらいかな、日本ではまだまだ珍しかった「これぞ香港!」を具現していた青山「ル・シノワ」の強烈な印象が大きいのだけど。
遊龍の項でも書いたけど、その後、福臨門や遊龍で牙を磨く(って言葉は似合わないか、キャラ)。キャラ…、ちょっと面白いんだ、このヒト。長身でいつもビシッとしたスーツで決めていて、もう都心のギョーカイ人、それこそ10年(じゃないな15年か)前ならディスコの黒服がバーンと決まりそうな… …って見えるんだけど、何か話してみると甲高い可愛い声してて、そんでもってどっちかと言うと素朴純朴系の臭いがしてくるお人柄なんだよな~。
場所は白金、広尾・白金台・白金高輪の3駅の真中あたりの不便な土地、も、ワシワシと歩く。蕎麦の「三合庵」の近所、ビルの2階。こぢんまり、元はクラブか何かですか?風にちょいと怪し暗いが、チャカチャカッと体裁整えて、まずは落ち着ける店内と相成っている。
ドアを開けるとすぐに森田さんの挨拶。「すいません、石井さん、ゴタゴタで住所録の整理が…」から始まるのは、開店案内が届いていないエクスキュースであった。いいのよいいのよこちとらハイエナ、すぐに臭いを嗅ぎつけてやって来るのだから。
印刷メニューに加え、ミニ黒板2枚に本日おすすめ。この料理名を眺めているだけで、この店とは気が合うのが感じられる。食わなくたってわかるぞ、ってくらいのハート鷲掴み。(それって何なのかな。…この季節にどんな野菜を使っているか。その野菜をどういう物と合わせているか。その具合が、チラと想像がつくようでもあり見当がつかないようでもある具合。そういう「塩梅」が大きいとは言える)
しかし、…とか何とか意気がってるのは、食う前までで、いただきますとこれが、ウウウと泣けてくる。旨いじゃ~! 厨房を任されるは、柳沼さんと言って、遊龍で2番だった人らしい。帰り際に紹介されたが、またこの人がイイっ。ちょっと異相…とでも言いたくなる存在感(良い意味で)、ウッソリと小山のように立っている感じ。何となく斉須さんを思い出す。口も重そう。
今はこの2人っきりで切り回しているようだ。
その少数の精鋭さが皿の上にハッキリと現れている。気の抜けた包丁が無い。素材の端っこまで「旨くなれよ」と語りかけられているような切られ方。気の抜けた加熱が無い。火の上で睨みつけられていたようなピントの合い方。
一つ一つの皿の上の趣味が一貫している。
また、その合間合間には、森田さんのワインと茶藝。とろけちゃいますな。
2002年 7月
*鮎の醤油煮
*豆支苦瓜(手でほぐした)鶏
*イカの生胡椒炒め
*碗豆茄子
*腐乳白露竿 (白アスパラの煎り焼)
*錦絲瓜豆腐干 (スープ仕立、向日葵の実添え)
*古咾肉 (黒酢)
*空心菜湯麺
*アメリカンチェリーのババロア
*杏仁豆腐
+97 Lucente
+木柵鉄観音
+茉莉茶
[へべ]
その日の黒板メニューを、目をつぶって指さして注文してもいい! と思うくらいどれもこれも美味しい…。翌日また来ても注文に困ることはないでしょう。しかも身体にやさしい、じわっと元気の出そうな料理ばかりときてるし。いい店です。
イカの生胡椒炒め、面白かった。枝付きの生の胡椒と一緒に炒めてあるんですが、確かに胡椒なんだけど山椒みたいな爽やかな青い感じもあって、イカに絶妙の相性という一皿でした。白アスパラも凄かった、腐乳というのが意表を突かれました。思い切った強火の煎り焼でこれが旨いったら。
M脇女史をはじめ相客陣の顔触れもさまざま、というこの夜でしたね。
[AQ!]
そうそう、この日の相客は、左にM脇女史だわ、右手にO沢氏一行だわ、その前にいたレコード会社系も気合い入ってたし、「東京の食壇」とかありもしない言葉が浮かんできそうな情景…。濃ゆい。
前週土曜に満席、仕切り直して平日火曜の龍虎鳳。ウ~ン、あっという間に人気店ですにゃ。白金台から歩くが、最短ルートを取るのは失敗した模様。白金高輪からだったらまっすぐ一本で迷いようが無いのに対し、白金台からは探せば色々近道がありそうなのだが。
龍虎鳳へ続く商店街を広尾側から入ってすぐ左手に、真新しい仏トリコロール旗がたなびく。何じゃこりゃ、と近寄ってみると「Tomo」とある。噂の、市川知志氏の独立新店かな。
龍虎鳳の前をまたも見逃して通り過ぎそうになる所を、へべにガキっと腕を掴まれ、2階への階段を上がる。へべは「この赤い日立の庇んとこだよ」と誇らしげに威張りながらも「あれ、2階だっけ」とボケる。「何か、上階っぽくないんだよな~」
ハイ、こんばんは、森田さん。
小さな店はホッと落ち着く。と、ともに、上手くアレンジしているとはいえ、怪しいクラブ調の雰囲気も残る店内は、濃密な空気、でもある。…濃密な相客…、か、、
ミニ黒板2枚に本日おすすめ料理。前回も思ったが本当にウマそうな眺めで、悩ましいことこの上なし。ココんちの品書きとは相性良い。食いたい物を列挙しては森田氏に無理やりサジェストさせて、何とか絞り込む。
皿が到着しては大騒ぎ、一口食べては大騒ぎ、けたたましく格闘。どの皿も、俺のことを小一時間語ってくれよ、と問い掛けてくる見事な出来。アメリカンチェリーのババロアなんてまずそうだな、と思ったでしょ、そこの貴方。ところがこれが、ニコニコしちゃうんだ(^^;)。
あ、そうだ、森田さんの茉莉茶、抜群に美味しいです。忘れないように書いとかなくちゃ。
2005年 4月
*香醋排骨
*紅椒時菜
*奴油青蔬
*腐乳双蔬
*時蔬餅
*翡翠鮮魚湯
*雪菜冬菜粉条
*芋頭鶏肝
*麺
*杏仁豆腐
+90 Hochheimer Domdechaneu Riesling Rheingau Kloster Eberbach
+74 Barbaresco riserva speciale Castello di Montegrosso
+75 木戸泉
2005年 6月
*鼓油皇麺筋 麺筋とコシアブラの醤油煮
*青椒菰白 マコモと青唐辛子の冷製
*時菜白玉粉 島オクラとその白玉胡麻餅
*上湯碧緑 万願寺唐辛子とモロヘイヤのスープ
*咸蛋露芋 アスパラガスの塩卵炒め
*時蔬豆腐 ヘチマと豆腐の蝦味噌風味
*青梅鮮魚湯 メジナの青梅スープ仕立て辣油かけ
*冬瓜西片牛肉餅 牛肉餅、冬瓜とセロリ
*瓜とアミの冷麺
*苦瓜ゼリーと杏仁豆腐
+Beaujolais Les Grandes Coasses / Durdilly
+50 Rioja Gran Reserva / Bodegas Berberana
[へべ]
なんて幸せな誕生日!
挙げていくと全部素晴らしかった、と言うほかないけど、あの胡麻餅は旨かった…。
万願寺のスープもお見事。
メジナに青梅が新鮮な相性でした。
もう何も入らない…とか言いながらおかわりしてしまう苦瓜杏仁は謎。
[AQ!]
50のリオハ、なんて粋なものを用意していただけましたな。
2005年 8月
*鼓油皇鶏肝 鶏レバとアンディーヴの醤油煮
*開洋交白 コーンとササゲの醤蝦塩辛風味
*酸辣湯
*茄子餅
*辣椒鮮魚 メジロの両面青唐辛子焼
*古咾肉
*乾葱青瓜 ハスイモと太胡瓜の葱油炒め
*蛎油蓮蘿 独活と蓮根のオイスターソース
*トマトの冷麺
*苦瓜ゼリーと杏仁豆腐
+96 Ladoix blanc / Verget
+76 Ladoix Les Hautes Mourottes rouge
[AQ!]
Yさんが 久しぶりにロンフーのサンラータンを食べたいというので 今日のボクらは 酸辣湯記念日
字余り(どころの騒ぎではない)
…
ところで、ロンフーフォンは、すっかり「東京屈指の予約の取れない店」として定着してしまった。
ううむむむむ。感慨無量である。
森田さんの店がなぁ…。森田さんが勝ち組。それもトップの。だもんな。
10年も前に帰って「誰の店が当たってるか」なんて問題出したら、万馬券だよな、コレ(^^;)。
…って好きなこと言ってますが、長年見てると、東京の飲食店って難しいんだよね。美味しい店、居心地のいい店、人柄の良いスタッフの揃った店、感じのいい店、本格的な店…、、、が、勝ち残るとは限らない。
…どころか、トップ級に「勝ち組として君臨する」店って、往々にして、「何でアイツがよぉ…」みたいな、何だかなぁ…な店、だったりする方がまるで多いのである。勝手なことを言ってますが。
清く正しく優しく美味しいものが好きで…何かちょっと幸薄そうな(ホントにシツレイ)、あの森田さんちがトップ人気。
…
うっそ~。ああ、カ・イ・カ・ン! 感涙。
…って、馬鹿な爺婆だな、ワシら(^^;)。
2005年10月
*花椒歯水魚頭
鯛の頭の香辛料煮込
*苦瓜砂肝
煮込冷製
*冬茹時蔬
甘カブと椎茸煮込の粟のソース
*菱角白果
ヒシの実と銀杏
*芋頭餅
零余子と仏掌薯のピン
*鹹魚鮮魚
カマスのハムユイ・蟹黄(?)ソース
*紅豆猪片
大納言と豚ヒレ
*茄子鮮茹
茄子とホウキ茸のトウチ風味
*麺
里芋餡と葱と紅蕪の葉の揚げ焼そば
*甜品
ホオズキと紹興酒のジュース、杏仁豆腐
+87 カリフォルニアのシャルドネ
+77 Gevrey-Chambertin 1er / L.Remy
[へべ]
秋めいてきた雨の日。ものすごーくレベル高くどれも旨い、秋の料理群。
鯛の頭、デカい。二段構え?の鋭い歯が迫力満点、「兜煮グランクリュだ」とはAQの評。
八角と生姜と陳皮と山椒が働いている。凡百和食の醤油煮よ、ひれ伏せ!と言いたい。煮魚がこんなに美味しい「料理」になるなんて…。
苦瓜はかなりよく煮た感じ、豆鼓風味の、しっくりなじんでいるのに苦瓜の味香りはきれいに残っている。
自然の甘みたっぷりの蕪にやさしい粟ソース。カリフラワーでやったら見分けがつかなそうだなーなどと妄想しつついただく。
立派なヒシの実に銀杏がまさに秋の味覚がぎゅっと凝縮した感じ。
ヒシの実、調理前のものも見せてもらった。薩摩芋のような赤紫色の皮で、二股に分かれたピエロの帽子みたいな、ヘンな形。シャリっと慈姑的なところもあり皮のあたり胡桃にも梨にも似た不思議な食感。
本日の餅は山芋とムカゴ、こんがりとした山の味わい。
本日の魚はカマス! しっとりと蒸し上げたカマスからは、焼き魚篇でおなじみのあのカマス香が、強烈なハムユイソースの間隙を縫ってというか手に手をとって駆けてくる。
山吹色のハムユイソースが、きめ細かくしっとりした白身によく合い、べらぼうに旨い。
大納言は、ずいぶん大きい粒で、味は甘くない。「ポークアンドビーンズってことか」とAQ。豚肉はふんわりとしていて、豆が食感を与えている。
茄子と油は相性がいい。
そこにこんがり香ばしくなったホウキ茸も参加。
本日の麺、とても好きです。それもその筈、大好きな葱里芋に紅蕪の葉などというしゃれた合の手を加えて、繊細な細いかた焼そばにかけるという、こちらの首根っこをぎっちり押さえた組み合わせ。葱の香りと甘みと麺の香ばしさが印象的。
終盤、この期に及んでホオズキジュースにKOされるとは。紹興酒が一体化。
杏仁豆腐は本日は素顔のままで。これはこれで、美しい…。
2005年11月
*酔翁生虫豪
牡蠣の紹興酒漬
*腐乳冬筍
中国冬筍と海ブドウの腐乳和え
*蝦醤葱片
下仁田葱と千寿葱の蝦醤煮
*辣味双蔬
堀川牛蒡と島ニンジンの辛味炒め
*芋頭餅
八頭と韮のピン
*栗子豆腐
揚げ豆腐と栗に、梅菜餡かけ
*青菜鮮魚
白身魚に芥子菜餡かけ
*鮮茹鶏柳
鶏ムネとハナビラ茸・モロッコ隠元炒め
*麺:玉子とじ
*甜品:八朔ゼリ
+03 Belondrade y Lurton Rueda Superior Blanco
+94 Citation / Firesteedy
[AQ!]
Yさんが 久しぶりにロンフーの牡蠣の紹興酒漬を食べたいというので 今日のボクらは 酔翁生虫豪記念日
字余り(どころの騒ぎではない)
…すげーウマイ。
中国冬筍と海ブドウの腐乳和え、やられた。こんな取りあわせ、あったか。
堀川牛蒡と島ニンジンの辛味炒めは干し小海老みたいなので味をする。超、上手。
千寿葱とは→www.senjunegi.com。
揚げ豆腐と栗に、梅菜あんかけ。絶妙な三位一体。類似案は見たことあるけど、別次元。
魚、何だっけな? (^^;)
ゼリーは八朔だったよね?
[へべ]
牡蠣は絶品!紹興酒が前面には出ずに、バックにまわって主役をもり立ててる感じで、口中にウマ~いアフターが長く残る。
冬筍は軽く揚げ炒めかな?ちょっと香ばしい感じで、そこに可憐な海ぶどう。そして全体にからまる腐乳味の不思議な相性…。
普通の酢の物などで感じていた「なんかもうちょっとないのか海ぶどう」的もどかしさが、一気に昇華。
ネギ&ネギの蝦みそ煮にもうっとり。食卓は「葱シャキ派か葱トロリ派か」話で盛り上がる。
今回の餅(ピン)は八つ頭に黄韮。コースのこのあたりに餅が一つ入るのが、なんともいい。黄韮の香りに、こんがりした表面、塩が旨い。
揚げ豆腐は、梅菜の味と風味に、絶妙な火通し加減の栗…というトリオに脱帽。ソースの香りがすでに蠱惑的。
で、えーと、ごめん、魚わすれた (^^;)
[AQ!]
だいたい、4人で行って、この10品くらいで組むのだが、それだとギリギリ、「黒板に書いてあるの全部」にはならないのだ。いつも皆の後ろ髪に送られる線上で落選の残念組の2,3品の年を数えてしまうのだ。ワシは何を言いたいのだ(^^;)。
とにかく分厚い「野菜のバリエーション」。今年は隔月に近くかなり通い、いい加減、こちらのヨミもききそうに思うのだが、やはり出されて食ってみると、ヤ・ラ・レ・ル。色んな切り口があるものだよなー。
それにしても、此処とかチャイナハウスとかは、爆裂的人気店になっている訳だけど、みんな美味しいと思ってるんだろうか。
俺らには「超絶的美味」であるけど、社会で、“普段付きあっているオッサン連中”の類に食わせたら、あんましウマいとは言わないのではないか… …とも思うのよね。
もっとも飲食店ってスモールなビジネスだから、大東京の中のほんのちょっとの数奇者だけでも一年中一杯になってしまうのではあるよなー。
2006年 2月
*腐乳髪菜
太モズクとウルイの腐乳和え
*蕃茄芋茸
イタリア種トマトと里イモのスープ仕立て
*乾炒露笋
芽キャベツとアスパラの炒め
*時蔬鍋巴
浜防風のおこげ
*松子合桃鮮魚
焼き付け鯛のナッツ餡かけ
*辣味肉圓
豚肉団子の醤油煮
*水菜と山伏茸の汁麺
*柿の杏仁豆腐
+97 Ladoix / Verget
+95 Citation / Firesteed
[AQ!]
4人揃って「ベストオブベスト!?」の呼び声高し、初春のLFFである。
里芋はふわっと。
芽キャベツは、外の焦がしから中のクリームまで、全身の表現。
懐石の手毬鮨のようなポジションのおこげ。
松子のグラデ。
団子は、肉でつないだクワイの団子か…ってくらいの慈姑の存在感。コゴミと合わされている。
[へべ]
モズクも、ウルイと腐乳にめぐり合って成仏するとは夢にも思わなかったでしょうねぇ。
クリアなスープに横たわる縦長トマトと、同形のふんわり里芋。
芽キャベツは、森田さんもお気に入りとかで、泣きたいくらいうまい。
浜防風の清い香りが見せる未知なるおこげの姿。懐石を連想。
鯛は焼き。焼きでないとこうはならない、でも白身はしっとりと色気の残る火入れ加減はさすが。
汁麺の汁の旨み濃く強くアフター長く。
杏仁のお供、柿もグッドです。
2006年 4月
*芝麻茄子
水茄子の胡麻和え、豚舌添え
*酔翁鶏肝
鶏レバの紹興酒、タラの芽添え
*醤油四季豆
ササゲと挽肉甘辛炒め
*黒椒蕃茄
フルーツトマトの蕨餅粉餡かけ
*炒春双蔬
アマドコロとコゴミの炒め
*家郷年樵
さつまいも・マコモ・干海老・大根漬のライスプディング風
*洋葱鴨圓
鴨団子と新玉葱の煮込
*奴油双菜
蒲公英・片栗のクリーム煮
*魚尤魚仔労麺
ホタル烏賊のローメン
*甜品
マンゴプリン
+92 Savennieres-Roche aux Moines / Domaine de Moines
+98 Byron
[AQ!]
完全に「世界」。ロンフーフォンの世界。
黒椒蕃茄とアマドコロ、を特に書き記しておこう。柳沼さんは、蕃茄の転がし方が凄い。
家郷年樵は、数ミリ角に切られた大根漬たちが、ライスプディング風。
蒲公英と片栗をクリーム煮にしてなお清新な香りを出す、というのも「ならでは」感溢れる。
2006年 6月
*香醋炸魚
イワシ丸干しの黒酢風味
*紅糟魚尤魚
ヤリイカの紅麹炒め
*炒双蔬
島オクラとハス芋の炒め
*葱炒筍仔
破竹の炒め
*蓮藕茄子
ハギナスの炒め煮、蓮根餡
*時蔬牛肉
伏見トウガラシに詰めた牛肉
*青瓜鮮魚湯
蓴菜・瓜と白身魚のスープ
*雪菜冬瓜
小さな冬瓜とアロエの煮込み、雪菜風味
*青豆冷麺
青豆ピュレの冷やしスープ麺
*香芒布甸
+99 Champagne Grand Cellier d'Or / Vilmart
+94 Savigny-les-Beaune Les Serpentieres / S.Bize
2006年 8月
*酸菜双蔬
万願寺トウガラシとジャンボナメコの冷製
*白灼大蝦
活マキエビのボイル冷製山椒風味
*蛋黄鮮[艸/女古]
ヤマブシ茸とズッキーニの炒め
*黒米鶏腿
地鶏モモ肉と黒米の蒸しもの
*蛎油冬瓜
冬瓜のオイスターソース
*蝦子茄子
白ナスのあんかけ
*青菜時蔬
ウドと翠王の炒め
*豆板醤鮮魚
*蕃茄冷麺
*香芒布甸
+97 Meursault Les Luchets / G.Roulot
+86 Ch.Giscours
[AQ!]
相変わらず奇才にして天才、っつうか、完成度も高いのよねー。
酷暑の中華は如何?と言うと、誰ともなく、「元気が出る」「暑さに勝つ気がする」という発言がついつい口から漏れる皿が多数。
一同度肝を抜かれたのが、ヤマブシ茸とズッキーニを(この夏に)蛋黄仕立てにするという挑戦で、これがものの見事に大成功。
白茄子も前回萩たまげ茄子に続いて、見事にデカい。
魚は、南京豆とともに蓮の葉包み蒸し。添えられている豆板醤が非常にスッキリと旨いモノで、これら含めての作品となる。
翠王というのはサツマイモの葉っぱで、ビックリするくらい美味。ツルムラサキとかあの系統っていう感じ。
シメのトマト麺が激ウマ。8月は、これが無限に湧いて出る冷蔵庫があったなら…どんなに…楽しく過ごせましょうぞ(^^;)
2006年10月
*双味海哲皮
細切りクラゲと2種野菜の冷製
*蛎油茹菱角
菱とキノコのオイスターソース
*上湯百頁
バイイエとホウレン草の炒め
*辣粉茄子
エビ芋と赤ナスの軽い煮込み
*三味芋茸碗
3種さつま芋のうま煮
*山芋とうき粉でつないだカブの皿蒸し
*腐皮鮮魚
*時菜鶏片
ホロホロ鳥と切りミツバの炒め
*春菊焼そば
*かぼすゼリー
+坪林文山包種茶貮等奨
+77 Ch.Rauzan Gassies
[AQ!]
キノコは3種。山伏茸はあったな。
湯葉の鮮魚は何でしたっけね。マコガレイ、、、じゃないし…
春菊焼そばは、あと、何が入ってたんだっけ、これ美味しかった。
ゼリーはかぼすで合ってる?
[へべ]
魚はハゲだった。
クラゲの白はつるむらさき花、緑はクレソンゴマ。
白菜春菊やきそばだった。
さつまいもは葱里芋のような感じ。
茸はやまぶしヒシノミほうき。
あれ食べたい!…と、目の前を通っていく、よその卓の皿に垂涎。
直観あやまたず、白と胡麻、ふたいろの細切りクラゲお見事でした。
エビ芋赤ナスと春菊焼そば、また食べたい!
ほろほろ鳥と炒めたミツバの風味と食感、細い中国セロリみたいになってなんだか新鮮でした。油と出会うと感じが変わっていいですね。
2006年12月
*酔翁鮮貝
マテ貝の紹興酒漬
*芝麻冬菇
冬菇の胡麻まぶし
*蓮藕双芋
自然薯と芋の蓮根挟み
*上湯柚子青菜
オニユズと水菜のスープ仕立て
*花豆水蓮菜
*蟹粉獅子頭
タラバガニの肉団子
*芋根麺筋
根芋はズイキの付け根
*柿餅鮮魚
魚は鰆
*葱里芋汁そば
*柑橘ゼリー
イーチャンレモン
+99 Chardonnay / Byron
+02 Pinot Noir / Firesteed
[AQ!]
枳実:「神農本草経の中品に収載されている。うんしゅうみかんの原植物」…だって
2007年 2月
*開洋双蔬
ウドの芽と紫シシトウの干し海老風味
*蝦醤時菜
ひろっこの蝦醤風味炒め
*花生日果青菜
京菜と銀杏の砕きピーナッツ炒め
*回鍋羊肉
仔羊と葉にんにくの辛み炒め
*腐乳蕃茄鮮貝
マテ貝のトマト腐乳軽煮込
*芋頭菜花碗
タロ芋と菜花の煮込
*鴨茸湯麺
浜防風と叩き鴨の湯麺
*戻し干空豆とグリーンピースのゆるゼリー
+95 Ruppertsberger Geisboehl Riesling Kabinet / Dr.Burklin Wolf
2007年 5月
*花生鮮貝
蒸しサザエのピーナッツ和え冷菜
*大名タケノコの紹興酒漬け
*雪菜春筍粉絲
タケノコとカブと春雨の煮込み
*碧緑鮮果湯
ジュンサイとビワのスープ
*葱炸茄子
賀茂ナスの揚げもの
*咸蛋芋餅
おろしレンコンの蒸しダンゴ
*白露筝鶏条
地鶏とホワイトアスパラの炒め
*炒芋頭青菜
ツクネイモと金時草の炒め
*時蔬鮮魚
ハタとズッキーニの醤油餡
*三つ葉と葱のちょい汁麺
*ゴーヤゼリー
+02 Bourgogne rouge / Patrice Rion
+03 Gevrey Chambertin / A.Burguet (glass)
+碧螺春、普シ耳
[AQ!]
サザエにはヤングコーン。みっしりした身と肝からすんげー香りが吹き出す。
大名筍はよく焼いてからの漬けこみ、逸品! ここの漬け汁はいつもイイ。
枇杷はこれからもっと甘くなるやも、と言うが、贅沢は申しません。妙なる調べ。
ダンゴに咸蛋をソース風に漉し伸ばして添える。巧み。
金時草は福井だっけ?、強い香りの気持ちよさ。
ゴーヤゼリーを子供の頃の草むらの香り、と言った人がいたという。森田さん的には江戸川河畔を思い出します、って(笑)。
2007年 8月
*酔翁青椒蛋
カラツナンバンと揚げ卵の紹興酒漬け
*芝麻火考麩
中国麩とハスイモのゴマ風味
*錦糸糸瓜茄子
ナスのおやき錦糸ウリ添え
*花生什菜粒
生落花生とオクラ・ウドの炒め
*蝦仔蓮藕苦瓜
白苦瓜と蓮根のエビ卵風味
*碧緑茄子
茄子とツルムラサキの花あんかけ
*韮黄牛肚
牛センマイと黄韮の炒め
*尾長鯛の翠王あんかけ
*夕顔とアミの冷あん麺
*杏仁豆腐とソーテルヌ
+04 Saint-Aubin Sur Gamay / De Montille
[AQ!]
あ、そうだ、さらにオマケで帆立冷製もいただく。
酷暑にあって、嫋々とたなびくような滋味にあう。奥が深くて、やがて清涼な風が吹くような。山野が見えるようだ。夏もいいものだ、と思えてくる。
品書を振り返って、これは完くした璧のような流れでしたな。
2007年11月
*椒粒蕃茄
プチトマトの冷菜 粒コショウ添え
*油皮鹿肝
鹿レバーと湯葉の前菜
*葱油餅・茄子
*百頁包什菜
五目野菜の押し豆腐包み蒸し
*雲呑菜魚蔬
鯛と聖護院カブの雲呑包み蒸し
*葱火考菱白
マコモ筍と細ネギの醤油炒め煮
*時蔬芋頭
エビ芋と水菜の炒め
*腐乳掴肉
豚バラ肉の腐乳煮込
*南瓜湯麺
*かぼすゼリー
+02 Coteaux du Languedoc Montpeyreux L'Esprit de Font Caude / Alain Chabanon
[AQ!]
本日のテーマは「包」。
包む調理独特の「香りの封じ込め」が見事に力を出している。
一段と手放れの良さを感じる料理。「この皿は(例えばズーンとシンプルでも)これでいいんだから」という確信は、成功したレストランでないと得られない特権ではあるのだが。
すげー逸品は豚バラ腐乳で、中国料理の技法というのはどうしてこんな「素朴だけど妖艶」ってもんが出来るんだろうなぁ。まぁしかし、こーゆー色気を頻繁に感じるというと、此処と田燕居と黒猫夜と龍口酒家くらいなのだが。ソースのトンブリは妙案。
トマトの「ミニ・サンマルツァーノ」みたいのも良かった。
葱油餅は、茄子餡を自分でクルクル包むパターン。餅が素晴らしい。
百頁は、春巻の形状。
鯛蕪雲呑は青唐辛子がアクセント。
龍虎鳳一行のハルピン紀行写真集を見せていただく。いなてー。おもしれー(笑)。
2008年 2月
*山東焼鶏
山東風地鶏の焼きもの
*菜花鯨肉
クジラと菜の花の炒め
*碧緑芋団
ジネンジョの団子 空豆のあんかけ
*宮保椰菜仔
芽キャベツと紅白ダイコン 辛み正油
*時蔬煎鮮魚
白魚のおやき 浜防風添え
*黒椒双姑
フキとハクレイ茸ハナビラ茸の炒め
*青菜腐皮鴨
鴨ヒキ肉の湯葉包みと青菜
*青菜とちょい汁の麺
*柿のゼリー寄せ
+02 Egri Pinot Noir / Gal Tibor
+祁門紅茶、阿里山冬茶
[AQ!]
山東焼鶏はエリンギなど茸と。
鴨の青菜は新潟産、えーと、なんだ、シンガリ菜じゃなくてヤンバルクイ菜じゃなくて…、、、、
シェフが上海で買ってきたのは珍しく青めの安徽鉄観音…、だっけ?
それと阿里山冬茶の間の一杯はなんだっけ、白嶺茶…いやそれは白嶺茸だってば、…
…と、記憶力のボーッとした日だ。(^^;)
ガルティボールさんは2005年に不慮の事故で亡くなる…、なんてことは覚えているのだが(^^;)。オルネライアの元チーフ。いいピノ。
2008年 5月
*開洋交白
タラの芽とマコモ筍 干し海老炒め
*粒椒鮮貝
ホッキ貝の冷菜 醤油と胡椒のタレ
*炸南瓜条
2種南瓜の揚げ物
*翡翠双蔬
アマドコロとシオデの炒め
*腐乳紅椒
赤万願寺とラッキョの炒め
*香蕉青菜
青バナナと百薬草の炒め
*荷葉包鮮魚
ハタとサツマイモの蓮の葉包み蒸し
*茄子炒鯨
クジラの皮目と水ナスの炒め
*ズッキーニの和え麺
*甜品
+95 Citation / Firesteed
[AQ!]
南瓜は、ニョッキスタイル。一つは「バターナッツ」でしたな。
アマドコロは、あまーい緑アスパラみたい。
ラッキョもこうして炒まると、芋系の優しさになるものだ。
青バナナは宮古だったかな。芋のような感触。
ハタの荒ぶる味の良さをマスクしない薩摩芋の甘さの扱いは、感動。
ズッキーニ和え麺、赤色を加えるのは赤ピーマンだっけ?
デザートのトロトロ、なんだっけ?
ポーレイには、老木の芽の強精化。
2008年 7月
*椒麻生虫豪
岩ガキの冷製 山椒正油添え
*香桃冷湯
冷たい桃のスープ
*蛋菜青瓜
加賀太キュウリと卵の蒸しもの
*翡翠双姑
白キクラゲとヒラ茸と枝豆のすりながし
*辣椒鮮貝
帆立・青唐辛子・宮古産フトモモの炒め
*咸魚茄子
青ナスの煮込み 塩魚風味
*醤油時蔬
白苦瓜とササゲのモロミ炒め
*菜干鶏肉
鶏肉の軽い煮込み
*キンシウリと揚げ葱餡の冷たい麺
*トマトのデザート
+97 Ch.Smith Haut Laffite blanc
[AQ!]
桃とトマト、それぞれのスープはテクスチャ勝負みたいな具合。桃食うより美味いか。
胡瓜は良かった。胡瓜の水…の美味さを、地味滋味なままにグーっと持ち上げるのに茶碗蒸しを使った、というか。
白キクラゲ・ハムユイあたりは香港土産かな。
フトモモとの相性もさりながら、帆立のよく火が入っていながら内部の魅力を存分に湛えているキュイソンは、素晴らしい。
鶏は干し菜戻しと3人分でっかく煮込んで。
キンシウリは麺と見分けつかず作戦(笑)、揚げ葱餡の冷たいの(!)…なんてのが、こりゃまた食欲を継続させる。
2009年 2月
*芝麻鮮百合
ヤーコンとユリネの練りゴマ和え
*粒椒蕃茄湯
フルーツトマトの粒コショウのスープ
*清炒時菜
雪ウルイと生キクラゲの塩炒め
*宮保碧緑
ツボミ菜とプチベールの辛み炒め
*紫菜貝片
白バイ貝と琉球青海苔のスープ仕立て
*開洋春筍
タケノコの干し海老の炒め
*麺醤葱肉
豚ひき肉と新玉ネギの甜麺醤炒め
*白子羅臼仔
小カブと黒ダイコンの白子和え
*飯
青菜・牛蒡の醤油餡かけゴハン
*甜品
宮古島時計草の杏仁豆腐
+96 Vouvray Clos du Bourg Premiere Trie Moelleux / Huet
+02 Cafaro Merlot
+東方美人二種(一つは特一等)
+大禹嶺
[AQ!]
ヤーコンはシャクシャク拍子木。エゴマ・醤油の風味の練りゴマもナイス。
筍はカリカリにし細かく砕いた干し海老風味。
蕪は、滋賀産と千葉産。
数値が戻って退院してきて、身体がよく動くらしい柳沼さん。「復帰してからシェフ、皿が出てくるのが速いんです」と森田さん。
2009年 4月
*棗汁時蔬
2色アスパラ・ズッキーニ 酸っぱいトマトのナツメ煮
*茄子春菜
水ナスとアイコの正油炒め
*炸双片
カボチャと島ゴボウの揚げもの塩あんかけ
*泡辣双姑
アギ茸とマッシュルームの辛み煮込み
*時瓜蝦仁
才巻と瓜
*翡翠碧緑
コブ高菜の翡翠仕立て
*青菜鶏糸
鶏細切りと田ゼリの正油炒め
*蛎油西芥芋粒
ウド芽と紫ヤマイモ ホワイトセロリのオイスターソース
*麺
玉福豆菜花
*甜品
ブラッドオレンジ杏仁
+98 Byron
+不知年六安 / 福茗堂茶荘
2009年 6月
*葱油芋鮑
長イモとアワビのネギ油和え
*牛油果蜜瓜
キンショーメロンとアーティチョークのアボカド添え
*鼓皇双黄
黄インゲンとマコモのうすい正油炒め
*時菇蓮藕
新レンコンとオウギ茸の塩炒め
*梅仔魚片湯
*宮保双蔬
エシャロットとスベリヒユの辛み正油風味
*什果鶏柳
鶏ササ身とナッツの炒め
*酒醸南瓜圓
カボチャ入りきび団子とスイカの炒め
*茄子粉糸
*甜品
ライチゼリー
+05 Belondrade y Lurton Rueda Superior Blanco
[AQ!]
梅仔魚片湯は、イトヨリ。
2009年 8月
*什果碧緑
カグラナンバンとズッキーニのナッツ炒め
*葱油茄子
長ナスの揚げびたし ネギ油添え
*炒蛋時蔬
夕顔とユリネの卵あんかけ
*蕃加茄子
加茂茄子の揚げもの トマピーのソースがけ
*扇貝茸湯
*咸菜青瓜
ムツキュウリとグァバのタカナ炒め
*宮保羊排
仔羊の辛みオイル焼き
*鼓皇南瓜筝
バターナッツカボチャとリョクチクの正油あんかけ
*麺
*甜品
ゴウヤのジュレ
+02 Ahrweiler Rosenthal SPATBURGUNDER SPATLESE TROCKEN Weinbaudomane Marienthal
+梨山福寿山など
[AQ!]
扇貝茸湯は、帆立のすり流し・穂紫蘇。森田さんが茸って書いてるから何か入ってたんだなあ、なんだっけ?(^^;)
仔羊には、柿・オクラが付け合せ。
麺は、ジュレかけ冷やし麺…詳細は忘れたがサッパリしてウマー、であった(^^;)。
2010年11月
*皮蛋豆腐
*黒椒生虫豪
カキの粒コショウ風味
*白果南瓜餅
カボチャとギンナンの餅
*開洋交白金針菜
マコモと金針菜 干し海老炒め
*辣子鮮貝
ホタテの辛み炒め
*醤油什菇
キクラゲとアワビ茸 正油煮
*古老肉
黒酢のスブタ
*紅糟芋頭
石川芋の素揚げ 紅麹風味
*麺
近江カブのあんかけ焼きそば
*甜品
杏仁豆腐
+05 Belondrade y Lurton
+92 Ch.Langoa Barton
[AQ!]
試験再開直後。
オールタイム人気メニュー、的な献立だって。
牡蠣は熱狂的ファンがいるらしい。
マコモの薄短冊切りは「味が染みて素晴らしい」と褒められた柳沼さんが「いや、嵩が出るから…」と答えたという逸品(笑)。
帆立は、金柑乗せと、アレもう一個は何乗せだっけ?
キクラゲは黒龍江省産の乾貨。黒龍江省出身が一人いるんで、買ってこさせる。とても立派なものに戻る。山伏茸も入ってたな。
近江カブは、もうちょっと寒くなったら聖護院蕪版に移行だって。
[へべ]
金柑と、なんだっけ…もしや、栗とか?
2011年 1月
*蛋蒸馬蹄
クワイ入り茶碗蒸し芽キャベツ添え
*醤炒双菇
葉ニンニクとヒラ茸舞茸の豆板醤炒め
*時菇芋茸
カシラ芋とシイタケ・ハナビラ茸の煮込み
*波菜鮮魚
キンメ鯛とちぢみホウレン草の軽い煮込み
*虫豪油交白蔬
マコモ筍とアサツキのオイスターソース
*古老肉
黒酢のスブタ
*蕃加鶏片
鶏ムネ肉とトマトの炒め
*芝麻双蔬
赤カブと江戸春菊の練りゴマ風味
*麺
九条ネギ入り炒め煮そば
*甜品
アンポ柿のムース
+03 Ch.Tour du Haut-Moulin
[へべ]
蛋蒸馬蹄
茶碗蒸しは案外固め、とろりとかけたあんまで、芽キャベツの黒焼き風味。
カシラ芋をハナビラ茸にふんわりまとわせた、おなじみ葱里芋の変奏曲。
[AQ!]
時菇芋茸
時菇芋茸は、上海の葱里芋のバリエ。スープ伸ばしを控えて芋の香りをたっぷり残す感じ。
波菜鮮魚
キンメの旨汁をちぢみ菠薐草に含ませる、という仕様設計は、大成功。これ凄。
蕃加鶏片
蕃加は黄色トマト。あと、三つ葉と。
芝麻双蔬
芝麻まとった赤カブ、「ベーコンみたいやね(笑)」と言うと「昨日は生ハムと言われました(笑)」。赤カブと春菊並べて、芝麻に行ってみる、のは、柳沼さん独特の世界観かも。
ローホートイのスタッフが買ってきた「黄山毛峰」が食中茶としてなかなかの優秀さ。
ネギソバには、黒千石豆がまた素晴らしい。50粒よりの復活!…ってか発芽28粒。
アンポ柿は胡椒がアクセント。へべによると、アンビリーバボー柿。
2011年 3月
*芝麻白露筝
ホワイトアスパラと万願寺トウガラシのゴマ和え
*紅糟芋頭
石川芋の素揚げ 紅麹風味
*上湯髪菜
モズクと芽ヒジキのあつもの(塩味)
*蠣油芋碧
プチベールとムラサキ芋のオイスターソース
*揺柱時蔬餅
ワラビとクラカケ豆おやき 干し貝柱のあん
*什果魚片
アイナメとナッツの炒め
*腐乳白子
白子の腐乳煮
*鶏肝腐皮捲
鶏レバーと葉ニンニクの湯葉包み
*金時草のつゆそば
*杏仁豆腐
+08 Chardonnay / D.Rion
+大禹嶺高山茶など
[AQ!]
これは(我が家の)伝説となろうか(^^;)、大地震の一夜、貸切(結果的に…)。
しかも、柳沼さん得意の早春、歴代でもトップクラスの出来映え。
芝麻白露筝は、ヤーコン・ハタケシメジ(これは、肉、だ)も。胡麻よごし史上の傑作。
モズクはこの一品ではスヌイを使って。清らかにして艶。
アイナメは、南瓜の種・向日葵の種・オキアミのカリカリ(これが香ばしくも清い)、だっけ。
白子には、蕪と菊の若芽。腐乳煮は色々いけるが、白子はとりわけ“吸い具合”の相性がいいそうだ。魚は、種類によって、吸うモノ・はじくモノがあると言う。
森田さんもお気に入りの鶏肝、二片。「最後の一口、二口にお好みで」と黒酢付き。この劇的味変も楽しい。
何せ他にお客がいないので、あまり聞いたこともない、23歳でル・シノワ入りした森田さんの“ビフォア”話。最初は、東京會舘フレンチ厨房だと。20歳くらいでフランス初めて行って、なんとプチ・ニース先代で食った。当時からブイヤベースが3段階だった!
ラセールやマキシムは、その頃は、行ってメニュー頂戴と言うだけで“売って”くれた。
麒麟金閣は二人の社長、その一人デビッドが偉い人で、毎日試食しては、「誰が鍋振ってんだ?この卓につくサービスは?」までチェックしていたらしい。金閣のレベルの高さには訳があった。
ル・シノワは三人の厨師。初期は、羅建明さんは板で、鍋のチンさん…という方がサイコーだったそう。賄いでもなんでも、おそろしく美味かった。
[へべ]
二人で「貸切」。空前にして絶後だろう(笑)。震災当日で鉄道が壊滅、クルマでの帰りは普段の3倍かかった(っていうか、恵比寿駅の東口から西口までに一時間かかった)。
森田さんによると、売店の方の弁当が追いつかないほど売れた、とのこと。