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第二章「妻の旅路」のあらすじ要約作品
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第二章「妻の旅路」 あらすじ要約コンテスト「大賞」発表 のお知らせ
この場で、みなさまから寄せられた第二章あらすじ要約作品を発表して行きます。
・ネコガスキーさんから送られたあらすじを追加しました。
・Takepom!さんから送られたあらすじを追加しました。
・M.Iさんから送られたあらすじを追加しました。
・J.Kさんから送られたあらすじを追加しました。
・坂本浩二さんから送られたあらすじを追加しました。
・L.Yさんから送られたあらすじを追加しました。
・望月 眞さんから送られたあらすじを追加しました。
☆第二章「妻の旅路」 あらすじ by ネコガスキー
1)特別な日の特別な料理には普段使わない皿が使いたくなる。
2)レシピ通りに出来なくても必ずしも失敗という訳ではない。
3)廉い食材はコピー食品の場合もあるので注意しよう。
4)料理中のつまみ食いは肥満の元なのでほどほどに。
5)同じ食材でも思い浮かべる料理が異なることは多い。
6)子供の食欲はしばしば親の予想を超える。
7)映画の料理が本当に美味しいとは限らない。
8)真夏に放置された米櫃や鍋の蓋を開けるのは勇気が要る。
9)料理の種類よりも栄養のバランスの方が重要だ。
10)空腹に勝る調味料は無い。
☆第二章「妻の旅路」 あらすじ by 吉川邦夫
第2章要約 七五調編
旦那が帰ってこないから結婚記念日3回目ディナーセットを並べます。
思い出します香港で旦那が買った龍の皿。
店の親爺は広東語「九龍城」とか言いながらくれた紙には謎がある。
「だからも一度香港に行きたい」などと、何アンタ
考えてんの、ばかやろと言ったら旦那は家出した。
四男鉄平泣きわめき、三男賢三あやします。
長男洋一次男の幸治、旦那探しに出たけれど、なぜか小猫を連れ帰る。
ほんで翌朝旦那から電話があったら背後から皿の金龍ウインクし
雲がぼこぼこ湧き出でて異界と化した台所。
子猫は虎に変身し、龍の逃げ道追いかける。
電話で「龍の道をいけ…」そういうあなたは無責任。
「子供を捨てテ家を出ナ」なぜかまた出た金龍が、そそのかすのも上の空。
ラブクラフトを拾ったらビタクラフトになりました。
蓋を開けたら血の池地獄、旦那に甲斐性がないからよ。
(だいたいこの龍何者だ。ドコゾの新興宗教か?)
血の濁流の源でメートル搾るカモノハシ。見上げりゃ空に顔がある。
だけどこの血はニセモノだ。鍋もほんとはハリボテだ。破って出たら、物置だ。
芝居の小屋の鏡には私の旦那が映ってる。だけどその声聞こえない。
振り向けばあの空の顔、骨董オヤジが金ピカのビタクラフトを持っている。
鏡に映るその手には不思議や銀のビタクラフト。
「世界の終わりも始まりも、金と銀とのビタクラフト」
2つの鍋を合わたらピカッと光って気が付けば自宅の前におりました。
家に帰ると妻がいない。
私の旦那が帰らない。
旦那意識と妻意識、重合反発合体か。あの泣く声は鉄平ちゃん?
違うその顔、鍋になり、鍋の底には龍がいる。
「今の世界の始まりに、神様、金銀鍋により人と出し汁作ったが、
人は世界に捨てちゃって、出しを隠した九龍城。だから世界は未完成。
人の憎しみ殺し合い、そういうわけでいつまでも続く」と言ったその龍は
さっさと天使に変身し、飛び去りましたさようなら。
私は何か忘れてる、とても大事なことなのに。
シュっと縮んで洋一が穀象虫になりました。
私のまわりをハチドリが凄い速さで飛びまわり、すでに光速超えている。
それじゃ時間と空間が歪みますよね歪みます。4人の息子が私の腹に
戻ってよけいに重くなる。縮んで縮んで重たくなって、
ブラックホールになっちゃうわ。「助けて!」「大きくなりましょう」
どんどんふくらむ私たち。けれど天使も巨大化し、私と天使は太陽と
周りの恒星包み込み、銀河も取り込み星雲食べて、あっという間に全宇宙。
銀器が並ぶテーブルに、ワイングラスも一級品。この光景はいつか見た
宇宙の旅ではなかろうか。肉もワインも偽物だ。黒光りする石盤に
見たこともない風景が写る時代は江戸の町。テカテカ光る石盤に
今度はアステカ神殿が、生け贄殺す神官の儀式のナイフが階段を
コロコロ落ちて私の前にピタリと止まればこりゃまずい。
神官私の腕を取り、恐怖の階段引き上げる。そこに出てきた虎「やあやあ
崑崙からの迎えだ」と、神官の腕噛み切り、私と、なぜか店主まで
背中に乗せてまっしぐら、砂漠を走り崑崙に、たどり着いたは夢のよう。
だけど毎晩見る夢の意味はいったい何だろう。夢で私が米櫃の蓋を開けたら鏡から
九龍城の方角に走る光が見えたので、旦那がそこにいるのなら、きっと鏡は通信機、
龍はレールで虎はバス。龍虎に乗れば必ずやたどりつけるぞ九龍城。
夢を信じてわたくしは竜虎のバスに乗りました。
着いたところは龍城路、運転龍がじゃんじゃんと大きな音で鐘鳴らす。
九龍城からぞろぞろと出てきた何千何万のジジイの顔はどのツラ見ても、
骨董店主のオヤジ顔。「全部の符号が一致して、世界が創りなおされる。
そのときおまえは最愛の亭主と再会できるはず」ぬかしてジジイ消え失せた。
うろうろ歩いてガキに会い、その母親のデブいわく「案内するヨ九龍城、
ここはモグリの歯医者だヨ」入った白いその部屋にあるのは黒の石盤だ。
「スネークヘッドの親玉ヨ」その部屋もまた同じこと。どこへ行っても同じ部屋。
「だけど本当の石盤は、たったひとつ」と繰り返すババアに急にド突かれて、
石盤通り抜けたなら、なんと何千何万の私が全部の部屋に居る。
これが符号の一致ならきっと私は確率論で夫と再会したのかどうか
なんともそれは不確定。
家で旦那と話しても、私は悩む大切なことを忘れているようで。
ジェームズ名乗る龍ヶ崎先生いわく「まあコレは、家族療法デスからね、
ご家族全員集まっテ」たしかに家族は揃ってる。壁から虎と龍が出た。
大白兎も飛び出した。変な兎のかけ声で一家全員飛び跳ねる。
空と大地を往復しつつ、見れば兎は骨董屋。「みんなひとつに束ねるぞ。
猿から魚まで退化しな」鼠の次は両生類、魚になった私たち、
しまいに川に飛び込んだ。「タマゴで悪イか」拗ねるのは何の因果かカモノハシ。
言葉が泡になる世界。「泡とは確率論的に存在している世界です。
それらは全部現実だ。あなたはどこに行きたいか」
「デズニーランドに行きたいな」これが私の息子だと?私は花の女子高生。
握りしめたる神官の腕で殴るはカモノハシ...
巨大メートル立ち並ぶ暗黒世界になりました。
腕は空飛び神官の元の体に戻ります。仮面が落ちたその顔は、毎度おなじみ骨董屋。
「やっと搾れるカモノハシ。こんどはわしに目をくれや。料理ができた暁にゃ
食い尽したるこの世界」酔って血迷うオヤジめが。「あとひと搾りカモノハシャ
血をくれそこのカモノハシャ」私はおなかが空いている。4つの命が回転し
ブラックホールを作ります。洋一変じて朱雀なり、次男の幸治は玄武なり、
三男賢三白虎なり、四男鉄平青龍に、変わった四神に飲み込まれ、
世界は消えて無くなった。四神ばかりかおのれまでブラックホールが呑み込んで
空腹だけが残ってる。確かに私は空腹だ、だから私はここにいる。
「デザートのおかわり、いかがです?」
世界が再び始まった。
☆第二章「妻の旅路」 あらすじ by Takepom!
溶け込んだ皿を残して鉛蓄電池の硫酸濃度のように世界から剥がれ落ちた。
女神の軌道が春分点を超える時だった。
冷く脈動する圧縮機が工房をうち崩すと、内蔵を露出させた腐った魚が寝台の上で踊り出す。わたしは橋を渡った。
人の作った神の複製は、人だった。
グラスに注がれたビールの泡は宇宙の縮図だと言っていた受像管の映像。贋作だけの世界では、贋作こそが真であり、真は贋作である。世界では人は抜け殻になる。
灰色の中の停車場で髪を濡らしている猫が扉を開けて筺を飲む。石から吐き出された糸は果てしなく視界を遮り続ける。
扉を閉じた瞬間に、それを後悔して、夜通し泣き続けた事があった。双曲線の果ての世界が動く苔を待つ。
私は飛び出したかったのだろうか? 抜け落ちた髪が頬についていた。
☆第二章「妻の旅路」 あらすじ by M.I
(主訴)混乱する
(現病歴)主婦。4児の母。生来健康であった。結婚記念日の数日前に夫とささいな
ことで喧嘩になり、夫が一時的に失踪している。3回目の結婚記念日の午後(ちなみ
に4児の母でありながら、3回目の結婚記念日であるということは、結婚記念日は2
月29日であると思われる)、夕食の準備中に、急性の錯乱状態に陥る。意識の減損
、幻視体験を伴い、夢幻様状態にて自宅周辺を徘徊するが一端回復し自宅に戻ってく
る。その直後、自宅内にて夫との身体融合という特殊な身体感覚を主とする幻覚体験
に再び陥り、4人の息子が胎内に戻ったという発言や三男を天使と見誤ったり、16
世紀のメキシコから昆論、九龍城へ移動するという発言等を認め、時間、場所、人物
に関する見当識の著しい混乱を認めた。夫が「おい、遅かったな、夕飯はまだか」と
話しかけると、ごく自然に「ごめんね。今日は特別の日だから、思いきり豪勢なご馳
走を用意しようと思って。器は嫁入りのときに持ってきたとっておきのディナーセッ
トで、ずっと試したかった北欧風のテーブルセッティングをしてみたのよ」と返答を
するものの、ぼんやりして目の焦点が定まらない様子に異変を感じ、夫と4人の子供
同伴にて龍ヶ崎家族療法センターを受診。子供らの指摘では、本人はドラッグで廃人
の状態であったという。診察時には、脳と背が縮み視力が回復していくとか、自分は
カレシいない歴16年の花の女子高生であるなど退行的な言動が目立ち、うさぎが迎
えに来た、血迷ったアステカの片腕の神官がカモノハシの血を絞っていると興奮して
わめいたかと思うと突然静穏になり、著しい空腹感を訴えて自分は今レストランで夫
と食事をしていると主張し、ナイフとフォークを使うまねをしたりして支離滅裂で意
思の疎通はとれず病識を欠き、急性の錯乱状態と考えられた。龍ヶ崎先生は困ってし
まってとりあえずウイキョウの根の煎じたものを処方した。
(診断)急性の発症であり、視覚、聴覚、体性感覚領域など幅広いモダリティの幻覚
を認め、見当識の著しい乱れを生じており、また子供らの指摘からも覚醒剤等の急性
薬物中毒である可能性は高い。薬物使用歴について家人よりの詳細な情報を得れば、
急性薬物中毒の診断、原因薬物の特定は困難ではない。
(治療、予後)急性の錯乱状態にはカウンセリング、ウイキョウの根は無効で、迅速
な抗精神病薬による治療が不可欠であり、健康保険の適用範囲内である。この時期の
行動に自傷他害の恐れがあれば精神病院への入院治療の適応となり、場合により隔離
拘束などの処置が必要とされる。薬物への反応は通常良好で、幻覚妄想は1週間程度
で消失する。覚醒剤に限らず一般に薬物依存者は薬物の再使用率は高く、薬物再使用
の予防、社会復帰において家族療法的なアプローチは重要な意味を持ち、今後龍ヶ崎
先生の責任は結構重大だったりして、、
☆第二章「妻の旅路」 あらすじ by J.K
料理の才能が無い妻は貧祖な食卓を食器で誤魔化そうと画策。ふと、妻は夫が香港で買い込んだ皿の事を
思い出す。帰宅した夫とその皿話がこじれて夫婦喧嘩勃発。夫が家出。急遽編成された「ちびっこ父親捜
索隊」が子猫を捕獲し無事生還。当初の捜索目標物自身から電話が入り妻一安心。一部始終を絵皿の家政
婦もどきの龍は見ていた。
皿を通って住居不法侵入した龍は他人様の家を勝手に模様替え。環境にいち早く適応した子猫が虎に倍速
進化。ここで一服、龍と虎のにらめっこ。龍の負け。退散する龍の背の上を魚もくわえずに虎が駆けて行
く。電話の主から退散した龍の道を行けとの指示が有る。無茶な指令に妻しばし混乱。藁をも掴む思いで
皿絵の龍に人生相談。欲しい回答が得られないまま、周囲の環境変化は着々と進行。やがて進化を遂げた
中身ラブクラフト、外見ビタクラフトの中に妻、はまる。早めに気を失ったのは不幸中の幸いか。
血の池地獄のビタクラフト内で妻は自分の不幸な運命の原因を夫の性格と決めつけるが、龍に自分(妻)
の性格が原因と諭される。逆上した妻の反論は要領を得ないが精神状態は環境に正確に反映され、メート
ルによる生カモノハシを素材にした鮮血ソースの3分クッキングがいきなり始まる。妻、少し「うっと
り」。やがて妻、少し冷静になり、自分の居る鍋が実はハリボテの篭だと気付く。篭から脱出した妻は外
に有った鏡の中に夫の姿を認めるが、話の本筋は骨董屋の店主の持つ金銀のビタクラフト。金銀のそれら
が融合された瞬間妻は一時帰宅する事が出来た。
帰宅した妻の目の前で鉄平が数回変態を繰り返し黄金の龍に変化。龍は金銀の鍋の本質を解説。神は金鍋
のだし汁と銀鍋の生き血の合わせに失敗。完成する筈の世界は未完のままで、件の金鍋は九龍城に有ると
いう。一連の解説を聞き終えて、妻は何かを忘れている様な気に捕らわれる。
安泰の時間は長続きせず、賢三と鉄平が今度は天使と龍に化けて家出。洋一は穀象虫に変身。子離れので
きてない妻は動揺を隠せない。天使が蜂になって帰宅し、空間を歪める。混乱に乗じて妻の生んだ子供達
は全員、故郷の腹に収まる。空間の歪みは悪化の一途を辿り、遂にブラックホールと化した妻は宇宙その
ものを飲み込む。
意志だけの精神体に進化した妻は食事をする。お約束の石盤の登場。しばし時間旅行に興じる。途中、ア
ステカ神殿の神官に襲われそうになったが虎に救われる。
ツアーコンダクターもどきの骨董屋店主と崑崙観光。風景が毎夜の米櫃の夢の光景と重ね合わさる。幾多
の思考の混乱を経て米櫃の蓋を解放する。中に有った鏡の光を辿って行って夫に謝れば全てが解決する事
を妻は知っていた。しかし、プライドが屁理屈こねてそれを許さない。屁理屈が起爆剤となり妻は虎と龍
を使って九龍城へ行けることを悟る。妻は夢の世界から脱出し、虎バスに乗り込み七国山病院ではなく九
龍城へ辿り着く。龍の号令で妻の周りに人が集まってきた。
集まった人々は皆骨董屋の主人。夫に再会するための「符号の一致」というキーワードを貰う。意味不明
のキーワードの意味を知るべく妻は歩き回り、九龍城を格安で案内するデブで変ななまり言葉を話すおば
さんに出会う。案内された妻は行く先々で幾つもの黒い石盤を認めるがおばさんはたった一つとそれを否
定。妻が石盤に直接触れたとき、一つの自我に複数の精神と肉体が存在する世界を垣間見る。他人の存在
も視覚では複数確認出来るが気配は一つ。石盤はもちろん、他人の存在にも確証が持てなくなり妻はヒス
テリー状態へ。聞き覚えの有る天の声は、全ては妻の思考によりその存在が確立されてると諭す。思考の
数万ステップの演算を経て妻は念願の夫との再会を果たす。
妻は夫と再会、会話をするがなんだか情緒不安定。医者に相談すれど症状が重く、医者も困り果てて音を
上げる寸前、虎バスの再登場。今度は兎のおまけ付き。兎と一緒にやたら高い所まで跳ねる妻達。段々自
分の周りの不確かさの減少に気付く妻。骨董屋の「主の符号の一致は全てが一つになる事」の言葉を聞き
ながら逆進化を始める。
やがて逆進化は魚類にまで遡り、柄の悪いカモノハシと対峙するが認識により物体が存在する哲学を妻は
理解出来ず、更に混乱の度を深めるばかり。カモノハシとの口喧嘩に負けて妻は神官の腕で殴りかかり、
その代償に暗黒世界へ引き込まれてしまう。暗黒世界では虎に腕を食いちぎられた神官が何かの完成を急
いでいる。完成には妻の生き血が必要であったがカモノハシの生き血が本当は必要であると神官を騙す事
に成功する。しかし、神官は今度は妻の事をカモノハシだと勘違いする。素材になる以前に自分自身が空
腹である事に気付いた妻の体内で4人の子供達がブラックホールを形成し、やがて四神となり全ての物を
飲み尽くし、世界を無と化してしまう。妻は自身の空腹を解決するべく世界を再構築。一仕事終えた妻は
龍のデザートを食し、物語はようやく大団円を迎える。
☆第二章「妻の旅路」 あらすじ by 坂本浩二
話題沸騰!。つ、ついに、インターネット・サイバースペースを震撼させた、アノ超大作(メールでリレー小説)が映画化!!。(決定しているわけでも、予定が或るわけでもない)
総監督、制作総指揮に映画界期待の新星『石井AQ(仮名)』を起用。 原作は谷山他多数。脚本に草薙啓一(新人、作家志望な私。本名、坂本浩二)をくわえ、構想も新たに(完全オリジナル?)壮大なストーリーが展開する。
ストーリー
「全ては、誰が言い出したのかも分からない(実際言ったのかどうかは不明)この一言(戯言?)から始まった‥‥。
日経mix終わっちゃったし、つまんないからメールでリレー小説しようよ。
それは、或る一つの極平凡な家庭(夫、妻各一名、子供四名)を、世にも奇妙な世界へと導いた。
現実とも、虚構ともしれぬ摩訶不思議な世界を、導かれるまま、夫の姿の求めて旅をする妻。(夫は夫で妻を捜していた)その果てに見たものは????。」
多くの謎をはらんで物語は展開してゆき、もはや誰にも、この運命の行く先を予測できない。(取り止めも無く進んでいるので書いている当人や、それを読んだ私にもよく分かっていないような‥‥)
スーパー・スペクタルアドベンチャー(なんやそれ?)『Rin・Ne(輪廻)』某年某月、秋全国一斉公開!。(そんな事はない)
スタッフ
監督・制作総指揮
石井AQ(新人)
原作
谷山
kneo
AQ
へべ
Zom
kuro
PON
今の所以上
脚本
草薙啓一(ド素人)
今の所一人。
出演者(予定してもいない)
原作同様。
以上本文中、敬称略
「ねえ、あなた。最近疲れてるんじゃない?。ため息ばかり吐いて‥‥、なんか嫌のことでもあったの?」
「‥‥嫌な事と言うほどでもないが、最近、変な夢をよく見るんだ」
「ふうん、どんな夢?」
「よく分からないが、簡単にいってしまえば俺がお前に転生する夢、ちょっと中国風の‥‥」
「‥‥またあの変な小説の読み過ぎじゃないの?。あんまり下らないことばかり考えてるとほんとに馬鹿になるわよ」
「俺は、馬鹿なのか?」
終わり。
☆第二章「妻の旅路」 あらすじ by L.Y
あらすじ(鉄平談)
おかあさんがごはん、ちゅくってたらね〜
おひげのへびさんが、でてきておかあさん、なべのなか、はいってたの〜
そしたらね〜、しゃもじのおくちのねずみさん、たべてたの〜
それでね〜、なべがピカーってなったらね〜
おかあさんがすっごくおおきくなってね〜
みんな、たべちゃった
・・・おかあさん、おなかすいたよ〜
☆第二章「妻の旅路」 あらすじ by L.Y
夫はまだ帰ってこない。
今日で3回目の結婚記念日。
香港島の骨董品店で夫が買った皿がある。
妻の言葉で家を出ていった夫から、翌朝電話があった。
突然、台所一面が異界へと転じ皿の龍は道を作り、
子猫は虎に姿を変え龍の背に飛び乗り駆けていく。
ビタクフラフトの中へ引き込まれると、
メートルがカモノハシで仕上げている血の濁流。
妻は鍋の中の食材のひとつとなっていたのだ。
鍋の外に出るとそこは煤けた物置で、
金のビタクラフトを持った店主と、
銀のビタクラフトを持った鏡の中の店主がいる。
二つのビタクラフトをあわせると閃光がほとばった。
我に返った妻は龍に、世界の始まりは九龍城なんだ聞かされる。
妻の回りでは時間と空間が歪み始め、
体は巨大化してついに全宇宙そのものとなった。
錯綜する時間と空間の中を、妻は崑崙、そして九龍城をたどり
そこで店主に、対立するものの符号が一致したとき、
世界は再構築されると告げられた。
妻は全ての物は陰と陽から出来て泡のようなものだと知る。
妻の中では、ブラックホールが全てを食いつし、
やがて世界は無となった。
残ったのは空腹を足掛かりに世界を再構築した妻ひとりだった・・・。
・・・気付くと 目の前には夫と、微笑む皿の龍が・・・。
☆第二章「妻の旅路」 あらすじ by 望月 眞
第1節
世界の中心であるところの九龍城では、老人会が、神が世界を創り損ねたときに出来てしまった分裂したたくさんの世界(=黒い石盤)を管理していた。老人会の下っ端メンバーのAは、長く崑崙支局にいる間に、ある陰謀を画策する。さまざまに分裂した世界をひとつに統合し、すべてを自分一人で食べてしまおうというのだ。Aは崑崙所属の輸送機である虎を部下とする。しかし、この陰謀を、九龍城所属のレールである龍に知られてしまい、Aは龍を皿の中に閉じ込めた。香港島で、人のよい夫をだまして仲間にしたA(骨董屋の親爺)は、龍の皿を夫の自宅に隠すように命令した。
夫の使命は、とりあえずは、皿に閉じ込めた龍の監視であったが、彼が妻とけんかをし家を飛び出したために、虎が子猫の姿で彼の自宅に派遣された。
第2節
妻は、実は強力な超能力者なのだが、その力はいまだ覚醒せず、誰も(本人も)その力のことは知らなかった。
隙を見て、龍は皿から脱出すると、虎を崑崙に送り返す。ちょうど電話中だった夫は、妻に「虎といっしょに崑崙へ逃げろ。」と言うが、妻は、龍に捕まってしまう。龍は、Aの一味の居場所を知る手がかりになるかと思って、妻をビタクラフト鍋の中に閉じ込めると、Aの陰謀を報告するために、一路九龍城へと向かうのである。
第3節
夫に頼まれ、ビタクラフト鍋の中に捕まった妻を救出しようとしたA(骨董屋の親爺)は、鍋の中の血の濁流が、どんどん澄んでいくのに驚いた。それは、神が世界を作ったときに九龍城の奥に隠した金の鍋の出し汁そのものであった。
世界の始まりに神は金と銀の二つの鍋を煮始めた。金の鍋には出し汁を、銀の鍋には生き血を入れた。血は固まり人間となった。出し汁はあくまでも澄んだままだった。神は銀の鍋の中身の人間を世界に捨て、金の鍋の出し汁は九龍城に隠したのだ。だから世界は永遠に未完成で、さまざまな世界に分裂したままなのだ。
Aは金と銀のふたつの鍋をあわせれば、世界がひとつになると思っており、九龍城に隠された金の鍋の出し汁を探し求めていたのだった。妻の超能力の一部が、血の濁流から出し汁を作りだしたのだった。
第4節
夫は、鍋から救い出された妻に、鏡を通じて事情を説明しようとするが、うまく伝わらない。そうこうしているうちに、A(骨董屋の親爺)は、出し汁の入った金の鍋と生き血の入った銀の鍋をあわせて世界の統合をしようとする。閃光が発するが、世界の統合は行われなかった。二つの鍋をあわせるだけでは、世界の統合は行われないのだった。
第5節
夫は、安全だと思われる自宅に妻を帰した後、直接妻の頭に話し掛けて事情を説明しようとするが、夫も妻も慣れないことなので、うまく伝わらず、夫の空腹感だけが妻に伝わってしまう。Aや夫に気づかれないように米びつの中に隠した鏡を通って、九龍城から龍と天使が自宅にやってくる。血の濁流から出し汁を作るような危険な能力を持つ妻とその一族を処分するためである。龍と天使は、これから消滅する妻に、この世界の成り立ちと、妻が処分される理由を説明する。でも不十分な説明なので、妻にはよく理解できない。
第6節
天使の罠にはまった妻と四人の子供たちは、じょじょに消滅へと向かっていくが、ついに覚醒した超能力で罠をやぶる。しかし、超能力の暴走によって、妻と子供たちの共同意識はひとつの世界を食い尽くし滅ぼしてしまう。
第7節
滅ぼされた世界の残留思念が妻を襲う。見せかけだけの実体のない部屋、歴史の断片など、さまざまなイメージの中をさまよう妻の意識を翻弄するのは、滅ぼされた世界を作っていた黒い石盤の幻であった。虎により、妻は救出され、崑崙支局に連れて行かれる。
第8節
崑崙支局は、すでに老人会の新しいメンバーと新しい虎によって管理されていた。老人会のメンバーは皆、骨董屋の親爺に見えるので、妻にはAなのか別のメンバーなのかはわからない。自分の世界を壊してしまった妻は、超能力を封印され、帰る世界もなくこの崑崙で過ごしていた。
とある別の世界に身を隠したAの一味は、まだ陰謀をあきらめたわけではなかった。妻の力に注目し、九龍城で罠をはっていた。そして、夢で、九龍城に夫がいることを暗示し=A妻を九龍城へと向かわせたのである。
第9節
九龍城についた妻は、老人会のメンバー達(みんな骨董屋の親爺の姿をしている)と会う。彼らは、妻が壊した石盤(世界)の修復にいそがしく、超能力が封印された妻には興味がないようであった。
妻は、案内人のおばさんに、九龍城を案内してもらう。黒い石盤(世界)がたくさん並ぶ部屋で、案内人のおばさんは、前日に小銭をくれた男の頼みに従って、指定されたあるひとつの石盤(世界)を妻に見せると、その中に突き落とす。妻は、石盤の中で分裂した多様な世界を感じるが、中では夫とAたちが妻を待ち構えていた。
第10節
家族カウンセリングによって超能力の封印を解かれた妻は、A(今度は白兎とか神官とかに化けたりしている)の罠にはまり超能力を発現させてしまう。たくさんの石盤(世界)のある九龍城で発現された妻の超能力は、Aの狙い通り、すべての世界を次々と統合していく。九龍城の老人会も統合されてしまう。とうとうAの野望が達成され、世界のすべてをAがひとりでデザートとして食べてしまおうとする。しかし、危機一髪のところで、妻の超能力はAも含めてすべてのものを飲み込んでしまうのだった。
空腹な状態で、一人残された妻は、超能力を使って、今度は、分裂のないたったひとつの完成された世界を作り上げ、そこで結婚記念日のディナーを生まれ変わった夫とふたりで食べるのであった。
おしまい。
☆第二章「妻の旅路」 あらすじ by 吉川邦夫
まだ夫が帰らない3回目の結婚記念日。私はディナーセットを並べる。思い出すのは香港で夫が見つけた黄金の龍の皿。骨董品店の親爺は広東語で「九龍城」とか言ったらしい。もらった紙に謎があるからまた香港に行きたい?生活のことも考えてよ。「バカ」夫は家出した。四男の鉄平が泣き、三男の賢三があやした。長男洋一と次男幸治は夫を探しに出て小猫を連れ帰った。翌朝の電話は夫から。背後から金龍がウインクすると雲が湧き出して台所は異界に。子猫は虎に変身し、龍が逃げた道を追う。受話器から「龍の道をいけ…」そんなこといったって。龍が、子を捨てて家出しろとそそのかす。床のラブクラフト本を拾ったらビタクラフト鍋になり、蓋を開ければ血の池地獄。あの人に甲斐性がないのがいけないのよ。龍が相談に乗るという。何者?宗教?血の濁流の源でメートルが搾っているのはカモノハシ。見上げると空に顔。骨董屋の店主に違いない。しかし、この血はニセモノだ。鍋も実はハリボテだ。破って出ると、物置だ。芝居の小道具そして鏡。何か言おうとしている夫が映る。振り向くと金のビタクラフトを持った骨董屋。鏡に映る手には銀のビタクラフト。「世界の終わりも始まりも、金と銀とのビタクラフト」2つの鍋を合わせると閃光、気が付くと私は自宅の前。
帰宅すると妻がいない。夫はまだ帰っていない。夫の意識と妻の意識が重重ななりり反合発体すするる。泣く声は鉄平?違う。顔が鍋になり、底に龍が。「世界の始まりに神、金銀の鍋で人と出し汁を作り、人を世界に捨て、出し汁を九龍城に隠した。ゆえに世界は未完成、人は憎しみ合い殺し合う」龍は天使に変身し飛び去る。私は何か忘れている。とても大事なことを。洋一は縮んで穀象虫と化す。ハチドリが猛烈なスピードで私の回りを飛び、光速を超える。時間と空間が歪む。子供たちは私の胎内に戻る。私はどんどん縮み、重くなり、このままではブラックホールに。「助けて!」4つの命は答えた。「大きくなろう」。私はふくらみ始めた。しかし天使も巨大化していく。私と天使は太陽と周囲の恒星を包み込み、銀河を取り込み星雲をたいらげ全宇宙そのものとなった。
サーヴィスが銀器をテーブルに並べ、グラスにはワイン。あの映画のようだ。肉片を口に運ぶ。偽物だ。黒い石盤。見たこともない風景。江戸時代、石盤の表面がテカテカ光る。見たこともない風景。アステカの神殿、生け贄の儀式を行う神官。その短剣が私の足元に。神官は私の腕を掴み、恐ろしい力で引っ張る。飛び込んできたのは虎。崑崙からのお迎え。神官の腕を噛み切り、私を背中に乗せ店主も乗せて砂漠を遁走。崑崙にたどり着いた。毎晩見る夢の意味は何か。米櫃の蓋を開けると、鏡から九龍城を指す光。夫はそこにいる。鏡は通信機。龍はレールで虎は輸送機。龍を呼び虎に乗れば九龍城にたどり着ける。私は目覚め、虎バスに乗る。龍城路に着き、運転手の龍は鐘を鳴らす。九龍城から出てきた何千何万の老人。みな骨董屋の顔。「すべての符号が一致したとき、世界は再構築され、おまえは夫と再会できる」行ってしまう。うろうろ歩き、少年と出会う。そのデブな母。「九龍城案内する。ここモグリの歯医者」部屋には黒い石盤。「ここスネークヘッドの親玉」やはり黒い石盤。どの部屋も。だが「石盤はたったひとつ」おばさんに突き飛ばされ、石盤を通り抜けた。何千もの私が、同時にすべての部屋に居た。「なんなのよこれっ」符号が一致したのか。確率論的な私は不確定な夫との再会を果たした。
夫と会話しながら、私は悩む。大切なことがあったはずなのに。ジェームズ龍ヶ崎先生は「家族療法ですかラ、ご家族全員に集まっていただいて」と言う。家族揃っている。壁から虎と龍、さらに巨大な白兎が。兎のかけ声で全員飛び跳ねた。大気圏と地上を往復。白兎は骨董屋の主人「みんなひとつに束ねてしまおう。猿両生類魚と進歩を溯って」私達は鼠、両生類、魚になって川に飛び込む。「タマゴで悪イか」拗ねるカモノハシ。私の言葉は泡になる。「泡は確率的に存在する世界。それらはすべて現実。どこに行きたい?」「ディズニーランド」私の息子?私は花の女子高生なのにぃ。握りしめていた神官の腕でカモノハシを殴ると、無数の巨大メートルが立ち並ぶ暗黒世界。腕は空を飛んで神官に戻る。仮面が落ちると骨董屋。「やっとカモノハシを絞れる。目をくれ。料理が完成すれば、世界の全てを食べ尽くすぞ」血迷っている。「カモノハシャの血を、あとひと絞り」私はおなかが空いた。私の中の4つの命が高速回転してブラックホールを作り、洋一は朱雀、幸治は玄武、賢三は白虎、鉄平は青龍となった。四神に飲み込まれて、世界は無。ブラックホールが四神も自身をも飲みこんで、空腹だけが残った。私は空腹である、故に私は存在する。「デザートのおかわりはいかがでしょうか?」サーヴィスの声で世界は再び始まった。
☆第二章「妻の旅路」 あらすじ by 石井 明
カモノハシャって食べられるんでしょうか? おいしい?
☆第二章「妻の旅路」 あらすじ by 谷山浩子
我応募
吾応募要約競技会。宜敷。(我古典漢語是偽物、念為)
1 夫未帰宅。食卓準備中異臭。吾回想、夫嘗購入龍紋様皿於香港。
骨董店主曰唯「九龍城」。夫欲行香港。吾言「何処有金銭也。莫迦」。夫家出。
四男鉄平泣喚、三男賢三世話弟。長男洋一与次男幸治行外欲探索父。
2 翌朝夫電話我、曰「当行龍之路」。台所変異界、龍出現。虎襲龍。竜与虎行崑崙。
吾嘆夫無責任、大悔結婚。龍曰「汝宣捨夫行与我」。
而夫愛読書「愛工芸全集第十三巻」変化鋼鉄多重構造鍋。吾行鍋中血池地獄。
3 吾思夫大悪。龍問曰「是真実否」。龍欲施我心理療法術。吾疑龍洗脳我否。
給仕粉砕鴨嘴、絞血汁。吾見超巨大骨董店主於頭上。彼調理何哉。
於是吾知血偽物、鍋張子。
4 鍋外物置。鏡映夫。不知何彼言。骨董店主曰「世界是金銀鍋也。吾統合世界」。
店主併合金銀鍋。吾気絶、発見自分自身於自宅前。
5 妻不在。夫未帰宅。食事準備中無料理。米櫃中有鏡。夫婦融合。鉄平不気味。
龍言「世界誕生自九龍城。神様無責任」天使飛去。吾忘重要事項、不知何也。
6 洋一変化穀象虫。天使変化蜂鳥。四人息子帰胎内。吾将変化黒洞。
胎内余分四生命言「汝当膨張」。吾膨張。天使膨張。吾与天使成長全宇宙。
7 吾食偽鴨肉於高級飯店食卓。高級飯店復偽物、如某電影作品。鏡映我。
背後巨大黒石盤。吾回帰母胎。石盤時航機否、吾行江戸時代。殴呉服店小僧。
吾行紀元五百年南米文明。神官欲以我為生贄。虎来載我背、遁走砂漠。
天降超巨大西洋箸、欲阻虎。
8 吾与骨董店主乗虎、奔至崑崙。吾思索於夢中、而覚醒乗虎乗合車。至九龍城。
9 骨董店主出現無数自九龍城、曰「全符号一致時汝応再会夫」。壮年女案内我。
在九龍城有多数室、而全室唯有黒石盤而巳。吾透過石盤、分化無数。
而吾成就不確定性再会夫。
10 龍崎先生試施家族心理療法於我家。四人息子質問多数。虎乗合車突入。
出現白兎全員跳躍、白兎変骨董店主。我逆進化至魚。鴨嘴拗曰「卵是悪否」。
鴨嘴言「現実存在無数」。吾与鴨嘴悟合戦。吾殴鴨嘴神官腕。
神官欲眼球、欲鴨嘴血。吾超異常空腹。我中出現黒洞。
洋一往南成朱雀。幸治往北成玄武。賢三往西成白虎。鉄平往東成青龍。
黒洞呑世界、在唯我空腹而巳。故我空腹我在。
☆第二章「妻の旅路」 あらすじ by 渥美広城
結婚記念日の夜ディナーセットを並べる妻は龍を追ったり血の池地獄に落ちたり跳ねたりカモノハシなぐったりアステカ崑崙九龍城も行ったし全宇宙にまでなったけど腹が減っては戦は出来ぬ食欲こそ我が人生
やっぱり家が一番って事かな
☆第二章「妻の旅路」 あらすじ by 谷山浩子
えっと〜どっかの奥さんが〜ダンナが何かへんなりゅうのお皿とか買ってきて〜香港行こうって言うからカネないじゃんつって怒ったらダンナが家出して〜なんか息子が4人もいて〜りゅうがダンナを捨てろとかゆって〜奥さんは高そうなレストランで自分だけディナーしちゃって〜へんなオヤジとか出てきてぜんぜんわけわかんないこと言ったりするんだけど〜結局元サヤって話。
…え、元サヤじゃない? そうだっけ?
☆第二章「妻の旅路」 あらすじ by 吉川邦夫
遡行バージョン
世界は再び始まる。世界は私のために存在し、私は空腹ゆえに存在する。
前の世界はブラックホールに飲みこまれて終わったが、空腹だけは残った。ブラックホールを作ったのは、洋一、幸治、賢三、鉄平。私の四人の息子たちだ。彼らも空腹だった。
私たちは暗黒世界にいた。アステカ神官に命を狙われたカモノハシの毒爪によって、進化遡行の旅から呼び込まれた。魚になって川に飛び込む前、私達は両生類だった。その前の段階では龍は龍、虎は虎、人間は類人猿だった。この進化遡行によって私達を物理的に一体化しようとたくらんだのは骨董屋の主人だ。彼は巨大な白兎の姿で私達の前に現れた。私達一家は、ジェームズ龍ヶ崎先生から家族療法を受けていた。主人との再会を果たしたのに、私は存在感が希薄で、なにか満たされない気持ちだった。
私と夫は確率論的に再会したが、非常に低い確率であり、以前の私の大部分は消滅したらしい。不確定性理論。私には理解できない。しかし黒い石盤が私にそれを体験させた。石盤は九龍城のどの部屋にもあった。私は崑崙で見た夢のお告げに従い、龍と虎によって九龍城に運ばれた。崑崙に来たのも、虎が迎えに来たからだ。虎はアステカ神官の腕を食いちぎって私を助けてくれたのだ。私をアステカに運んだのも、その前に江戸時代に運んだのも、石盤だった。タイムマシンのような石盤と、私は2001年とかいう映画のシーンのように出会った。私が全宇宙を二分する存在だったからだろう。
私たちは縮んでブラックホールになりそうだった。だから、大きくなるために宇宙を食べたのだ。物理法則に反していた。私は夫の意識と共存していた。家に帰る前、私は芝居小屋にいた。その前は鍋の中にいた。鍋は一冊の本だった。龍は小猫だった。小猫が私の家に来たのは、私に怒られて夫が家出したからだ。私が怒ったのは、夫が香港で買ったくだらない皿に夢中になっているからだ。3回目の結婚記念日だというのに、夫はまだ帰ってこない。
☆第二章「妻の旅路」 あらすじ by 黒瀬博靖
ま、いろいろあったけどデザートが食えて良かった。
☆第二章「妻の旅路」 あらすじ by 吉川邦夫
(超濃縮編)
夫を怒ったら家出された。鍋に飲み込まれたが、脱出した。馬鹿な夫の意識が入り込んで身体が縮むので宇宙を食べた。石盤でアステカに、虎で崑崙に、竜虎で九龍城に行った。分裂し、一部夫と再会した。一体感を求めて進化を遡行したが、カモノハシに邪魔された。世界を食べたら空腹が残った。デザートおかわり!
☆第二章「妻の旅路」 あらすじ by 吉川邦夫
第二章 サイレント・リミックス・ロングバージョン
マンションの一室。夫の帰りを待つ妻。ディナーセットが並ぶテーブル。タイトルロール。香港島。路地裏。うらぶれた骨董品店の隅に置かれた皿。夫と親爺との筆談。夫婦喧嘩にカットイン。家を出て行く夫。泣き喚く四男。あやす三男。懐中電灯を持って玄関から出ていく長男、それを追う次男。暗転。朝日の中、小猫と遊ぶ子供たち。陽のあたる台所で電話を受けている妻。突然雲がかかり、暗くなる。じっと何かを見詰める小猫のクローズアップ。龍の絵のアップ。小猫から虎にモーフィング。龍と虎が見つめあう中国の水墨画。その絵が宙に舞いあがり、台所の窓から外へ飛んでいく。唖然として立ち尽くす妻。その足元のラブクラフト本がビタクラフト鍋にモーフィング。血の色をして沸き立つ鍋。もがき苦しむ亡者。血の濁流をパンしながらズームイン。カモノハシを粉砕するメートル。くるくる回るハンドル。ぴかぴか輝く複雑な装置。大きく口を広げたジョウゴ。むなしく宙を蹴るカモノハシの蹴爪。かすかに紫の憂いを帯びたビロードのような深紅色の濁流。パンアップすると空に巨大な顔。夫と親爺との筆談のカット。親爺の顔にパン。にやりと笑う骨董屋。そのバックの香港の空にも同じ巨大な顔が浮かぶ。にやにや笑いを残して赤でディゾルヴ。
汚い小屋の中。妻は壁にかかった鏡を見つめている。鏡には夫が映っている。妻、振り向く。小屋の入り口に、骨董屋の親爺が立っている。逆光。金の鍋を持っている。鏡に映る親爺は銀の鍋を持っている。親爺、鏡に近づく。鏡の中の親爺も近づいてくる。鍋と鍋が合わさる。閃光。ホワイトアウト。
再びマンションの一室。ディナーの準備をする妻。玄関から入ってくる夫。妻、気付かずに準備を進める。夫、気が付かずに椅子に座る。皿を並べる妻。背広を脱ぎ、ネクタイを緩める夫。テーブルセッティングを終わり、エプロンを外してその椅子に座る妻。CGにより、両者の肉体が融合する。顔の半分は夫、半分は妻。その妻が、はっとした表情になり、夫の肉体から離れて駆け出す。廊下。子供部屋。暗闇に立って泣いている四男。その顔のアップ。にやりと笑う。スベスベの顔に無数の皺が走り、頬がグニャと歪む。顔全体がラブクラフト本に、鍋に変わる。なめらかに輝く鍋の底一面に映し出される黄金の龍。龍は鍋から抜け、天使に変身して去っていく。見送る妻。はっと驚いた様子で振り向く。手を繋いで立っている長男と次男。長男の全身、シュっと縮んで穀象虫と化し、パタパタと飛び立つ。妻のまわりをハチドリが飛び廻る。その速度が次第に速くなり、残像が航跡となり、発光し始める。ふくれあがる妻。爆発するマンション。白熱する地球。太陽にも匹敵する輝き。銀河系の爆発。ホワイトアウト。
細い蝶ネクタイを締めた若いサーヴィスが銀のナイフとフォークを静かにテーブル上に並べていく。傍らのグラスには深紅色のワイン。金色のハンドルを回してソースを漉しとるメートル。目の前に暗赤色の濃厚なソースをたたえた大皿。バラ色の肉の断面。突き刺さるフォーク。手が離れる。斜めに刺さった銀のフォークの重みにも揺るぎもしない肉片。ワイングラスを傾ける。そのまま傾く深紅色の液体、いや固体。グラスを落とす。椅子に座っている夫。その前に立っている妻。鏡には、立っている夫の後ろ姿と椅子に座っている妻。鏡からパンすると、立っていた人物の位置に直立しているのは巨大な一枚の黒い石盤。鏡にパン。泣き喚く四男の姿が映る。四男、石盤を見る。石盤に映る風景。江戸時代。呉服屋の小僧が水を撒く。カメラのレンズにかかる。その水が流れた後は、また別の風景。16世紀のメキシコ、アステカの神殿。生け贄の儀式を行う神官。手がすべったのか、神官は短剣を取り落とす。短剣はきらきら光りながら神殿の急な石段を転がり落ちて、群集の中の一人の女の足元にピタリと止まる。ジャガーの仮面をかぶった神官が階段を下りてきて、短剣を拾い、仮面の穴の奥から血走った両目で女の顔を見詰める。恐怖する女の顔は妻だ。神官は何事か叫ぶ。字幕:「エノテカ、ナワトルカネモヒカ!」妻の腕を掴み、恐ろしい力で引っ張りながら階段を上がろうとする。必死で抵抗し、逃げようとする妻。そこに虎が飛び込んで来る。笑う虎の口。噛み切られた神官の腕が宙を飛ぶ。妻を背中に乗せ、砂漠を遁走する虎。遠ざかる。見送っていた神官、残った片腕で仮面を外すが、その素顔は見えない。暗転。
砂の海。にこやかな顔で砂漠を眺めている骨董品店の店主。やがて立ち上がり、テントで眠っている妻を起こす。妻は骨董屋と何か話し、やはりにこやかに歩き去る。砂丘のふもとにバス停留所を示すポールが立っている。その脇でバスを待つ夫。彼方から砂煙が上がり、虎がやってくる。虎は「香16系統 九龍城」という行き先表示を首に掛けている。バス停に着くなり、虎バスに変身した。驚いている妻。虎バスの運転席にズームイン。運転席に座っている龍はレールのついた巨大な帽子を被っている。帽子の上を派手な広告付きの二階建て電車が走っている。バスに乗り、席に座る妻。窓の外を流れる風景は砂漠。妻、うつらうつらと居眠り。暗転。妻の肩をたたくのは骨董屋の主人。目を覚ました妻は、香港のバス停のベンチに座っていた。九龍城北東入り口前と書かれている。目の前に例の有名な大要塞が威容を誇っている。
小汚い格好をした子供達が傍らを走り抜ける。と、その中のひとりが振り返った。目を見張る妻。その子供は長男の顔をしている。しかし、にっこり笑うと乱杭歯がまる見え。何か調子良く話し始めた。字幕:「歓迎各位光臨挙世聞的旅遊聖地九龍城」意味が分からないという身振りをする妻。そこに太ったおばさんが現れる。子供を軽々持ち上げると、一口に飲み込んでしまう。豪快に笑い、ずんずんと九龍城の中へ進んで行く。振り返り、手招きする。あわててついて行く妻。玄関から暗い階段へ。「牙」と大きな文字が書かれているドアを女が開けると、部屋はどこもかしこも真っ白に塗られていて、家具も何もなく、中心に黒い石盤がそそり立っているだけだ。次に「蛇」と書かれたドアを開ける女。中はさっきの部屋とまったく同じだ。「馬」の部屋、「羊」の部屋、「猿」の部屋、どれも同じだ。「酉」「狗」「猪」「鼠」「牛」「虎」「兎」「辰」「巳」おばさんと口論する妻。おばさんが、妻を「巳」の部屋の中に突き飛ばした。よろけて石盤に手をつこうとするが、手ごたえなく、突き抜ける妻。満天の星が見える。その下には何億もの石盤が立っている。どの石盤の脇にも妻が立っている。そして、すべての妻が石盤に爪を立てて引っかく。字幕:「きーー」ホワイトアウト。
妻と夫、マンションの台所で食卓に向かっている。龍の顔をした白衣の男も、食卓について、銀縁眼鏡を光らせる。ロングショット。四人の息子たちもいる。白衣の男、台所のホワイトボードに向かって説明しながら何かを書き始める。虎と龍の絵だ。次に白兎。白兎はアニメとなって食卓の中央に出現する。兎は、両手を上げて何かかけ声をかける。妻も夫も先生も虎も龍も子供たちも、それに合わせて飛び跳ねる。カメラも飛び跳ねる。床が沈み屋根が落ちて夜空が見える。大気圏と地上を往復する。月夜に水平線がくっきりと見える。高さが増し、ユーラシア大陸の全貌が見える。崑崙と香港が黄金に輝き、二つの場所は黄金の光で結ばれている。その光に飲まれて落下する彼ら。人間たちは原始人へとモーフィングしていく。北京原人から鼠そっくりの原始的な哺乳類へ。虎もサーベル虎に。さらに退化して、哺乳類型は虫類、両生類の姿。すでに鼠も虎も龍も同じ姿で見分けがつかず、そのまま川に飛び込む。その水面に毒爪が突き出た。カモノハシだ。立ち泳ぎしながらカモノハシは首をかしげる。魚類と化した水中の彼らの口から泡が出る。泡には様々な世界が映っている。ひときわ大きな泡をカモノハシが一突きすると、それは数千、数億の小さな泡に分かれ、それぞれ骨董屋の親爺の顔を映す。別の泡にはディズニーランド。別の泡には女子高生。別の泡には星新一。別の泡には神官の腕。妻は、その泡を壊し、中の腕でカモノハシの頭を殴る。こぶしを開いた手のひらの中は暗黒。その中に全員が引きずり込まれる。暗転。
暗黒の世界。地平線の彼方まで無数の巨大なメートルが立ち並び、それぞれが手に持つ銀のビタクラフトでカモノハシの血を受けている。手前に、一人立っているのはジャガー仮面の片腕の神官。妻の手から、もう片方の腕が離れ、宙を飛んで神官の身体に戻る。神官の仮面が落ちると、その素顔は、なんと夫だ。夫は笑いを浮かべるが、その両目はなく、眼窩が空洞だ。夫は両手を鍵のように曲げて妻に近寄る。妻は両手で自分の目を隠しながら後ずさる。夫の空ろな眼窩の奥に嫌な色の光りが射す。字幕:「カモノハシャ〜」叫びながら夫は頭を振り回す。空ろな眼窩が再び妻を睨む。妻はカモノハシをひっつかんで夫に投げつける。夫はそれをバリバリと食いながら、女子高生を妻に投げつける。夫婦は手当たり次第のものを投げつけては食べ、食べては投げつける。世界がだんだんと明るくなり、気が付くと2人はレストランの食卓にいる。空の皿。空のグラス。2人の満ち足りた表情。若いサーヴィスが近寄る。字幕:「デザートのおかわりはいかがでしょうか?」うなずく二人。若いサーヴィス、カメラに顔を向ける。その顔は皿の龍だ。龍はウインクする。暗転。
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