2006年12月
*ズッキーニとゴボウ揚げ、花椒塩
*スペアリブのトウチ蒸し、梅干し風味
*トマト牛肉炒め、バジル添え
*茄子とバジルの肉味噌炒め
*白キクラゲ・アスパラガス・インゲンの塩炒め
*水餃子
*中国豆腐糸と黄韮の炒め
*金華ハム炒飯
*洋梨20分焼き、チーズクリームソース
+ドルチェットダルバ
[AQ!]
湘南工科大学の目の前にある。その湘南工科大学は辻堂駅に「徒歩15分」と書いてあるが、実感は徒歩20分に近いやもしれん。けどま、酷暑や雨雪でなければ散歩にちょうどいい加減でもある。
大学すぐ近くのバス停を「藤沢駅」行きのバスが走っていたので、藤沢からバス利用がワシら的には本当は最適であるのかも。
それにしても、クリスマス時分に、あまり賑やかではない辻堂南口駅前から、さらに全くひとかけらも賑やかさのない薄暗い方向へ歩を進めるのはなんとも妙味である(^^;)。でも、大学前まで着くと急に、門前町というか、飲食店が並び立ち、少しゲンキ。
カウンターの隅っこに2席、なんとか潜りこめた様子。奥にはテーブル席もあるが、「主体はカウンター」の作りで、カウンター好きのワシらにはラッキー。
看板には「新中国料理」とある。
鍋振りや主だった料理は全て御主人(スワルさん似(←その例えはわからんだろ(^^;))。たまに手ずから料理を出しもする)。料理補助の女性が一人(「前菜兼パティシエ」的な)。フロアのマダム(皿洗いも得意よ)。…の3人で全て回す小体な店。
(後日注:デザートやってた料理補助の女性は、クリスマス期ということもあっての臨時の方であったようで、通常は夫婦2人きりで切盛りしている。)
主に「本日おすすめ」からチョイス。おっと、目の前のマコンの空き瓶はVergetじゃん。ワインもアリ。
(後日注:しかし、御主人の方は下戸なのであった(笑))
新中国料理・創作中華・軽くてサッパリと、…な、最近増えているタイプの中国料理店の一軒とジャンル分けは出来そうだが、そのタイプの店は往々にして、柳腰も砕けがちに軽くうすらボンヤリと印象薄くなりがちであるのに対し、此処んちは、とても綺麗に澄んだ仕上げでありながら存在感が強く濃くハッキリ出る料理で、とても好印象。
インパクトと輪郭があるのにいくらでも食えるぞヲヒ、みたいな(^^;)。
全てを主人が着手するというだけで精度の高さは期待できようが、鍋底を睨みつける眼光の鋭さを背後から盗み見ると、それは確信に変わる。
[へべ]
夜の街を、駅からてくてく歩く。結構歩くかな~、と覚悟していたが、その覚悟を打ち砕くくらいには歩いた果てに、大学門前のちらほらっとお店がかたまりになった辺りにたどり着く。次は藤沢からバス使ってみようね。
あるじが一人鍋を振る(時に見つめる)、カウンター主体の中華。これが狂いのなさにつながっているのか、旨い。すっきり清いのに、輪郭のくっきりとした、狂いのない感じで。いいなぁ、こういうの、好きです。
驚嘆の一品が、トマト牛肉炒め。立派なバジルが添えられてきて、馥郁と香り立つ。鍋で炒めているのに、鍋肌の汁成分で燻されたかのような、このトマトを食え、という料理。これは堂々のスペシャリテですね。感服。
金華ハム炒飯も、独特のややしっとりとした仕上がりで、これがこれで旨い。金華ハムで炒飯するほどの店になると、皆やはり、本格パラパラ道を邁進しがちなところを、あえて己の道を行く、というのがいかにもここのご主人らしい。
クリスマス気分ついでに豪華温製デザートで締めくくろうか、と頼んでみたら仰天したのが、洋梨のオーブン焼き(要20分)。この焼きが素晴らしい。キャラメリゼ状態になった断面が旨く、とろりと焼けた実が旨く、皮まで旨くて、むさぼるように平らげてしまう。これになぜか、チーズクリームソースが絶妙の相性。
休日の、いい遠征でした。
2007年12月
*茄子冷製ピリ辛風味
*牡蠣の煎り焼、オイスターソース
*蟹入り玉子焼、カオヤーピン巻き
*帆立の葱油マリネ
*中国豆腐糸と黄韮の炒め
*トマト牛肉炒め、バジル添え
*ターサイの干し貝柱炒め
*大根と金華ハムのパイ包み焼
*翡翠麺
*ピーナッツ餡の白玉団子
+2005 ドルチェットダルバ
[AQ!]
わー一年ぶりになっちゃったなあ、…と言いつつ、楽しみで楽しみでスキップで伺う。今回は、藤沢からバスです。
茄子の包丁、これはミリ単位のワザ!
牡蠣は精密の極致、表面が一瞬香ばしく中はジュースが目一杯。オイスターソースと書いてあったけど、軽~く使われる。生姜がアクセント。
カオヤーピンは、火考鴨餅。
玉子焼に(わりかし)愛が薄いワシも黙らせる絶妙の玉子焼。フワっvs.香ばしさ…のバランスの芸。
ここらで満席になる。
「お待たせして(すいません)…」と(実はさほど待ってない)、サービスで出される帆立マリネの、帆立の甘味が葱で引き締まってよく立つこと! ラッキー!
また頼んでしまった黄韮豆腐。黄韮炒め系料理は個人的に「黄韮の空気」を料理全体が如何にまとい切れるか…、だけど、エスプーマを思わせるほどに空気が黄韮色に染まっている。
トマト牛肉はやっぱり凄い。一瞬加熱に向けた火力かなぁ。パツーンと香ばしさをまず感じるのだけど、これがホログラフィック的な素軽い香ばしさで、ワザとらしくつけた香ばしさの重さがない。トマトの方は、フレッシュ感を残しつつ、十分にトマトソース化してる。
至芸!
パイは、「大根餅の餡をパイ包みにした感じ、バターを使ってます」だそうで、中華・フレンチ両方のシェフに見せたい成功作。
翡翠麺は翡翠色の麺に汁をはって青葱をたくさん浮かせただけ。シンプルさが肝…だし、シンプルに勝負するための細心のアセゾネ。
まぁ、恐ろしい人がいたもんだ。強火力の勢いと精密精度、の共存が特色だろう。
窓の外に「湘南工科大学」の看板が見える。「守衛さんがいつもいるので何となく安心」とマダムは笑う。
2008年 3月
*茄子冷製ピリ辛風味、腸詰め、金針菜と干貝柱、皮蛋豆腐
*牡蠣の煎り焼、オイスターソース
*白菜と豚肩ロースの重ね蒸し
*大正海老と黄韮炒め
*トマト牛肉炒め、バジル添え
*焼饅頭
*黒胡麻麺
*ピーナッツ餡の白玉団子
*杏仁豆腐
*胡麻パイ
+05 ドルチェットダルバ
[AQ!]
「前菜盛合せ」ってのがあって4品。前菜はコレいいかもね。
相変わらず、精妙精巧で更に勢いもある。
トマト牛肉の時は、鍋を物凄く熱する。
そのため、窓を開ける(笑)。扉も開ける(笑)。へべによると、たまに鍋を高く換気扇に翳す(笑)。
これだけ要素が詰まっていてしかも澄んでいる皿…、は珍しいよん。
焼饅頭が皮・餡・焼目と揃って美味し。点心部門も次回の注文の競争率たいへんです(いや、客側の勝手な悶々ですが)。
麺は、黒胡麻ペーストを茹で麺に乗せた仕立て。ちょい甘めのペーストが麺とチャーミングなマッチング。麺飯部門も競争率高いなぁ。
杏仁豆腐がサービス、ここのと彩雲瑞のは杏仁の香り高くて大好き。オナカすっきりするし。
胡麻パイで、やっぱり頂頂ではパイ物を食べなくちゃ、と再確認。
2008年 7月
*湯葉ハム、茄子冷製ピリ辛風味、腸詰め、大連クラゲ
*マコモと豚肩炒め
*海南鶏
*トマト牛肉炒め、バジル添え
*くずし豆腐とズワイガニ軽煮込
*ねぎそば
*マンゴープディング二色仕立て
+女児紅
[AQ!]
なんと、こちらの御主人の(いわゆる)師匠筋となるのは、シェフスを興す前の王さんなんだそうだ(普通言う修業先…とは意味合いが違うみたいだけど)。へぇ!色々と、納得!!!
中華は「炎の料理」…を、今、いちばん感じるのは此処かもしれない。炎の勢いが料理に乗り移っている。
しかも、その強い火を操りながら、素材は“お公家さん”のように上品な表情をしており、「焦げ一つない」のに絶妙に「香ばしい」、のである。
海南鶏の秘密を内緒で聞いたところ、マリネを***と***でしているそうな。ほお! こりゃあ、美味いよ!気高くも。
ねぎそばの麺は、上海のナントカと言う爺さんの…、だっけかな。
たしか、酒は弱い御主人が運転するのでワタシは飲めて嬉しいマダム…、のドライブ食い歩きに、「都内の中華はどこ行きます?」など聞かれたので、あちこち数軒を挙げる。
2008年12月
*帆立の葱油マリネ、腸詰め、大連クラゲ、鎌倉海老湯引き
*鱸の豆鼓蒸し、スープ仕立て
*海南鶏
*鎌倉海老と黄韮の炒め
*トマト牛肉炒め、バジル添え
*ねぎそば
*洋梨焼き
+2005 ドルチェットダルバ
[AQ!]
車海老は、近年あまりあがらないけど、この辺で獲れると鎌倉海老と言うんだとか。
頂頂の料理。行くほどに底が深く見えてくるのはヤバイ。此処んちはヤバイ(^^;)。
黄韮って、黄韮の香りで空気がソースになるよね。エスプーマどころの騒ぎじゃない(^^;)。
たしか、上海の何処たらの麺を使う「ねぎそば」は、俺の「人生最後の一食」候補(笑)。
頂頂には、富貴鶏など、人数を要する予約料理も幾つかあるようなので、その辺りのチャレンジも今後の課題だねー、などと。
2009年12月
*春菊と干豆腐和え
*赤貝の葱油マリネ
*牡蠣の煎り焼
*雲丹入りふわふわオムレツ
*トマト牛肉炒め、バジル添え
*茄子とバジルの肉味噌炒め
*上海蟹(雌)味噌炒飯
*洋梨オーブン焼、五香粉アイス添え
+紹興酒祝福牌五年
[AQ!]
「12月になると石井さんが…」と出迎えられ(^^;)。Cさんとこ、行ってきたって。
それにしても見事、「刮目せよ」連発の奔流。
牡蠣炒り焼など、また前より旨くなってないか?
オムレツのふわふわ具合と、表層薄皮一枚の焦げ香ばしさ。雲丹の香りが、加熱版でありながら逃げない具合で封じ込められている。
ま、凄いです。
洋梨は、「最初にいらした時、召し上がっていただきましたよね。あのくらい年末だともう少し大きい玉になるんですよ」…ってよく覚えてんな(^^;)。
注文は、かなり、迷います。
来年は花子鶏宴会が野望です、と告げる。
京都の話を、あれこれ。食べ歩き、好きなんだなあ。とくにマダムの方が店の名前など、詳しい。
珍しく、カウンターの相客は他に常連カップル一組のみ。
2010年 6月
*紅芯大根と貝柱の前菜、なすの冷菜ピリ辛風味、春菊と中国豆腐の冷菜、地鶏の冷菜紹興酒風味、大連クラゲ
*近海真鯛の香り蒸し 金華ハム風味
*青筝の炒め
*和牛サーロインと白まいたけの強火炒め
*なすとバジルの肉味噌炒め
*いんげんと芽菜の炒め
*大根と金華ハムのパイ包み焼
*フレッシュマンゴーのプリン、玉荷宝ライチー
+紹興酒祝福牌五年
[AQ!]
まさに炎の魔術(←ベタでスマソ(^^;))、強火の力によって、食材の味・香りが、外に発散飛散してしまうのではなくて、中に吸い込まれ凝縮する。見ていると、鍋に火を入れていたり・落とし蓋で炒めていたり、と、技術的にも的確なんだろう。
そういえば、ベックのオーサム・シェフが以前、
「実は“料理人”と“肉焼き人”って、ちょっと、違う感じがするんですよ。資質として」
と言っていたけど、中華の“炒め”にもそういうところはありそう。香港だとwok hayって奴ですか。
青筝は萵苣薹。山クラゲの原材料である。生で見るのは初めてかなあ、キレイな緑色が、炒めてホントに翡翠のように仕上がる。とても美味い。山クラゲにしてしまうのは勿体ない(^^;)。
真鯛は、醤油を使わない白い仕立てで、その為にか、香りが綺麗に整いバランスが素晴らしい。金華ハム・山椒・葱ともに、適量で非常に利く。
2010年 8月
*紅芯大根と貝柱の前菜、なすの冷菜ピリ辛風味、豚肩ロース蜂蜜焼、大連クラゲ
*ポテトもち
*マコモと豚肩炒め
*大正海老と黄韮の炒め
*トマト牛肉炒め、バジル添え
*青筝の炒め
*ねぎそば
*胡麻パイ
*白桃プリン
+女児紅
2010年11月
*春菊と豆腐干絲の冷菜、なすの冷菜ピリ辛風味、腸詰め、大連クラゲ
*牡蠣の煎り焼
*マコモと豚肩炒め
*大正海老と黄韮の炒め
*トマト牛肉炒め、バジル添え
*空芯菜炒め
*上海蟹味噌炒飯
*白キクラゲのデザート
*胡麻パイ
+ドルチェットダルバ
[AQ!]
ひっきりなしのお客さんで、大回転の御主人。
帰りに、
「すいません、料理しながらお話…とかが苦手なもので…。今度また…」 (ゆっくり喋りましょう)
などと変なことを恐縮する(笑)。いえいえ、御繁盛より良いことはありませんよ…と。そういうとこが好きなんですよ…と(笑)。
此処の魅力の最たるは、炒めモノの大菜のスケール感と勢い…か。前菜のチマチマ…とか得意な店が増えて来たのだけど、肝心のとこで迫力無い店が、多いんだよなあ。
2011年 1月
*胡瓜漬、紅芯大根と貝柱の前菜、腸詰め、大連クラゲ
*獅子頭
*鱸の豆鼓・香り蒸し
*ラムチョップの紅南乳焼き
*トマト牛肉炒め、バジル添え
*空芯菜炒め
*ねぎそば
*白キクラゲのデザート
*胡麻パイ
+ドルチェットダルバ
[AQ!]
獅子頭は、
「ずいぶん色々やったんですが、古い昔からの上海のレシピに戻りました」
という調理だそうだ。信じられないくらい、美味い。品良く深い。凄い味!
此処のねぎそばをいただくと、某所のがチャラく感じられる(内緒)。走馬灯の味。人生の味。(笑)
胡麻パイは1人一個に限ります(笑)。
正月は1.2日しか休まなかったので、今、マダム冬休み申請中(笑)。札幌・東京のオススメ仏料理店を入れ知恵させていただく。
斉須さんの所は縁もあってよく行くそうだが、大好きだって。うーん、わかりますわー!
「でも、あの、毎回、『ボクは料理のことは何も知らないんです』と仰るのだけはやめていただきたい(笑)」
ヽ(^~^;)ノ それにしても、ここの大ちゃん、サルシータの森山さん、フィオッキの堀川さん…と異ジャンルからも敬されているのはサスガだなあ、斉須さん。
あと、王さんの訃報、聞く。
2011年 4月
*茄子冷製ピリ辛風味、腸詰め、大連クラゲ、空豆と金華ハムの炒め
*青筝の炒め
*大根と金華ハムのパイ包み焼
*海南鶏
*トマト牛肉炒め、バジル添え
*ター菜炒め
*搾菜炒飯
*バニラムースの黒酢がけ
*胡麻パイ
+ドルチェットダルバ
[AQ!]
大ちゃんちはサイコー・これはもう比類ない世界…と叫んで喜ぶのもいいけど、注文考えるのが悩まし過ぎだろ(笑)。
…とボヤキながら、自分と相談しながら、絞っていくワシらなのであった。
ここのパイ。世界パイ焼選手権…とかあったら、推薦者としてついて行きたい(笑)。
さて、珍しく…というか初めてか、ほとんどの時間に相客がいなかったので、かなりザックバランな話が行き交った。
地震時の話はお互いに一通り。
「『料理は人生だ・ここで死ねたら本望だ!』…と思ってたけど、実際にあの揺れが来たら違いましたね。ガス消したらさっさと外に逃げたかった!(笑)」
「いや、料理が人生なのはその通りだけど、死ねる…の意味がソレじゃなかったってことだんべよ(笑)」
「南さん(一碗水の)は、死のうとも厨房から動きませんね(爆)」
マダム「大ちゃんは無理よねえ(笑)」
ちなみに、
「中華の場合、停電すると、『換気扇が動かないので』死にます(笑)」
[へべ]
一酸化炭素中毒で「本当に」死にます、って、そりゃ、あの火力ですから納得のいく話…(笑)。
2011年 7月
*大正海老の上海風味漬、腸詰め、大連クラゲ、春菊と豆腐干絲の冷菜
*豚肩ロースの蜂蜜焼
*青筝の炒め
*大正海老と黄韮の炒め
*トマト牛肉炒め、バジル添え
*大根と金華ハムのパイ包み焼
*搾菜炒飯
*ピーナッツ餡の白玉団子
*バニラムースの黒酢がけ
+05 ドルチェットダルバ
[AQ!]
豚は、フックラとした焼き。もうこれ以上望めないのでは、というくらいに、炎が香りに昇華している。凄い。
世間話。Wの御主人、たしかに高校の時に“バイト”で来てたけど、当時はまあ“知り合いんちの子がアルバイトに”…といった具合であったようだ。
「行きました?」
「一度だけ」
「ボクもまだ一回しか行ってないんですが、
2011年10月
*鴨、海月、胡瓜・砂肝、帆立
*獅子頭
*帆立の甘辛ソース炒め
*海南鶏
*トマト牛肉炒め、バジル添え
*ねぎそば
*アップルマンゴープディング
*胡麻パイ
2011年12月
*皮蛋、大連海月、胡瓜・砂肝、春菊と豆腐干絲の冷菜
*獅子頭
*牡蠣の煎り焼
*搨菜炒め
*トマト牛肉炒め、バジル添え
*ポテトもち
*ねぎそば
*胡麻パイ
[AQ!]
「ほとんど神の領域」…などと困ったことを言う困ったちゃん…になっちゃうくらい(^^;)、の惚れ惚れする味の決まり具合。いやあ、、、完の璧タロウ!
胡瓜はメロンみたい…ってか、メロンよりウマイ(笑)。
獅子頭は、好き中の好き!
牡蠣をいただく時、「空気のソース」って変な言葉が浮かぶ(ここでよく思うのだけど)。口中が生姜と煎られた醤油の濃密な空気に染まった中に、牡蠣本体を運ぶ。
かなりの「濃い味」料理なのだけど、牡蠣の成分クロマトグラフィーの見通しが良い…という具合(笑)。
搨菜も、シンプルな炒めでここまで魅力ありますかー、ってな塩梅でありました。
芝居小屋でバッタリ会ってしまうくらい観劇好きのご夫妻でもあるが、マダムは、ネットの芝居チケットクリックでは「黄金の指先」の持ち主らしい(笑)。
[へべ]
頂頂、すごい。味が火がピタリと決まった、この感じって、何なんでしょうねえ。
獅子頭、ここのはとびきり大きくて、表面はこんがりと香ばしく、でも全体は奇跡のようにふんわりしてて、むちゃむちゃおいしい。もう中に住みたいかも、ってくらい(いや、住んだら食べられませんが…)。トロリ煮込まれキャラメリゼ感のある白菜がまた、たまらない。
で、そうそう、牡蠣の煎り焼がまた、すばらしかった。こういう「濃くて、澄んでる」のって、大好き。鍋に向かう大ちゃんの、あのものすごい集中が、こういう味を生むんでしょうか。
2012年 1月
*大根海月、胡瓜・鯛マリネ、春菊と豆腐干絲の冷菜、腸詰
*くずし豆腐とズワイガニ軽煮込
*大根と金華ハムのパイ包み焼
*海南鶏
*和牛サーロインと白まいたけの強火炒め
*搾菜炒飯
*白玉団子湯
+ドルチェットダルバ
[AQ!]
お年始。
奥に大勢さんがいたけど手仕舞いが早く、後はダラダラとお喋りできた(笑) (東京のインド・トルコ・メキシコ料理の入れ知恵(笑)とか)。
豆腐・蟹、と、牛・舞茸、ひょっとして初めて?かと思ったがさすがに長年通ってるだけあって、見てみると、一回ずつは食べていた(^^;)。
白まいたけは、最初、まいたけだけで、鍋に蓋して、すごい勢いで火をいれる。
まあ、美味いよなあ!
鯛は清蒸用が余ってたのか、福音な質の高さ。
[へべ]
旨みのよくのった、いい鯛でしたね。
大根と金華ハムのパイ。ここのパイが、胡麻の甘いのとこれと、どちらも好きで好きで。なんでこんなにおいしいんだか…と、ほろほろと散らかしながら幸せに平らげる。
しっっっとりと旨い海南鶏をいただくたびに、花子鶏宴会を企画せねばとの思いを新たにする(と、言い暮らして早、何年たつかしらん)。
2012年 4月
*大連海月、胡瓜・鯛マリネ、春菊と豆腐干絲の冷菜、空豆と金華火腿
*なすとバジルの肉味噌炒め
*牡蠣の湯葉春巻
*芥菜と白キクラゲの炒め
*トマト牛肉炒め、バジル添え
*ねぎそば
*胡麻パイ
+ドルチェットダルバ
[AQ!]
味が、嫋々とたなびく。
味が、たなびいて行く…のが、中国料理を味わう最高の境地の一つかな、と感じられる…ような具合。
余韻嫋々…と書くと、もう少し(ワインとか)液体の雰囲気も感じられるが、エアリーな…気体に昇華する面影、その姿は「たなびく」という感じ。
どこやらに、霞かな。
…というのが「何言ってんだかコイツら」的感想でごじゃいますかな(^^;)。
大ちゃんシェフの料理をそう感じる根幹は、「鑊氣」っつうですかね、大火力扱いの精妙さにあるんだろうけど、もう「モンの凄い火力でデトックスしちゃうんだよ…」というしょーむない冗談が出るくらい(笑)。「澄ませる」「透明にする」ための、猛火、って感じ。
「今年も春は空豆火腿」…でノッケから溶ける。真鯛マリネの塩が攻めてて、旨味が立つこと!
牡蠣・豚・海老の湯葉春巻は“お初”だったかな、牡蠣の香りに包まれる。
芥菜:ジェツォイ…ま、中国カラシナ(こう書くと、中国で唐で支那みたいで凄いな(^^;))、風味溢れ、葉と茎の対象も面白い野菜だが、添え物や脇役の立場が多いので、
「主役っぽくやってみようかと…」
いやあ、好きや、コレ。白木耳とのコンビがまた、たまりませんわ。
今夜はよく入っている。各々席で見ても2回転近く行っちゃうのでは…。
2013年 4月
*大連海月胡桃和え、紅芯大根・貝柱、春菊と豆腐干絲の冷菜、空豆と金華火腿
*地蛤の湯
*角煮
*ちしゃとう炒め
*海老・空豆・中国湯葉炒め
*トマト牛肉炒め、バジル添え
*ねぎそば
*胡麻パイ
+ドルチェットダルバ
2013年11月
*大連海月、紅芯大根・貝柱、マコモ味噌、茄子トウチ
*牡蠣の揚げ湯葉春巻
*上海蟹味噌豆腐
*汽鍋鶏 雲南風
*トマト牛肉炒め、バジル添え
*A菜炒め
*搾菜炒飯
*胡麻パイ
+ドルチェットダルバ
[AQ!]
土曜の頂頂は満席御礼+α。2人はフル回転。
「汽鍋鶏」が口頭のご案内、無加水のスープ料理。とんでもなく濃くて清澄。
A菜の、炒め薫香…の入れ方もバツグン、こういうのは他で見ない。
最近はすっかり、相撲と落語にハマってるらしい。
「もう完全に下町のオッサンですよ」という力の抜け加減が心地よいらしい。
白鳳は、実物を見ると馬鹿でかいわけでもなく、ゴムのように柔らかい筋肉で、相手はアレレという間に投げられてしまう風情であるらしい。
大ちゃんの(料理の)風格も、そんなん…であるかもしれない(笑)。
[へべ]
汽鍋鶏!
鶏の旨みもさることながら、白菜の甘みがたまりません。
この日の前菜のヒットは蒸し茄子のトウチ風味。えもいわれぬ美味!
2015年 3月
*大連海月、空豆と金華火腿、なすの冷菜ピリ辛風味、車海老の上海風冷菜
*真鯛と黄ニラの紙包み揚げ
*北海道産真鱈の白子 ピリ辛ソース
*トマト牛肉炒め、バジル添え
*A菜炒め
*大根と金華ハムのパイ包み焼
*春菊の翡翠炒飯
*チーズクリーム黒酢がけ
*美生柑と練乳のソルベ
+ドルチェットダルバ
[AQ!]
メモになるが、2014年は「当日予約」「前日予約」「一週間前予約」…と3連発で満席お断りをくらった(^^;)。まあ週末狙いなせいはあるけど(^^;)。
今回は一週間前予約が通って、久しぶりに伺う。
入店時はそうでもなかったけど、結局、パッツンパッツンの大入りで、2人とも大車輪(^^;)。
「明日死ぬのがわかってたら、今日の、もう一周食べてく (笑)」
…って(馬鹿な)感じの、それはもうすごい、お料理。
簡素にして品格があり、大きく深く、嫋々として渺々。
真鯛は、紙揚げが「瞬間蒸し」的にあがる、黄韮の香り一体化も著しい。
白子のピリ辛は絶妙に控え目、白子本来の味と、ちょびっとの焼き香ばしさとが、素晴らしいバランス。
A菜炒めは、A菜の香り・強火の香ばしさ・油の香り・塩…がほんの少しだけマダラを成すヘテロ感が深み。
春菊炒飯は白子と並んで大ちゃんの一押し…かな? 天上の香り。
チーズクリーム黒酢も身悶える。
[へべ]
やっと来られた! 久々の頂頂を堪能・満喫。
トマト牛肉と、「何かパイ」は絶対、と思い決めてきたわけですが、あとは季節の品書きから。
紙包み揚げ、は半透明な包みが積み上がって出てくる見た目も楽しく、開いてみると、ぴたりと決まった蒸し上がりに驚く。黄韮と生姜の具合が見事な計算。
白子、おいしい! 香ばしく焼けた少量の衣が「おやき」っぽい味わいで、芳醇な白子本体と、ピリ辛成分、全体の調和がすばらしい。
パイは本日は大根と金華ハムで。ほろほろの中華パイと、あんの味・香りが合わさって、西洋料理とはまた違ったパイの魅力にうっとりする。
ムースっぽさもあるチーズクリームに、こっくり詰まった黒酢ソースの奥深い味わい。
「これ、黒酢にものすごく時間がかかってるんですよ」
と笑う大ちゃん。
確かにすごい!
2015年 8月
*前菜盛合せ:枝豆胡瓜、大連海月、なすの冷菜、皮蛋豆腐
*アワビの揚げ湯葉春巻
*車海老SP
*和牛と夏野菜の炒め
*くずし蟹豆腐
*空芯菜炒め
*なすとバジルの肉味噌炒め
*春菊の翡翠炒飯
*チーズクリーム黒酢がけ
+ドルチェットダルバ
[AQ!]
箱根からバスで小田原に降りる。
ここからウチまでの帰りはほぼ神奈川を横断することになる。
“えー、だったら辻堂で食べられるじゃないですか♪”と「頂頂」に寄る。
小田急的には、小田原線で来て江ノ島線で帰る…ってこっちゃね(笑)。
半年ぶり、夏の「頂頂」も豪快でかつ典雅だ。
頭上から1トンの羽毛布団が降ってきたようだ(笑)。
美味にクラクラしながら夏の夕暮れを眺むる。
空芯菜の段だったか、「こーゆーもんはチョンボリ食ってても味わかんないよねぇ」みたいなこと言うてたら、大ちゃんシェフが、
「師匠(王さん)の言いつけで一つ、守り続けてることがあるんですけど、“量は(ある程度はちゃんと)出さないといけない (食った気にならない、味がわからない)”…ってところなんですが」
と言う。
おお、直伝であったか(笑)。
この日は他のお客さんの退け足が早く、我々だけ残った。
“ああそうだ”…って感じで大ちゃんが面白いものを出してきて見せてくれた。
1991年11月24日付けの「The Japan Times」記事。
まだ新宿「シェフス」を興す前の三軒茶屋「上海」の王さんと若き日の岩田大ちゃん!
どへぇ~♪
いやあこの頃に訪店してみたかったものである(^^;)。
近現代中国料理史@日本…の研究者は見せてもらうよろし、って感じの記事。
2016年 3月
*前菜盛合せ:ヤリイカの葱油和え、大連海月、大根の上海漬、皮蛋豆腐
*マコモと黄ニラの炒め
*東坡肉
*地ハマグリのスープ
*トマト牛肉炒め、バジル添え
*大根と金華ハムのパイ包み焼
*金華火腿炒飯
*チーズクリーム黒酢蜂蜜ソース
*せとかオレンジと練乳のシャーベット
[AQ!]
超ホンモノ感がすんごい東坡肉。「…いやあ、若い方で皮残す方もいまして、、、(^^;)」
さすがにこちらの炒飯は飲物! (^^;)
テレビ取材付き合っちゃったらタイヘンだったらしく、「A街、もう出ない(笑)」。
2016年 5月
*前菜盛合せ:春菊と豆腐干絲の冷菜、海月・大根和え、大根の上海漬、鶏紹興酒漬
*マコモと黄ニラの炒め
*鮑と季節野菜の炒め
*石川産平目の香り蒸し
*地ハマグリのスープ
*黒毛和牛と北海道産ホワイトアスパラの炒め
*金華火腿炒飯
*チーズクリーム黒酢蜂蜜ソース
*ミネオラオレンジと練乳のシャーベット
[AQ!]
マコモ黄韮と地ハマは前回と連投だったか(^^;)。ま、祝祭の食い物だから(笑)。マコモ黄韮は今回の方がより良かったかも。
鮑は、口頭からの一品(買っといてくれたかなあ…)。ある意味地味にパプリカ・空豆などと炒めて貝に盛り込んでるんだけど、神々しい滋味っぷり。
平目は惚れ惚れする身厚。で、スープっぽく仕立てて「汁気と一緒にどうぞ」な仕立て。それがバッチリ♪
炒飯は、流れを見て、黒炒飯気味の仕立てかな、今日は。特に確かめなかったけど。
[へべ]
この日の大ちゃん、冴えてましたねー。それぞれの品がピタッと決まってた印象。
細く切ったマコモと黄韮の炒めをハフッとほおばると、「エアがうまい!」 気品ある香りに穏やかな滋味、絶品の仕上がり。
地ハマグリは、殻からはみ出す勢いの、ありえないほどのプックリ加減。身の縁あたりの、通常ペナペナの部分も厚みがあって味を含んでいる。本尊はとろりとろける味爆弾。そして貝の汁のこれまた旨いこと、コハク酸が脳にしみわたる…。
大きな鮑を、惜しげなくスライスして包丁入れて、さりげなく野菜と豆豉で炒めて出てくる。食べてのけぞる。絶妙な火入れで、鮑のうまみがほとばしる。ぴたりと決まった味、炒め合わせた野菜との一体感というかチーム感がすばらしい。
見事な平目、蒸し上がったところを、汁と一緒にレンゲでいただく。感涙。
2017年 3月
*前菜盛合せ:春菊と中国豆腐の冷菜、合鴨の醤油煮冷菜、葱里芋炒め、牡丹海老紹興酒漬、海月
*真鯛のすり身団子スープ
*トンポーロー
*赤ハタの清蒸
*トマト牛肉炒め、バジル添え
*金華火腿炒飯
*スイートバジルのシャーベット
*くるみ汁粉
+ドルチェットダルバ
[AQ!]
箱根~小田原~湯河原~藤沢。バスで辻堂。
花粉がものすごく多かった日のようで、しかも山の中をうろついていたため、クシャミ発作が頻発して情けない(^^;)。
神奈川レギュラーローテーション、「頂頂」の灯が見える。
口頭のオススメは、牡丹海老・真鯛・赤ハタ・東坡肉。「鯛とハタは被らないと思います」…なんで、そのまま全部、採用。安易なボクらw。
[へべ]
いやー、頂頂はすごいなー。こうして振り返ると、この日はあたかも「組んでもらった、おまかせコース」みたいな美しい流れ♪
葱里芋がすんばらしい。
[AQ!]
前菜盛合せ…別皿だから厳密には「盛合せ」じゃないかw…頂頂のはパワフル、「若手のとこなら主菜だねえ(笑)」。ランブロワジーのアミューズみたいだw。
春菊・クラゲはレギュラーだけど、他3品は珍しい。ガッツリと酒が旨い鴨、3日漬が麗しい牡丹海老(車海老だと5日見当だとか)、葱里芋は頂頂では初めてだったか、サイコーじゃん♪
赤ハタは、2人にちょうどいいサイズ。むっちゃ良い。醤油じゃなくて塩の、火腿薄片添え清蒸…香りが清くて好き。汁まで旨い。小ぶりだが肉質タップリ感、そして、小ぶりゆえアタマ部分の火入れも丁度良くなるオマケ付き、みたいな。
[へべ]
赤ハタ、二人でいけるサイズながらすばらしい身質、ほっぺた肉はじめ頭まわりの食べどころもたっぷりのうれしいナイスバディ。しっとり完璧な蒸し上がりに顔がほころぶ。
清蒸の、醤油じゃない清い仕立ては、下の汁葱まで満喫できてブラボー!
さすがのトンポーロー!
[AQ!]
今年もいただく威風堂々、東坡肉。相変わらず「何だコレ?」と皮を残すお客さんとかもおられますが、と笑う(^^;)。
茫漠とした白黄金の湯に茫漠とフワフワ揺れる鯛団子。妖しくもセイントなスープ世界♪ 鯛の味が、ピュアだ。
[へべ]
真鯛の力をたたえた金色スープ。
[AQ!]
換気セレモニー一式wを経てのトマト牛肉の祝祭的大菜感♪
仕上げのくるみ汁粉、うまいなあ。「これは花粉に効くかも?」…「そうかも!」
看板に新中国と背負った老上海感、いつのまにやら風格が滲む。
[へべ]
締めくくりは、小ぶりな容器でしみじみといただく、くるみ汁粉の滋味で。
いい夜でした。
2017年 7月
*前菜盛合せ:枝豆と胡瓜の冷製、鯛と隠元、茄子豆豉冷製、だるまいか葱和え、海月
*鰯揚げ 九条葱
*蓴菜スープ
*穴子のフリット 香菜
*里芋の葱炒め
*豚と胡桃の黒酢炒め 白髪葱
*金華火腿炒飯
*マンゴプリン
+Blue Moon
+ドルチェットダルバ
[AQ!]
真夏のストレート、饗宴♪
鰯、うまかー!
蓴菜は鶏と、クリア・ピュア。杭州調?
里芋葱炒め、頂頂で一品料理注文は初めて。角が立つ食感・まろやかな食感が並立し、どこまでもイイ香りがする。これはサイコー!!!
2019年 7月
*前菜盛合せ:たたき胡瓜 なすのピリ辛煮 ピータン豆腐 大連くらげの松の実和え
*穴子と香菜の炒め
*青森産ホタテの香り揚げ ピリ辛ソース
*獅子頭
*じゅん菜のスープ
*トマト牛肉炒め、バジル添え
*金華火腿炒飯
*胡麻パイ
*フレッシュマンゴーのプリン
[へべ]
大連くらげの松の実和え。甘酢系ではなく、松の実と胡麻油の香ばしさでいただくクラゲもまた、いいもんですなー。
穴子と香菜の炒め、穴子はそもそも旨いし大好きだけど、そんな穴子も大往生の、この一品。頼んでよかった…。
帆立のピリ辛ソース、凡百の類例と似て非なる品の良い着地が素晴らしい!
獅子頭(ごちそうさまでした、すいません…)
じゅん菜スープ! 今年は当家にとって大当たりのじゅん菜イヤーで幸せ♪
久々に来ればやっぱりのトマト牛肉に金華火腿炒飯、よーし今夜は胡麻パイもいっちゃおうっ!…と幸せに盛り上がっていたら、おまけにフレッシュマンゴーのプリンもいただき、大団円。
2021年 5月
*前菜盛り合わせ:たたき胡瓜 なすのピリ辛に近海だるまイカのねぎ油和え 赤貝の中国醤油和え
*青森県産平目の豆豉蒸し
*車海老の香味炒め
*獅子頭
*大分産ミニ青梗菜の炒め
*トマト牛肉炒め、バジル添え
*ねぎそば
*黒胡麻湯団子
+ドルチェットダルバ
2022年 2月