1995年 2月
*ニシンのマリネ
*トリュフのかき玉子赤ワインソース
*オマールのテリーヌ「ダニエル風」
*平スズキカリカリ焼きクミン風味
*リドヴォーとポロ葱貝のスープ
*ヒゲ鱈のポワレ根セロリ
*ガトークラシック、苺のスープ
[AQ!]
怖いくらいの凄み。ですかねぇ。
[ヘベ]
リドヴォ、から連想するランブロワジーの牡蛎。口もきけなくなるトリュフ玉子。ダニエル風もよかったなぁ。
この日見た謎の和服マダムとはアンフォールでまさかの再会。(^^;)
[AQ!]
平スズキ、食べた瞬間尻が椅子から数センチ浮かんだ。麻原状態。\^*゚Q゚*^/
しかし、この日もコートドールのでかいポーション、いっぱい食ってるなぁ。
[AQ!]
この日は、日曜で、妙に交通がうまく行ってしまい、18:50くらいにコートドールに着きました。最初の客だったかな。ウッソリとマサオさんが、さて開戦とばかり厨房に入って行くのが見えました。
2,3年前かな、一回だけ調子の悪いコートドールに行き当たったことがあるけど、後は殆ど幸福な出会いだなぁ。
ココはマサオさんがいるかいないかで出来が変わってしまいそうな厨房ではある。
ちなみに最初の客は最後の客でした。4テーブルくらい入ってたんだけど。なんでやねん。(^^;)
[AQ!](1998)
↑上の日記は、しかしまぁ、「1998年の現在」から振り返るとやはり、日曜とはいえ、「4,5テーブルなんてので入りがいい」くらいだったんですねぇ。そういえば、さらに遡る1993年秋に「貸切状態」になっちゃったディナーもありました。二人きり。「どこでもお好きな所にどうぞ」って。このように、一昔前は、むしろ客の入りが良くないので有名な店でした。(^^;) 日常的満席の最近からは信じられないような話だが。
1995年 8月
*赤ピーマンのムース、トマトのクーリ
*梅紫蘇のスープ糸瓜入り
*インゲンの温サラダ、フォワグラ添え
*外房活締スズキのカリカリ焼、クミン風味のキャベツ
*ニュージーランド仔羊のローストバジリクソースと茄子
*柑橘茶とブルーベリーと白桃のスープ
*クルミのカソナード
+85 Ch.Montrose
[AQ!]
目が醒めるような紫蘇のスープ。今日もきらめく鮮烈と重厚を結ぶ酸。
[ヘベ]
夏を締めくくるにふさわしい、この店、この皿。
アミューズが堂々とポワヴロンのムース。ああ、この味、素材が確かに結晶してそこにあるというような。
梅紫蘇のスープ:これが今日の(私の)お目当て、で、それだけのことはありました。いや~、たしかに、フランス料理なんです。でも、梅がいて、紫蘇がいて、緑一色で、清洌な酸の風が舌の上を吹き抜けていくような。う~、書いててまた食べたくなります。とてもとても完成度の高い一皿です。どうこう言う言葉が、みつかりません。
インゲン温サラダ:に、たっぷりたっぷりフォワグラ添え。この真正面なのがこの店流ですね、とても。
スズキ焼:ここのカリカリ焼は魚の皮と皮の下の身の旨さをよくよく知ってのことでたまらなくおいしい。クミンキャベツもいわずもがな、ですが。
仔羊と茄子:しばらくぶりにここの仔羊、やはりいいです。ニュージーランドのだということですが、そういうのびやかな感じです。この茄子がちょっと極悪なくらい美味でした。
白桃スープ:の浮かぶ茶色い液体「柑橘茶」が絶妙な香り。
クルミのカソナード:これはもう、もちろんの、おいしさ、香ばしさ。
あいかわらずの、冴えざえとした酸味の生かし方がそこここで際立っていて、印象、鮮烈です。ここはほんとに、好きな店です。昼間にもいつか来てみたいなぁ。
1995年11月
*赤ピーマンのムース、トマトのクーリ
*フォワグラのソテ、蒸し蕪
*鮪のタルタル、モンブラン風
*星ガレイとその縁側のパン粉付け天火焼、ブロッコリー添え
*旭川産仔鹿のステーキ、花梨添え
*マンゴーのババロワ
*栗のアイスクリーム「WAKASA」
+83 Ch.Cos-d'Estournel
[AQ!]
なんてスケールの大きい料理なんでしょう。
[ヘベ]
メニューにならぶ絢爛たるスペシャリテの数々。あれもこれも頼みたいけど一皿の量も堂々としたこの店~ (^^;)
ポワブロンのムース:嬉しいアミューズ。トマトの香りが立ってました。あの不思議な香ばしさ。トマトの青い匂いもしっかりあって、しかも調和している素晴しさ。
フォワグラ:あぁ蕪の悦楽~。フォワグラはこのように食べたいと、思うような表面の香ばしさ、塩、そしてその旨みを吸った、酸味のきいた蕪のしあわせ。
鮪モンブラン:栗の蒸して裏ごししたのが雪のように表面を覆っています。これが味とテクスチャに影響。モソモソやパサパサ感は微塵もなく、ふんわりとやさしい風味。生姜がひっそりときいてるのも、いい感じでした。
星ガレイ:細かい細かいパン粉、旨みを凝縮した縁側、それでも別皿で来るブロッコリ。お皿の上は黄色いソースに、黄金色のパン粉焼魚、なんですよねぇ。それだけ。
仔鹿:カリンがとてもよく合います。洋梨に似てもうちょっと、なんというか、ホクっとしたところのある独特の質感と、酸味と、ジビエに似合うほのかな苦味。仔鹿がまたすばらしく美味しい。骨付きで、どんとサーブされるのもここらしいですね。
[AQ!]
「この前は85モンローズでしたよね」と、さりげなく過去帳チェックのはいったサービスは、徐々に充実してきましたね。
妙にオタクキョンシーな松下さんの手下(^^;)たちが面白い。
それから、服部というどこかの専門学校の校長さんがメシ食ってました。(^^;)
1996年 2月
*人参サラダクミン風味
*トリュフ掻き玉子、赤ワイン風味
*イトヨリのクスクス、イトヨリのソース
*リドヴォーと根セロリとニョッキのトリュフ風味
*ホロホロ鳥のロースト
*苺のスープ、赤ワインとミント
*クルミのカソナード
+85 Fixin-Clos du Chapitre Gelin&Molin
[AQ!]
トリュフ掻き玉子を抱え込んで食べてると阿片窟みたい、、、(^^;)
[ヘベ]
雨雪模様の日曜の夜。コートドール、盛況でした。
トリュフ掻き玉子:なめらかな、なめらかな、シェフつきっきりの玉子と、トリュフ。皿が運ばれて来た途端にかがみこんでクンクンしてしまいます。至福。
イトヨリクスクス:細かくてふんわりして軽くてなめらかな天使のクスクス。みごとなイトヨリの味の深いこと。カレー風味でありながら仏料理である魚ダシのカレーソース。
リドヴォ根セロリニョッキトリュフ:「海苔のように見えますのが」・・・口上そっちのけで皿の上にかがみこむ客(^^;)。 トリュフの香りがこれまた立ってます。淡黄色のソース。リドヴォと根セロリとトリュフの旨み香りを吸いこんだ史上最強のニョッキでした。ニョッキそのもの、も、クスクスがそうであるように、素晴しい。表面が香ばしくなってるのもいいです。
ホロホロ鳥:客を見てか見ずしてか、たいへん立派な(大きな(^^;))ホロホロ鳥でした。茶色い一皿で、ここらしい。
[AQ!]
一冬の締め、というわけでもないけど、トリュフを掻き玉子で思いっきり食べたい、というテーマ、でした。松下さんが、クスクスもいいですし鹿のテリーヌも美味しいですよ、などと誘うものだから大いに選択に悩むものの、初志を貫いてトリュフ玉子は、一人に一皿頼む。やはり正解、というしかない。
クスクスはそういうわけで、プーレドゥでいただいたが、頭がポ~っとするような美味。
1996年11月
*赤ピーマンのムース、トマトのクーリ
*季節の野菜のエチュベ
*平スズキのカリカリ焼、クミン風味のキャベツ
*ヤガラのオーブン焼くるみ油のソース、焼ブロッコリー
*リドヴォーのカツレツ・ウィーン風とほうれん草
*サルセル・ロティと赤キャベツ
*ラ・フランスの白ワイン漬生姜風味
*おばあちゃん風タルト
+88 Grands-Echezeaux Mongeard-Mugneret
[AQ!]
見ただけでココとわかり、食べただけでココとわかる、その上に嵐が吹き抜けていくように旨い、とでもいうことになりますか。\(☆〇☆)/
[ヘベ]
せんだっての満席もうなづける賑わい。これぐらい、さんざめく声があちこちの卓からあると、店全体の雰囲気も華やいだ感じになりますねぇ。
松下さん配下のキョンシー軍団の人々も定着したようで、皆見覚えのある顔。みんなやわらかい、いい表情でサービスに励んでくれました。
料理はもう、どう見てもここの、ここでしかない、というような。久々にいただくエチュベは、やっぱりいい。しみいるような野菜の旨さ。大根、が新鮮な印象。食感よし味よし、で。
斎須さんの魚は、いつも強烈。
平スズキは、やっぱり、すごい。おすすめだけあってふっくりした力のある白い身の中から香りがあふれるスズキ、こんがりした皮にクミンキャベツで、もう、たまりません。
ヤガラは、はじめて。これがまた旨い。姿をみると、生前はさぞや大きかった? 聞けば「いや、こ~のくらいありましたよ」。巨大。クルミ風味のソースがよく合います。つけあわせの焼きブロッコリには参りました。
サルセル・ロティは紫キャベツの甘酸っぱい煮込みと一体化した紫一色。このキャベツと食べるサルセルの旨さよ。
リドヴォーの、カツレツははじめて。これ、いいですねぇ。カリカリした衣と、その中に封じ込めたやわらかなリドヴォーの味と香り。酸味のある黄褐色のソース。
もうだめだー、無理だー、と思いつつ顔をみるとあんまりおいしそうなので、フロマージュも少々。シェーブルと、なんだっけ、ウォッシュのとろとろのを頼んで「いやー余裕があったらあのミモレットを是非食べてみたかった」と言ってたら「じゃ、少し切りましょうね」と出されてしまった。ものすごくおいしいミモレットで、嬉しかった~。
1997年 2月
*赤ピーマンのムース、トマトのクーリ
*トリュフのかき玉子赤ワインソース
*フォワグラのキャベツ巻
*野兎のシヴェ、クラシックスタイル
*ク・ド・ブフ
*甘鯛のポワレとズッキーニ
*苺のスープ
*クルミのカソナード
*ブラマンジェ
+94 Morey St.-Denis Blanc Dujac
+91 Nuits St.-Georges aux Boudots Meo-Camuzet
[AQ!]
K田H之夫妻に懸案のシドニー恩のお返し。
1997年12月
*チーズトースト
*新潟産ガンギエイとキャベツ
*オマールのテリーヌ「ダニエル」
*野兎のシヴェ
*仔羊の黒オリーブ風味
*洋梨のコンポート微温仕立て
*胡桃のカソナード
+78 Ch.Palmer
1998年 2月
*海老練込のシュー
*ヴォークリューズ産トリュフのかき卵
*地牡蠣のスープ、トリュフ風味
*黒メバルのポアレ、クルミオイル風味
*仏産ロニョン・ド・ヴォーの脂包岩塩ロティ
*苺のスープ、ミント風味
*ショコラのスフレ
+83 Ch.Ausone
[AQ!]
好調続きのコート・ドールだが、この日は頂点を感じるほど。ロニョンなど、すさまじい出来。窓寄りの席で寒気よけにへべには膝かけのサービス。
2002年 5月
*赤ピーマンのムース、トマトのクーリ
*穴子のテリーヌ、ピクルス添え
*青森産サクラマスのマリネ、スパイスがけ
*平スズキカリカリ焼きクミン風味カリフラワー
*コロラド産仔羊のロティ、蒸し焼きの根セロリ・人参・じゃがいも
*オレンジ焼き
+94 Clos St.-Denis / Dujac
[ヘベ]
ほんとうに久しぶりのコート・ドール。当日にふらっと出かけても貸し切り状態…なんて日もあったあの頃(1990年代前半)が嘘のような盛況ぶりだ。人によってはちょっとさびしい、と感じるくらいシンプルで控えめな内装・調度のこの店には、やはり客席のさんざめきによる華やぎがあると、なんというか、ぐっと映える。
斉須さんの料理は、以前のぎりぎりまで突き詰めたような凝縮感や緊張感のみなぎるものというよりは、もっと穏やかな印象。こういうのを円熟、というのだろうか。触れると切れそうな、人を弾くような鋭さのあった青年に、久々に会ってみたら懐の深いひとになっていました、みたいな。
うーん。この比喩だけだと誤解を招くかしらん。自分の中での印象はそんな感じだ、ということであって、皿の上にあるのは基本的には斉須さんのお料理なんですけどね。今年はしそのスープもいただきたいものです。
[AQ!]
すご~い、久しぶりになってしまった。だけど、その空気は少しも変わらず、大いに楽しむ。キリっと緊張した(外国に出かけたような)華やかさと家に帰ってきたような安堵感の並び立つレストラン…と言うと、此処とオハラスが双璧かなぁ、などと。
満席の客層がまた素晴らしい。この価格帯の「グランドメゾン」クラスで、こんなに多くの客が「食うぞ!」というハッキリした目的で来ているレストランは少ないでしょう。空気が違う。
「斉須料理長も齢50を越え、料理も変化してきた」というような表現を、近年、見る。私たちも、そうかもなぁ、と思った。漓江を川下りながら山や岩を眺めるに例えれば、下流に到って、丸みを帯びた自然体を呈する。…とか何とか、そんな。確かに、若いシェフの店とは違い、この店を今から食べてみようとすると、何処となく「途中乗船」みたいな印象も、皆無では無いのかもしれない。船は行く。誰の人生だって、時を刻んでいる。
… …などと言ってみたが、仔羊の皿が、シャペル的とゆーか自然な風の流れのような出来(めちゃ旨)であったのに、かなり引っ張られてる印象記かもしんない(^^;)。
それと、やっぱ、若者が、この店を「東京一のレストラン」と「だけ」聞いていきなり訪れて、穴子のテリーヌを値段を思い浮かべながら食うと、釈然としない思いを抱くやも知れないとは思う。その意味では「難しい」ことは難しい。
… …などと、ここで書いてると、釈迦に説法の愚もいいとこだな(^^;)。ワシらは「ウマーウマー」となおも呟きつつ、フワフワと帰りました。
2002年 8月
*銚子産鰯のパン粉焼
*赤ピーマンのムース、トマトのクーリ
*季節の野菜のエチュベ
*今治産オコゼの黄金焼、夏トリュフソース
*大社産スズキのカリカリ焼、オゼイユソース
*柑橘スープの白桃
*パッションフルーツのダックワース
*マンゴーのブラマンジェ
[AQ!]
Tヨと3人で。庭の見える昼のコートドールもいいなぁ。オトクな昼コースもあるのだけれど、アラカルトでドカンと行ったざんす。爆裂的に旨かった。たまには昼下がりのまだフレッシュな舌に食わせてやるのも大事かも(ワインのブラインドテイスティングなどやるとよくわかるのだが、昼の舌と夜の舌は、思う以上に違うもの…)。
再来週から改装夏休みに入るので、一応「見納め」ですな。
[ヘベ]
「酸」が輝くこの店の料理をいただくには、目覚めてまもない昼の舌もいいのかも…そんなことを思ってしまうほど、鮮烈だったこの日のコート・ドール。久々にいただいたエチュベがあらためてまた、しみじみ旨くて。オコゼ、圧巻でした。日本のフレンチで食べた魚で、ひょっとすると一番旨かったかも。
2003年 4月
*赤ピーマンのムース、トマトのクーリ
*季節の野菜のエチュベ
*茹で白アスパラガス、ソースヴィネグレット
*金沢産甘鯛のポワレ、ソースアンショワ
*カナダ産コート・ド・ヴォー・ポワレ、ニョッキ添え
*紅茶に泳ぐグレープフルーツと温かいマドレーヌ
*溶けるビスキュイショコラと柑橘ソルベ
+85 Gevrey-Chambertin / Trapet
[ヘベ]
宮殿の柱のように太く立派な白アスパラの豊潤さの前にひれ伏しました。
「ご機嫌さん」がトリュフ料理の決定版であるように、この一皿を食べたら今シーズンの白アスパラは満足、といったキモチになってしまうのでした。
[AQ!]
旬の話題といえば、この日の松下さんは寛ぎモードで、
「今年のトリュフ良かったですよね~。もう私もサービスしてて何度となく陶然といたしまして」
と冬の日を思い出して遠い眼差しでウットリとしてやがりました(^^;)。(まったく同感、だが、此処んちのトリュフ掻き玉子も食いたかったシーズンなり)
注:…とこの項をHTML化してる現在は2004年1月になっちまったわけだが、今シーズンのトリュフはひどいね~。いや、青天井で買った場合の質がヒドいかどうかは知らんけど、ヒトとしてどうかと思う値段ではないかどうか、と、、、
しかし何というか、松下さんはいいな~。レストラン同業者の方が、「松下さん大好きなんです」と言うのを聞いたことがあるけど、わかる感じがする。ただの、静かで穏やかでにこやかで引き気味な感じ、の人なんだけど。「コートドール」が「天下のコートドール」になるに従って、益々"いい感じ"を出してる気がする。いや、本人はそんなに変わってないかとも思うのだが。最初から現在の姿を見越していたとすると大した策士かも知れないけど、もっと天然ではあるんだろうなぁ。現在のコートドールは「マサオさんのコートドール」であるとともに「松下さんのコートドール」でもあると思う。また斉須さんはフロアについては「松下さんを見出すこと」に力を注ぎ(だかどうだか知らんが)それでヨシと見切ったことが素晴らしかったのだろう、ということもあり、これは斉須さんタイプのオーナーシェフの範となるのでは、などとも思う。
白アスパラは驚異的で脅威的でしたな。アレじゃ、しばらく、怖くて他の白アスパラ食えないわ。こーゆー単純なモノに、あーあー言うな、ってことはありますが、あーあー言っちゃうよ(^^;)。
この日の注文テーマは「春らしく」。仔牛、良かったね。
あ、そだそだ、そんでよ~、改装後の初お目見えだったわけじゃん、ワシら。ちょっとこの店では機能が曖昧だったウェイティングバー部分を整理し、スマートなエントランス感にして、その他コマコマと磨いて、また居心地良くなりましたな。上手にしはったと思います。
ワイン:
春先のレストラン、食事の注文と照らし合わせると、グランヴァンって感じでは無い。適宜な、ブル、かの~。
ワインリスト自体は、再びケッコー手厚くなりつつあると見える。
85GCはブレもあったのだが、まだ新着とのこと。この日の酒番は、何つーか独特のノリで、あまり積極的にお勧めを出してこないのだが、ネガティブ情報は随分開示的である。こちらの思った何本かの候補中で、「休養十分で状態が良さそう」ということでTrapetにした。
これは大当たりで、鼻をうつろいゆく妖艶の後ろ姿は、ずいぶん偉そうな酒と間違いそうだぞこりゃ、とワシらを喜ばす。変化もボディの入り具合も十分で、やはり85は一段高下駄を履いてます、ということか。飲み頃。
2004年 6月
*赤ピーマンのムース、トマトのクーリ
*函館産サクラマスのマリネ、カルダモン風味
*しそのスープ
*茹で白アスパラガス
*ロニョンロティのマスタードソース、じゃがいものガレット
*茶路産仔羊のロティ
*白ワインのゼリー
*マンゴーのブラマンジェ
+94 Ch.La Mission Haut-Brion
[AQ!]
お、6月だけど紫蘇のスープが始まってる。ラッキー。じゃそれを一つずつと、白アスパラは一皿を分けられますよね?
…と始めたが、「石井さんすいません、紫蘇のスープがあと一つになってしまいまして…。お分けできますが」。一つでも残っててラッキー。でも全体はどうしようかな…と逡巡して、アントレにプーレドゥを3つ、という変則攻撃になった。
何となく覚えのある桜鱒は前の日記を見ると「青森産サクラマスのマリネ、スパイスがけ」。函館と青森は似たようなもんだが、今回のは、桜鱒の上にセルリと胡瓜を1cm角くらいでマーブルに貼り付け、そこにシブレットとカルダモンがふんだんにかかっている、という仕立てで、鋭角的な酸が魅力的だ。これは絶品、そして、よくもこう攻めてくれますね斉須さん、と嬉しくなっちゃいました。緩みませんねぇ。手離れがいいですねぇ。アタリマエなことである・やりたいからやっている、のが不変ですね。安全策でない。
それにしても、紫蘇のスープが残り少なくなってたお陰の方針変更で飛び込んできた桜鱒、うーんラッキー。紫蘇のスープも、クレムの方が切れたのか、糸瓜はたっぷりとオマケ(?)されました。
茶路って何処じゃい、「北海道の東・釧路の方・阿寒とかです」、へぇ~そうですか。…で、今見てみると、白糠町内の地名なんだね。白糠町茶路。白糠とゆーのがコートドニュイで茶路とゆーのがヴォーニュロマネ、そんな感じか。
デセールがまた偏って売れてしまったとかで、今日はこの2種しか残ってません。
ってんでこの2種だけど、これも他が売り切れてて、ある意味良かったかも。「白ワインのゼリー」なんて、“名乗り”を見ただけだといつまでも頼まないかもしれないから。
さっき食べたロニョンと響き合うかと思うくらい、濃厚というか艶を秘めた爽やかさのゼリーだ。小樽ワイン「ナイアガラ」(ちょっと飲ませてもらったが、葡萄の匂いのたっぷりした面白いもの…酒としてはまぁアレだが)を香り付けに使うんだとか。
ボクらの後にも2卓くらい入店してたんだけど、終演はウチの卓が一番最後になってしまった。ってこともあって、珍しく松下さんとダラダラ話。
「Lさんが亡くなるちょっと前にいらっしゃいまして。陽気でいい方でしたが、今にして思うと、ちょっと空元気のようなところもありましたでしょうか。東京に店を出す話もあったらしくて、“おい、俺も東京に「C.D」って店名で出してもいいかね、ガハハ”…、え、いやそれはちょっと…(笑)、なんて楽しく話していたんですが」
「今は茶路が気に入って使ってますが、本当はシストロンが入ればねぇ…。やはりシストロンを食べていただきたい。入って来ないのが寂しいです。スペインはいい加減なせいか、イベリコは幾らでも入ってきますね。ピンからキリみたいです、どこがイベリコなんだ??みたいなのから…」
「アメリカは肉はいいものがあるんですが。太陽が燦々として良さそうなイメージなのに野菜は本当に駄目だそうです。ウチにいらっしゃるKの先生がよくおっしゃるんですが、都会でも田舎でも本当にマズいって。日本に帰ると野菜が美味しい、と」
「ヨーロッパの野菜は最高ですね。ウチの斉須も、ヨーロッパの野菜で作る料理が油彩とするなら日本の野菜は水彩になってしまう、とよく言います」
「(向こうやこっちのレストランの話あれこれあって)ブラス洞爺は本当に極端ですね。良く言う人と駄目だったという人と。やはり石井さんがおっしゃるんだから美味しいんでしょうね」「大好きですよ、でも好みが激しく分かれるのは本当にそれはその通りだと思いますよ。エキセントリック(笑)だから」
「えー、アオリイカのオレンジソースですかぁ、懐かしい。そうでしたねぇ。美味しかったですよね。もぅぜ~んぜんやってないですよ。それから、モンブラン、ありますでしょ石井さんは勿論食べてらっしゃいますよね、アレも最近はやらないんですよシェフ。やっぱりこうやって少しずつ変わってしまうんですよね。もうなかなか見られなくなりますから、語り継いであげてください。(はい、客に出来ることはせいぜいそれくらいですから…)」
「そうですね“白ワインのゼリー”って単純な名前で。でも私、見ていますと、シェフは単純な名乗りの料理を出してきたときの方が傑作が多いようにも思いますよ」
[ヘベ]
松下さんと珍しくもダラダラおしゃべり、楽しかったねー。そういえばフロアには珍しくメートレスが一人入ってました。
「ここでしか絶対に食べられない料理がある」ことが、やはりコート・ドールを特別な店にしているんでしょうね。しそのスープも、桜鱒のマリネも、ほかではこの料理にはなりえない。…でも、シンプルなホワイトアスパラガスもどこよりも強く香り立ってほろ苦くって、あちこちで食べるくらいならやはりシーズンごとにここで食べたい、と思わせる説得力があるし。ホワイトアスパラは、ここで食べるまでは正直言って、フランス人が何故あれほどお祭りモードになるのかよくわからなかったのが、ここで食べて霧がみるみる晴れていくようにというか、すとんと腑に落ちました。そういうことだったのね、と。
ロニョンも、こういうのに出会うからやめられないな、と思っちゃいます。深いマスタードソース。まわりに少し脂を残してロティしたロニョンの断面の美しいこと!
[AQ!]
そういえば白アスパラは、一度ボルドー産が出終わり、今は再度、イタリアからの入荷だそうで。
2004年12月
*赤ピーマンのムース、トマトのクーリ
*豊前カキのグラタン、カレー風味
*ハタの天火焼、ラヴィゴットソース
*白子のパイ包み焼き、じゃがいもグラタン、ローズマリー風味
*ガンギエイとキャベツ、シェリー酢バターソース
*新潟産青首鴨のロティ、下仁田葱
*ショコラのマルキーズ、珈琲ソース
*サヴァラン・クラシックとアナナ
+99 NuitsSt.Georges Les Chaignots / H.Gouges
[AQ!]
下仁田葱のガルニは新潟鴨。…って感じ?(笑)。すげ~。
豊前は北九州にある地名。
[ヘベ]
ようやく冬らしくぴりっと寒くなってきた年末。今年の食べ納めはどこにしようかと数軒電話する中で、ありがたくも予約が取れたのがコート・ドール。ベンチシートの一番端のいつもの席…今夜も最後の一卓だったようだ。
20時、いや19時半からお願いしますと告げたところ、「ひょっとするとその頃には終わってしまっている料理があるかもしれませんが」と案じてくれたんだけど、まあその時はその時だよねとAQ。残っているのは牛のしっぽかなぁ、茶路の羊かなぁ、ヤガラなんかあったら売切れだよねなどと妄想しながら長いオーバーに手袋と防寒フル装備でいそいそと出かける。
食前にシャンパン。卓上にグラスをそっと置くメートル松下氏のいつもながら控えめで落ち着いた物腰に見とれつつ、「シャンパンのいちばん似合うメートルドテル大賞」なんてものがあったら断然さしあげたい、などと妄想する。長身に丈高いグラスときめ細かな泡がよく似合う。黒服じゃなくて一段おさえたトーンの灰色なのがまた、この人らしい。
何個目だろうか、ここでいただく赤ピーマンのムース。そしていつも思うことは、トマトのクーリの重要性。これがなければ、成り立たない。一時はあちこちの店で見かけるようになっていたこの料理だけれど、流行はいずれ終わり、真のスペシャリテだけが同じ居場所でひっそりと輝きつづける。
カキにはカレーがよく似合う。こんがりと黄金の焼き色に覆われたグラタンも乙な仕立てで、食べやすい。二人で二個ずつにして、前菜の序奏とさせていただく。
白子はパイの器にジャガイモで蓋をしてこんがり焼いて、さらに別添でじゃがいもグラタンというしあわせな取りあわせ。イモが旨い。ソースのしみたパイが実に旨い。
ハタの天火焼きはラヴィゴットソースで。しっとりとした白身にソースの酸味。どことなく乳酸発酵したような高菜漬のような風味を感じたけれど、オリーブケッパーピクルスなどを使用、とのこと。混ぜてちょっとおいたらこうなるのかな?
本日のエイキャベツは、キャベツがこんもりとフレッシュな感じ。AQが後で調べたところでは、ちりめんキャベツじゃなくて日本のキャベツでするときの別バージョンと思われ、これはこれでいい感じ。この料理のエイは天使のように清らかで高貴。
圧巻だったのは青首鴨…の上に鎮座まします下仁田葱。この皿は完全に下仁田葱様のためにあり、極上の肉質の青首鴨さえも葱様のガルニのようだ。素晴らしい葱。
[AQ!]
ムワっと、ムホっと、香り立つ葱!
鴨は新潟の網取りで米食って育ってるモノだっけ(宮城や滋賀もある)。最近は仏料理でもよく見かけるんだけど、旨い。旨いんだけど些かの疑問もあって、何かこの手の鴨は浅草の「壽」みたいな食い方が最強じゃバーン!、って感がなくはない。ああいう瞬間に肉の味を昇華させるような火入れ。
それとは違って、仏産鴨の血を閉じこめるようなムワっとしたキュイソン…、例えばそんなんがやはり仏料理鴨の王道の食感ではある、やも。…ってゆーか、旨いとこをあまりにも下仁田に貢ぎすぎた?(笑)
エイキャベツ。調べたっつうか、久しぶりに「十皿の料理」を紐解いてみたら、日本では入るモノの都合で、「縮緬キャベツの場合とつるつるキャベツの場合がある」、とあった。もしかして、初めて「日本風つるつるキャベツ」版に当たったのかなぁ?
まさに「これはこれで」旨くて、食卓では“新工夫?”、とか言ってたくらい。
ハタのラヴィゴット。ヤヴァい(笑)。ぎりぎり。結構ぎりぎり。フランス料理、しかもフランス料理店の前菜の味覚として危ういとこすらある。焼鯛をむしって高菜と和えたみたいな料理だ。
へぇ、そうですか。ワシっ。ああ、酸っぱくて旨いな。ワシワシっ。しかし度胸あるもんだ。ワシワシワシっ。しかもさ、皿一面コレだもんな。ハタとラヴィゴットソース、逃げ場なし。ワシっ。
ワシャワシャと食ってると皿は綺麗になって、「うめぇ~」。段々と名菜じゃないの、コレ、って気がしてくる。また食いたいよ。スペシャリテだね、こりゃ。
コートドールはスペシャリテの宝庫。看板が一杯。「ああやって、看板料理で勝負できる、といいですよねぇ」と嘆息する同業者も少なくない。
マサオさんはスペシャリテ作りの名人。そりゃ例えばその秘密の一端はさ、ガルニも何にも無しの真っ直ぐ勝負だけで皿を埋め尽くし、量的にもゴーンと盛って、行って来い!、と勝負する技法にもある。
だからと言って、やっぱ、それを真似ただけで、“スペシャリテ製造機”になれるってもんではないだろうなぁ(^^;)。気迫、気力、その人の資質。
…。翌朝がくる。ああ、あの酸っぱいハタ、また食いてぇ~!
2007年10月
*赤ピーマンのムース、トマトのクーリ
*ポルチーニ茸のフリカッセ
*エスカルゴのパイ包み焼き、銀杏・零余子・小玉葱
*長崎産クエ棒切りの蒸し上げ、マスタードソース
*茶路産仔羊ロティ
*モンブラン
*サヴァラン・クラシックとアナナ
+01 Volnay Les Caillerets / J.Boillot
[AQ!]
ポルチーニとモンブランは極致!…の一品。
ナレとか来たのかなぁ。オシゴトだからしょうがないとはいえ、此処を2つ星でガニェとかロブションに3つ付けなきゃイケナイの…って、イヤだろうねぇ。
相変わらずこれで5万円以内におさまる。今となってはこの満足度で、安いだろう。
[後日談]
↑…とこの時は呑気な笑い話に興じていたものだが、件のガイドの実物が出てどうだったか…は、周知の通り。
何がどうしてどうだったもんなのか?…についてはまったく知らんが、などあって、「なんだか訳のわからん本」という評判となり・翌年からはサッパリ売れませんでしたとさ…というのも、ご承知の通り(笑)。
2009年 4月
*チーズトースト
*Etuvee de Petits legumes a la coriandre
季節の野菜の煮込み冷製 コリアンダーの香り
*Escalopines de sakura masu fumee tiede, ravigote de radis
青森下北産桜マスのくん製 紅芯大根と共に
*Asperges Blanches tiede a la vinaigrette
茹で上げホワイトアスパラガス ドレッシング・ソース
*Blanc de matsugawa-garei meuniere "du carry"
福島産マツカワガレイのムニエール 貝のソース
*Queue de Boeuf Braisee en Crepine
牛の尾っぽの煮込み 赤ワイン・ソース
*Marquise au chocolat
チョコレートのマルキーズ
*Far Breton et sa glace
ファー・ブルトン アイスクリーム添え
+02 Pommard les Grands Epenots / Vincent Girardin
[AQ!]
なんか今晩はノリノリの松下さん。明るい。
ボクらがカメラを持ってるのを見ると、
「そうだそうだ、折角ですから記念撮影しましょうしましょう!」
…の指揮で、はいチーズ(笑)。メニュー(のコピー)もお持ちくださいね。
「あ、お時間大丈夫ですよね、ちょっと待ってください、シェフも呼んできます!」
うぉっ…と、アリガタイ限りだけどこんなノリを見たことなかったので、目を白黒(笑)。コートドールには何回も来てはいるけど、斉須さんに会って話をしたのは2回くらいだけ。まして、“一緒にお写真”なんて、初めてですわ。ビビルやんけ(笑)。
…んー、でも、改めて考えると、年輪…ですか、店もシェフもサービスもこちら客も、年月を積み重ねてくると、…というあたりで、松下さんの思うところ感じるところ考えるところがあるんだろうなあ、と。クール・ハンサムに見えて温性の塊りのような松下さんの。
聞き書きのような形の幾冊かの書で広く世に知られるようにもなったが、斉須さんの語り、ボツボツとしてそれで明るく前向きな…は相変わらず、とても面白い。
「ボクは料理のこと、材料のこと、何も知らないんですよ。マツカワガレイ…も教えてもらってビックリしまして。使ってみてるんです」
「あ、桜マスですか、以前にもお食べになった? ええ今はあのように。色々やってるんですが(笑)」
「ああハタとかですか、ありましたね。古漬とか発酵臭さ…のようなものも面白いですね、ボクはラヴィゴットソースなんて知らなかったんですよ、帰ってくるまで(笑)」 (「へえ!」)
そして話は、生活とか身体とか長い年月から湧き出してくる味のこと、その味と自分のこと。そこから思う「最近流行の」料理(の幾つか)はアアシタものはどうなんでしょうか…というようなこと、などに進んで行く。
息をするのも忘れるほど(笑)、シェフの話に吸い込まれる。
ところで、コートドールのこれも一つの、それこそシグネチャーか(笑)…な「手書きの品書」。コクコクッとした字が、朴として美しい。
改めて見ると、その文字と料理の照り映えの具合が、もう、年月とともに記憶の層に刻まれているのだなあ…と自覚せずにはおれない。
2011年 7月
*赤ピーマンのムース、トマトのクーリ
*梅しそのスープ
*ヤガラのロースト・海老ソース、焼ブロッコリ
*Queue de Boeuf Braisee en Crepine
牛の尾っぽの煮込み 赤ワイン・ソース
*ルバーブのスフレ
+97 CM VV / Fourrier
[AQ!]
熱帯国(^^;)の夏本番。
ウェイティングで手提げ袋から上着を出そうとしたら、
「あ、いいですよ石井さん、この季節は上着無しの方も多いです…(笑)」
売り切れが、甘鯛・太刀魚・仔羊。
注文は、大々定番…って感じか。それぞれに、“あらためて”それぞれ美味いものよ、と再確認。
クドブフは、昔より「塩気、一歩下がれ」だろうが、(なのに)よりスケール感をユッタリ感じさせる仕上がり。
前菜・デセールが気分的に、「二人同じもの」…になったせいもあって、更にオトナーな感じの夏。
ゴツいソムリエの彼氏も、結構こちらに長くなってきたな。
此処のフロア…って、何となく「松下さん好み」な統一感があるのも、良いのですねえ。
2014年 2月
*冷製季節の野菜の煮込み コリアンダー風味
*Oeufs brouilles aux truffes a la vigneronne
ヴォークリューズ産黒トリュッフのかき卵
*Croustillant de bar braise a la moutarde
高知室戸産平スズキ 皮つきかりかり焼き マスタード・ソース
*Queue de Boeuf Braisee en Crepine
国産牛のしっ尾の煮込み 赤ワイン・ソース
*Souffle aux mikans d'Odawarat
小田原ミカンのスフレ
+99 NSG Les Cailles / Bouchard
[AQ!]
かなり久しぶりだが、「めいめい」にかき卵(笑)。
やっぱ、トリュフ、、、は偉大なる大好物だが、「この料理で食えば、いっか」…と思うほどの料理。
白は、ケバいし俺様だし料理的でない。
黒は、肉や魚ともよく合うが、その場合こちらが献身的になってしまう。
トリュフを最高に楽しむには、、やはり煎じ詰めていくと、黒をウフ・ポワロ・セルリラーヴ・ポムドテール、、、
だが、卵とは格別だな、やっぱ。
そして、この、赤ワインソースが!
クドブフは、ますます優しくなってきました。
[ヘベ]
野菜のエチュベをアミューズで、というところから王道ですね。
やっぱり、かき卵はめいめいでないとダメですね。家庭の平和のためにも(笑)。トリュフ自体を満喫するなら、やっぱりこの料理。ああやっぱりこんな感じで黒トリュフが、ゴリゴリ噛んで、歯にはさまるくらいの勢いで入ってないと…(違)。
2016年 6月
*赤ピーマンのムース、トマトのクーリ
*Escalopines de sakuramasu fumees tiede, ravigote de radis
函館産サクラマスの燻製 紅芯大根と共に
*Etuvee de petits legumes a la coriandre
冷製季節の野菜の煮込み コリアンダー風味
*Filet d'okoze dore au vert
山口宇部産オコゼの黄金焼き グリーン・ソース
*Pigeon roti aux choux braises
ランド産仔鳩のロースト 新キャベツ添え
*甘夏ミカンのスフレ
+99 Nuits-Saint-Georges 1er cru "LES SAINT-GEORGES" / Chevillon - Chezeaux
[AQ!]
サクラマスの、口の中での“膨らみ”。
オコゼは生涯No.1虎魚か…とすら。(レバー、胃)
力感、スケール感、近年で最も芯を食った印象の一夜。
「スーシェフ以下の現在厨房体制、調子いいんじゃないの?」
とかシツレイな邪推が飛び交うほど(^^;)。
松下さんの口上によるサーブスタイルが、
「基本、すべてプーレドゥでOKですよ」
になった。これは、ほぼお互いトクだし、現況少なくなってるアラカルト・ドゥプラ・フレンチの行き方としてもwin-winっぽいかな♪
[ヘベ]
記憶の中の一皿一皿が、輝きを放ってます!
いやー、この夜のコート・ドールは心に残る素晴らしさでした。
分厚くtiedeなサクラマスをひとくち食べると、パァーッと広がるスケール感。近年使い続けてこられたサクラマス、大きな料理になったなぁ…と見上げるような心持ちでした。
そうそう、オコゼ!
聞いてみると全身サイズは巨大というほどでもなかったそうなんですが、だとすると、驚くべき肉付き。しっとり豊かな身質。レバーと胃の旨いこと。
強い魚を、強い料理でいただく喜び…。
ガルニのキャベツに釣られて頼んだ(失敬な!)仔鳩も、きめ細かな胸肉がぷるるん、しっとりと焼きあがっていて素晴らしかった。これまた内臓各部位があって、うれしい。もちろんジュの旨みを含んだ新キャベツも絶品。
プーレドゥにしていただき、どの皿もいい状態でいただけたのも幸せ度アップに貢献しているかも。
いやー、よかったなー。
2018年 3月
*桜海老のグジェール
*Oeufs brouilles aux truffes a la vigneronne
ヴォークリューズ産黒トリュッフのかき卵
*Escaropine de nodogourot rotie au Coulis de Fukinoto
静岡舞阪産ノドグロ天火焼き フキのトウ・ソース
*Agnearu de Sisteron roti, gratin dauphinois
シストロン産仔羊のロースト ポテトのグラタン
*Souffle au Caramel - patate
焼きいも餡入りキャラメルのスフレ
+07 NSG Les Bousselots / R.Chevillon
[AQ!]
息をのむような、腰が浮くような、超越的な、ものすごい美味しさ!
怒涛のようであり、動かざること山のようでもある。
それはあまりに見事であり、あまりに華やかであり、恐ろしい水量を湛えている。
そのことと、松下さんの言葉が重なることもあり、ひょっとして…的な思いが、追って浮んでもくる。
近年は、偉大なるマラソンランナーのようだったコートドール。
そのことは間違いないのだが、今晩は再び、短距離のアスリートにかえったようなバイタルさが重なっていた。
偉大なるマラソンランナーは、ひょっとしてそろそろ、メインスタジアムに帰ってきたのではないか?
最後のトラックのスパートが始まっているのではあるまいか?
…この邪推が当たっているとしても、それは悲しむことでも喜ぶことでもない。
ただ、今年は、コートドールに来よう!…と思ったワシらなのであった。
それにしても、ノドグロの焦がしバター蕗の薹ソースは恐ろしい代物。老若ともに、出来そうで出来ないポイントだよなあ、此処。
かき卵は20分、スフレは7分の「専任」。
ワインはいつものソムリエが「もう決めてた」感じ♪
ラシェブラのメートル氏はこちらへ(出戻り)。…あ、そうだったのかw。
2018年 7月
*赤ピーマンのムース、トマトのクーリ
*Creme glacee "Emmanuelle" aux ficelles
冷製 梅干しと大葉シソのスープ
*Etuvee de petits legumes a la coriandre
冷製季節の野菜の蒸し煮 コリアンダー風味
*Effeuillee d'aile de raie au chou
函館直送カスベ茹で上げキャベツ添え シェリー酢バターソース
*Noix de ris de Veau Braisé au celeri rave
フランス産仔牛の胸腺肉蒸し焼き 根セロリ添え
*Souffle aux Pruneo ameres
落ち梅のスフレ
*ミニャルディーズ
+07 Chambolle-Musigny / Arnoux-Lachaux
[AQ!]
美味しさを前に涙ぐむ。これは最高のコートドールか。
完璧だ!…の声を飲み込むような、これが全てである…感。
始まりは終わりなのか、終わりは始まりなのか…。
エチュベドレギュームは2年ぶり、紫蘇スープは7年ぶり、aile de raieは14年ぶり…、かな。
ウチのペースはこんな感じだけど、この次の14年を待つのは難しいだろうな、、、。
近年いただいた中では、頭抜けたリドヴォ。
来月、厨房スタッフの改変があるらしい。
2019年 1月
*桜海老チーズトースト
*フランスヴォークリューズ産トリュッフのかき卵 ワイン・ソース
*大分産ヤガラのロースト ポロ葱のフォンデュ
*国産牛のしっぽの煮込み 赤ワイン・ソース
*キャラメルのスフレ
+96 Volnay Santenots / Robert Ampeau
2023年 8月
*赤ピーマンのムース、トマトのクーリ
*Creme froide "Emmanuelle" aux ficelles Jaunes
梅干・シソのクリーム・スープ 糸瓜を浮べて
*Terrine d'anago au cornichon
穴子のテリーヌ コルニション添え
*Queue de Boeuf Braisee en Crepine
国産牛テールの煮込み ワイン・ソース
*Souffle d'ananas "Mickenzie"
パイナップルのスフレ “ミッケンジー”
*Peche Blanche en The d'agrumes
柑橘茶に泳ぐ白桃
+16 NSG / Lecheneaut