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オーストラリア・アジアのレストラン
この一覧はアルファベット順になっています。
 


  AKAME  アカメ
  
屏東縣霧台鄉好茶村 古茶柏安街17巷8號 www.facebook.com/akame.in
月火休
・ ルカイ族料理をベースとするモダンイノベイティブ
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  → 2019-20台湾旅行記はこちら

AKAME 2018年 3月 ☆☆☆☆

 *台東手採野菜
 *東北角花枝
 *烤鵪鶉 黒蒜頭醤
 *新鮮香草燻野生山豬里肌肉
 *台湾黒山羊肋排
 *五葉松吉拿棒&62%台湾功克力
 *七股香水草苺 秋海棠梗 台湾香草醤
 +13 VDF Vieille Garde
 +粟酒

AKAME
[AQ!]
 昨年10月のコラボ [Anis x AKAME in Tokyo]。
 年間でも、とても美味しくとても印象的な会であった。同時に“これは(AKAMEの)現地に行って食いタイワンw”と思わされる会であった。
 なんか遠い山ん中らしい…とは言うものの、台湾自体は日本に近い。なんとか来ることが出来た。

 小さいレストランだ。10席ちょっと。
 2015年オープン。後で気付いたのだが、googleストリートビューにはまだ2012年の写真が入っており、AKAMEの現在地は“家と家の間の駐車スペース”だったことがわかる。
 水~日曜の週5日営業で、18時~/21時~の2部制である。ボクらは第2部。
 20時50分頃に覗いたら、もう第1部のお客さんは帰っていたが、「表で21時まで待っててネ」とのこと。
AKAME
[へべ]
 これは奇遇、カウンター席の相客も日本人交じりのグループ。(AQ!「我々と違い、台湾と縁の深い面々でしたw」)

 ほどよくモダンで落ち着いた、かっこいい店内。
 カウンター席にオープンキッチン、厨房の表口寄りの端が重厚な石造り2連の炉になっていて、アレックスはほぼ終始、炉の前で炎と対峙する。そうか「AKAME」と記された店の前の張り出しは炉の奥の部分だったのか(たしかに石/コンクリの肌が、ほんのり温かかった)。
 厨房、サービス合わせて4人の体制で、料理はなんとアラカルト。どれも食べたくなるところを、おすすめの口上を踏まえてエイヤと選ぶ。
 最初はビール、そのあとはワインへ。ナチュラルワインがここの料理によく合っていた。

[AQ!]
 そうそう、店の前まで来るとまず目立つのが「AKAME」の看板文字?…だけど、アレって、炉のお尻の部分だったんだね~。
 店の中にはその日使う薪が積まれている。その横手のクロック(鉢)はソース作りなどに使われていたが、ルカイのモノのようで、翌日、民芸品店で見かけた。

「やっほーAlexさん、(昨年言った通り)何とか来られたぜい」と手を振ると、ニッコリ会釈するAlex Pengシェフ。「Andre」の出身でもある。
 女性サービスは、Alexの奥様姉妹・スーシェフは従兄弟?…だったかな。文字通りの家族経営ですにゃ。
AKAME
 新興ガストロだから何となくコースかと思ってたら、アラカルト。考えてみれば、「何を焼いて食いたい?」って骨子からすれば、その方がフィットしてるか。
 口頭も含め、25品程度。
 何となく品書きは、前菜・主菜・デザート…の順で書かれ、1人に“それぞれから1品”…が基本量、とベーシック・ドゥプラ・システム。
 モノによってはもう少し食べられそうで、我々の注文は、2人で“前菜3皿・主菜2皿・デザ2皿”。
 そう言えば「AKAME」というのはルカイ語で「焼き」みたいな意味だそう。品書には、
「Aboriginal Fire AKAME Restaurant」
 と記されている。

 ワインは「すべてナチュラルです」。リスト記載は10種ちょい、ほぼ5000円以下くらいのチョイス。

 カトラリーは使いまわしスタイル。クトゥーのゴツさが、そそる(笑)。
AKAME
[へべ]
 アミューズは、黒いポテト玉。炭の黒、トッピングはカラスミと烏山椒、いいスターター。
 パンに添えたホイップバターの上にはこんがり香ばしい大麦をパラリと散らして。

台東手採野菜
 本日の野菜前菜。3種類の「野菜」(=山菜)をさっとボイルして、おろしたチーズをたっぷり、ポーチドエッグ、ピーナッツをトッピング、よく混ぜて召し上がれ。
 …少しぬめりがあったり、香りの強いもの、シャキシャキした食感のものと、それぞれに個性ある野菜の強さとちょうどバランスのとれた、いい仕立て!

[AQ!]
 深い緑にひきこまれる。
 チーズ・ナッツで和えるという作戦はとくに奇襲ではないのだが、実に塩梅が良くて、野菜の強い魅力をひきたてる。
 野菜の名前は聞かなかったが、タイプ的に言えば、ヒユっぽいの・ミシーっぽいの・龍鬚っぽいの…のミックス、みたいな。
AKAME
[へべ]
東北角花枝
 続いて鮮度抜群のヤリイカを、絶妙な火入れで。
 唐辛子のソースは、辛さというより奥深い複雑味があって魅力的。緑鮮やか、風味軽やかなわさび菜の若芽がいい仕事をしている。スパイス、小さな柑橘(シークワーサーか)を添えて。
 イカ焼きのシンプルな旨さと精妙な料理性が並び立つ、さりげなくも巧みな一皿。

[AQ!]
 「ヤリイカです」の日本語紹介で。見た目はコウイカっぽい種類かも。台湾の東北産。
 赤唐辛子ソースは適度にラッキョウ入りなのが巧み。柑橘は「沖縄の」と言ってたね。そしてパウダー状のスパイスを全体にハラリ。
 “イカにもイカ焼きw”な親しみある感触をふんわり残しながら、雑味をバッサリ切り落とす手練れの焼き。食感の、イカの細胞がサックリハラハラと噛み砕かれるような気分もたまらん。

烤鵪鶉 黒蒜頭醤
「鶉はお手でどうぞ」
 スペシャリテ…格、なのかな、ウズラ1羽、東京コラボでも出してた。そん時の話だと、烏山椒や台湾五葉松エキスのマリネ。ソースの方は、香草オイルと黒ニンニク(イカの唐辛子ラッキョウもそうだが、黒大蒜っぽさを前面に出し過ぎないのがマル)。
 ウルっとした艶、どえらく美味なウズラ♪
AKAME
[へべ]
 前菜コーナー、ちょい欲張って3品めは、やはり名菜の鶉を。
 小柄で脂ののった鶉の質が抜群、これを手づかみでワシワシと。
 ハーブのオイルソースと黒にんにくのピュレがよく合うが、それ以前に、肉に施されこんがり焼かれて一体化したマリナードの味に陶然とする。肉の焼いたのはこれが一番、と言ってしまいたくなる魔性の旨さ。

新鮮香草燻野生山豬里肌肉
 主菜には、まず今宵のおすすめ筆頭の、猪を。
 鋳鉄鍋の蓋を開けると、青松葉の燻煙がホワッと立ちのぼる。昨日獲れたという猪肉が味といい質感といい、燻香の塩梅といい、素晴らしい。
 ガルニは山で採れた極上の茸(肉厚な木耳と、しめじに似たきのこ)に、緑の蕾は夜来香。バンコクで季節違いにて食べ損ねていた食材に、まさかのここで会えるとは♪
 美味しくて楽しくて、もう、たまりませーん。
AKAME
[AQ!]
 美味しい! 今宵の大スター♪
 純粋で複雑で、軽~い!
 昨日ハンターがとってきたという猪、そのフレッシュの良さがよく出てる。香りのトーンが高く、弾むようでいて滑らかな食感、更に、旨みのトーンが高い。
 燻煙香がまた、ジメっとまとわりつくようではなく、素軽くたなびく。

 話は逸れるが、世間で「熟成肉」が流行り過ぎて、下手すると「フレッシュな旨さ」の扱いがぞんざいになっちゃいそうなのも、ナンダカナーだわなあ。
 何でもそうなのだが、最初のうちは『熟成の良さ』の話をしてたものが、人口に膾炙し過ぎるとピーポーはそれを『熟成が良い』と読み変えちゃうんだよなあ。ま、それが大衆化というものかもしれないけど(笑)。「熟成の良さ」「フレッシュの良さ」は、それぞれに、それぞれのモノ♪

 イエライシャン(夜来香)は今のヒトは読めるのだろうか…バンコクの仇をここで討つとは…とゆーか、美味しいもんですねー!
 茸の極上具合にもびびる。
AKAME
台湾黒山羊肋排
 黒山羊さんからお手紙ついた♪…お、台湾黒山羊だ、食べよ!
 品書には、里肌肉(=ロース)と肋排があるが、猪が里肌肉だったので肋排にする。
「山羊はお手でどうぞ」
 立派な骨2本と長さの揃ったw焼葱1本。山羊肉汁のソースは追いがけ用。野菜・無花果サラダ。
 しなやかでプリプリのアスリートの肉から、滾々と旨みが湧いてくるある♪ 肉を通じて感じる炎のパワーがどえらい満足感。

[へべ]
 黒山羊スペアリブは、骨ぎわの肉の魅力を満喫できる絶妙な焼き。
 ナイフははね返すのに噛みしめると思いの外の歯切れ良さ、というあたりはバンコク80/20のご近所山羊を彷彿させる。
 芋ピュレのソース、焼き葱のお供も嬉しい。

 あかあかと燃える火で、山の恵みを焼いて食べる。ルカイ族の、言葉にすればシンプルな営みの奥の深さを、AKAMEは見事なかたちで具現化して、皿の上に載せて差し出してくれる。
 なんというか、ものすごく原初で文化で哲学な…。肉はこうして食べるのがこの上なく旨い、つくづくそんな風に感じる。自分はこういうものが、たまらなく好きなんだなぁと、あらためて実感する。
AKAME
五葉松吉拿棒&62%台湾功克力
七股香水草苺 秋海棠梗 台湾香草醤

 揚げたてチュロス、外はこんがり中はふわとろ…は、それだけでも楽しいところへ、台湾カカオのチョコディップ。
 苺デザートは七股香水草苺をメインに、秋海棠のプチムース、ハーブなどの取り合わせ。
 粟の濁り酒のグラスを手に、夜は更けていく…。
AKAME
[AQ!]
 出来立てチュロス(名物らしい)の美味しいこと、“チュロスってこんな好きだっけ?”と思う間もなく、消えていく。チョコは屏東の店のものらしい。

 七股香水草苺…って凄い名前だな、日本の品種をルーツに持ち「南部天氣太陽公公太熱情」な天候に合わせたものらしい。
 シュウカイドウのスライム型ムース/香草ゼリーで囲んだ、けっこー凝った仕立ての甜品。

 デザートのお供は、ルカイ族の粟の濁り酒。(オネーサンが「アワのオサケ飲みますか?」と聞くので、みんな最初、スパークリングワインだと思った(笑))
 チャンとかマッコリとか、系統はそっち寄りで、黄色味が強く、独特の香りが良い個性。
AKAME
AKAME  いやあ参りました、ひと皿ごとに何だコレ!?…ってくらい、美味い。
 やっぱり「薪窯の前に1人」の精度と勢いが皿上に漲っている。
 様々なアイデア・技法も「一つの料理」に昇華している。皿上の物心一如感w。…現代のイノベイティブでは、(アイデアなどの)“足し算”が“足し算”という形のまま皿上に現れる場合が少なくないけど、やはりホントの満足感を味わえるのは「一つの料理」というものに成り果せた時だなあ。

 親密な空間、豪快でかつ繊細な料理。こんな楽しいことはない♪

 その料理は、エッセンシャルであって、軸とか幹とか筋とか…を(文化的背景に)持っていて、シェフの個性・思考というものがあって、プリミティブなパワーがある。
 …そう考えると、「ここ最近のガストロ界の関心事」のかなり重要側面の幾つかをクリーンヒットしているのが、ここ「AKAME」ではないか…と感じられる。
 更に言えば、「その店に行くこと」「行って食べること」に伴うパフォーマンス性・イベント性…なんてのも、バッチリ持ち合わせている。(“台湾の山の中に来たらオーストロネシアな…しかもモデルか?ってくらい眉目秀麗な面々に迎えられる”…というのも、知らなかったらかなりビックリするだろう(笑))

 まあ既に台湾南部では「予約の取れない店」という評判も取っているが、これが世界ランキング系なんかで上位に上がるようになると、この僅かな席は大変な奪い合いになってしまうんジャマイカ?(^^;)
 ま、そうなる前に、再訪したいものぢゃ♪

AKAME 2020年 1月 ☆☆☆

 *台東手採野菜
 *慢烤豬舌 柑橘沙拉
 *稲燻屏東乳鴿
 *新鮮馬告葉軽燻台灣水鹿里肌
 *黒豚押心肉 可可鹽膚木番茄醤
 *窯烤起司蛋糕 季節水果 草苺醤
 *五葉松吉拿棒&62%台湾功克力
 +19 Buvons Nature Weightstone Vineyard Estate & Winery, B&W PN1 (No.057 of total 155 bottles produced)
 +Cuvee Anatheme VDF Rouge Domaine Mont Marie

[AQ!]
 さて、前回から新装なっているAKAME、今回はファースト・ラウンドで18時スタート。
 わやわやわや…っと、人が集まってくる(笑)。18時ちょうどまで、ドアは閉じている。
 順に客は迎え入れられる。わーいアレックスこにゃにゃちは♪…と手を振ってカウンターに着席。
 改装の増席の上に以前はそんなに使ってなかった(?)壁際にも入れているので、倍…とは言わないがけっこーキャパは増えたんじゃないかな。
AKAME
 乾杯は…、リストを見るとワイン系泡はボトルのみ、クラフトビール系がけっこー手厚いのでそこから選ぶかぁ。
 …などと言っていたら、隣の若い日本人カップルから声がかかる。「良かったら、泡、シェアしませんか?」…と。
 ええ…っと、泡を4人で1本頼んでしまおう、ってことですか、…って、無茶苦茶イイ提案じゃないですか~い♪ ルネッサ~ンス!(とは言わないが)ホイホイ乗らせていただく。

 …で、この泡がまた珍品で、作っているのは台湾を代表する威石東のようだが、ジャーナリスト(?)のBuvons Natureプロデュースの実験的(?)醸造のモノ。Golden MuscatとMusann Blancの泡で、僅か155本(!)生産のガレージワイン。
 面白いフレーバー、すっきりと呑みやすいアペリティフ。

 お隣のカップルは、ま、ぶっちゃけ“(ワシらの)息子世代”の若者で、泡の件もありがたやなのだが、実にイイ感じのお客さん。
 美味しいものが好きで食べ歩いてる…ってのが真ん中にあって、美味しいモノを美味しそうにたいらげていく。…って、「食べ歩き」のアタリマエ、、、みたいなことなんだけど、最近のガストロ店って、何か妙にこじらしたヒトが頻出するもんで(^^;)。“この若者たち、イイなあ♪”感がヒシヒシ。
 あと、注文が、イイ。
 最近はアラカルト店が減ったせいもあるが、“え?、ここに来てそれを頼むか??”…みたいなピンボケな注文をする若者(中年も)が多いんだけど、「ソレよソレ!」と言いたくなるご注文でした♪
AKAME
 …ってゆーか、前日は萬巒で食いまくってきたらしく、この辺はワシらも見習わなくちゃイカン。

 炎の前ではアレックスが黙々と格闘している。
 ボクらの方は、前回食べたモノ・イベントで食べたモノも考慮しつつ、注文を絞る。2人で、前菜3品・主菜2品・デザート2品。
 大体このくらいなのだが、野菜モノなら前菜4品でもイケるかなあ…と次回へのメモ。
 そう言えば、焼き魚も7種類くらい入っている。2人だと多少組み込みにくい(3人以上の卓へは何本か出撃していく)のだが、次回は課題かなあ。コチラは肉が旨過ぎて考えるのがタイヘンだが(^^;)。

[へべ]
 アミューズ。チキンスキンの薄パリパリに地瓜ピュレ、紫蘇のせ。

台東手採野菜
 ボイル「野菜(山菜)」4〜5種類に玉子チーズ花生、緑それぞれの味香り、これはやはり旨い。
AKAME
[AQ!]
 しっかり美味しい。
 見てるとけっこーよく茹でているんだけど、元が強いんだなあ。メランジュもやっぱイイんだな。
AKAME
AKAME 慢烤豬舌 柑橘沙拉
 へえ豚タンか、と注文。慢烤…スロークックト、で、前菜らしいサラダ仕立て。
 爽やかだが、(食材としての)舌は力強い。粟(味噌)が原住民の味。

[へべ]
 豚舌、根菜薄片 ナスタチューム、粟味噌が深みのあるいい味、この辺の蜜柑、ピリッと少し辛味のあるシャオミャオシー「小苗子」(スプラウト)。

稲燻屏東乳鴿
 乳鴿、柔らかな肉を噛みしめるとミルキー、馬告、緑パウダー。
 あの炎で焼いていてもノンストレス感のあるナチュラルな焼け具合。呼吸をするように肉を焼いて食ってるんだなー、という感じの味がする。
 ソースがまた!

[AQ!]
 こちらの前菜枠の肉料理の定番?「うずら」が、今日は「乳鴿」だった。この小鳥丸焼きが前菜…ってのが、AKAMEらしいのだが、食べてもホントにそうで、ホントにイイ意味で「子供のおやつ」みたいな感じ。
 カジカジカジ、ペロリ!…っていうスルスル感。「腹減った子らはコレでも食ってれ」とカキ餅炙ってくれた、みたいな、昔から感・馴染み感。
 稲藁で軽く燻って、かな。
AKAME AKAME
[へべ]
新鮮馬告葉軽燻台灣水鹿里肌
 水鹿。
 *シカ属の動物、サンバー(水鹿=スイロクとも)の一種で、台湾固有種の「台湾水鹿」には2つの亜種があることが、台湾の研究者、王穎教授の研究で明らかになった。
AKAME
 馬告の葉の清涼な香りに包まれて、軽いアセゾネ、小型草食四脚獣らしいリーンな肉質、噛みしめると肉そのものの味がじわりと広がる。
 鉄鍋に入った渋いガルニ、豆と山の根菜、茄子と茸類をやはりナチュラルな味の茶色い汁で煮込み。

[AQ!]
 う~ん、この水鹿焼きは、感心してカンドーする♪
 そんなに旨味が強かったり柔らかかったりする訳じゃない肉質を、無理に補ったりせずにナチュラルに仕上げ、タップリの馬告葉で軽く対比をつけるくらいなのだが、噛んでいるとジワジワと肉の魅力が顕在化して来て、魅了される。
 筋肉質な肉を食らう悦びがここにある。ちょっと意表をつくガルニの煮込み(ココット:野菜 カボチャ 黒目豆 シューフルール 茄子 えのき…)、が面白い。

黒豚押心肉 可可鹽膚木番茄醤
 前菜の豚舌と同じ豚。

[へべ]
 豚の肩肉には、トライバルソルトのソース、塩味と酸味。
 曬山上的鹽(羅氏鹽膚木)。
AKAME
[AQ!]
 ヌルデ・カカオの自家製トライバルソルト、と、トマト醤。
 甘さを入れずキリっとした男前な豚のいただき方、豊かさに盛り上がる。
 ガルニはドライトマト入りサラダ風、なのだが、とても若い四角豆…まだミニ四角豆って感じのものが入っていて、この若い苦味が絶品♪

 ここまでずっとそうだが、AKAMEの肉焼きは、しっかりした存在感に歯ごたえ…で強く訴えてきながら、でも胃に落ちると水琴窟の滴の音がポツリとする程度(笑)の軽~い感触でいただける。
 ハーブマリネによるアセゾネの軽さ、などによるものだろうが、ちょっと神秘的。…というか、恐ろしく肉を扱い慣れている。

[へべ]
窯烤起司蛋糕 季節水果 草苺醤
 デザートのコアはチーズケーキ
 窯烤起司蛋糕(馬告馬司卡彭起司、奶油起司、帕瑪森起、香草浸泡麥桿酒)…馬告チーズケーキ
AKAME
五葉松吉拿棒&62%台湾功克力
 揚げたてチュロスに屏東チョコレートは鉄板のおいしさ!

[AQ!]
 屏東『福灣巧克力』のチョコ。(ICAやAOCなど世界の舞台で、金賞を次々に獲得している)
 磐石の定番♪

*****

 2020年が明けた。
 キレキレの美味と、にこやかな親密さの中で。
 まあアレです、「焼いた肉を食らう」ことに関しては、やっぱ、AKAMEが好みの最右翼の1軒だなあ♪
 めっちゃ、楽しいし。




番外編:[ Anis x AKAME in Tokyo ] @ Anis Tokyo

AKAME 2017年10月 ☆☆

 [Anis x AKAME in Tokyo]
 *ほろほろ 四角豆・つるむらさき・とろとろ玉葱・ルバーブ
 *うずら 台湾スパイス塗り焼 台湾うど
 *沖縄仔豚 蕪・ケール
 *豚肩とソーシソン 竜眼・ナスタチウム・花・台湾の豆煮
 *和牛 牛蒡・クレソン・人参
 *えぞ鹿 台湾ぶどう・大根・わさび菜
 *愛玉子・鬼灯のコンポジション
 +Sparkling Wine Extra Brut / 安心院ワイン
 +16 Shikishima 甲州 酒石酸無濾過
 +14 Beau Paysage Kurahara Nuage
 +15 ふらみんご ピノ・ノアール カーブドッチ
 +15 Mizu no Aya Domaine Chaud
 +15 Milieu rouge Cave D'Occi

AKAME
[AQ!]
 台湾の「AKAME」ってのがヤバイらし~、、、ってのがどっかからソヨソヨと聞こえてきてた…
 …ところに、いつものSさんから
「AKAMEが来ますってよ♪」
 との知らせ。
 えー!
 それは行かなくちゃ♪

 で、招聘は初台「Anis」でコラボイベントとして挙行される、とのこと。
 実はこの[Anis x AKAME]は相互イベントで、既に7月…だっけかな、@台湾編が催されている。
 その@東京編がこの10月の3日間。
AKAME
AKAME  初台駅からとろとろ歩く。アニスの幌が見えてくる、と、軒先にチロチロと火が見える。オヨヨ。その火に、何ともじゅるじゅるな肉たちがかざされている。都会に野趣が降ってきた♪
 その火を操っている屈強な浅黒い偉丈夫、それがAlex Pengシェフ。一瞬、「格闘技か?」と思う(笑)。
 Alexは台湾原住民・ルカイ族(魯凱族)の人で、ルカイの料理をベースに展開しているそう。店は屏東縣にあり、我々のようなものに簡単な説明は「高雄からずっと山の方に入ったとこ」。
 (ところで後ググリだが、ルカイ族は約12000人。この人口規模は、ネパールのタカリ族と大体同じだ…と、我が家だけ盛り上がる符合(^^;))

 本コラボは、アニス恒例の肉の祭典「MEATing」の特別編…という位置付けでもある。位置付けというか、その形式で。
 前菜etc.は抜きで肉焼き料理が6品、おんどれらを襲う(笑)。交互に、清水シェフ3品・Alexシェフ3品。
AKAME
ほろほろ [Anis]
 肉焼きの俊英・清水シェフらしい、思わず「ほろほろ離れした…」と言ってしまう(^^;)くらいの美味しいほろほろ。ガルニ群もトロトロの玉葱はじめピッタリ。
 ワインは田辺公一ソムリエ(ウチにはラス・コルクで馴染みの)で、「本日はAll Japanです♪」…と安心院のシャンパンスタイル泡。
AKAME
うずら [AKAME]
 本日、来た時から軒先で誘っていた色っぽい姿が今! めっちゃくちゃ旨い。腿・胸が供されるが、へべは「こんな魅力ある胸は想像したことなかった」。
 かなり長時間かけた焼きだが、実にダイナミック。低温・長時間的な「ノッペリ感」とは無縁。
 烏山椒や台湾五葉松エキス…などかな、塗り焼き。台湾ウド。
 Shikishima 甲州は酒石酸が無濾過で瓶底にゴロっと結晶している。甲州らしいんだけど甲州離れした存在感が、「なるほど鶉にかァ」なペアリング芸。

仔豚 [Anis]
 沖縄仔豚。ケールと蕪が3種…かな、この蕪もウマイ。
 ボーぺサージュってソービニヨンブラン作ってるんだあ…の蔵原雲は、ケールも頭に入れて。

ぶた [AKAME]
 肩肉ロティとこっちで仕込んだソシソン…これがイイわ~、個性的で魅惑あり、向こうでは豚血を使うところをレバーで代用…など、「まんま」では無いそうだけど。肩肉はBBQな愉しみ。
 竜眼ピュレもばっちり、モロに竜眼でなく肉に合わせて腰を落とした感じに仕立てている。
 ふらみんごピノ…は、これはピノらしさで合わせてくる。
AKAME
AKAME 和牛 [Anis]
 焼き牛蒡(香り高い)と大ぶりなクレソンが、シンプルに牛を上げる♪
 新潟のカベソが、牛・牛蒡にもうひと色を。
AKAME
えぞ鹿 [AKAME]
 軒先でぶらんぶらんと辺りを睥睨していたアイツが掉尾を飾るw。
 Alexの肉は、ガキっ・ガチっ…と来るのに、何故か軽い。チアフルな動的な食感だ。台湾葡萄の使い方も、「こなれた」印象を受ける。
 カーブドッチ、Milieuは呑んだことあったなあ、新潟メルロー主体。
AKAME
デザート
 愛玉子・鬼灯で台湾ワールド。「オマケ」的でなくて、かな~り美味しかった♪
AKAME
 コラボは一側面としてショーケース性を持つものであるが、「AKAME」が見せてくれた魅力にはクラクラ。
 根っ子のある料理が、ピンとした調理の中に揺らぎやヘテロ性をもって「野趣」のような流れのある感覚を食べる客に伝えてくる。
 現地で、山ん中のイングレディエンツと、どうしてああしてこうして格闘して戯れあっているか、実感してみたいものでありんす♪

アイーダ・アカメ [番外編:コラボ Villa AiDA x AKAME]

2019年 6月 ☆☆☆

 [Villa AiDA x AKAME]
 *クイーンズファームホロホロ鳥のソーセージ フレッシュ ひよこ豆のタルティーヌ しらす
 *シャドークイーン 真鯛 馬祖蝦油
 *しらすトマト
 *かつお 麦味噌 水ナス
 *鮑 キヌア
 *クイーンズファームホロホロ鳥
 *海老 コーン醤
 *菜園野菜&ハーブ
 *鹿 馬告 樹豆
 *猪 山椒みそ
 *アイスギモーブ
 *愛玉ゼリー
 +和歌山ボイジャーブルーイングGold
 +Possa Perseghin Vino Bianco
 +16 Musann Blanc Weight Stone
 +11 Yoichi Nobori Kyumura Pinot Noir Takahiko Soga
 +12 Vipavska Dolina ANA cuvee Mlecnik
 +14 Save Our Souls Sauvignon
 +11 CNDP Domaine du Banneret
 +13 a hum Beau Paysage Tshugane

アイーダ・アカメ
[AQ!]
 アイーダとアカメがコラボするって。…えー、なにぃ~!?
 これは食い逃すわけにはイカン。
 …で、和歌山(^^;)。

 ワシらには、Atsushi Tanaka x Even Ramsvik 以来か…という、サイコーレベルで意外性ある組合せだが、アイーダチームがアカメに食べに行ったのをキッカケに湧いてきた話だと言う。コラボは、8月…だっけかな、には、アカメの方でも開催予定だそう。

 金土の2日間開催の土曜。まっつぐアイーダだし、関空から行くことにする。
 …が、前日から天気予報は「明日は大荒れでしょう、どうなってもワシゃ知らん」…みたいな警報を発して、それなりにヤキモキ(^^;)。
 実際には、羽田に行ってみると、欠航してたのは八丈島便くらいだった。ふぅ。
 関空についてみると、予報では何十mm/hか降ってる筈の雨があがってた。
 ではあるが、阪和線に乗ってディスプレイを見ると、関西中のJRがアチコチで止まってる。ほへ。…ってか、阪和線もどっかの橋のとこで止まってたそうで、今、動き出したとか何とか。ほへへ。
 …そんな話を以後、何回か関西人にしてみたんだが、だいたい、「電車はすぐ止まるんですよ」でオシマイ(^^;)。関西じゃ「雨降ってJR止まる」は話題のうちに入らんみたいぢゃ(^^;)。

 紀伊駅。
 いつもは数台いるタクシーがいない。詰所のオジサンに呼んでもらう。
 この詰所に、中国系の若者も来ててオジサンとたどたどしい会話をしていた。このヒトらもアイーダなんちゃうか?…と思ってたのだけど、そのうちいなくなっちゃった。
 …のだけど、アイーダに、時間間際に現れました(笑)。何か、タクシー呼んでけれ…の話が通じなくて、歩いてきたらしい(4kmくらいかなあ)。…逞しい。
アイーダ・アカメ
 ボクらはタクシーでアイーダ着。
 この週末の天候は、「イベントでは屋外ファイア」なアカメ調理にも残念なのだが、どうしてるかと思ったら、玄関先の軒下に火を熾していた♪
 やあやあ、Alexさん、楽しみに来たゼ、どもども…で握手。
 焼きの岩盤プレートは向こうから担いできたらしい。猪の塊や鮑に、ジワっと火が入っている。
 昨日は天気が良かったので「庭にテント」で火入れできたらしい。

[へべ]
 アイーダの軒先で、アカメのAlexが肉を焼いてる! なんという、(ウチにとってはある種)夢のような光景…。


[AQ!]
 サロンで、小林夫妻と乾杯♪ 和歌山ボイジャーブルーイングGold。寛司シェフはカンパリだっけか。
 今回の話や、先々月の大阪エキスポの話など。
 今回コラボに臨んでは、リラックスして楽しんでる様子。
「AlexはAkameでも、ず~っと炉に張り付いたままだけど(そうそう!)、昨日今日も、ず~っと、なんかこちゃこちゃ料理してるんですよ」
 というのが、Alex観察レポート♪
アイーダ・アカメ
 全10席(ウルトラ贅沢)の相客は時間間際に揃って、開会を迎える。
 言語不如意な2人なので(いや冗談ですが(^^;))、フニャフニャ~っと始まる(笑)。好きです♪
 コラボのスタイルだが、原則、お互いの皿をかわりばんこに出してく感じで、Alexシェフはアイーダ産や和歌山産の食材と、寛司シェフはAKAME持参の調味料やハーブと、交歓・奮闘する交流戦が、まず当面の軸となる。…ということのようだ。

クイーンズファームホロホロ鳥のソーセージ
 AKAME: ホロホロブラックソーセージ 花生味噌 大葉包み/粟せんべい 鳥レバー

フレッシュひよこ豆のタルティーヌ しらす
 aida: 生フムス しらす フェンネル・人参花

 まず、アミューズ的に3品。
 ホロホロのブーダンノワールに花生味噌がイイ。レバーペーストの台の煎餅は、粟。粟は、ルカイ族ではよく食べられる食材。
 寛司シェフの「生フムス」という説明がわかり易い。ここに「しらす」は予定してなかったのだけど、Akameのを横目で見てて乗せたくなった、とか…w。
アイーダ・アカメ
シャドークイーン 真鯛 馬祖蝦油
 aida: くろもじシードパウダー
 美味♪…こーゆーのがあるから、和歌山に飛んでこなくちゃ。真鯛・馬祖蝦油は下に隠れている。馬祖は福州の先のすごいとこw…で蝦油は名産。
 どうでもいい話だが、シャドークイーンの紫の発色は、肉眼よりカメラが綺麗(笑)。

[へべ]
 シャドークイーンと真鯛に馬祖蝦油!
 海の旨味がビートを刻み、馬鈴薯姫がくるりと舞えば、暗紫色のドレスから、ふわりと黒文字が香り立つ。ビジュアルにも味にもうっとり、大好きな一皿でした。

[AQ!]
しらすトマト
 AKAME: しらす藁燻製・チーズ 樹豆味噌のたまり醤油 コスモスと向日葵
 トマトスープを回しがけ。これは「原住民ガスパチョ」…とでも言うか、なスープで、現地では夏に盛んに飲むそう。
 オリジナリティある美味。「西洋トマトスープ」なら「バルサミコ」…に見える黒チョン、が、樹豆味噌たまり醤油。
 またここでは、台湾から持参の「16 Musann Blanc Weight Stone (威石東台灣葡萄酒 )」が振舞われたが、フツーにイケてる!
アイーダ・アカメ
かつお 麦味噌 水ナス
 aida: チア葉 柑橘皮
 味噌はAKAME持参。「普段は、もろに味噌…とか、やらないから、いつもと全然違うボク♪」…みたいなことを寛司シェフ(笑)。
 さすがのバランス。チア葉がフツーに伸びてる自家菜園、すばらし♪

鮑 キヌア
 AKAME: 小コリンキー 赤キヌア 花 スープがけ
 玄関先で炙ってた鮑は、ここで温刺身のような具合となって登場。一片ごとに、コリンキーの薄片と並び、そこにスープ。
 これは快心作! 鮑の旨みとかに拘泥し過ぎない…とでもいうか、軽やかで高潔な鮑の香りを楽しむ…感じ。
 添えの赤キヌア…紅藜麥、も、よく似合う。ルカイ族の村に揺れる赤い穂を思い出す。
アイーダ・アカメ
クイーンズファームホロホロ鳥
 aida: 蕎麦の実・樹豆 茄子 香草・花
 アミューズでもいただいたが、御坊の近く、日高町クイーンズファームのホロホロが美味しい。
 茄子だ、蕎麦実だ、巧みだなあ、好き。ここにも樹豆の味噌。
アイーダ・アカメ
アイーダ・アカメ 海老・コーン醤
 AKAME: ワカメ ヤングコーン オキサリス
 なかなかグッドルッキングでもある。ワカメ・オキサリスが、良い嵌り具合。コーン醤が穏やかに効く。

菜園野菜&ハーブ
 aida: ほぼ自家農園野菜。プラス 茗荷・乾燥マンゴー
 この顔は見ないと帰れない(笑)。…いや、食わないと。
アイーダ・アカメ
アイーダ・アカメ 鹿 馬告 樹豆
 インゲン豆 フレーズドボア 樹豆とその味噌 しし唐
 お肉、まずは鹿。「鹿と馬告」のマッチングだけでも最近の「街の話題、ホッテスト」って感じだがw、このキャスティングがつくづく素晴らしい。
 樹豆とその味噌、そして自家のフレーズドボア。そして、ヒラっと隠元。…ああ、やっぱ、連呼するだけになってしまった(^^;)。

猪 山椒みそ
 山椒ソース ズッキーニ花の粟餅ファルシ ズッキーニ 菜
 そして、玄関先で魂を蓄えていた猪が、満を持しての登場。
 デンっ! おお、見た目が、もう、AKAME!
 そして、(ここまでもそうだが)AKAMEの味!!! …ってのが、何とも嬉しい♪
 カット、マリネ、焼き…全てが、「自分の持っているソレ」の方向を、キチンと向いてるんだろうなあ。
 それが、和歌山の猪・和歌山の山椒と美しい交響を描く。
 AKAMEの焼き肉の特徴として食べ易さ、もあって、スルスルペロリ…とすぐなくなる(^^;)。

[へべ]
 猪の、骨周りの身にかぶりつく。あぁ、これこれ、この味だ!と、嬉しくなる。
 AKAMEの肉は不思議に旨い。マリネして塗って焼いて…これってルカイの知恵とAlexの創意工夫が生む味なのだろうか。肉にぴたりと寄り添いなじみ、肉そのものの美点をくっきり浮かび上がらせる。
アイーダ・アカメ
アイーダ・アカメ [AQ!]
アイスギモーブ
 山椒ギモーブ
 山椒は甘味にも大活躍。香り高い♪
 実は、このイベントのおかげで、有田川の「かんじゃ山椒園」さんのお話が色々伺えたのも大収穫。

愛玉ゼリー
 天然愛生 粟 焼き桃・李 乾燥パイン
 愛生は向こうから持参し、おねーさんが丁寧に揉んで出したモノ♪
 桃・李は、焼くヨ!
 粟は全編に渡って、大活躍。有用♪
アイーダ・アカメ
山椒落雁、ルバーブタルト
 ミニャルディーズを抓みながら。

- ルカイの村でも聞いたが、雄石と雌石の話。持参した焼き石盤は、雌石だそうで、これが雄石だと割れやすいと言う。
- 山椒も雄雌がある。花山椒は雄。
- アイーダ農園の野菜の種類、すごいなあ。いや、それがですね、それはそうなんですけど今年は、「いちばんフツーの茄子」と「いちばんフツーの胡瓜」を蒔き忘れてしまって。使おうと思ったら買わなきゃいけない(笑)。
アイーダ・アカメ
 …とか言ってると終電近くに。
 いやあ、サイコーの会でした♪
 美味しいものって、美味しい。怖いほどに!
 皆さんに感謝。

 …で、、、と言ってたら、「かんじゃ山椒園」さんが和歌山駅までクルマで行くので乗せてってくれるとおっしゃる。ありがとうございます。
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  Restaurat A  A BY ALAIN H
  
台北市大安區忠孝東路3段282號4樓 886 2 2721 8088 restaurant-a.com
depuis2023 Chef: Alain Huang 黃以倫 (1982-)
・ 2023年、黃以倫シェフの新店スタート
  → 2024台湾旅行記はこちら  

2024年 5月 ☆☆☆

[ Sensation ]
 *Salty : BOUCHON 軟木塞
  Comte / Pine Nut / Brocollini
 *Sweetness : CAVIAR 魚子醤玉米金杯
  Caviar / Creme Fraiche / Corn
 *Bitter & Acidity : PATE DE FOIE 可可梅酒肝醤塔
  Chicken Liver / Cocoa / Pumpernickel
 *Spicy : PETIT POIS A LA FRANCAISE 芥香甜豆白蝦塔
  Shiro Ebi / Wasabi / Green Peas
 *UMAMI : SOUP AND BREAD 覃菇珈琲興甜甜圏
  Mushroom Cappuccino / truffle Doughnut
 *Shiso Flower : BORSHT 紫蘇醋漬牡丹蝦
  Botan Ebi / Cranberry / Shiso Flower
 *Chrysanthemum : SALADE VERTE 花蛤山菜緑沙拉
  Clam / Avocado / Fern
 *Osmanthus : BISQUE 桂香海膽花蟹湯
  King Crab / Sea Urchin / Jambon
 *Cherry Blossom & Caper : GRENOBLOISE 刺山奶油青花焗白蘆筍
  Mackerel / Finger Lime / White Asparagus
 *Artichoke & Chive Flower : BLANQUETTE DE VEAU 白酒松露燴小牛
  Veal / Artichoke / Morrel / Coleslaw
 *Elderflower : CALVADOS SOUR 接骨木青蘋威士忌凝乳
  Elderflower Lime / Granny Smith / Whisky
 *Hops : ILE FLOTTANTE 白啤酒香橙漂浮島
  White Beer / Orange Flower / Bay Leaf
 *A Tropic : FRUIT SELECTION 茉莉檸檬牛奶棗
  Chenin Blanc
 *A Mignonne : NOUGATINE 玫瑰杏仁牛嗄糖
  Rose / Almond / Raspberry
 *A Fin : CAFE GOURMANDE 珈琲茶點
  Lavender Galette / Cardamon Cannele
 +NV Champagne Cuvee Essentiel / Piper Heidsieck
 +20 Alsace Pinot Blanc / Vincent Fleith
 +21 Ried Grub 1 ÖTW / Schloss Gobelsburg
 +23 The Soloist Pinot Noir / Misha's Vineyard
 +20 Jurancon Quatre Temps - vin blanc sec / domaine Cauhapé
 +21 Gamay / Bass Phillip
 +White Port Blend No.5 Meio Seco / W. & J. Graham's

酒水部顧問 David HSIAO
主席侍酒師 Cindy LIN
A A A A A A A A A A A A
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  Amaru  アマル
  
5/1121 High Street Armadale VIC +61 3 9822 01 44 www.amarumelbourne.com.au

・ メルボルンのイノベーティブレストラン
  → 2019オーストラリア旅行記はこちら

Amaru 2019年 5月 ☆☆

 *Infusion of Wild Aromatics
 *Onion / Garfish / Sheeps Milk Yoghurt
 *Fermented Carrot / Lightly Smoked Duck Ham
 *Smoked Eel / Kohlrabi / Apple
 *DimSim / Black Garlic / Natural Yeast
 *Portarlington Mussels / Charred Broccoli / Grilled Lettuce
 +16 Hirsch Kammern Gruner Veltliner, Kamptal, AT
 *Mud Crab / Sea Lettuce / Iced Apple
 +15 Okonomierat Rebholz Trocken Riesling, Pfalz, DE
 *Our Sourdough
 *King George Whiting / Caramelised Sheeps Yoghurt / Fermented Honey
 +18 Jamsheed Rousanne, Beechworth, VIC
 *Lamb Sweetbreads / Sweetcorn Custard / Victorian Eel
 +17 COS Rami Insolia/Grecanico, Sicily, IT
 *Red Kangaroo / Hazelnut / Raw Liquorice
 +18 JCs Own Little Monster Grenache, Barossa Valley, SA
 *Main Ridge Strawberry / Citrus Curd / Pistachio Marshmallow
 +18 Scorpo Pinsanto Pinot Gris, Mornington, VIC
 *Otway Shiitake / Shiso / Cacao
 +MV Henriques & Henriques 5 Year Finest Medium Dry, Madeira, PG
 *Salted Woodside Goats Curd / Blood Plum / Lemon Myrtle
 +09 Baumard Clos de Saint Catherine Chenin Blanc, Loire Valley, FR
 *Olive Oil Pastille
 *Pumpkin Caramel

Amaru
[へべ]
 メルボルンと言えば、Y野K二シェフに会いたいぞ〜っ…と乗り込むアマル♪

[AQ!]
 ビクトリア州の2帽レベルのレストラン…というと、Cutler & Co., Vue de Monde…あたりを筆頭に20軒程度がひしめくが、その中でもメキメキ頭角をあらわしてきているのが「AMARU」。
 …と、ま、フツーに紹介すればそんな店であるが、「現在はあの吉野勝二シェフが厨房に入って活躍している!」…と書けば、「そりゃ行かなくてはイカン」ということになるだろうw。

 メルボルンの名だたるレストラン、ど市街地にあるのはVue de Mondeくらいで、「近郊」って感じの所在が多い。AMARUもそうで、Armadaleという町にある。地図で見ると、幸い、目の前の通りをトラムが走っている。
 トラムはとろとろ進む。ので、中心部のフリンダース駅辺りから20分ほど。なんちゅうのか、だいぶノンビリした雰囲気の街並みに並ぶ。
 ま、アッティカみたいな立地。
Amaru
 エントランスはかなり、さりげない。店内はサンパな空間、とでも言うかなあ、いい意味、ヒトんち…みたいなw。
「やぁやぁやぁ、元気元気?」…元気そうでふ♪
 イースター明けのこの時期は客の波が激しいそうで、この日は3組だけ…かな。翌日は満席な感じだそう。この仕様だと満席は大変だろうな…と思うと、事実、そうだって(^^;)。

 そういえば改装したばかり…って言ってたっけ。厨房、広くなった、だっけ。
 カウンターからはほぼフルオープン、楽しい。そう言えば、サイト予約から、このカウンターを選べる。オーストラリアの予約システムではこの選択可能なとこが多い。

Infusion of Wild Aromatics
 ハーブティー風のおうすから。豪州は液体モノでスタートがわりと多いかな。
Amaru
[へべ]
Onion / Garfish / Sheeps Milk Yoghurt
 フィンガースナック。ガーフィッシュはサヨリ。

[AQ!]
Fermented Carrot / Lightly Smoked Duck Ham
 発酵人参と人参パウダー。ダックハムは「店の裏で」。
「オーストラリアって、何でも干しとくと具合よくあがるんですよネ…」、、、みたいな気候なんだなあ(^^;)。
Amaru
Smoked Eel / Kohlrabi / Apple
 ひと口タルト。手渡しだっけ?

DimSim / Black Garlic / Natural Yeast
 見た目は、ミニ・アメリカンドック(笑)。「Dim Sim」ってのはオーストラリア英語らしく、まあDim Sumから来てるんだろうが、焼売っぽいファーストフードだって。…その、ガストロ版w。
 黒大蒜ペースト敷き。

Portarlington Mussels / Charred Broccoli / Grilled Lettuce
 これより本編。
 マッスル x 緑黒。…てぇげぇウマイ奴!、だが、ちゃんとウマイ!
 とくに焼レタスが、甘香ばしくて猛烈にイイのだが、ナイフで切るのがタイヘン(^^;)。噛み切るのもタイヘン。厨房で切ってくれててもヨカタかな(笑)。
 Portarlingtonはポートフィリップ湾を挟んで、メルボルンの対岸。
 手堅く(?)Gruner Veltliner。
Amaru
Mud Crab / Sea Lettuce / Iced Apple
 へべ「お次は緑の…冷たい…マッドクラブ???」
 マッドクラブ サンダルウッドベリー デザートレモン シーレタス
 豪州名物マッドクラブ…は、ガストロ店では“タダでは”出ない…は定番か(笑)。蟹かき氷?
 …まあ、でも、蟹に青林檎、と、定法を押さえてる感もあり。爽やかにいただく。
 蟹には、Riesling Trocken。

Our Sourdough
 パンの段。いい具合のサワードゥ。ホイップバター、ハニーオイル+バルサミコ。
Amaru
[へべ]
King George Whiting / Caramelised Sheeps Yoghurt / Fermented Honey
 king george whiting =でっかいキス。
 焼けた皮の香りがいい。キャラメライズドヨーグルトの抜けの良さ、焼き魚感が直球で伝わってくる巧みな組み立て。
 これ、好きでした!

[AQ!]
 ダイオウギス。これはウマイ!…焼き魚性と料理力が光っている。美味しい魚だなあ♪
 吉野シェフは「鱚は日本よりいいんじゃないですか…」と笑う。
 (後日メモ)king george whiting…は前回のメルボルンでは、アッティカでいただいていたが、アボリジニ・スタイルの樹皮巻焼という手法にビックリして、ダイオウギスの方の印象は薄かったのであった。今回は、核はモロに「焼魚」なので、よくわかる。
 もっとも、焼魚、焼魚と言うてるけど、キャラメライズドヨーグルトに発酵蜂蜜…という「ワザ」がよく効いている。
 この店はワールド・ワイン・ペアリングだが、ここでは地元ビクトリア州のルーサンヌ。
Amaru
Amaru Lamb Sweetbreads / Sweetcorn Custard / Victorian Eel
 リダニョー。底にコーン・カスタードを敷いて、スープ仕立て。
「そういえば、リドヴォー…仔牛もですか…案外無いんですよ、コッチ。育てて食うものだからw」…と吉野シェフ。
「そのコーンはパコジェット『2』です、けっこー、兵器揃ってますよ、此処も」
 トゥルン、モチっ…と美味。

Red Kangaroo / Hazelnut / Raw Liquorice
 へべ「肉質も火入れもエクセレントな暗赤色のカンガルー肉に、なんと生リコリス。これが意外にもしっくりと、端正に決まってる。スペシャリテというのもうなずける、また食べたくなる一品」
 カンガルー 生リコリス 玉葱 花梨…
 こちらのスペシャリテ!的なひと皿だそう。カンガルー肉の肉やかな表情が輝いている、美味♪
 花梨はこないだまでは林檎だったそう。
 JCs Own Little Monster…ずんぐりしたボトルのバロッサバレー・グルナッシュ、を、デカンタージュして。
Amaru
Amaru Main Ridge Strawberry / Citrus Curd / Pistachio Marshmallow
 甘味も怠り無く、段数を積んでくる。
 相方はメルボルン近郊、Morningtonのピノグリ。Pistachio Marshmallowのアイスは、下にひそんでいる。

Otway Shiitake / Shiso / Cacao
 おおっと~、OtwayはBraeのある辺り、「Otway Shiitake」は名産品として知られるが、本日は甘味コーナーでの登場だ。
 紫蘇も従えてのジャパネスクだが、なかなかウットリする仕上がり。
 マデラで。
Amaru
Salted Woodside Goats Curd / Blood Plum / Lemon Myrtle
 名残を惜しむ山羊(笑)。Woodsideは東部ビクトリア州の地名のようだ。
 3ステップの甘味の段に、スイートワイン3杯。最後は、ロワールのシュナンブラン。些か、ご丁寧過ぎる気もするが(笑)。

Olive Oil Pastille
Pumpkin Caramel
 ミニャルディーズ。珈琲をおねがいする。
Amaru
Amaru  現場シェフの一人がマーエモでHシェフと同期だったそう。
 吉野シェフの料理説明も時に、「要はマーエモですけど内緒です、アハハ」…だったりする(笑)。
 そんなんも含め、北欧や現代のテクニックは熟知している。ワールドガストロの空気を吸っているレストラン。
 (職としての環境…は、「人に優しいオーストラリア」で、ナカナカよろしいそう)

 食べ軽い上に、総量的にも軽いんで、楽チン型。
 印象として、イノベーティブなモダンオーストラリアン…と聞いて人々が想起しそうなイメージの真ん中辺をスッと出してくる、って感じだ。
 世界の様々なフーディーさんたち(笑)…に、すんなり受け入れられるだろう、料理・アトモスフィア。
 (まあ、小さい店で吉野シェフが遊軍で入ってるから、皿の平均レベルが高いしなぁ)
 まだもっと、人気出て行きそうだな。
 その分、余計なことも言えば、料理・その流れには、整い過ぎ…というか、幾分オットリした感触…もある。
 良くも悪くも、一貫してスマート。
 AtticaやBraeのような3帽店になると、どっかで、もっと暴れてくるんだよな(笑)。その激しさが、スケールを大きくする。
 AMARUは、「よくまとまっている」。
 …まあ、でも、いい店だ♪

 帰りもトラム。トラムの行き帰り…が、絶妙に気持ちイイ♪




番外編:[夏と冬の献立 Katsuji Yoshino] @ 神宮前eatrip

Katsuji 2020年 1月 ☆☆☆

 [夏と冬の献立 Katsuji Yoshino]
 *ブロス
 *アカシアとジャスミンのビスケット
 *マッシュルームと茴香のサブレ
 *大根、キャラメライズしたリコッタ
 *DIMSUM
 *出来立てのフレッシュチーズ、発酵稲で燻製したピスタチオ
 *オーストラリア和牛の生ハム、ひよこ豆と玉ねぎのブロス
 *白菜のロースト、発酵バターミルク、南半球のハーブ
 *方向性の対比、ケープグリムビーフ、セブンスクリーク和牛、焦した牡蠣のソース
 *ベジマイトのパスタ
 *ポリッジのアイスクリーム、ヘーゼルナッツとサンダルウッドナッツのプラリネ
 *食後のお茶菓子
 +GARG'N'GO
 +15 Une Altesse en Paradis
 +15 L'Arco Rosso del Veronese
 +Fontedicto Pirouette (mag)
 +Benoit Camus La Cle des Sois Chardonnay

[AQ!]
 メルボルン『AMARU』で活躍中のKatsuji Yoshinoシェフの、正月里帰り企画(?)として何本か催されたイベントの一つ。
 勿論伺いますよアッハッハ…とは言っていたのだが、発表されるやプラチナチケット状態の瞬殺だったようで、冷汗かいたというかご迷惑おかけしたというか…。
 大した人気モノの吉野シェフである。
Katsuji
 前回もKatsuji Yoshinoイベントを行った『eatrip』。
 カウンターの卓上には、くしゃくしゃに丸めた品書がポイっと置かれている。クール♪ (このやり方って、遠野『要』とか、あと何処とかだっけ…)
 開いて拝見すると、まずは、今回主旨のステートメントが。ちょっと長いが、↓ 以下である。

昨今、世界中でどこでも美味しいものが食べられる時代になってきました。それは技術や 流通が発達したからだと考えます。私は料理人が料理する上で一番大切なのは食材であ り、その食材に対して丁寧な仕事、最適な調理法を施していくことだと思っています。しかし、マグロや鰻を始めとする水産資源が年々減少の傾向にあるように私たちの消費の仕方についても考えていかなければいけません。料理人は食材があってこそです。私たち料理人ができることは、農家の方や生産者の方々と寄り添っていくこと、食材を無駄な く使い切ることが本来のサスティナビリティーにつながるのではと考えます。生産者の方にも料理人にも言えることですが、効率を求めるとクオリティーは上がりません。資源国家でありオーガニック先進国オーストラリアでは、農家や酪農家のオーガニックに対する姿勢や消費者の理解が深く、互いに価値を共有しているからこその生産者と消費者の対等な関係が見えます。今回はそういったサスティナビリティーや生産者の思いも一皿に込めました。

Katsuji
ブロス
 ビクトリア州のハーブのひと口温ブロスで、ほっこりとお出迎え。

アカシアとジャスミンのビスケット
 可愛く美味。

マッシュルームと茴香のサブレ
 「これはたしか以前にもお出しした…」、見覚えのあるプレゼンだが、今回はビクトリアの7種茸を使った深味。

大根、キャラメライズしたリコッタ
 赤にしようかピンクにしようか♪ 渋谷チーズスタンドから。

DIMSUM
 スペシャリ点心♪
Katsuji
出来立てのフレッシュチーズ、発酵稲で燻製したピスタチオ
 これも、渋谷チーズスタンド。牧場の香り…まきばのかほり♪ グランメゾン東京のアレ…より美味しい(笑)。

オーストラリア和牛の生ハム、ひよこ豆と玉ねぎのブロス
 揚げひよこ豆、チェリー。
 いやあ何ともオーストラリアンな眺めで、これがすこぶる美味い。いい料理。

白菜のロースト、発酵バターミルク、南半球のハーブ
 白菜2020♪ 新版となって、昨年に続き登場。シェフ自ら、ソースのサービス。
 コレヨコレコレ!感に溢るる、魅力一杯。
 オーストラリアハーブの、どことなく荒涼味w(…って言うのかなあ、そんな感じ)の良さ。…は、至るところに出ているけど、この皿は典型的。
Katsuji
Katsuji 方向性の対比、ケープグリムビーフ、セブンスクリーク和牛、焦した牡蠣のソース
 豪州牛食べ比べ…ってことで、シェフからの質問状…風。
 まさに「方向性」の違う2種のビーフ…であるけど、うん、まあコッチにとってはどちらかがイマイチ…な方がご意見は言いやすいよなあ、というくらい、どちらもよく出来た牛肉である。ま、ワシら、和牛よりWagyuの方が好きなもんで、「Sevens Creek Wagyu」と書いてくれた方が気分かなw。このWagyuは「熟成にも耐える」作り…って話だったっけ。
 まあしかし、Cape Grim Beefの自分にとってのスンナリ感は、至高。

ベジマイトのパスタ
 あっはっは♪
 旨みも入れたベジマイト。で、ミートソースの方は、ふくどめさんに正月からすんませんと願ったチンタの腿…という気合の入りよう! (最近の漫画で言えば)「紛争でしたら…」の八田に食わせたい(笑)。
Katsuji
ポリッジのアイスクリーム、ヘーゼルナッツとサンダルウッドナッツのプラリネ
 ポリッジの油・糊化。リオレの遠い親戚か♪ ブッシュソルト。
 魅惑のプラリネと、とっても美味しい。

食後のお茶菓子
 牛脂のビスキュイであるとか。

*****

 良かった。とても美味しかった。
 ん~何だろう、まともに、「正当な思索は美味くなる」もんなんやぁ!…って感じ。
Katsuji
 吉野シェフの料理は、初めていただいた時から、確かな技術と旨さの感覚に信頼感を抱いているものだが、今日はもう一歩、グイと踏み込んだ…ような感覚、美味しさがある。
 豪州ライフの展開も落ち着いて『AMARU』に取り組めるようになったこともあるだろうし、品書のステートメントにあるようにサスティナビリティーも含めた食材・生産者に対する思いということもあるだろう。
 それが、いい意味で一段、迫力のある美味さとして現れているような印象だった。

 現代において、食材に対してエシカルであろうとするのは、「(元々は)旨くなきゃ嫌だ男…なんですけどね(笑)」というシェフにとって、デメリットな面も勿論あるのだが、その総体を受け入れて道を切り開いて行こう…という気概が感じられた一夜。

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  Les Amis  レザミ
  
1 Scotts Road, Shaw Centre, Singapore 228208 +65 67332225 www.lesamis.com.sg

・ シンガポールのワインに手厚いフランス料理
  → 2013シンガポール旅行記はこちら

2013年 8月 ☆

[AQ!]
 昼に「Les Amis」。
 シンガポールを代表するファイン・ダイニングで、受賞歴も数知れず。数店舗を展開するが、本丸に伺う。
 入居しているビル全体が大改装中で、多少、わかりにくかったが。

 という訳で「フレンチの名店」…ともなるのだが、行ってみたら、少し想像していた通りに(まあどっちかと言うと)「ワイン・レストラン」の趣きが強かった、かな。
 料理は、ガストロとして、まあいい意味でも悪い意味でも、どっちゅうことは無い(^^;)。

 ワインリストは壮麗にして絢爛。まあ、聞いてましたが(笑)。
 ソムリエは神経を使ってて、我々のワインリストを挟んでの会話を後ろから、見聞きしていたようで、
「何かありました? 一つ、アナタ方が好きそうなタイプで提案が有り升…」
 で、出てきたのは、
「以前にロンドンでみつけた小さなドメーヌものだけど、今、ちょうどいいと思う…」
 という、86のボヌマール、ダニエル・モワヌ・ユドロ。(し、渋い…)
 これは実に具合が良かった。堪能。これが飲めたら、来てよかった…としよう。
 古酒の貫禄と色気をふりまきながら、まだ下り坂は意識させない。
 …しかし、確かにワシら好みなんだけど、なんでわかったかなあ???(笑)

 後で、「どうせ見るダロ?」とカーヴ見学。ハハハ、ロマコンのダブルマグナムやら積み上がって、壮麗にして絢爛やわ(笑)。
 まあしかし、何となくの空気だけで言えば、「東南アジア成金カーヴ」の中では、フェイクワインの掴まされ率…とか低そうな気はした、此処は。




[AQ!]
 んー、此処は「ワインレストラン、、」…かなあ、。

 鮪イクラ海苔巻き・山葵ペースト

 ワインリスト・カーヴは、「壮麗」…の一言。ここより後に生えてきたバブリー店に比べれば「フェイクワイン」の心配も少な目じゃないか?…という雰囲気が、なんとなく、する。
 ソムリエが、おそらく我々のワイン品定め会話をちょい聞きしたり、眺めてるページをチェックしてたんだと思うのだが、それにしてもオススメは変わったところから、来た。
 「ロンドンで見て買ったものなんだけど、ちょっと珍しいかも。今、美味しいと思う」
 で、86のダニエル・モワンヌ・ユデロのボヌマール。
 ナイスでした。

 鰹にフォアグラ(いたづらにデカイ)、まあ無くは無いか、という組合せ。「DASHI」スープ付き。ちょい低次元…ではあるが、まずまず合ってる。

 桜海老スパゲティは、いい意味、ごくフツーに普通味。しかし「なんで桜海老…」と思ってたら、イギーズのプリフィクスの選択肢にも桜海老パスタがあった。流行ってるのか?(^^;;)

 牛タルタルは「ほんとにタルタルだけだけど、いい?」と変な注釈つき(笑)。オーソドックス。フレンチフライ○とミニバゲット△付き。

 豚はマンガリッツァ。この辺はワインによろし。ガルニの白菜も悪くない。

 デセールがいつまでも来ねぇなあ…と言ってたら、さっき出たプレデセールだと思ったカシスアイスがそうだったようだ(^^;)。

 あと、食後の珈琲・紅茶の注文が、無し。忘れたか? ま、結構長く居座ってたんで、まいっか…と。 (いやしかし、珈琲が来ないからダラダラと…(^^;))
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  ANDRE  アンドレ
  
41 Bukit Pasoh Road, Singapore 089855 restaurantandre.com
料理長: Andre Chiang
・ シンガポールの進化型フランス料理
 André Chiang 江振誠シェフは、シンガポール「アンドレ」の2018年2月14日(バレンタインかw)の閉店を発表したそうだ。それに先立ち、ミシュランの2つ星も返上とのこと。

 今後については、出身国台湾へ戻り「RAW」で後進のフォローにあたる…という穏当なとこまでは表明しているw。
 41歳になるようだ。年齢は、Oud SluisのSergio Hermanの「一旦リセット」を思い起こさせる感じ、か。

  → 2013シンガポール旅行記はこちら

2013年 8月 ☆☆☆

 Octa philosophy
 *PURE
 *SALT
 *ARTISAN
 *SOUTH
 *TEXTURE
 *UNIQUE
 *MEMORY
 *TERROIR
 +Champagne brut blanc de blanc reserve selection / Michel Turgy
 +11 Chablis Les Forets / Patrick Piuze
 +10 Roc D'Anglade
 +10 Sancerre blanc "Akmenine" / Sebastian Riffault
 +02 Costa Caoude / Mas Haut Buis
 +03 Arbois Vin Jaune "En Spois"Bénédicte et Stéphane Tissot


[へべ]
 一軒家風の親密な造り。手荷物置きの羊。古書のようなワインリスト。照明、調度、器…。
 オーナーシェフ・アンドレチャンの趣味がはしばしに感じられる店内に入ると、「主に迎えられた」ような心地良さに包まれる。
 ソムリエの長谷川さんにも歓待していただき、リラックスしてテーブルにつく。

[AQ!]
 さてシンガポール、ローコーをまったりと流していたと思うと、忽然とファインダイニングの日々も始まるのだ。
 いきなり先頭に持ってきたのは、まさに「今をときめく」アンドレ・チャン率いる「アンドレ」である。
 ま、ぶっちゃけ、「この旅の目的」でもある。

 いやあ、凄かった! そして、美味かった!
 EのSシェフが、
「僕はアンドレは次代のアジアのフランス料理を変えるキーマンじゃないかと思うんですが」
 …とオーバーな(笑)ことを言っていたけど、今となっては、「まことに同感…」と頷くより他は無い。

 アンドレの、モンペリエやパリでのキャリアはご存知の通りだけど、、客として虚心にいただいていると、連想が湧いてくるのは、Oud SluisのSergioやDanny Horseele。そして、Kromme WatergangやHof van Cleve…と、ベネルクス新世代組の顔。
 多分それは、フランスとは距離を取りながらも、スパニッシュモダンや北欧モダンよりはずっと「フランス料理の根っ子」が深くはっているからだろう。
 また、アジアっぽさや日本っぽさは、現フランスのフランス料理より少なめ、かもしれない(笑)(笑)。
 シンガポールという土地柄、現在の「局所ローカル」潮流とはあまり関わらず、「シェフ個人の個性と才能」が支配的に正面に立つ。

 もう一つの魅力、ワインペアリングを仕切るソムリエは長谷川さん、日本人。
 …実は日本時代に多少の知己であったので、今回は最初から「ホームゲーム」で、随分とラクに寛がせていただいてしまった。

 再訪を熱烈に希望する一軒である。

 ***

 ワインリスト…というか読本というか、、、凝った装丁。
 シェフの趣味らしい。

 アミューズ、「ちょうど現代」という感じだが、隅まで「味が良い」。
 アンドレは一貫してそういう印象。


[へべ]
 [アミューズ]
 ・カラメルオリーブ:ほとばしる汁気と旨味、シャンパーニュに相性ばっちり。
 ・シルバーのさじ上にポップコーンのスプレッド、甘みと軽い香ばしさ。
 ・パラフィン紙で巻いて木のミニ洗濯ばさみでとめてあるのは小さなロールサンドイッチ。
 ・極うすチュイルにねっとり甘いえびとグリーンカレー、ぎりぎり抑えたアジアンテイスト。白樺みたいな切り株に載せて。
 ・浅い木箱に食べられる土、セップにチュイル、小じゃがいものパタタスブラバス(絶品!)、細切りじゃがいもの衣をまとったフィッシュ&チップス。

 [ピュア]
 塩・調味料は使っていない、素材そのものの味を。
 ムール、オーシャントラウト、アワビ…海の味に緑のジュ、ディルや菊やシソの花、ハーブ、野菜がそっと寄り添う。
 耳を澄まして食べる感じだが、おいしい味わい。難解ではない。

[AQ!]
 [PURE]は、「塩、無し」ということらしい。その注釈アリの方がたしかに楽しめる。
 日本鮑、スペイン海老 ディル花、紫蘇花、菊花、…

 [SALT]
 「海のリヴィングフォレスト」(笑)
 牡蠣タルタル、グラニースミス、シーレタス、サリコルニア、ベイビーマッシュルーム、海の泡

[へべ]
 牡蠣のタルタルに海水の泡?、シーレタス(海草・アオサ・ワカメ的)。グラニースミスの淡緑の円盤ムースにマイクロきのこ、りんご、サリコルニアがハーブが“林立”、魚卵(キャビア)がちらばる、楽しい眺め。
 ナチュラルな味がすーっと体に入ってくる。

[アルティザン]
 茄子のテリーヌ(おそろしく、こっくり旨い)の上に鴨の舌、緑スプラウト、パースニップのピュレにゴボウの細切り揚げ、黒ごましお、色とりどりの茶色い味わい。
 秋のような、使いこんだ革のかばんのような。

[AQ!]
 [ARTISAN]
 茄子、鴨舌、サルシフィ、パースニップ、胡麻塩
 まさに、「お、このシェフ、趣味が合うんでねーの?」(笑)な一品。まとわりつくようで高く香る茄子は絶品。
 よくこの一品を入れてきたなあ!

 [SOUTH]
 南仏は大食いだから二品(笑)。
 ・カンパチ、鯵、鱸、雲丹、冷製リゾット
 ・ひじき、平目、トマト、腿、、、
「やっただけ」になりがちな面子が強烈に仕事してる。ヒジキに関しては、「味と香」を確かめて使っているのがよくわかる。

[へべ]
 南仏の気前良さを2階建て2皿構成で…イメージ。
 ウニの冷たいリゾット(ちょっと意外な味)に魚(カンパチ・スズキ・アジ)が鎮座して寿司を連想させる仕立ての皿がひとつ。
 もう一方はトマト、黒く太いヒジキ、桃!に魚。ヒジキのはまり方がさすが。ラディッシュ、海草?、ルコラ?

 [テクスチャ]
 ブルーオマールにキャビア、純じゃがいも100%のピュアなニョッキ、トリュフの香のオイル、マイクロマーシュ?(紫/紅)玉ネギのピクルス

[AQ!]
 [TEXTURE]
 ブルーオマール、100%ポテト・ニョッキ、キャビア、トリュフの香 主役はじゃがいもか(笑)

 10 Sancerre blanc "Akmenine" / Sebastian Riffault
 ビオで酸化ニュアンスのサンセール。酸化ニュアンスは積極的に使ってた。
 絶対わからないサンセール(笑)。今まで一人だけ当てた人がいるそうだが、このドメーヌのライバルの当主らしい(笑)。そっちのヒトは綺麗に作るらしい。

 ペアリングは、概ね2皿に1グラスのペースで、1皿目が終わったところで「種明かし」に来る。
 面白い。シャブリだけは当たった(笑)。

 [UNIQUE]
 テュルボ、アーティショー、白ワインソース

[へべ]
 [ユニーク]はヒラメ。

 [メモリー]はトリュフ茶わんむし。

[AQ!]
 [MEMORY]
 スペシャリテ・トリュフ茶碗蒸し

 [TERROIR]
 鳩はブレスだったかな、ソース後がけ、豆蔓
 この辺はかなり「キチンとフランス料理」…を真正面から。衒いなく美味し。

[へべ]
 [テロワール]
 鳩。にんじん、ピュレ、長ねぎ、ソース注ぎ、カリカリ、ワイルド(山の?)マスタード…マウンテンペッパー?

 [チーズ]
 ピーナツ砕きを器に、枕パン他。


[AQ!]
 フロマージュ・プレートの後、デセール4品にミニャルディーズ艦隊。
 力作揃いで、「アンドレは甘いもんもお楽しみだヨ!」と伝言したくなる(笑)。パティシエは、el bulli や Can Roca で修業経験のある日本人だそう。


[へべ]
 [デセール]
 ・フヌイユ 緑、白
 ・凍結乾燥ベリー 紅・紺 美味!
 ・枝豆ムースに米ポップ(パフ)
 ・あめの透明ボールにグラス


[AQ!]
 それにしても、単純な話、味が良い一夜であった(笑)。食後感は、内容以上に、レジェ!

[へべ]
 静かな、内省的な、内側に掘り下げよく考えられた料理。
 アジアであるとかシンガポールであるといった“立ち位置”よりも、シェフが誰であるかが皿の上に描かれる。
 「フランス料理」に根ざしたコンテンポラリー感は、ベネルクス的。
 「おいしさ」への着地が巧みにしてエレガント。

 フランス料理ながらクリアで抜けが良く軽やかな感じが、第一線のホーカーフードと(別次元ながら)どこか通じる印象。
 アジア人である客の味覚・自分の味覚にそういう美学というか評価軸がひょっとしてあるのでは?

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  attica  アッティカ
  
74 Glen Eira Road Ripponlea, VIC +61 3 9530 0111 www.attica.com.au
2006年開業 料理長: Ben Shewry
・ メルボルン近郊リッポンリーのレストラン
  → 2014メルボルン旅行記はこちら

  → 2019オーストラリア旅行記はこちら

2014年11月 ☆☆☆☆

 *Cow's Milk Cheese set overnight, cold-pressed Hazelnut Oil, Artichoke Thistle Honeycomb
 *Baby Corn with Butter
 *Wallaby Blood Pikelet, maaate
 *Mussle, Peas, Flowers in Chicken Stock
 ---
 *Sourdough Wholemeal Bread with Caramelised Wattleseed, Macadamia Nut Purée with Cold-Pressed Macadamia Oil and Fried Saltbush Leaves, House-Churned Butter
 ---
 *Show Crab and Sour Leaves
 +13 Chenin Blanc Secateurs / Badenhorst Family Wines
 *Salted Red Kangaroo and Bunya Bunya
 +13 Chinon Rose / Bernard Baudry
 *Minted Potato, Medium Rare
 +Derwent Aromatic Spelt Ale Tasmanian Farmhouse Ales
 *142 Days on Earth
 +14 Bobar Syrah Yarra Valley
 *King George Whiting in Paperbark
 +10 Marsanne Moon Boulburn Terrace Vineyard
 *Porc, Rotten Corn and Lemon Aspen
 +12 Britannia Creek Yarra Valley "attica" / Patrick Sullivan


 *Garden
 *Pears and Maidenii
 +Apianae Moscato del Molise
 *The Industrious Beet
 +06 Ch.Guiraud
 *Pukeko Egg


[AQ!]
 メルボルンの中心部から10kmほど南下した町リッポンリー。
 電車で15分ほど。トラムも走っている。
 駅からは数分、地味に古ぼけた建物の一角に地味に佇むその店が、今、世界中で話題の一軒「アッティカ」である。

 さすがに予約獲得戦はタイト。詳しくはサイトを参照されたし…だが、3ヵ月先の月の予約が第一水曜の現地9amだかに一斉オープンになる。週末の予約などはこの時刻ピッタリにクリック!…しないと即時に埋まってしまう可能性が大きい。
 ウチも、時計を睨みながらPCの前でスタンバイして、予約ゲット。
「おお、アッティカ取れたぞ!」…と航空券手配開始(^^;)。

 18時の開店、その時間の予約客が、既に17:55には4組ほども到着しており、ウロウロしている(笑)。
 地味~な町の路傍に、それなりにお洒落した客がソワソワしているので、すぐわかる(^^;)。

 ***

 旅の目的は「attica」と「Brae」。
 ヴィクトリア州のシェフ2トップの料理は、ホントに空恐ろしい体験だ。
 なんちゅうか、この期に及んで、
「世の中にはこんなウマイもんがあるんか!?」
 といったようなベタな溜息が頭の先から天に昇って行く…。

 ***


「はい、こんばんなすって、と…」
「ヤア、アキ~ラ!」
 …という訳で、今晩は東洋系はワシらだけの様子。
 (実際、客は豪州人が多いようだ。現在“似たような境遇”のオスロ「マーエモ」が「客の半分はエトランジェ」というのと対照的)

 まず「水はどうする?」を聞く豪州スタイルはメルボルンも同じ。「スティル、プリーズ」。
 素敵なパンにバターとともに用意されるマカデミアオイルに浮くフライドのソルトブッシュは「オーストラリアに来たぜい!」気分。

Cheese
 最初のご挨拶は、自家製フレッシュチーズで、この段は料理人が出てきて蜂の巣から蜜を掬ってかけてくれる。シェフ・ベン本人が出る卓も多く、顔馴染みなど、実際この段で談笑していたり、とか。
 そんなこんなでベンは客席滞在時間もある程度あるのだが、気がつくと厨房でファイアーしている(笑)。
 …そんな様子が何となく見てとれる程度に「(客・厨房)お互いちょっぴりだけオープン」なキッチン。

Baby Corn
 この季節らしく、ヤングコーンにバターを乗せて。
 コーンの先っちょの外皮、試しに齧ったらけっこー美味かったので食ってたら「いや、それは中身だけで…」と止められた(笑)。

Wallaby Blood Pikelet
 「My Recipes」と書かれた紙に乗ったパイクレット。いいツマミ。
 紙を裏返すと、この料理のレシピが書かれている。ちゃんと調理法にはなってるようなのだが、「ワラビーは信頼できる業者から入手しましょう。アナタの車のボンネットから、とか、路傍から…というのはオススメしないよ」…という調子(笑)。

Mussle, Peas, Flowers
 平たい円形の器の蓋を取ると、パッと卓上に花が咲く。
 ここまでアミューズらしいオツマミが並んだが、この一品は次からのメインコースへの序章…といった感じ。
 チキンストックの具合がマッスル・豆をぐんと持ち上げ、花のアクサンが入って、実にウマイ。

Show Crab and Sour Leaves
 本編はまず、蟹ほぐし身を酸い葉で覆い、ネイティブ・ペッパーベリーがけ。底に敷いた抑えたマンダリン使いが巧み。あくまで軽快。
 そこへの南アのシュナンブランというペアリングも良い。

Salted Red Kangaroo and Bunya Bunya
 赤カンガルーのタタキというかタルタル、と、紫人参、のコンポジション。pomegranateがいいアクセント、Bunya Bunyaは味噌っぽいとでも言うようなコクも出してるかなあ。
 この皿! これなんですがねえ、コレ、が、もうベラボーに旨い。たまらなく美味。
 処理・調理が大変そうだけど、ワラビーやカンガルーはとてもポテンシャルが高く、旨味が詰まった食材と感じる。
 ところでブニャ・ナッツは初めてで、それ自体の味の切り分けはイマイチわからない(^^;)。写真は市場で売ってるところ。新モノが出るのは秋のようだ。

Minted Potato, Medium Rare
 ベラボーに旨い! …としか言い様がない。それが続く。困ったものだ(^^;)。
 じゃがいもの“ミディアム・レア”。ブラウンバター・ガーリック調理でミントヴィネガー、基本は酢バター味。で、そこに18ヶ月モノのタスマニアのチェダーチーズのソースをかける。
 ううむむむ…と堪能してたら丁度、ベンが近くを通りかかったので「アンタ、こりゃすげーね!」と称えておいたのだが、後にガーデンで会った時に、それを覚えてたベンに、
「ゴキゲンにやってるようだねー、ポテト男!」
 と突っ込まれる(笑)。

 このポテトに合わせるのは、タスマニアのスペルトのエール「Derwent」。一口して「オマエはカンティヨンか!?」ってくらい、スーパー酸いい、麗しいエールで、これはもお、ピッタリ! 上手い。


142 Days on Earth
 赤緑の髪の男の頭を盆に乗せてメートルが登場。…いや、赤キャベツか。
 プレゼンの赤キャベツの大玉の中から、調理された物がそれぞれにサーブされる。
 そしてそこにかけられるのが、エミューとビーツの真っ赤なソース。
 …そう、今度はエミューである。初めて食べたわ~。小さなデに切られて、ラグー調の煮込ソース。穏やかでよく合っていると思う。
 タマリンド風味燻製玉子ペースト、Wattleseed、Davidson Plum、Lemon Myrtle、Rosella。
 片手に大玉の載った盆をもったまま、取り分けからソースがけまでサーブをこなしていくのを、へべは「器用なものだわ」と感心する。
 気になる「142日間」という文学的標題だが、自家農園の赤キャベツが、播種から取り入れまで142日間…ということらしい。
 ところでこの取り合わせが呈する「赤」は、なかなかにサイケに妖しい色彩だ。
 アルザスの「ターブル・グルメ」やブルッへの「ダニーオーセール」(今はなき、だけど)あたりの怪しいレストラン、に、とても似合いそう(笑)。

 Bobar Syrahはシラーズだが早摘みだとか、で、狙ってフレッシュでライトな、時にロゼかと思うようなニュアンス。
 地元ヤラでこの料理に合わせた面白いチョイス。


King George Whiting in Paperbark
 「King George Whiting」で、魚の名前ね。
 何つうのかなー、っていま見てみたら「ダイオウギス」だそうな。
 ついでのwiki知恵を書いとけば、オーストラリア南岸固有種…ということで、モロ地元の子。
 美味いので養殖も試みられているが上手くいかないそう。

 現れるのは、皿上に焼け焦げた樹皮を巻いたもの。奉書焼きならぬ樹皮焼き…か。なるへろ。
 オイスターバター焼きになっており、アクセントはLemon Myrtle。
 しっとりというかジュルジュルな仕上がりに、うまく味がのっている。
 注意される通り、あまり一生懸命ナイフでゴリゴリこそぐと、樹皮繊維を一緒に食すハメになる(笑)。
 このPaperbark包み焼は、アボリジニの手法らしい。

 地のマルサンヌを合わす。


Porc, Rotten Corn and Lemon Aspen
 豚と腐ったトウモロコシ!
 いいタイトルが続くぜ、アナーキー・インザ・メルボルンだぜい!(笑)。
 フリーレンジのバークシャーに、ネイティブペッパーとコリアンダーシードを貼り付け焼き。
 一昨年のシドニー以来、豪州豚にはメロメロである。オーストラリアは、とくに知られてるのは羊・牛・鮭であるが、実はとくに美味いのは豚・鶏・烏賊なのではアルマイト鍋…というのがウチの仮説。
 どこまでいっても、フリーレンジなのが味に出るような気がする。
 脂をつけた切り出しに焼きの具合も素晴らしいの一言。
 腐れトウモロコシ…はマオリの手法らしく、ニュージーランド出身のベンのルーツ的な感覚でもあるとか。

 ここでのマッチングワイン Britannia Creek Yarra Valley "attica" / Patrick Sullivan は、「アッティカ」用のスペシャル・キュヴェ。
 ルーサンヌ・マルサンヌ・ヴィオニエ、で、1年間スキンコンタクトする?…とかの、個性派。
「は~い、豚に合わせては“オレンジ・ワイン”ですよ~♪」という口上で登場(笑)するが、たしかに液色はオレンジ。
 面白い味わいだが、豚には好相性。
 エチケットも可愛い(笑)。
 この旅では、マッチングワインは此処がいちばん工夫があり楽しかった。ブレイのソムリエの喋りも捨てがたいが(笑)。


Garden
 コース本編が終了すると、「どうですか?」と裏庭に誘われる。
 裏庭は、ハーブや花のガーデン。
 結構な広さがあり、店で使うハーブ・花はかなりまかなえると思われる。(また、店から5分ほどの所に自家農園を持つという)
 ジュースを飲みながら、「この花は何々、こっちのハーブが今日の**に使ってた何々…」などの説明を受けていると、夜風が気持ち良い。
 そういう季節だ、こっちは。

 やがて一人に一つ、小鉢が渡される。
「はい、ココに好きなハーブを好きなだけ摘んでちょうだい。そしたらアイスとモルトビネガーを乗せてあげるから…」
 と、ガーデンでの素敵な甘いものタイムが開始となる。
 うほ!

 ここのとこ、ガーデン・畑を併設する店で、コースの一部にその場所を利用するアイディアが出てきているが、アッティカのこの段の挿入はイイ感じだ。

 ベンはガーデンにも現れる。
 ガーデンの照明は下方からなんで、若干、心霊写真になっちゃってゴメンね、ベン(^^;)。


Pears and Maidenii
 MaideniiはWattle Seed, Straberry Gum, River Mint, Sea Parsley, Wormwoodなど34種の薬草(うち12種がネイティブ)の配合による豪州ドライベルモット…らしい、が、その香りを活かしたチーズアイスと、ペア。
 散らされた菊の花びらも効いている。ラヴェンダー。丸くくりぬいたペアとその干し皮。
 見た目同様、愛らしくも個性を主張する一品。

The Industrious Beet
 これも刺激的作品名。
 マンダリンソルベとソース、メレンゲ、ココナツ、チーズ、蜂蜜…、まあこれは割りとフツーではある。

Pukeko Egg
 卵型キャラメル入りホワイトチョコ。まあ、愛らしいミニャルディーズ…ってとこだが、食べるとナカナカにケッコーである♪


 ***

 いやあ、美味しいものってすげぇなあ! …とつくづく思うハッピーな一夜でありました。

 attica, Ben Shewry, , ,
 ほぼ全ての皿がすこぶるウマイ!…ってのはちょっとビックリ。アミューズ群と本編の描き分けがちゃんとクッキリしてることに代表される、構成力。
 写真や文ではわかりにくい所もあるが、実際にいただいてみると「あまり他で似ているシェフが思い当たらない」。とても独自性に富む。有袋シェフ(笑)。

 アッティカの場合、陰影に富み尖った所も随所にあるのだが、それでも此処の美質の根・その味の特徴は、明るさと温かさ・豊かさ…にあるように思う。
 それは、とてもオーストラリアらしい。

 本編に入ると、一皿の量は、ガストロにしてはかなりガツンと大盛りでくる。客観的には。ただ、コーフンのうちにジュッとなくなる。食べ進んでも、ヒジョーに腹は軽い。むしろ、腹減る(笑)。
 皿数は、とくにアミューズやデセールは、最近たまにありがちな“徒に”やたら多いのとは違い、整理されている。それでも、フツーに進行して4時間半以上は楽勝でかかるのだが、まったく長く感じない。…というか、時間の経つのが早い。え、もお?!…って感じ。楽しい。

 (ブレイもそうなのだが)、サービスは一人一人が熱心でサンパ…というのに尽きる。ほんま。
「何でも聞いてくれ!」「どーだったどーだった?」「何が良かった?」…
 オージーらしい気楽さ…とも言えそうなのだが、キー・テツヤ・ロックプール・マークなんかはもっと気取ってた…と思う。

 
2019年 5月 ☆☆☆

 *From Out Back
 *Happy Little Vegemite
 *An Imperfect History of Ripponlea
 *Oyster cooked the Traditional Way
 *Emu Liver Bagel
 *Saltwater Croc Ribs
 +09 Pegasus Bay Estate, Riesling, Waipara Valley
 +Cold Smoked Granny Smith Apple
 *Hand Picked Crab and Wattle Bread
 +17 四段 花巴
 *Red Kangaroo with Truganini
 +03 Bannockburn Shiraz Geelong
 *Blue Moons Cooked in Kelp
 +Salted Melon
 *Marron with Desert Lime XO
 +Pineapple Sage
 *Welcome to the Shelter
 +Molly Rose Gertrude - Strathbogie Ranges VIC
 *Finger Lime and Sugarbag Honey
 +05 Vouvray Huet Le Haut Lieu Moelleux
 *Black Ant Lamington
 +Native Currant and Vanilla
 *Bunya Bunya


[AQ!]
 メルボルン行く…ったら、そら、世界一楽しいレストラン(の一つ)「Attica」さ行かねば♪ …ってもんだけど、まあみんながそう思う訳で、全豪一の予約至難店。世界中でもタイヘンな方か。
 web予約クリック合戦は秒針を睨んでせーの!…だが、今回もアッケなく取れた。金・土など見向きもせず木曜を直撃したのが良かったかもしれない。
Attica
 こちらへは電車。リッポンリー駅で降りる。
 18時半、暗い。前回はまだまだ明るかったのになぁ。春と秋で似たようなもんじゃろ…と思ってたが、11月末と5月頭では、日照時間はかなり違うのであった。
 アッティカは歩いて数分。まだ早いので、リッポンリーのいなたい町並を少しだけ散策。

 19時前入店、もうかなり始まっている。
 フワっとさんざめく。
 コチラも世界有数の「予約困難店」ではあるのだが、雑多な客層がイイ感じに温まり、店内のグルーヴを作っている。
 勿論、一卓ずつ眺めれば、イミフなチャイナ…とかもおるのだが。
 まあ、全体は実に楽しい。
 なんつーか、昨今の東京の「予約困難店」にかなり多い、感じの悪い・辛気くさい・気取ってるくせに馴れ馴れしい、、、あーゆーのは無いです。(だから東京で「困難店」ってあんまし行きたくないのよね。Tログのせい?)
 やっぱオーストラリアはいいな(笑)。

 オネーサンがおしぼりを持ってくる、上にはレモンマートの葉。
「ハッピートゥシーユーアゲイン! …どのくらい前でしたっけ?」
「お、え、お、(嬉しいね~)ウィアーバック、ハッピー♪ 5年くらい?」
 コチラは顧客管理出来てるねぇ~。(実際にも、彼女は見覚えあるような気がした)

 今回は入口近くの席なんで、手前のバーエリアがよく見える。
 バーエリアは、明らかに違うメニュー。…というか、バー呑み主体なのだが、フードもちらほらと出ている。
 どういう運用なんだろう? 地元民のウェイティングリストの残念賞…とかかなあ?

 テーブルフラワー…に相当するのは、エミューの毛の篭にQuondongの実。
Attica
[へべ]
From Out Back
 ブッシュタッカー クジョルパン♪、キターーーーー!

[AQ!]
 小皿が、1,2,3…10皿並ぶ。十節板か(笑)。
 サンチュ…みたいな、緑・薄緑・茶の葉っぱで巻いていただく、ってのも九節板の国っぽい…ってゆーか、10皿の中には「自家製キムチ豪州風」もある(笑)。
 (kimuchiは様々な形で当地ではポピュラー)

 オーストラリア特有の自然の産物の顔見世である。
 フィンガーライムは、この後も全編通じて色んな種類が出てくる、その前触れ。
 緑蟻・黒蟻はそれぞれ、いい意味“あっさりパラっとした佃煮風”で個性を発揮し、乙♪
 Lilly Pilly、Kutjera(ブッシュトマト)、Macadamia、Quondong……
 楽しい。よくあるようでいて、上手い見せ方。豪州のアウトバック…と言って、図鑑的に出しちゃうのが巧妙なんかな。
Attica
Happy Little Vegemite
 ガストロで「古いお菓子缶」はお約束か? 豪ガストロで「ベジマイト」はお約束か? (笑)
 …ってソレだが、なかなか美味。

An Imperfect History of Ripponlea
 ベンシュウリが語る「当地の(imperfectな)歴史」、タルト3部作(笑)。
 ジュレ ブラックプリン 苺 コンソメ  black pudding : 英国の影
 chicken tart with chicken soup jelly and dill : ユダヤ遺産
 native peppers, berries and lime : アボリジニ文化
 並べて見せる、並べていただく…が美味しく機能してるな。

Attica
Oyster cooked the Traditional Way
 NSWの牡蠣だったかな、置台の炭が示すように伝統的に30分加熱して。レモンマートバター/フィンガーライム。フツーに旨い。
 ところで、ドリンクは、アルコール/ノンアルコール・ペアリングに加えて、(アル・ノンアルの)ミックス・ペアリングもある。今回は多く見かけた。(日本国内でも、茶禅華の「ワイン+茶」ペアリングなどは、素晴らしい)
 atticaは、全体量がどんと出る長大コースなんで、ドリンクはミックスを試してみべか…ということにした。
 牡蠣には、Cold Smoked Granny Smith Apple。これはなかなか優れモノ。

Attica Emu Liver Bagel
 レバーペースト塗ったトースト…ベーグル?
「エミューのレバーです」
 わお!…わおわお!!
 エミューの肝臓はフツーに旨い。鶏や鴨のフォアより、ややアッサリめでピュアかな。まあ調味にもよるけど。
 塗ってある赤は、Davidson plumのジャム。
Attica
Saltwater Croc Ribs
 白い皿に、切っ先鋭いナイフと、肉片。
 …えーと、切りはするけど、手掴みで食うようです。無理やりか?…って手づかみ(笑) 。
 その肉は、鶏と蛙の中間くらいの肉質に、魚っぽさもある。たいそう美味♪
 骨は、もろに、蛙。 軟骨はけっこー食えた。
 ピコーン!?!?
 …実は、口頭説明が早口で隣が賑やかだったこともあり、冒頭が聞こえなかったのだ。
 改めて問うてみると、やはり、
 クロコダイル!!!
 美味いね♪
 鰐肉は、東京では、珍奇ゲテモノ枠で出すとこじゃ食ったことあった気がするけど、味とか記憶に残るもん違かったけど、ガストロで出すような質のモノとなると、一線級のグルメ食材なのが、よくわかりますた。
 ソースは、軽く甘酢っぱハニーペッパー+ハーブ…な感じ。手は、ベタベタ(^^;)。
 改めて思うと、魚介味がけっこーある。どっかのブログに「魚アレルギーならクロコダイルを食べればいいじゃない、ほ~ほほほ♪」みたいなんがあった(笑)。
Attica
Hand Picked Crab and Wattle Bread
 クロコダイルまでが「フィンガーフード編」で、ここから本編。
 …なのだが、クロコダイル騒ぎを思うと、現代流「フィンガーフード編~本編」…のパロディか(笑)?、ってな。
 ドンと現れるのが、蟹!
 アサヒガニ…スパナークラブ系かな。
 蟹人…なら涙しそうな、デカ甲羅の下にほぐし身の山。マカデミア・ヨーグルト和えになっている。ま、ボクら、蟹人でないので泣かないけど。
 それと、バター・ピタパン。
 これで、、、「蟹サンド作って食え♪」って(笑)。
 エミューも蟹も、このすんごい「お気楽な」使い方が、第一人者の余裕というか洒落というかアッティカというか♪
 パンはワトル風味。知らんかったけど、ワトルの花はオーストラリアの国花だそうですよ。

Attica
Red Kangaroo with Truganini
 さあ来ました、赤カンガルー♪
 アッティカの赤カンガルーは、ボクらのガストロ・カンガルーの原点!…みたいな皿。
 前回は、タタキの赤い巣篭もり…って見た目だったが、今回はタタキの緑の巣篭もり。そこにサービスが白いソースをかけていく。
 「with Truganini」というタイトルがついている。Truganini…は、wikiれば『純血パラワ(タスマニアン・アボリジニ)最後の人』だそうで、まあ“タスマニア仕立て”みたいなことか。
 赤カンガルーのタタキを包みこんでいる緑葉が、タスマニアンペッパー…かな、の葉。白は、ヨーグルト+フィンガーライム。
 さすが、美味! Geelongのシラーズも嬉しい。
Attica
Attica Blue Moons Cooked in Kelp
 Blue Moonはオーストラリアのじゃが芋、…の、海草包み焼。フィンガーライム添え。
 紐で結ばれた海草を解いていただく。趣向も味も、どことなく“悪戯っ子”♪
 じゃがいも、おいしい。
 フィンガーライムは、種類も用法も様々なことはあるが、「本日のテーマ」かよ!?…というくらい活躍する一夜。
Attica
Attica Marron with Desert Lime XO
 う、うっわ~、すっげ~ヤバイの、キターーーーーー!!!
 …的な(^^;)。
 暗い夜道で鉢合わせたら道を譲っちゃいそうな、怪物ザリガニである。
 ザリガニ…marron、この言葉もアッと言う間に慣れてきた。西オーストラリア最大の淡水ザリガニ、世界でも3番目に大きいそう。
 queueの部分…も、フランクフルトソーセージを思わす巨大さで、そこに、デザートライムのXO醤(…って解釈でいいのかな)が塗りつけられている。
 淡水のせいか、海老のイヤゲ部分がなく、ピュアに美味い。
 また、上半身…アタマの部分からは、予想以上にスンナリと、大量の味噌etc.がドバっと掘り出される。こちらも実に、愉悦。
 んまあ、本日の祝宴にピーク…というか、神輿に乗るに相応しい、豪州の精霊モンスターだ♪
Attica
Attica Welcome to the Shelter
 さて、リピーターとしては“そろそろかな…?”と思う頃合、お呼びがかかる。
「校舎の裏で番長がお待ちかねよ♪」
 …じゃなくて、裏手でひと息つきませんか、と。
 厨房の横を抜けて出た其処は、前回はハーブガーデンで、渡されたボールにハーブ摘みしてモルトビネガーとアイスでプレデセールにしていただく…という趣向だった。
 そんな情景を思い浮かべながら裏に出ると、まったく様子が違う。
 『The Shelter !!』
 ゲットーの怪しい酒場…か、いかれぽんちのズンドコバー…風の、スタンディング呑み屋。実際にかかってるのは古いロックだったけか。
Attica Attica
Attica  バーカウンターで、まず、ビール(メルボルンから内陸に入ったStrathbogie RangesにあるMolly Rose BrewingのGertrudeというSaison / Farmhouse Ale)。
 アテは、…というか、コースのメインは…でもある訳だが(笑)、くっそ美味いハンバーガーが焼けてくる。
 あ~あ、糞美味い♪
 “シェルターが気持ち良くて気持ち良くて、もう帰りたくねー”…って顔でビール呑んでる奴おかわりする奴がえらく多数。…に笑う。ガイズ♪
 自販機が立ってる。ミニャルディーズの自販機、タダだけど(笑)。ハンドル回すと出てくる。
 ひと晩のコースの活気が、全身を駆け巡るようだ。ああ、帰りたくね~♪

Finger Lime and Sugarbag Honey
 …とは言いながらもいつかは席に戻る(^^;)と、甘味のスタート。
 フィンガーライム道も此処に極まれり…とばかりに、房のまんま長時間蒸し焼きされたもの。Sugarbag HoneyはSugarbag beeによる希少蜂蜜らしい。クリームでまとめて。
 酸フェチの楽園♪

Black Ant Lamington
 Lamington…ラミントンは、wikiれば『四角状に切ったスポンジケーキを伝統的なチョコレートソースでコーティングし、乾燥ココナッツをまぶして作られるオーストラリア・クイーンズランド州発祥のデザート』。そのガストロ版で、ミルクソルベ・チョコソルベ、サービスが塊を2等分にカットして供する。
 …っでぇ~、このラミントンの表面をコーティングしてるココナツに混ざる黒い粒状…が、黒蟻、という仕立て。
 蟻酸は抑えられていて、むしろクランチーな食感が目立つかな。トータルには、フツーに美味しいお菓子。
 下敷きは、クイーンズランドのラズベリージャム。
Attica
Bunya Bunya
 これにて終演、お見送りはBunya。ナッツ・キャラメライズド・アイス詰め…的なひと抓み。


*****

[へべ]
 いやー、アッティカはやっぱり、めちゃめちゃ楽しかったー♪
 豪ネイティブの食材ワンダーランドで愉快な探検ツアーを満喫してきた感がハンパない…もちろん案内人はクロコダイルダンディ??
 「辛気くさくないガストロ」は時代の大きなトレンドだけど、ここは味覚的にもアトモスフィア的にもその代表格といいたい一軒。時を忘れた一夜でした!
Attica
[AQ!]
 やっぱ、楽しいわ、アッティカ!
 スカっとしてる。抜けがイイ。そして勿論、有袋の異世界の産物を存分に探検させてくれる!
 全皿がすんげ~旨い…ってワケじゃあ無いけど、好奇心と十分にバランスしている。そしてたまに、すんげ~美味い♪

 5年目の再訪。
 ベンは、ますますベンらしいなあ…と、何となく思う。何処となく思う。
 好きにやってるよなあ♪…ってのがイイ。まあ「好きにやる」…っていうのは本当には幻想かもしれないけど、「好きにやってる」と思わせてくれるのは素晴らしい。

 あと、一応メモ…だけど、ミックスペアリングは、ワシら的にはちょいイマイチだったかなあ。
 面白いのもあったのだが、“ノンアルが来ると失速”“ノンアルが来ると混乱”感のある局面が多かった。
 まあ俺ら酔っ払いだからなあ…とは言えるのだが、茶禅華なんかだとまったく不満無くシックリ来るんだけどなあ…。

 随分と長時間いた気がする。
 そういえば何時だ、電車はあるかな、あり? wifiがイマイチだな…ってとこにちょうど「タクシー呼びますー?」って言って来たので、帰りはタクシー。
 ま、ここくらいだと幾らでもない。
 後知恵だが、帰途方向の終電は、0時20 分くらい。間にあってたか(^^;)。
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  斑 泊  Ban Bo Restaurant
  
台北市中山區樂群二路265巷38號 +886 2 8502 9168 www.instagram.com/banbo_restaurant

・ 台北の台湾イノベイティブ
  → 2024台湾旅行記はこちら  

斑泊 2024年 5月 ☆☆☆

 *下酒
 *廟口
 *田水
 *嘉寶果
 *薬膳
 *白玉
 *山径
 *聚
 *山水
 +Cocktail pairing

斑泊
 2023年1月オープンのニューカマー…だが、「臺灣米其林指南 2023」で早くも1つ星。シェフ蘇品瑞(34歳)は年輕主廚大獎に選ばれる。
 …という目立ちっぷりなんで、インスタを拝見すると、なかなか“グッとくる”タイプ。予約をとってみた。

 エリアは大直…松山機場から基隆河挟んで北の、例の煌びやかなあたり。剣南路站降りて、RAWや祥雲龍吟のもっと先。マリオットの向かい…って感じだが、まだ開発中区画も多く、人通りは寂しい。
 玄関はソレとわからぬ作りで、“まぁいいや(どうせこの辺だろう)”…とブロックのオブジェ前で記念撮影してたら、何処からともなくオネーサンが現れてきて、確保される(笑)。
 まだ、「この辺をこの時間にうろついてるソレらしい客…はウチの客」…ってくらいのテナントの埋まり方のようだ。
斑泊
 入ってすぐのソファでお茶♪
 アレルギーの有無と、マトンが大丈夫かを聞かれる(^^;)。相変わらず、苦手な同朋が多いのか?トホホ。

 さて、奥へ“入店”…は、趣向があり、手渡された石を鳥籠に置くと扉が開く…ってな具合。で、2階へあがるとメインのサル。
 待ち受けるのが本日メニューなのだが、これが子供の紙遊び「東南西北」に擬せられていて、指導に従って指遊び(をしながら、眺める)♪ メニュー裏は「大臺北俯瞰図」(日本統治時代)。
 及び、ドリンクメニュー…だが、ワインの他に「カクテル」「モクテル」ともに用意があり、力が入ってそうなので、カクテルペアリングをお願いする。
斑泊
 サービスは、やる気・親切心…ともに充実しており、とても楽しませてくれる。
 おまかせコース…の基本テーマは、「台湾の自然/情景/文化の表現」で、それをイノベイティブな料理に展開する。

下酒
 まずは、乾杯のビール(見立て)。山葵ビールとオレンジビール。
 ツマミの、貝はギャムラー(鹹蜆仔)見立て、玉子は油麻蛋…とでも言う感じ♪
斑泊
斑泊 廟口
 (それこそ)龍山寺とか、あの手の、お廟の前の夜市の情景…と言われずともわかるような、可愛い作品。
 廟の柱は、バンブーシュート。紅麹クラッカー。添えられているのは、これも紅麹染めの帆立フライ。
 気の利いた一品だが、お味も上々♪

田水
 まず“蛙”が氷の上に鎮座する、日本酒xジンのカクテル登場。…可愛い、さすがは“カワイイの国”w。
 季節のヘチマ(何処で食べてもやたらウマイ)がテーマで、絲瓜蛤蜊オマージュ…みたいな一品。鮑に干し海老の泡。
 心躍る美味しさ。
斑泊
斑泊
斑泊
嘉寶果
 見た目見立てモノで、嘉寶果(樹葡萄)に擬しているが、台湾風味レバーパテのボールを樹葡萄果汁でコーティング。
 目で見て“元ネタ”がわかるものは、パッドで見せてくれる。嘉寶果(ジャボグォ)は、Jabuticabaと言う南米原産の果樹。台湾では近年は、まぁまぁフツーにあるもの、らしい。

斑泊
薬膳
 羊肉爐見立て。…お、おお、そうだ、羊肉爐は「薬膳」なんだよなー。パッド画像で、薬膳スープの材料を見せてくれる。Chinese spiceを用いたChinese medicinal cuisineでLamb hot potですよ…って具合。
 マトンの可不可を聞かれたのはコレかあ。ところで、台湾での「羊肉」はだいたい山羊だが、コレもそうかなあ。
 湯葉巻、パセリミントソース。美味♪
 合わせるカクテルはラフロイグ風で、黒茶・アプリコット…。
斑泊 斑泊
斑泊 白玉
 この「白玉」は「白玉蘿蔔」…で、大根の種類。美濃の特産で細長い。
 イカと合わせ、スープ仕立て。

山径
 さて山登りは、ナイフ(士林刀と柴犬刀具…らしい)選びから。そしてドリンクは、メスカルを使ったカンパリ風。
 傍らでスタッフが、乾いた枯葉を匙でほぐして、森の「足音」を演出する。
 その枯葉のボールの中から出てくるのは朴葉(?)包み、で、それを開けると、緑色の葉でくるまれた飯糰(おにぎり)が現れる。
 本尊は鴨…で、オニギリの具もそのコンフィ。添えられた小芋がまた、ウマイ。
斑泊
斑泊 斑泊

 聚…は「Reunion」、だそうで、パッドの写真には、田舎の山になんかよくある「土雞城」スタイルの店と、そのTaiwanese prix fixe menu。
 なるほど、そんな雰囲気で、3皿構成。
 ブーダンブランのロールキャベツ、アスパラ添え。焼鳥(首)博多風w、筍・茸ソース。ハツと過貓菜(嬉)♪
斑泊 山水
 桂林のような山水画仕立ての甜品。…いや、桂林じゃアカンか、阿里山のような♪
 ココナッツ・アーモンドの杏仁茶見立て。胡麻で香滑芝麻糊見立て。

 続いて、ミニャルディーズとして。栗は、糖炒栗子風。牛蒡砂糖のルピープディング。烏龍茶。
斑泊
*****

 いやあ楽しかった! 美味しかった! なんか、滅茶苦茶イイぢゃん♪
 けっこー、テーマの作り方とか演出とか、ストレートにエンタメにグイグイくる奴…なんだけど、ではあるのだが、全然イヤゲないのは、やっぱ、料理の着地・味香りの作り方の、整理と丁寧さと品の良さ!…かなあ。
 蘇品瑞シェフ(1989生)は、ピーターギルモアの『Quay』門下でその影響が大きいらしい。…で、興味深いことに、病気というか体質というか、一種の失読症のヒトであるらしい。そう知ってしまうと、そのことと、料理の独特な細やかさや集中力との関わりについても、(いい意味で)思いを巡らせてしまうところがある。簡単に言うと、萌える(^^;)。
 相方となるマネージャーは、ボクら今回はあまり会わなかったが、李澄(1993生)というヒトで、『Benu』出身、『Fujiya1935』にもいたとか。“ああまたBenuか”…と、ちょっと思う、Benuは行ったことないんだけど、出身者にキーパーソン多いよなあ。


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  Biota Dining ビオタ・ダイニング
  
18 Kangaloon Road, Bowral NSW 2576  (02)4862 2005 www.biotadining.com

・ シドニーから南へ100km、ボウラルのレストラン
  → 2012シドニー旅行記はこちら

2012年12月 ☆☆☆

 [seven]
 *ペコリーノ・マシュマロ
 *bottleneck squid - ink - native citrus - blackened cucumber
 +2011 Shobbrook Riesling - Eden Valley - SA
 *local sheep milk curds - new season asparagus - hen yolk - smoked rye
 +10 Domaine des Espiers Les Diablontines - Rhone Valley - France
 *brooke trout - summer squash - samphire - truffle sand - mussels
 +2008 Tertini Reserve Pinot Noir - Southern Highlands - NSW
 *wallaby - heirloom potato - plums - forest raspberries
 +2010 Bernard Baudry Le Domaine Chinon - Loire Valley - France
 *whipped brie - dried milk - roasted nuts - quince
 +NV Larmandier Bernier Brut Blanc de Blancs 1er Cru - Vertus - France
 *[the humble egg] passionfruit - lucerne - buttermilk
 +10 Pirramimma Late Harvest Riesling - McLaren Vale - SA
 *cherries & their juice - almond milk tofu - white grape & eucalyptus sorbet
 +2011 Philippe Balivet Bugey Cerdon - Savoie - France

[AQ!]
 シドニー、日曜の朝。
 中央駅にカモメ。港町だなあ。

 本日、Bowralへのエクスカーションである。シドニーから南南西へ100kmほどの小町。
 なんでそんな聞いたこともない場所に向かうねん、というのがガストロ旅の神秘で(笑)。
 シドニーのレストランは日月休がとても多いのだ。ま、世界中そうなんだけど。とくに日曜は行くとこが無くて、困る。
 それで、どうしようかとSydney Morning Heraldのレストランガイドの2つ帽以上の店リストを睨んでみると、一軒、郊外の店が日曜やっておりサイトを覗いてみるとなかなか面白そうである。(郊外店だけ日曜営業、ってのも世界的に“よくある”パターン)
 それがBowralの「Biota Dining」である。

 click!→ Bowralへの道

[へべ]
 Bowralは、プチ・スルイス的。駅前繁華ストリートからずんずん歩いて15分。
 池に水鳥(食材?)にKitchen Garden。広い敷地。

[AQ!]
 大通りの商店の並びが途絶え、民家・園芸センター・ガススタンド…というエリアに入ってすぐ、「Biota」のクールな石看板に行き当たる。駅から800mくらいだろうか。
 生垣を回り込むと、すぐ、池・水鳥・木々・芝生・変な彫刻(笑)、…それに、奥の方に「Kitchen Garden」が見える。
 この店も、ネオ・ローカル系というか局所テロワな現代(笑)店だが、とくに小物はこの庭でチョコチョコ作ってしまってもいるようだ。

「やあコンニチハ…」
「お、キミたちがそのソレか、早いお着きだね…」

 まずはサロンでスパークリング。雲の厚かった朝も段々と晴れてきて、どんどん客席が埋まって行く。サロンには暖炉、冬場には活躍?
 厨房前の(俺ら的には)特等席へ移動。品書は「3/5/7皿構成」からの選択で、フルの7皿withワインペアリングをご注文。プリフィックスの3皿ランチでやってる卓もけっこうある。

[へべ]
 明るい庭に面したサロンで泡→テーブルへ。見てくれよオープンキッチン。
 統率のとれたチーム、志気高い。皿ができるとパンパンと手を打ち鳴らして呼ぶ(Marqueも同じ)。


 ペコリーノ・マシュマロ
 かわいい! 上品で美味、期待が膨らむ。

 bottleneck squid - ink - native citrus - blackened cucumber
 烏賊…が凄い料理。
 nomaの「Squid and uniripe sloe berry White currant and douglas fir」を思い出すが、もっと複雑性があって「食べ美味しさ」がある感じ。古典料理かと思うほど、降り積もった料理のように、練れた構成でもある。
 ブラッケン・キューカンバは、焼いたのか、表皮真っ黒で、中もジワと熱が入った感じ。で、烏賊・柑橘との相性は見事である。ネイティヴ・シトラスの手柄は大きく、奥行きをもたらしている。
 この一皿だけで、「ハイ、此処に来て良かったです」…のハンコが押せる(笑)。

 local sheep milk curds - new season asparagus - hen yolk - smoked rye
 『玉子朝食セット』…と呼ぶワシらであった(^^;)が、ありそうな組合せの、マトメの良さ。最高の素材…をよく活かしている繊細な調理。
 それにしても、緑アスパラだ、南半球正月だー!(^^;)
 ヤロウ…かな、も、よく合う!

 brooke trout - summer squash - samphire - truffle sand - mussels
 トラウトも大した傑作。どの皿もそうだが、本尊の食材は薄塩で皿全体で塩気の調整をする構造だが、それが大変うまくハマっている。諸々のアクセントが全体に広がり、馴染む。それにしても美味い。
 トラウトの「ほんのり刺身(笑)」加減! 香りが強くて、臭くない。
 summer squash…はズッキーニ。samphire…はサリコルニア、これが塩漬で、塩気供給係だと思うのだが、よい働き。
 近年多い、蕪などスプラウト状の、根っ子を上向けに押っ立てる盛り付けが、楽しく見える。

 2008 Tertini Reserve Pinot Noir - Southern Highlands - NSW
 Tertiniはここから僅か10km、21世紀スタートの新興ワイナリー。ナチュールで可憐で薄い…タイプのピノとしては、飲み口が良くワインとしてのまとまりも出ている。
 これは好き。本日の一本。

 wallaby - heirloom potato - plums - forest raspberries
 ワラビーですがな(^^;)。2人とも食べるのは初めて。
 ただ、豪州知人を持つ方にうかがったら、「準フツー」くらいの肉らしい。
 味ですか、鹿と鴨と野兎の中間(^^;)みたいな感じ。…大雑把過ぎ(^^;)。
 鹿より鉄分印象が少ない。硬く感じるが、噛んでみると快く歯が入る。梅…を強く思わせるプラムと。
 とっても美味しくいただいたけど、キュイソンは難しそう…料理技術を問いそうな気はした。硬くなりやすそうだし、肉汁抜けやすそうだし、「いい香り」は悪臭にも変わり得そうなタイプだし(笑)。



 whipped brie - dried milk - roasted nuts - quince
 quinceはマルメロ。

 [the humble egg] passionfruit - lucerne - buttermilk
 lucerneは、アルファルファ。
 ハンブルエッグ見立て…が、ベビースターラーメン見立て…の上に乗ってる(違)。

 cherries & their juice - almond milk tofu - white grape & eucalyptus sorbet
 ドドド、、とデセール3連発!
 どれも魅力的な出来でウマイ…けど3つは多少重ね過ぎかな…とも、この時は思った。少しカブってるし。
 ただこの後、シドニーでの時を重ねてみると、ガストロは何処も、(全体から見て)デセールはたっぷり連発なのである。
 ドドド、、…という量については、“お土地柄”であるみたいね。
 ガストロに行ったからには、た~っぷり甘いモノはいただきましょ、と…

 キッチンはかなりのオープン度。客席によっては(我々のとこも)、ほとんどが見える。
 シェフトリオは仲良し。厨房は10人弱…ってとこか、ものすごくよく働く。モチベが高くて、動きの質が良い。
 全体に、「けっこう高いところ」を目指している印象の残る店だ。
 美味しい店の話となると「いつものお約束」ではあるが、ここんちの厨房“掃除”も、極めて丹念で執拗(笑)である。上の方の人間も帰らずに率先して水をかけている(笑)。


 厨房の眺め
 岩塩とシェフ達の発奮材料(笑)

 さすが、エロも(なんとなく)オーガニック


 TrioのErik・FavikenのJohan・AzurmendiのJon…なんかを思い出すメートルソムリエ氏、も、そういう店の雰囲気のある種の典型か、とても優秀である。フロア陣は気がきいてる。
 帰りがけ、メートル氏が更に“一体ぜんたい、何しにきやはったの”調にカマをかけてくる。
「で、これからレストランは?」
「明日はマークでその後キーで…」
 に“ハハ~ン”って感じ。
「いや、それもそうだが、ここBiota…はさ、“世界”が注目し始めるのも、そんな遠いことじゃないと、俺は思うよ!」
 と予言して、帰る。さて、当たるかな?(笑)。

 ビオタという名の通り(?)、ビオにオーガニックにエコロジカルに(笑)グッドフードを供している…だけ、というのが根幹なんだろうけど、ゾクっとする程に才能を感じてしまう。これは偶然の産物なのか、はたまた…?

 へべは、旅行のガストロ1軒目にして「元を取った!」宣言(笑)。

PS:
 大都市からしばらく電車に乗って郊外に出てネオ・ローカル・ガストロ…って、ニューヨーク郊外Pocantico Hillsの、Dan Barber率いる「Blue Hill at Stone Barns」に行ったのを、何となく思い出す。共通する部分も感じる。Biotaの方が料理は独創的で精緻な感じがするけど。
 そして、後日、大都市に戻って、矢鱈と薄暗い高級店で薄らボンヤリしたどうでもいいような料理を食わされる、という意味でも、似ていた(^^;)。いや、偶然ですが(笑)。いや、でも、豪州は、部分的には米国と似た感じ、というのも、あるわなあ…。
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  Brae  ブラエ
  
4285 Cape Otway Rd. Birregurra, Vic.  +61 3 5236 2226 braerestaurant.com
2013年開業 料理長: Dan Hunter
・ 豪ヴィクトリア州Birregurraのレストラン
  → 2014メルボルン旅行記はこちら

  → 2019オーストラリア旅行記はこちら

2014年11月 ☆☆☆☆

 Spring
 *Salt and vinegar potato
 *Burnt pretzel, treacle, pork
 *Hapuku and crisp skin
 *Otway shiitake, eggplant, white miso
 *Iced oyster
 *Beef tendon and mountain pepper
 *Ice plant and dried sake
 *Asparagus, sea butter, olive plant
 *Turnip and brook trout roe
 *Prawan, nasturtium, finger lime
 +10 Blake Estate Blanc de Noirs Deans Marsh, Victoria
 +Red Hill Brewery 'Scotch Ale', Mornington Peninsula Victoria


 *Calamari and fermented celeriac, barbecued peas and beef fat
 +11 Weingut Prager ‘Hinter der Burg’ Federspiel Grüner Veltliner
 *Warm ricotta and nettle, roasted chicken and brassicas
 +12 Benedicte & Stephane Tissot 'Empriente' Chardonnay, Jura
 *Egg yolk, potato and jerusalem artichoke, sauce of comte and vin jaune
 +13 'The Story' Westgate Vineyard Blanc'MRV, Grampians Victoria
 *Raw wallaby, wattle and lemon myrtle, charred beetroot and radicchio
 +12 Domaine de Courbissac Grenache blend, Minervois
 *Aged Pekin duck wood roasted on the bone, quandong, dried liver
 +11 by Farr 'Sangreal' Pinot Noir, Geelong Victoria


 *Lemon, blackberry and lovage, wild cabbage and caramelised buckwheat
 +13 Falkenstein 'Krettnacher Euchariusberg' Riesling Auslese, Mosel
 *Parsnip and apple
 +04 Domaine des Baumard 'Cuvee de Paon', Coteaux du Layon
 *Rhubarb and pistachio, blood and preserved berries


[へべ]
 ぼくらのコレクション、ミドル・オブ・ノーウェア・レストランに新たにすごい一軒が加わった。

 メルボルンのサザンクロス駅から電車にゴトゴト揺られて1時間。
 ジーロング駅からさらにタクシーで40分くらい走っただろうか。
 牛や羊がところどころで草を食む牧草地がえんえんと続く中、「カンガルーに注意」の標識にビビったりしつつ。

 やがてそんな風景の中に突然その店は現れる。
 Braeブレイ、はスコットランド(ケルト)のことばで小さな丘、なんだとか。
 ロイヤルメイルですでにおもしろそうなこをやっていたダンがローカルなingredientsの生産されるその場所/すぐそばで料理を供するという。

[AQ!]
 Royal Mail Hotelのレストランで既に圧倒的な評判を得ていたDan Hunterが、2013年末、満を持して“初のSolo Project”を立ち上げた。
 それが、このBrae。
 我々の「そりゃ食いに行かねば」ダイレクションが変わったわけだが、で、その今度のBirregurraってのは何処だねん?…と地図を見ると、また、クラっ…とする(^^;)。

 ごく大雑把に言うと、メルボルンから160kmほど。
 メルボルンから約80kmの位置にGeelongというVictoria州第2の都市があり、そこまでは1時間に1本程度の電車が走っている。
 そこからの更に80kmは、旅行者の現実的手段としては、レンタカーかタクシー…しか無いようである。“東京から小田原までは電車で行けますから、後は静岡までタクってください”…感覚。

 Geelong駅。発音は「自論」に聞こえる。
 この日(だけ)は雨。一週間前の予報から「雨」になってた。気象がわかりやすいのか?、豪州。
 駅前に、一応小さなタクシー乗り場があるっぽいのだが、天気のせいもあってか、タクシーは売切れ状態。多少ヤキモキしたが、10分ほど待つと、数台あらわれた。

 インド系のドライバーは「BirregurraのBrae? はあ?」…って感じだが、ナビに入力して「ふうん」。
「遠いんかな?」
「小1時間って聞いてる」
 …距離が出るのがわかって、心なしかニンマリ?
 Geelong市内は雷&猫犬降りでエライ騒ぎだが、Birregurraに近づくとあがり始め、時には青空も。
 Birregurraまで、タクシー約120AUD。発音は何ともいえないが片仮名書きすれば「ビレグラ」…かなあ。google日本は「バーリジュッラ」とふってたけど、そう聞こえる発音のヒトには会わず。

 middle of nowhere,,,
 空と地面は延々と広がる。
 Cape Otway Rd.に「Brae」(スコットランド語で“なだらかな小さい丘”) の看板をみつけて、曲がる。
 広々とした自家農園らしきを通り過ぎると、白い建物とバックヤードの駐車場が見えてくる。
 13時予約だが、余裕を見てきたのでまだ12時過ぎ。
 ずっと人影なき道を辿ってきたのだが、駐車場には華やかなクルマとヒトが集い始めている。

 タクシーを降りて、ちょっとだけ、お庭~畑~果樹園(…は予定、か。昨年開店時に植えたと思しき果樹多し)を散策してから、入店。
「いらっさい、アキ~ラ…ですね!?」
 はいはい、何とか辿り着きましたでよ♪
 また東洋系は我々だけか?…と思ったら、この昼は、中国人20人弱?のグループ(4卓ほどに分散)が入ってた。在豪っぽくて、年配者多し。バラバラと2人、4人、とクルマで到着する。
 でも、ワシらにはいきなり「アキ~ラ?」と切り出してきたから、…見分けつくのかな?(笑)

 ダン…バーバーのとこ(Blue Hill at Stone Barns)と一緒で、まず最初に帰りのタクシーの采配を「どうしますか?」と尋ねる(笑)。お願いする。
 どうも、タクシーでの来店は我々だけだったようだ。

[へべ]
 あっさりしているが趣味の良い造作、わりと直線的ですっきりとしたサルの雰囲気はちょっとクロムヴァーテルハンフを思わせる。

 ガラスの向こうに厨房が、けっこうよく見える。
 地元でとれた、今おいしい季節の素材を、自分の流儀で料理して出す。
 言葉にするとあまりにシンプルであたり前で、どこが特徴なのかと問い返されそうだけれど、ダンの料理をそれ以外の言葉で飾るのは難しい。
 ほとんどはトラディショナルな技法で、よく考えて練り込んだ素材の取り合わせとシンプルな構成なのに、一皿ごとに驚きや発見がある。素直においしくてわくわくする。

 今ここに来なくてどうするんだ!と食べ終えた直後にもう、次はいつ来られるんだろうとうずうずしてしまう。

 アミューズの段、料理の段、それぞれ量も起伏も構成もクリアによく整理されている。なんというか、(頭の中が)クリアで、落ち着いていて、でも温かみがある。

Salt and vinegar potato
Burnt pretzel, treacle, pork
 ポテチ 黒プレツェル

[AQ!]
 ベーコンなどを使った、おつまみプレッツェル。グリッシーニ様のうまい棒…みたい(笑)。

Hapuku and crisp skin
 ハプクは鱸とかアラみたいな魚。マオリ語?

Otway shiitake, eggplant, white miso
 秀逸過ぎるほどの味噌使い。

[へべ]
 アミューズに地ものの椎茸が出た。
 小ぶりなしっとりした椎茸にホワイトミソ、とあるが茄子を合わせた落ちついた味のピュレと、黄色い小花の可憐な仕立て。
 ポイと一口に含めば広がる山椒の香。全体のバランスがものすごくいい。

Iced oyster
 牡蠣アイス。

Beef tendon and mountain pepper
 牛テンドン。

[AQ!]
 テンドンは腱。

Ice plant and dried sake
 アイスプラントに日本酒の凍結乾燥粉をまぶしただけ、の工夫だが、とてもよく合ってる。

[へべ]
Asparagus, sea butter, olive plant
Turnip and brook trout roe

 かぶ魚卵。
 アスパラ香草バター。

Prawan, nasturtium, finger lime
 エビ。
 アジアンスパイス風味の、(お好みで)頭からいける温製の後、緑の葉で包んでフィンガーライムを添えたタルタルでさっぱりしめくくるという味な仕立て。

[AQ!]
 この海老のスパイス加減が、ずいぶん、すごく、旨かった。地味~に「自分の海老史上でトップクラスの…?」と思うくらい。
 海老でアミューズが終わりで次から本編なのだが、この海老から多少、複雑な料理っぽさが増してて“本編への橋渡し”みたいな構成になってる。
 アッティカもそういう組み方をしてたが、巧みだと思う。

 裏の薪釜で焼いたパン・自分とこのチャーニングのバターが登場。
 おそろしくウマイ。好き。自分の「レストラン史上に残るパン・バター」にノミネート必至(笑)。

Calamari and fermented celeriac, barbecued peas and beef fat
 セルリアック熟成3週間。

[へべ]
 イカ・根セロリ・青豆・牛脂。
 イカに発酵根セロリ、は見るからに、もやしとえのき…とか見分けのつかない食材を合わせるところが中華的に決まっている。太めのイカソーメンとセロリアック漬(3wks.)の細切りの流れに、若いぷちぷちの青豆のバーベキュー!
 上等のイカに根セロリ漬の歯ごたえと酸味、春の豆と絶妙なとり合わせ。牛脂で肉っ気も加わって味わいにまとまり感も出て、
これは大変だ! 本物だ! 大当たりだー! etc.
 と、早くも胸が高鳴りまくり。

Warm ricotta and nettle, roasted chicken and brassicas
 次の一皿がメニューを見ても何だかわからない「ブラシカス」。
 リコッタ ネトル チキン ブラシカス。
 ブロッコリーなどアブラナ属(総称)だとかで、温リコッタ(ネトル入り)の土台に焼き海苔状にパリッとさせたブロッコリやらケールやらの葉が帆のように立ち並ぶ。
 凝縮された葉っぱ味、というのが目からウロコ。これ(を海苔がわり)でグリーン・スシの進化版ができそう!(笑)などと大いに盛り上がる。

[AQ!]
 乾燥葉っぱとかガストロバック葉っぱとか…は“ああそーそー…”くらいの出来になりがちだが、この皿は味の説得力が大きい。

Egg yolk, potato and jerusalem artichoke, sauce of comte and vin jaune
 ある意味、田園のキラーコンテンツ(笑)、じゃがいも玉子!

[へべ]
 そして新じゃがに、今日も泣く。
 卵黄・ポテト・菊芋。
 食用ほおずきくらいの小粒なイモに春が香り立つ。
 すこやかな鶏のすこやかな卵黄をとろりとからめて、ぎゅっと味の詰まったエルサレムアーティチョーク・チップスで香ばしくいただく。
 旨い。

Raw wallaby, wattle and lemon myrtle, charred beetroot and radicchio
 次はワラビー。
 皿の上に黒っぽい葉巻がポンとひとつ。
 ナイフなし。フォークもなく、ラディッキオで巻いたのを手でつまみ、ビーツのソースにつけて召し上がれ、と。
 ナチュラルなタルタルに、ワイルドライスのこんがりポップ添え、焼けたラディッキオの味もぴたりとマッチ。
 これは楽しい!

[AQ!]
 ワラビー、クリスピーワイルドライス、ラディッキョ包み。
 印象的であることとウマイことの両立度合に、拍手!

Aged Pekin duck wood roasted on the bone, quandong, dried liver
 ダック熟成2週間。北京の名乗りは、皮の処理の感じかな。
 サラサラ…くらいにdriedな肝の仕立ては初見かなあ。とても効果的、つけて食す。
 ガルニが素晴らしく舌福で何かと思ったら、ナスタチウムの茎・葉・花をちょいと炙ったもの。加熱は珍しい?かな。

 ところで、こちらのワインマッチングも色々楽しかったのだが、北京ダックに合わせるのは、地元Geelongのピノ。
 我々にとっては「さっきすげー雷の鳴ってた町」でしかないジロン(^^;)だが、メルボルンのワインリストを見てるとそこそこ有力なピノの産地のよう。で、By Farrは有力生産者であるらしい。
 優れた飲み心地。

[へべ]
 ペキンダックは2wks.熟成。
 ドライな粉末仕立てにしたレバーをまぶしていただくのが乙。

 ***

Lemon, blackberry and lovage, wild cabbage and caramelised buckwheat
 レモンベリー キャベツ ソバキャラメル。

[AQ!]
 さて、デザートの始まり始まり。
 取り合わせのオイシサに、様々な食感…クロカン含め、の具合の面白さ。
 料理から引き続き、取り立てて飛び蹴りをかまさなくても、キッチリと印象を残して行く人物の大きさ。

Parsnip and apple
 パスニップとりんご、まんま(笑)。
 面白いのは、表面に乗ってる皮はそのまんまパースニップの皮を使ってることで、食感と香りが特徴的。それに合わせて、周りに置かれてる林檎は凍結乾燥モノ。
 “アラ、飾りかしら?”って皮を残してるご婦人も見ましたが、まことにモッタイナイ!

 ところで、流行は短い周期でも螺旋的に推移するので、何とも言い難い所はあるのだが、今回の旅ではattica, Cutler&Co.を含め、皿上に「泡」がまったく見当たらなかった。
 アルギン酸なんかのケミコーもない。
 で、「dried」や「fermented」「aged」の技術は随所で見る。
 こーゆー諸点は、世界の同期性が上がってるなあ…とも言える。か。

Rhubarb and pistachio, blood and preserved berries
 ルバーブ ピスタシュ 豚血 ベリー漬。
 ちょっと大きめのお茶菓子、ミニャルディーズ。といったとこだが、こんなんまで、キリっとしたお姿で美味。
 血のコク出し…はけっこー使うのね。

 ところで、「食後は何飲む?」には「エスプレッソ・ダブルでも」と答えてたのだが、程なくしてやってきたメートル、
「いや~ゴメンゴメン、今日、何が気に食わなかったのか、エスプレッソ・マシンがさ…」
 と言って、
「ぼむ!!」
 と、爆発のポーズ。たははヽ(^~^;)ノ。
 でもかわりにフィルターでいれてくれた単一農園モノの珈琲、ご自慢っぽくてウマかったので結果オーライ。
 あとで見たら、メルボルンの名ロースター「St.Ali」の豆だったような…。

 窓の外は、雨上がりを寿いでか、鳥が飛びまわっている。
 とくに大集団でいる鳥が、羽の内側と頭・腹の一部が真っ赤なので、飛び立つときなど、まことに派手。



 のんびりとした食後。
 この店も、出すべきモノはきっちりとした量で供してくるし、食べ応えってぇものがあるのだが、ちっともお腹は苦しくならない。
 軽快で快適。

 ***
 旅の目的は「attica」と「Brae」。
 ヴィクトリア州のシェフ2トップの料理は、ホントに空恐ろしい体験だ。
 なんちゅうか、この期に及んで、
「世の中にはこんなウマイもんがあるんか!?」
 といったようなベタな溜息が頭の先から天に昇って行く…。
 ***

 厨房と客席が近いせいか、厨房にセイ・ハローしてから退けて行く客が多い。
 ボクらも厨房に顔を出すと、
「あ、ダンは先客の見送りに行ってるから、ちょっと待ってネ」
 で、女性シェフにしばらく話を聞く。

 シェフ、ダン・ハンターは生来のオジサン顔なのか(笑)、ひじょーに穏やかな雰囲気。話してもその通り落ち着いている、けど、「静かな自信」はタ~ップリって感じ。
 その料理が、精妙でクールでありながら、何とも、明るく・温かく・豊かであるのと、よく符合している。
「メルボルンはどこ行ったの? アッティカ? 良かった? 都会だよね~♪」
 …って、さ、此処と比べたら世界のガストロレストランの99.9%は「都会」やがな(笑)。

 ダンは、自然への思い・職人の技量・アート性…そのバランスが、凄く良いとしか言い様がない。
 実は、「ヴィクトリア州が熱そうだ、行きたい~」と思い始めてからけっこー経っていたので、ベン・シュウリについてもダン・ハンターについても詳しい経歴とかは、以前には読んでいたのだが、すっかり忘れていた。
 このヒトは、2006年頃の「Mugaritz」のヘッドシェフだった人物。
 こちらへ戻ってからロイヤルメールホテルでやって、それで昨年にこの「Brae」での独立を果たした。

  I hope I'll see you again soon!!

番外編:[ Epicurea 2016 : Dan Hunter x Luca Fantin ] @ BVLGARI Il Ristorante

Dan Luca 2016年 7月 ☆☆☆

[ Epicurea 2016 : Dan Hunter x Luca Fantin ]
 *Crispy octopus : LF
 *Sweetcorn texture : LF
 *Prawn, nasturtium, finger lime : DH
 *Iced oyster : DH
 +06 Champagne Dom Perignon
 *Calamari and fermented celeriac, peas and beef fat : DH
 +14 Abbazia di Novacella (Stiftskellerei Neustift) Grüner Veltliner
 *Eel with endive : LF
 +04 Champagne Dom Perignon rose
 *Monograno Felicetti Spaghetti with caviar : LF
 +Vodka
 *Eggplant and salted horse carpaccio washed with sweet onion juice, fragrant and acidic plants : DH
 *Managatsuo with green pepper : LF
 +12 Poderi Aldo Conterno - "BUSSIADOR" Chardonnay Langhe
 *Short rib of Wagyu, vegetables pickled with Australian spices : DH
 +03 Barolo Le Vigne, Luciano Sandrone
 *Plum simmered with vanilla, sheep's milk and brae farm honey : DH
 *Coconut with raspberries : LF
 +14 La Spinetta Bricco Quaglia, Moscato d'Asti
 *piccola pasticceria

Dan Luca
[AQ!]
 やっとこの日がやって来た!…ではないのだけど(笑)、申し込んで半年、寒い正月に払い込んだイベントの日の昼は35度まで上がっていたのであった(^^;)。
 今や真冬のアノ国からアノ男がやって来る♪

 ブルガリのコラボイベント「Epicurea」、2015はイタリア各地シェフとのコラボだったのだが、2016はグローバル版。
 発表された顔ぶれは、我々的には「二度見」のエエっ!(笑)
 まさかまさかのDan Hunter(とRodolfo Guzmán)! オヨヨ♪
 ビックリ…ではあるが、考えてみればMugaritzのグローバル一門会ということではある。Danはちょうど10年前はMugaritzのシェフ。
 はるかBirregurraからDanがやって来るとならばこれは逃せまい、とチケットをゲットしたのでありました。
 マッシモやアンドゥニほどではないけどダンのチケットも早々には売切れたようなので、ナイス決断だったかなあ。
Dan Luca

 今年は7月に入るや否や、夏がゴリ押ししてきた。
 ブルガリは1階エレベータ前が軽く出迎えと受付機能をもってる。いつもサンパな、さすがな対応。案内嬢はメルボルン留学経験があるという「奇遇」さ。
Dan Luca
 8階に上がり、見知ったサービスの挨拶。フロアもサンパで感じの良い面子が多い。
 しょーじき「ブルガリ」ともなると、ボクらなんか価格帯的に「不相応」の世界だが、「さすが」である。

 薄暗めのサルへ。このサルは苦手…というかあまり趣味でない。…というか、銀座の高級店の少なからずは何で「展望レストラン」にするんだろうなあ。
 ここも展望レストラン。通される席は大ガラス窓に面していて、…今宵見えるものは向かいのビルのオフィスの改装。資材が積んであってネコ車が行き来する中、蛍光灯が嵌って行く(^^;)。
Dan Luca  他店でも、隣接ビルの看板の裏しか見えない、とか、隣のビルの屋上のゴミが見える、とかあるのだが、それでも展望にする…って昭和だよなあ。
 まあ、ネコ車見ながらディネもシュールでしょアートでしょ…と言われれば、そんな気もするが(笑)。
 つい「薄暗い」とは表現したくなるのだが、卓上照明などは巧みに光量を確保している。

 卓上に品書が待っている。
 おおイイじゃん♪
 まずRodolfo Guzmánコラボの時にはRodolfoの皿の少なさ…がちょこっとだけ残念感あったのだが、今回は両シェフ1皿ずつ多い。
 そしてDanのパートを見ると「あのCalamari!」など我々にとって知ってる皿と未知の皿と半々くらいの構成。勿論、既知の料理は日本の食材でどういうヴァリエを見せてくるか…という楽しみがある、、、なんてことを言ってると、メートレスMさんが現れて、
「ブレイで食べてらっしゃる料理もあると思いますが、本日はヴァージョン・ジャパンをお楽しみ下さい」
 と素晴らしいブリーフィングを見せる♪
Dan Luca
 コースに含まれるドンペリで乾杯 & フィンガースナック・スタート♪

Crispy octopus : LF
Sweetcorn texture : LF

 蛸の激軽チップ・タピオカの吸盤 / ヤングコーン・アンチョビ風味、ブリオッシュ / ヤングコーン・パプリカ・カモミル
 サクサクの蛸は器も蛸足型。…ってことは、レギュラーでも使ってるのかな。
Dan Luca
Iced oyster : DH
Prawn, nasturtium, finger lime : DH

 三重産牡蠣・アオサ / テンドン・アオサ / 甘えびのナスタチウム包みフィンガーライム
 このスナック群は「Brae」で出しているまんま…に見えるが日本産版にスライドしている。
 Tendonは天丼…じゃないよw、牛アキレス腱を揚げたもの…だが知らなきゃそうとはわからないチップス。で、アオサがけ。
 プローンは甘海老。日本の甘海老の甘みに敬意を表したか、Braeよりスパイシー成分少な目。ナスタチウム包み内はタマリンド・マウンテンペッパー風味甘海老。

Calamari and fermented celeriac, peas and beef fat : DH
 「Brae」でむせび泣いた(笑)カラマリに再会♪ うまい!
 へべのBrae日記から再掲すれば、
Dan Luca  -----
 イカに発酵根セロリ、は見るからに、もやしとえのき…とか見分けのつかない食材を合わせるところが中華的に決まっている。太めのイカソーメンとセロリアック漬(3wks.)の細切りの流れに、若いぷちぷちの青豆のバーベキュー!
 上等のイカに根セロリ漬の歯ごたえと酸味、春の豆と絶妙なとり合わせ。牛脂で肉っ気も加わって味わいにまとまり感も出て、
これは大変だ! 本物だ! 大当たりだー! etc.
 -----
 今日の烏賊は萩産。青豆も処理が微妙に違うver.日本。
 そんな具合に料理は材料で変わるが、同一主旨料理をいただくと、モノの味は食べ手の方のいる場所の温度・湿度などの純粋物理環境でも違う味わいを受けるもんだよなあ…ということを今更のように思い知らされる。
 甘海老甘い、烏賊甘い…がまた、高温湿潤によくフィットするというか。ああコレが日本の味、って気がするというか。

 もんのすごい余計な邪推連想だが、海産物も甘いを尊び・野菜も甘いを尊び・料理に砂糖味醂日本酒を多用しながら私デザートが甘いのは駄目なんですと言い・和食は油使わんのが素晴らしいんですわと言いながら和牛という脂メタボ牛を育てる…みたいな「日本人好み」の幾ばくかは、日本型高温多湿との相関があるんかなあ。
Dan Luca
Eel with endive : LF
 所謂、「琵琶湖の大鰻」。鰻焼につけるのが、赤・黒唐辛子+アニス/ホースラディッシュ/バルサミコ。
 バルサミコ煮アンディーブ/アンディーブ+白バルサミコ。
 アニスを効かせた三味唐辛子がナイス!…だが、これとホースラディッシュ・バルサミコの全部混ぜも存外うまい。
 ルカのシンプルな傑作。
 鰻はピュアな焼き魚…として仕立てたのが、味に効くよなあ、、、。
 簡素な組立て直しは和食のヒトにも見せたいな♪
 ソムリエも気合が入ったか(^^;)、ペアリングは04ドンピン(ドンピン言うな!(笑))。

Monograno Felicetti Spaghetti with caviar : LF
 宮崎産キャビアにクロカンな蕎麦実。
 ルカのパスタは絶品。味や香りも勿論だが、Felicettiスパゲティを生かした艶やかな食感テクスチャがたまらん。
 風味マイルドなキャビアだが、「やっぱり色々考えましたが…」でウォッカをひと口。
Dan Luca
Eggplant and salted horse carpaccio washed with sweet onion juice, fragrant and acidic plants : DH
 熊本産馬肉・茄子揚げ・水切りヨーグルト・デビッドソンプラム…
 馬肉カルパッチョは、「料理」的「アンサンブル」の印象…の出にくい皿になりがちだが(結局馬肉が旨くて強いから)、コレは料理! 曰く言い難く美味い。
 オニオンジュース辺りが秘訣か。グリーンのハーブサラダ部も添えモノ的でなく参加感が大きい。
 ところでこの日は卓上オリーブオイルは熊本産(普段から選択肢には入ってるが)。オリーブも馬も、がんばれ熊本♪…か。

Managatsuo with green pepper : LF
 萩産マナガツオと万願寺デクリネゾンのコラボ。万願寺の中も万願寺詰め。

Short rib of Wagyu, vegetables pickled with Australian spices : DH
 鳥取産和牛を鰻骨などと24時間低温調理…を柱として。
 和牛のテイストを肯定的に「ならでは」な方向に感受できる、自分たち的には「稀有な」作品。香ばしさを巡って、膨らむ旅。臭さが削れてる。
 おせっかいなほどプニプニむっちりする和牛に、ピュアなピクルスがうまい配役、大根・人参・カリフラワー。ナスタチウム。
 バローロは食事時に合わせての早い時間の抜栓だそう。
Dan Luca
Plum simmered with vanilla, sheep's milk and brae farm honey : DH
 デビッドソンプラム・ヴァニラ・羊乳・Brae蜂蜜。
 料理にも使っていたデビッドソンプラムがテーマのデセール。持ってきたのかな? ググると「クイーンズランド・デビッドソン・プラムは冬に熟す」とあるが。

 ***
Dan Luca
 皿数も十分、コラボ性高く良い会ですた。
 ダンの料理はやはり暖かくニコヤカで、滑らかに突き抜ける大きさがある。

 本人は相変わらず、いい人オーラ120%♪
 和むなあ… (いま世界で最もキレてるシェフの一人…には到底見えない(笑))
「今度は泊まれるから、またおいでよ」…宿泊棟のできたBirregurraに行きたくなるぅぅぅ

 10年後のムガリツ…なんでその話も。関口・川島シェフなんかはやっぱルカの方が重なりが長いかな。ルカ、
「ハル? 小っちゃいのに最近は横に大きいな♪」
「ヒロシの奈良の新しい店は立派そうだネ!」

 
Brae 2019年 5月 ☆☆☆


[へべ]
 はるばる戻って来ました、5年ぶりのBirregurraへ。
 道中の何もなさは相変わらずながら、羊や牛が草を食む丘がなんとなく枯れ草色。
 今年は雨が少なくてね、とドライバー氏。へえぇ、以前11月に来た時は土砂降りのえらい天気だったんだけどね…などと話していたら、ムムム、なんだか雲行きがあやしくなってきた。
 …そんな訳で結局、なぜか Braeに着くと 雨が降る〜♪ となり、傘をさしてのチェックイン。
Brae
Brae
[AQ!]
 前回の「Brae」が2014年。
 東京での「Dan Hunter x Luca Fantin」が2016年。
 さても再訪のしたいところ…に、明確な目標も出来ていた。前回はまだ無かった「宿泊棟」。
 おお、あの大地の恵みそのものを食らった後で、大陸に大の字になってゴウゴウと寝てみたいではないか(笑)。
 ディナー及び宿泊…は、木・土曜の週2日のみ、であるのだが、場所が場所だから(笑)、予約はアッティカなどに比べればフツーに取れる(土曜夜はそこそこ早く埋まるが)。
Brae
 ジロンのホテルからuber 105ドル、小一時間。
 農地。牧草地。。羊、牛、馬、鶏、、、まあな。
 今年は極端に雨が少なかったんだよ、草が黄色いだろ?…いつもはまだ、この時分なら青々してるもんさ。…へえー。

 ちょうど、着くと、通り雨。
 レストラン棟に顔を出すと、お姉さんが傘を差し出してくれて、アコモデーションへご案内。
 (多少は予想してたけど)ため息が出るほど、素敵。贅沢。カッコイイ。
 シードルで乾杯。
Brae
 お姉さんがひと通り説明してくれるが、(まだ新しい施設だし)アチコチが電動で動く(笑)。
 (サイトで見て知ってたけど)ターンテーブルにブラックディスク。「こんな具合よ」…とかけてくれたのは、「Kind of Blue」。
 “なるほど渋いディスク揃えなんだね”…と思うが、後ほどレコード棚を見れば、ジャズはこの1枚っきり。クラシックは、無し(笑)。ロックとポップスが15枚ほど。
 だよね!…いいなあ。
 ま、ボウイの「Low」をブラックディスクで聴きながら美食に思いを馳せる店が、自由が丘の某店以外にあったとわ(笑)。(…あ、ちなみにこの「Low」、日本盤だった!)

 …さて、したいことは、山ほどある。
 チェックインタイム15時のすぐ、に着いて、良かった。

[へべ]
 部屋にはなんと備えつけのゴム長が!
 日のあるうちに(秋の日は案外短い)、いそいそと畑見学に繰り出す。
Brae Brae
Brae
[AQ!]
 ひ、広い。…知ってるけど、やっぱ、広い。
 畑の広大さ。メルボルンのトモダチにでも卸すのか?(笑)…ってくらい。
 『水辺』でも欲しいのか、大きな池を掘ってるみたい。
 畑には、小まめに札が立っている。日付入りのものも多い。それらを眺めているだけでも、

Artichoke Globe, Celeriac Caesar, Garlic Seed Italian White, Kale Red Russian, Kale Cavolo Nero, Radish, Radish Cherry Belle, Radish Watermelon, Daikon Miyashige, Turnip Japanese, Turnip Globe, Turnip Golden Globe, Carrot Red Core Chantenay, Warrigal Greens, Orach Ruby Red, Asparagus Purple, Asparagus Fat Bastard, Cabbage Tokyo Bekana, Chinese Cabbage One Kilo Slow Bolt, Cabbage Early Jersy, Cabbage Golden Acre, Burdock Japanese Takinogawa Long, Salsify Sandwich Island, Parsley Root Berliner, Pomegranate, Salvia, Lettuce Great Lakes, Lettuce Flashy Trout Back, Lettuce Buttercrunch, Lettuce Bronze Mignonette, Lettuce Deer Tongue, Achillea, Beetroot Detroit, Beetroot Bulls Blood, Kohlrabi White Vienna, Beetroot Row 7 Badger Flame, Celtuce, Chives, Garlic Chives, Society Garlic, Broccoli Romanesco, Cauliflower Violet Sicilian, Cucumber Lemon, Cucumber Space Master, Cucumber Calypso, Melon Boule dOr, Strawberry Alpine, Strawberry Brae Original Planting, Comfrey, Potato Kipfler, Basil, Mentha Piperita, French Sorrel,,,
Brae
 宮重大根や滝野川牛蒡や東京べか菜まで植わっている。
 野菜好きには楽園である♪
 苺とかには、「Please do not pick」の札(笑)。
Brae
Brae
 ビニールハウスの中には、ハーブ・花類/蔓モノ/苗…。
 オリーブの樹の下に、鶏が飼われている。白と茶、10羽ほど。採卵用かな。
 果樹園。そして果てには、麦を育ててフル自家製のパンまで…。

Medlar, Olives, Plum, Quince, Quince Champion, Mulberry, Plum Green Gage, Plum Damson, Plum Wickson, Plum Angelino, Plum Snta Rosa, Plum Mariposa, Plum Ruby Blood, Plum Satsuma, Elderberry Variegated, Cherry, Crab Apple, Apricot, Pear Red Anjou, Pear Beurre Bosc, Pear William, Fig Black, Fig Preston, Fig Prolific, Pistachio, Nectarine, Nectarine Fantasia, Nectarine Gold mine, Nectarine Early River, Peacharine, Rhubarb, Australian Indigenous Food Plants,,,

 部屋に戻り、牧草地・牛に羊・丘陵・夕焼け…を眺めながらひと風呂。
 湯上りは、「HAWKERS PILSNER」(メルボルン北Reservoirのクラフトビール)。
 (既に)はっぴ~♪

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Brae

 [Autumn]
 *Jerusalem artichoke and southern rock lobster
 *Abalone grilled with pork jowl
 *Sea urchin and whole wheat croissant
 +NV Geoffroy 'Expression' 1dr Cru Brut, Ay
 *Prawn and kohlrabi, egg yolk, fermented rye and wild mushrooms
 +NV Equipo Navazos 'I Think' Manzanilla, Sanlucar de Barrameda
 *Dutch cream potato cake, cultured cream and brook trout roe
 +Kettle Green Juniper Wheat Lager, Derrimut, Victoria
 *Iced oyster
 +NV Holly's Garden 'uberbrut', King Valley, Victoria
 *Rock flathead, butter braised turnip, warrigals and finger lime
 +MV Between Five Bells 'Yellow' Savagnin, Waurn Pods, Victoria
 *Brae farm autumn vegetable garden
 +17 Smokestack Lightning 'SCSB' Sauvignon Blanc, Yarra Valley, Victoria
 *Aged Pekin duck wood roasted on the bone, eggplant and slow cooked beetroot
 +16 by Farr 'Farrside' Pinot Noir, Geelong, Victoria
 *Anised myrtle and angelino plum ice with frozen passionfruit
 +Hiwa Shuzo 'Tsuruume' Nigori Umeshu, Wakayama
 *Parsnip and apple
 +06 Reichsgraf von Kesselstatt 'Josephshofer' Spatlese Riesling, Mosel
 *Boule d'or melon
 *Honey and macadamia ice cream sandwich
 *Rhubarb and pistachio, blood and preserved blackberry

Brae
[へべ]
 ウェルカムバック!
 あちこちで再訪をことほがれ、ほんわかホームな気分にさせてくれる。
 前回はあっちの窓寄りのテーブルだっけ、などと思い返しつつ着席。
 卓上花のカンガルーポーが愛らしい♪
 目を上げれば厨房のきびきびとした動きが見える(嬉しい)。
Brae
[AQ!]
 7時半。半分以上、始まってるかな。
 土曜夜は、かなり白人寄りの客層。地元名士とか多少、多めかなー。昼にみかけた、いかにもな中国人グループとか、無し。

 ペアリングは「ミックス」もあり。今日は泊まりだし、「ワイン」ペアリングで。
 (先に書いちゃうと)めちゃくちゃ優れたペアリング。髭のソムリエは感じもいいし、抜群やなー。
 最初のGeoffroy 'Expression'は、再会を祝して…ということで、ダンから。
 卓上の花は、カンガルーポウ。へべが当てて、褒められる(笑)。

Jerusalem artichoke and southern rock lobster
[へべ] トップバッターはトピナンブール!
 皮の器にサザンロックロブスター、ザクザクと香ばしくワイルドな食感が、どことなくダンハンター調。
[AQ!] トピナンブールの香ばしさよ、ひらり香草、繊維のしっかりした海老と、力強いスタート。
Brae
Abalone grilled with pork jowl
Sea urchin and whole wheat croissant
[へべ] 渦巻形の全粒粉クロワッサン上には、つんもりと雲丹、これが香りも味も清く爽やか。
 豚と鮑の串焼きは、下からの小規模スモークが効いてて楽しい。もしや銀座仕事で来日時、ガード下の思い出アレンジ?(なんてね)
[AQ!] 「ガストロ焼きとん」感が漂う。東京イベント時に、ルカファンティンとガード下で呑んだ?…などと(笑)。
Brae
Brae
Prawn and kohlrabi, egg yolk, fermented rye and wild mushrooms
[へべ] 畑で見てきたコールラビにはナスタチュームを重ね、香ばしい殻付き海老を巻いてタコス仕立てに。
 下の器は秋の茸。
 コールラビの新鮮さか際立つ一品。
[AQ!] コールラビ!…のナチュラルな甘さの、空中に微かに踊るミスト。心を捕えて放さない♪
 大ナスタチウム葉の下には海老タルタル。海老も茸(凝った仕立て)も、もちろん素敵なんですが。
 ここでのペアリングは、Sanlucar de Barramedaのマンサニージャ。「だよね、だよね、そうだよね!」…と言いたくなる。
Brae
Dutch cream potato cake, cultured cream and brook trout roe
[へべ] ビクトリアンポテトケイクは、日本で言えば「懐かしの海の家ラーメン」(のガストロ版)といったところ? クリームとブルックトラウト卵を添えて。
 要は揚げジャガですが、金色の繊細な魚卵とクリームとさくさくの衣となめらかな熱々のイモの織りなす世界はもはや天国か桃源郷か、好き過ぎる…。
 ペアリングのビールがまた極悪なまでに合ってて、ほとんど悶絶。
Brae [AQ!] オーストラリアのファインダイニングが「ベジマイト」やら「ビリーティー」を出す、ま、その“冗談枠”に連なる一品だが、いやあ馬鹿馬鹿しいくらい『まんま』な眺め?
 食べても実にいなたく「何かガストロな工夫しました?」ってくらい(笑)なのだが、まさにそうなのだが、コレが、アタマから湯気が出るほどに、ウマイ! めちゃくちゃ、ウマイ!
 どうなってんねん? (^^;)
 brook troutというのはカワマスらしいのだが、この卵がまた、あり得ないような滑らかさ。こんなん、ある?
 オマケに、Juniper Wheat Lagerが死ぬほど合う。「これ、ヤバくね?」…ってソムリエに言ったら、
「このビール、イイっしょ? 旨すぎて、ボクいつも飲み過ぎ!」
 だそう(^^;)。
 …このセットが「サイコーにウマイ♪」…とか、言ってて気恥ずかしいくらいだが、そこはもう『術中』だろうか…

Iced oyster
[へべ] これは知ってるよね? と牡蠣アイスが登場。
[AQ!] 牡蠣のアイスクリームは「前回も食べたわよね(笑)」と。
 コレと北京ダックが、スペシャリテ格でコース中に残ったようだ。みんな食いつきが良さそうな料理だし、いいアクセント…ってとこかな。
 …で、前回の「Iced oyster」を見返してみると、前菜のアタマ…というかアミューズ後半みたいな位置で出されていた。
 それで思うと、今回の「コース」って、食べているととても自然な感じなんだけど、後で全体を眺めると、「打順、自由やな~♪」って印象が強い。
 いきなり焼きとん食ってたかと思うと、芋ケーキ行って牡蠣アイス、とか、この後もまたサラダに戻る段…とか。変、っちゃ変なんだけど、思うまま…というか、食べててシックリくるんだよねー。ナチュラル・イノベーティブ。
 合わせるは地元ビクトリア州の泡(blanc de noir)、とこれも自由。
Brae
 パンとバター。麦香りと焼香り、ミルク香りが強烈・颯爽。
 裏の窯でストロングに焼いているので、好き嫌いが無いタイプではないが、この世で一番好きな食中のパンの一つ♪

Rock flathead, butter braised turnip, warrigals and finger lime
[へべ] 今回ちょっと食べたいなと思っていたフラットヘッドに、よもやここで出会えるとは!
 皮は香ばしく身はしっとりと旨味をたたえ、その味とバターを吸ったターニップの小球にうっとり。
 フィンガーライムの酸がプチプチとはじけ、酢バターソース魚の見事なオージー展開になっているのもうるわしい。
[AQ!] 「フラットヘッドは旨い!」と聞いてたんで興味津々だったのだが、うわああ、旨い! (←まんまや)
 焼き香りよろし、身質のしっかりしながらシットリ感よろし、焼き魚としての味わいよろし。
 ターニップは俺の目から落ちた涙か!? (笑)
 Warrigals…は、フランス料理ならエピナール…ってとこか、下に敷かれた味・香りのあるオセアニアの菠薐草。
 合わせるはSavagninで'Yellow'…ヴァンジョーヌやね(笑)、好相性。Geelong郊外の、さっきクルマで通ってきた辺りの産。
Brae
Brae farm autumn vegetable garden
[へべ] 秋の菜園から、野菜の一皿。
 とりどりの根菜、ひとひらずつのハーブの味が香りがそれぞれに楽しく多彩で、時折ハッとする魅力的なきらめきに「今のそれどれだったの」と面影を追い…いつのまにか皿は空っぽに…。
[AQ!] 秋の畑。
 ひたすらひたすら、大好き。(豪州も、野菜が、濃い)
 かじりつくように、没入。喪失(笑)。
 ヤラヴァレーのソービニョンブランを合わせるが、それに先立って「秋の青汁」とでも言うか、野菜ジュースが置かれる。
 これが絶妙に美味くて、ついつい一気に飲み干してしまったのだが、ワインサーブのお姉さん「アラ?」と笑って、青汁の“おかわり”を持ってきてくれた。ありがたや♪
Brae
Brae Brae Brae

Aged Pekin duck wood roasted on the bone, eggplant and slow cooked beetroot
[へべ] エイジド北京ダック、これも常打ちスペシャリテかな? とはいえ細かくは色々と進化してるのか、皮のおいしさなど一段とグレードアップしている気も。
 ぎゅっと凝縮したビーツ、レバーのカネロニ仕立てをはじめガルニもお見事。
[AQ!] 冴え渡る北京ダック、更に旨くなったかも。(中国料理の北京烤鴨でこんな旨いの食ったことない(笑))
 レバーを堪能できるのもイイ♪
 相方は、前回同様、Geelongはby Farrのピノ。Gary Farrは13年間Dujacにいたそうで、ちょっとそれも感じさせる必殺のピノ。ソムリエの話では、by FarrとBraeは「友人関係」が深いそうだ。
Brae
Anised myrtle and angelino plum ice with frozen passionfruit
[AQ!] アニス風味レモンマート、アンジェリーノプラム、パッションフルーツの酸味が冷菓に響く爽やかさよ♪
 …だが、特筆すべきはドリンクで、和歌山の梅酒「鶴梅 完熟にごり」。ひゃ~、イイもの探してるね!
 途中で変な日本酒出されるのの、100倍嬉しい(笑)。
Brae
Brae
Parsnip and apple
[AQ!] これが最後の、「これは知ってるわよね♪」
 やはり皮の香りが素晴らしい。

Boule d'or melon
Honey and macadamia ice cream sandwich
Rhubarb and pistachio, blood and preserved blackberry
[AQ!] なかなか豪華な(笑)ミニャルディーズ船団。
 “あ? へ? メロン?”…って、まんまメロン…だけど、我々は知ってる、畑で見てきた(笑)。
 樹上…というか樹下、で、とことん完熟させてた、そのメロン♪ 「もう枯れてんじゃねーの?」って見た目にぶら下がってた果実。
 見事に熟してた。
 いやあ、名残惜しいが終わって行く。大らかに笑顔のままに閉じて行く。
 「最後はもうこんなんしょ?」の、モーゼルのシュペートレーゼと。
Brae
Brae
[へべ]
 あぁやっぱりBraeはめちゃめちゃ好きだ…と自分の中で再確認する。
 ingredientsを活かしきる派のなかでも、ダンハンターの料理はちょっとおおらかで、空が青い感じがする。

[AQ!]
 あっはっは♪…と豪胆に、この辺の旨いもんを並べてくる。
 よく見れば、極めて精緻な仕立てだ。でも、ま、「よく見れば」…でいいや。
 抜けるように青い空。
 ダンはますますダンらしい、のかも。此処は、此処にしかない、此処。ただ一つ。

[へべ]
参考メモ:
 アウトバックとは、、「オーストラリアの内陸部に広がる、砂漠を中心とする広大な人口希薄地帯」であり、奥地、未開の地というニュアンスもあり、景観としては砂漠だけでなくブッシュ、原野、荒野、岩がちな地帯などもあり。
 情緒的には、北米の「ウィルダネス」+「パイオニア」をもっとワイルドでヘビーデューティーにしたような、荒くれ男どもが未開地でキャンプしてる感じがつきまとう…かな?
Brae
[AQ!]
 ダンは途中まではバリバリ実働している。ケツは、今日は二階建てだし、早退。
「ダンがヨロシク言うてましたー」と伝えてくれた厨房の若手二人が、「実はボクらも、ブルガリついて行ってたんですー♪」で、ひと盛り上がり!

 とろとろと部屋に戻る。何を聴こうかな…とブラックディスクを漁る(笑)。

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 8時に新聞とクロワッサンが玄関脇にかけられる。

[へべ]
 朝食も最高!

[AQ!]
 書き出しても別にコレといってどーということのない、ごく普通のコンチネンタルブレックファストなんだけど、どうもシミジミとうんまい。
 さすがだわ。
 11時にタクシーが来るまで、だらだら…。
 帰りたくねえなあ…(笑)。
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  Burnt Ends  バーント・エンズ
  
20 Teck Lim Road Singapore  +65 6224 3933 www.burntends.com.sg
日・月昼休
・ シンガポールのガストロ・フードバー、エチェバリ仕込みの炎の料理
  → 2013シンガポール旅行記はこちら

2013年 8月 ☆☆☆

 *Smoked Quail Eggs
 *Pollock, Cucumber and Mint
 *Leek, Hazelnut and Brown Butter
 *Duck Hearts, Endives and Aioli
 *Squid, Sweetcorn and Paprika
 *Burnt End's Sanger (Pulled Pork Shoulder, Cole Slaw, Chipotle Aioli, Brioche Bun)
 *Duck Ham, Rocket and Cornichon
 *Flat Iron, Burnt Onion and Walnut
 *Banana and Caramel
 *Apple, Cinnamon and Lemon
 *Pineapple, Rum and Vanilla
 +Gordon Biersch Czech Style Pilsner
 +11 Kooyong Massale Pinot Noir

[AQ!]
 さて、パッサーチルドレンもレセッピチルドレンも始動するシンガポールだが、お次はアルギンソニス・チルドレン、エチェバリ・スクールの一軒。「Burnt Ends」。

 こちらはその炭・熾火料理を、グリル&フードバーという気楽なスタイルで展開する。
 楽しい。
 長~いカウンターが基本のフルオープン炉端。ごく個人的な好みで言うと、店作りとしては、料理との親和性ではアチョンドや神戸より“気分”かも。
 基本は「まあ来てくれ」運用で、予約は18時台の「一周目」だけ受ける“渋谷ゆうじスタイル”。

 18時半に予約して、18:20に着いてみると、スタッフはまだミーティング中。
「あ、もうイイ?」
「ダイジョブダイジョブ、うえるかむ!」

 炉が2つ。隣に熾火台が並ぶ。これは高さ調節可能なエチェバリ式。
 素材名で書かれた品書を眺めつつ、ビールは米国・日本産が中心。

 シェフと2番は見た目“北欧”(笑)で、定番アントレはnomaの「燻製鶉玉子」。味・香は本家よりイイかも。3・4番手まで、出来たばかり店の割りに動きのいいシゴト。
 スーシェフの圧倒的な神経質具合がカンドー的(笑)。

 ごくカジュアルな仕様ゆえ、トータルの精妙さはアチョンド・神戸に一歩譲る面もあるだろうけど、文句なく美味く揃えてくる。また、条件から当然?ながら、牛肉については神戸よりかなり美味く感じる。

 シェフたち相互はいい意味厳しくうるさく神経質だが、客には随分とフレンドリーで、
「なんだエチェバリ行ったのか、これはどうだ?これも食え」
 …と、どんどん持ってきてくれる(笑)。
 鴨ハムとかカシスのアイスとか…は、奢り(^^;)。

 Flat Iron (ブレードステーキ) が“マスト”ですか?…ってほど売れてるが、そのソースや添えるクレソンの塩梅も、スーシェフが猛然とチェック(笑)。
2013年 8月 ☆☆

 *Smoked Quail Eggs
 *Leek, Hazelnut and Brown Butter
 *Salmon Skin and Roe
 *Monkfish, Beer and Tartare
 *Fennel, Orange and Burrata
 *Artichokes and Taleggio
 *Rabbit Liver, Toast and Girolles
 *Banana and Caramel
 *Pineapple, Rum and Vanilla
 +04 Carbunup Crest Margaret River Cabernet Merlot

[AQ!]
 予約は18時台だけ。後は空き次第の御案内、となる。
 18:30-20:15-22:00、、、みたいな感じで回っているか。
 20:30くらいに行って、名前を書いてもらって
「9時半から10時くらいかなあ、空いたら電話するよ」

 カウンターの一番端(ワシは背もたれの無い椅子)だったが、早速アチコチから
「ウエルカム・バック・アゲイン!!」
 的な声がかかり、シェフ自ら
「ハッハッハ♪」
 と頼んでもいない鶉玉子を持ってやって来る。
 ホントによくわかってる店、、、だし、何か北欧っぽい(笑)。

 サーモンスキンはコッドスキンほど硬くせず、少しだけ粘る。強めの塩に海苔の香がよろしく、「ツマミ」的スタータ。

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  The Currant Shed  ザ・カラント・シェッド
  
104 Ingoldby Rd. McLaren Flat, South Australia +61 8 8383 0232 www.currantshed.com.au

・ 南オーストラリアのワインレストラン
  → 2019オーストラリア旅行記はこちら

Currant Shed 2019年 4月 ☆☆☆

 *アミューズひと口パイ;avocado-feta-beetroot / mussels-onion
 +NV Clement's Brook Blanc de Blanc Adelaide Hills
 *tomato / olive / basil / feta
 +16 Sauvignon Blanc by Three Dark Horses Adelaide Hills
 *smoked eel / beetroot / horseradish / creme fraiche
 +17 Chardonnay Shottesbrooke Adelaide Hills
 *pork / peanut / chilli / bean sprouts
 +18 Dufte Punkt Eden Valley Three Germanic Luminaries One Aromatic Explosion Chaffey Bros.
 *falafel eggplant za'atar pumpkin
 +17 smallfry Barossa Joven tempranillo/garnacha/monastrell/bastardo/tintaamarilla WG Ahrens & SL Hilder biodynamic
 *beef / sweetbread / jerusalem artichoke
 +16 Cabernet Sauvignon McLaren Vale Kangarilla Road
 *Granité
 *chocolate / fig muscat / almond
 +87 Shottesbrooke 1337 Muscat McLaren Vale

Currant Shed
[へべ]
 遠足日和の本日は、アデレードから、ちょいとマクラーレン・ヴェイルまでエクスカーションなど。

[AQ!]
 アデレード・ランドルモールのタクシー乗場。
「マクラーレンフラットへ行ってチョ」
「ソレって遠いけど(わかっとるけ?)」
「小一時間って聞いてるけど…」
「オーケー・ガイズ、ヒアウィゴー」
 行きも帰りも97ドルほど、小一時間。オーストラリア人はやたらと「ガイズ」を使うw。
 『カンガルー飛び出し注意』看板。
 McLaren Flatはワインで有名なMcLaren Valeの隣。
 葡萄畑の間をびゅんびゅん走って行く。ワイナリーもチラホラ。「Rosemount」の看板も見えた。
 McLaren Flatに入り、小道。昔なら迷いそうなものだが、今はタクシーもデジタルが導くままに。葡萄畑が並ぶ合間に、本日のランチレストラン、「Currant Shed」の看板が現れる。
Currant Shed
 お店選びメモ。
 「The Currant Shed」はオーストラリア式3つ帽評価では大体、1つ帽クラスの、今回の旅では“非有名”店。
 何故この店を選んだか、と言えば、いちばんの理由は今日が「月曜日」。やはりオーストラリアも、月曜は軒並みお休みやねん。
 それと、旅程上、アデレード付近で探すのがベターだったことがある。
 「The Currant Shed」はランチレストラン(夜はやらない)なこともあり、水休だけ。葡萄の顔を眺めるのもイイしね♪

 小高い丘の麓、葡萄畑に囲まれた平屋の店舗に近づく。
Currant Shed
[へべ]
 手前にはなかなか広い大規模個室風の別サルがあり、白っぽい服の比率高めのアジア系大人数が集ってなにやらパーティーが進行中。
(ゲラゲラ娘注意報、べらぼうな上天気、結婚パーティー&ブーケトス日和)
 奥へ進むと、テラス席っぽい空間がさんざめいている。ポカポカ陽気の好天とあって、この日の一般客はほぼここに集結しているようだ。
 もちろんウチもいそいそと参戦(笑)。

[AQ!]
 音楽はズンドコ系だし、それにもましてお客のボリュームが分厚く漏れ聞こえる感じ。
 中はパンパンの大入りか?…とビビってコンニチハしたが、そんなに埋まってるわけでもなかった。ただ、先行の客は、ヒジョーに温まっている(笑)。
 開け放せるとこはすべて開いてるので、ほぼ全店がオープンエア状態だが、その中でもオープン性の高い、テラス席へ。
 アホっぽい好天(笑)。背中に陽があたったりすると、暑い(^^;。
Currant Shed
******

[へべ]
 最高!

 陽光あふれる、幸せな長い午後。
 色づきはじめた葡萄の葉が風にそよぐテラス席に、陽気な客たちが大いに飲み食べ、また飲んではさんざめく。ざわめきは鳥たちのさえずりとともに青い空へと散ってゆく。
 グラスにはなみなみと、もちろん土地のワイン。だってここ、マクラーレンヴェイルだし♪
 ソーヴィニヨンブランに目をみはる。のびやかできめ細かな味わいは、はるばる旅をしてきた人間へのご褒美だ。
 料理もいい。すごくいい。
 アミューズのカナッペに木漏れ日が躍る。
 自家菜園の野菜やハーブがぴちぴちと香る。
 もやしが新鮮。
 オージービーフのすこやかな旨さ。
 思い出すと幸せになり、なんというか、細かいことはまぁいいじゃないか、という気持ちになってしまうタイプの料理(ときどきある)。
 そんなワインと料理の素晴らしいペアリング、なかでも燻香をまとった鰻にシャルドネは忘れがたい。
 目を閉じればいまも、テラス席から午後じゅう見ていた、葡萄畑の光景がよみがえる。
 いやー、楽しかった…

******
Currant Shed
[AQ!]
 パンのバターにワイン塩。グルナッシュだったか。

smoked eel / beetroot / horseradish / creme fraiche
 「うなぎの色々、、全部よ!」…素晴らしく美味しい。ペアリング(Chardonnay Shottesbrooke)が抜群だったこともあるが、本日の感銘♪

pork / peanut / chilli / bean sprouts
 豚・もやし・花生・香草・ピカンテ…の捕まえ方なぞも大変よろしい
 花生ピュレソースをもう少し軽く整理できたら、ホントに一線級のガストロ料理。もやしの質も花マル、自家製かなー。

 オープンエアで食べる喜びがこんなにある、気候・ロケーション・料理・サービス・オケージョン・ワイン、、、も、まず滅多になかろう♪
 どの客もみな、勝手気ままに庭を散策する。

 派手なアジア系パーティー(最初は芸能関連だとオモタw)は、庭に繰り出してきて、女性陣がかたまり始めた。何が始まるのか…と見てたら、ブーケトス♪
 空気が出来てたのかw、一人が綺麗にナイスキャッチ。
Currant Shed
Currant Shed falafel eggplant za'atar pumpkin
 ババガヌーシュ。
 お口直し(?)のファラフェルw。ザータルとかラゼラヌーって、オーストラリアではポピュラーね。

beef / sweetbread / jerusalem artichoke
 エルサレムアーティチョーク揚げ、茸、リドヴォ添え。
 後にYシェフに聞いたところでは、オーストラリアはリドヴォや仔牛自体、流通量少なめだそうなんで、リドヴォを添えるのは「ウチは贅沢な日の店よん♪」と言ってるのかもしれない。
 牛は、フツーに「さすがオージー♪」な味の良さ。

chocolate / fig muscat / almond
 チョコムース。
Currant Shed
Currant Shed  全体に、とても素直で好感もてる料理。
 自家菜園モノも多い。
 ワールドキュイジーヌ的な名乗りも多いが、モダンチャレンジングというよりはオーストラリアンスタンダード感(この国は、モダン歴・ハイブリッド歴が長い)の方が強いかな。
 サービスは女性中心、みなサンパ。ソムリエール格のヒトはキリリとしてる。
Currant Shed
 ワインが素晴らしくペアリングに深みがある。(Shottesbrookeはこの店と関係が深い)
 ワインでは、とくに、泡・ソーヴィニヨンブラン・シャルドネは面白い。
 グレープバラエティーが分かりよく、柔らかく繊細で深度がある。「自然派」じゃなくて「自然なワイン」、、、とか言いたくなる味わい(笑)。
 …ま、つまり、『産地飲み』ってことだぁね~♪
 …旨くて飲み過ぎ(^^;)。
 生産地で飲むのって、「ワインの勉強とか研究とかって何だったのか?」って気になるのが、たまにきず(笑)。

 ファームレストランであり、ワインレストランである。
 さすがにマクラーレンヴェイルのワイン地帯の真っ只中ということもあってか、他店でも「カラントシェッドに行ってきたよ」と言うと、ソムリエ連中は、わりと知っているのであった。
Currant Shed
 鳥が人懐こい。種類が多い。
 (オーストラリアの動物は基本的に「人を恐れる度」が低い)

 陽が山入端に落ちんとする頃合いからすーっと気温が下がる。
 「最後の2組」はタクシーだったけど、他は?
 アデレードへ飛んですぐの昼で“バタバタだからタクシーだろう”とキメ打ちで調べてなかったけど、ホントは行き帰りのどちらかくらい、電車が使えたかもしんない。
 アデレードのタクシーはインド系が多い気がする。この日は三人ともそう。帰りはシークっぽい、シークの格好もよく見る。

PS:
 そうだ、ここのワインリストの頁分けがオモロイ。
 local wines / not so loca winesl / totally not local wines / I cant believe it's not local wines
 で、それぞれ、
 mclaren vale / the rest of south australia / the rest of australia / the rest of the world
 の意。

PS2:
 あ、そんで、この「6皿コース+6杯ワインペアリング」で、お一人様約11000円。(交通費はかかるけど)かな~りお値打ち感♪
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  Cutler & Co.    カトラー・コー
  
55–57 Gertrude St. Fitzroy, Melbourne  +61 3 9419 4888 www.cutlerandco.com.au
2009年開業 料理長: Andrew McConnell
・ メルボルンのレストラン
  → 2014メルボルン旅行記はこちら

2014年11月 ☆☆

 *アンチョビ・スティック・パイ、紫蘇バジルソース
 *Tuna tartare, fromage blanc & bottarga
 *Pickled mussels, cuttlefish & spring vegetables
 *Flounder, black leek, pickled onion
 *Smoked duck breast, salsify, prune & radicchio
 *Dry aged lamb saddle, confit shoulder & spring garlic
 *Melon, cucumber & buttermilk ice cream
 +09 Gembrook Hill Blanc de blancs
 +NV South 'Premium Cuvee'
 +05 Cabernet Franc Powells Track

[AQ!]
 カトラーアンドコー、変な店名だが、メルボルンは「& Co.」がつく屋号がちょこっとあるみたい。かな。
 こちらは、各種の全豪レストランランキングのベスト10内常連、という店。
 フィッツロイという若干アート臭いオサレ系の町にある。

 メルボルンは“何処でもトラムで行けるんちゃうか”と思うくらい、網の目のようにトラムが走る。
 Cutler & Co.へは、11.86.95.96.112番線でOK。我々は11番で。
 Gertrude St. に面しているが、エントランスは地味。

 入店するとすぐオープンキッチン。
 案内される卓は、テーブルクロス無しでシンプルなカトラリー、そして卓上に渋い林檎のオブジェ。
 …ともう、自己紹介されているように、店の性格が見てとれる。
 感覚派の先端的ガストロバプ。ラフで気軽に。この「ラフで気軽」ってとこは、オージーだからイメージ通りだけど、この部分は北欧と共通する点のように思う。

 我々の席は入ってすぐの窓際。ここに数卓あって、その奥のキッチンと壁の細くなった通路を行くと中に大サルがある。
 その構造が当初わからなかったのだが、入口近くの卓で18時半から始めてる我々が見てると、ものすごい数の客が次から次へと入店してくるのである。
 なんか喜劇映画のコントか!?ってくらい、これでもか…と客が来るのだ(^^;)。
 そのくらい奥行がある大規模店なのだが、メルボルンはこういう準・鰻の寝床のような造りの店が幾つかあった。京都みたいな経緯でもあるんか??

 料理は、軽快で美味、満足度も高い。
 …が、前日がattica・翌日がBraeという“カンドーの嵐”の狭間日程になってしまったせいか、濃厚な記憶ではない…という所もある。
 まあそもそも、店の設定も「シェフの勝負料理」って感じではないのかな。Andrew McConnellの関心は店舗を増やして「皆をゴキゲンにする」みたいなとこにありそうだし。
 と、まあ、でも、一応の記述であって愚痴ではない。イイ店。

 アミューズの紫蘇とバジルのペーストは、香りだけちょびっと紫蘇がくる良い具合。

 ツナタルタルは、まあ“鮪が人気食材だからね~”ってとこで、いっちょ上がっちゃってるかな。

 烏賊・マッスル・牡蠣・野菜…は、想定内の仕上がり、だが、快適。季節の青豆。

 ところで次のFlounder…鰈であるが、これが滅茶苦茶旨かった。焼葱と玉葱漬を添えるレシピも素敵ではあるが、何より、魚の質と焼きが圧倒的。ウマイウマイと唸りながらいただく。
 こーゆーことがあるから、面白い。

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  Restaurant ÉPURE 
  
Ocean Centre, Harbour City, Tsim Sha Tsui, Hong Kong +852 3185 8338 www.epure.hk


・ 香港のレストラン

EPURE 2017年11月 ☆☆☆

Épure Guest Chef Yusuke Takada
[8-course Tasting Dinner]
 *boudin noir, st jacques, cavier
 *oursin, crabe, the fermente, peau de tofu
  sea urchin, crab, kobucha, yuba
 *huitre
  La Royale oyster by David Herve No.1, endive, walnut, goat cheese, mojama
 *crevettes
  botan ebi shrimp, kuruma ebi shrimp, gingko, glutinous rice, amaranth
 *amadai
  amadai, cockle, Jerusalem artichoke
 *ormeau
  black abalone, salsifis, matsutake, sake kasu
 *homard bleu
  blue lobster, kumquat, squash
 *boeuf Japonais
  Kagoshima wagyu beef A3, bresaola, taro
 *chataigne & biere
  chestnut, beer, malt
 *poire, fromage bleu, caramel

EPURE

 +12 Champagne Rose de Jeanne Les Ursules BdN Cedric Bouchard
 +12 Ch.Malartic Lagraviere blanc
 +16 Riesling GC Schlossberg / Wein bach
 +13 Blanc Fume de Pouilly / Dagueneau
 +13 Chassagne Montrachet 1er Les Vides Bourses / M.Colin
 +Sherry Los Arcos Dry Amontillado Solera Reserva Lustau
 +02 Hermitage / B.Faurie
 +08 Tokaji Aszu 5 Puttonyos Hetszolo

[AQ!]
 海洋中心4樓の店は、前面にカフェと海に向かうテラス席もあって、かなりの規模。
 後で聞くと、厨房も広く立派で「ビックリしましたわ」らしい。レストランで「高田シェフフェア」を挙行しながら、通常営業も並行できる大きさだって。
 また、現地シェフはじめスタッフの優秀さ・士気の高さも「ビックリ」レベルだったとか。
EPURE
 席は、某シェフと一緒に3人で組んでもらった。
 シャンパンで乾杯していると、ニコニコと高田シェフ登場。3日間のフェアの最終日なので、ちょっと余裕をかましている(笑)。フェアは50席規模なのかな、さっさと完売したようだ。
 お客は、香港の若いセレブ…みたいな感じが中心。…ま、店自体、イケイケの若いファインダイニングである。

boudin noir, st jacques, cavier
 シックでアーティスティックに、黒く塗りこめてスタート。「日本から高級な奴、キマシタ~♪」(笑)
 高田シェフのは、アミューズから美味しさに抜かり無し。
EPURE
oursin, crabe, the fermente, peau de tofu
 黒から一転するテクニカラー、「オズの魔法使い」効果(笑)。
 泡の青臭さが、多種の旨味の上に凱旋する。昆布茶が締める。

huitre
 仏Saint-Just-LuzacのDavid Herveの牡蠣(香港らしい)。…の皿なのだが、見た目は、おが屑にまみれた若筍、、、。(ナッツ擂り下ろし)
 endive, walnut, goat cheeseの歓声の中を牡蠣が疾走してくる。
 「牡蠣ったら、美味しさわかってるのに攻めますねえ…」と同席の某シェフが溜息(笑)…某シェフも大概攻めているのだがw。
 まあホント、牡蠣料理も一種メルクマールであるのだが、まだまだ表現はあるものだ…。
EPURE EPURE
EPURE crevettes
 牡丹海老・車海老・銀杏・餅米・アマランサス・ビーツとそのリダクション・ワインビネガー。
 不思議な眺め。ジャポネなテイスト…と思ったら、「鮨屋さんに聞いた海老の仕込み」だそうでw。

amadai
 甘鯛は、絶妙な火通しの上、アジアンスペシャルな風味でまとめる。気分♪
EPURE
ormeau
 黒鮑に、香港人大好きな憧れの松茸。牛蒡に酒粕…の働きがイイ。

homard bleu
 オマール・トレビス包みに金柑・南瓜・花紫蘇。魚介主菜らしさに日本風味を漂わせて魅了する。
EPURE
EPURE boeuf Japonais
 これまた香港人がウットリする鹿児島和牛、A3。ブレサオラで肉肉しさを強めて。
 ギャロッピングで弾むように楽しくコースは展開する。
 高田シェフ、現地のモノやヒトと天然に踊ってるようなのに、如何にも香港の人にも喜ばれそう…というか、実際オオウケしてるのが不思議と言えば不思議(笑)。
 意識的にも無意識的にも、客層を真っ向唐竹割りするのは、近年さまざまなイベントを続けてきた経験の蓄積…ということも幾分かは、あろう。
EPURE
chataigne & biere
 再び世界は黒に戻る。
 栗・ビール・モルト…と言われただけでピピっと来るが、食べるとピピピ!
EPURE
EPURE poire, fromage bleu, caramel
 そして、ミニャルディーズも含めて、色彩に溢れて終わっていく♪
EPURE
 このフェアは「よ~いドン」じゃなくて各卓進行なのだが、それでも進むにつれ、一体感のあるような熱気が場内に醸されてくる。高田熱を香港にも点火できて、ヨカタね~♪
 ま、やりとげ顔のシェフは、余裕綽々のご様子ですた。
 多分に「成行き」ってことではあるのだけど、去年今年は世界のあちこち(笑)で、高田熱の燃え上がりっぷりに立ち会えて、ハッピーでござりました。
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  Fernando 法蘭度餐廳  フェルナンド
  
黑沙海灘9號號地下, Macau +853 2888 2264 www.fernando-restaurant.com


・ マカオ風ポルトガル料理

Fernando 2019年10月 

 *炒蜆 Ameijoas a Moda da Casa
 *蜆汁蝦 Prawns with Clam Sauce
 *焼沙甸魚 Sardinha Grelhada na Brasa
 *青菜汤 Caldo Verde
 *鶏蛋布丁
 +Beer Super Bock


[AQ!]
 到着日の夕メシは、ま、お気楽な感じで…。
 まあ色々あら~な、な候補を薄弱な根拠でつつき回した結果、「マカオ風ポルトガル料理」で行くことにする。
 観光名所でもあるらしい(?)「Fernando」を目指してみる。
 場所はコロアネ島の黑沙海灘、けっこう距離があるがそこそこバスは走ってるらしい。
Fernando
[へべ]
 バス来ない
 やっと来た、なんとか乗車
 車窓から観光
 カジノホテル建築すごい

[AQ!]
 バスとタクシーの町だから、人が動く時間の中心部の道は混んでる。

 コロアネ島に入り、18時を回ると、急速に暗くなってくる10月。
 終点黑沙まで乗る客は、少ない。
 辺りは暗くて見通しがきかないが、屋台の趣き・公園の趣き…に「ビーチリゾート」っぽさが漂っている。
 Fernandoはバス停から近い筈、と道を進むと、突き当たりにポワンと灯りが見える。いい感じ♪

Fernando
[へべ]
 法蘭度餐廳 Fernando's、着いてみたら案外すいてた。
 前菜の一部はハーフあり。

[AQ!]
 エントランス付近の席も空いていたが、主サルは奥だ…と通される。広い。そちらも空き多し。
 「観光客で常時いっぱい」…って話にビビっていたが、同時に「18時台は狙い目(夕食が遅いから)」とも聞いてた。そこが良かったかな。帰るころにはかなり埋まってたし。
 観光客…とくに白人、が多いのはホント。日本のガイドにもよく載ってるが、意外なことに日本人はワシらだけ。
 南洋のコロニアル調、…っつうですか、寛ぐ。
Fernando
 マカオポルトガル料理の代表皿は一応押さえてきたが、(此処に限らず)ポーション大きいらしいよ…は危惧だった。
 が、菜単を拝見すると、炒蜆と蜆汁蝦にはハーフポーションがある。これは頼みやすい♪

 ビール(Beer Super Bock)はちんちんに冷やしていなたい保冷器で出てくる。いなたい。

蜆汁蝦
 すごい。卓上に擂り大蒜があるラーメン屋で小学生が悪フザケで入れてしまったような、ニンニク臭。食べて帰ったらオフィスの人間破壊兵器になりそうな奴。
 パン…名物らしいカスカスのパンにつけて食べれ、というのが指導。しょっぱくてしつこいが酸味でそれなりのバランスとなる。一種、気分だ。

炒蜆
 浅利はボワ~っとした料理・味つけだが、浅利自体はぷっくりして上質なもの。
 ワタシは3粒ほど砂入りに当たったが、砂嫌いのへべがセーフだったのは朗報。此処いらでは丁寧な砂抜きなんだろう。
Fernando
青菜汤
 大体は想像つくような味なんかなと思われるけど、このカルドヴェルデは必食、イイお味。
 ひじょーに地味だが、ジワジワと来る。他の皿との相性もあり、頼んでヨカタ。

焼沙甸魚
 サルディンのアラブラサ。
 (いい意味)食べる人のことなど考えてない、いい加減な焼きと塩♪ …だが、添えてあるタマネギ・酢・ピーマン・トマトとぐちゃぐちゃと混ぜてみれば、イイ酒のサカナ。食いかたに工夫すればそれなりに食える。逆に言えばそれなりに食えるように作っている。
 それにしても多くの卓が、案外サラダなどを注文しているのだが、こーゆー用途用なのかも。
Fernando
[へべ]
 ところで、ボトルの赤を頼んだらポルト登場(^^;)。

鶏蛋布丁
 プリンは鬆で出来ている♪

[AQ!]
 英語に難あり…ということもあるけど、ボトル赤…って概念が薄そう(^^;)。
 デキャンタでいいや…と言うとすぐ出る。

 「ケイラン」!…って感じの古めかしいレシピのスの多いプリンも是非モノ♪

 全体に、感じのイイ店だった。
 観光客向け…ってのも、気楽でいいね。…ってのも、タマには。
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  Grill'd Southern Cross 
  
Southern Cross Station, Collins St, Melbourne +61 3 9670 4100 www.grilld.com.au

・ メルボルンのハンバーガー
 「Grill'd」チェーンのサザンクロス駅店。

  → 2019オーストラリア旅行記はこちら  

Grill'd 2019年 4月 

 *Beef Simply Grill'd add cheese
 +Stone Wood Pacific Ale
 +Great Northern Brewing Super Crisp Lager

 駅前の人気カフェ「ハイヤーグラウンド」が、12時ちょうどぐらいで30分待ち。
 サザンクロス駅のバーガーショップ「グリルド」にまわる。こっちは空いてる。

 チェーン店だがハングリージャックとかより本格的な感じ。
 シンプリーグリルドのチーズバーガーにビール。焼き香ばしさが漂う。
 出来上がるとテーブルまで持ってきてくれる。
 いいボリューム感。バーガー袋は見当たらないのだが、卓上に厚手でデカイ紙ナップの用意があるので、それにくるんでいただく仕様かな。
 ちょうど、ギリ、齧れる厚み。
 グッダイ、オージービーフ! やっぱ、パテがいいわー。(ソースとバンズは、nothing special…)
 ビールの品揃えも良い。使いやすいショップ。
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  Harry's Cafe de Wheels ハリーズ・カフェ・ド・フィールス
  
Corner Cowper Wharf Roadway & Brougham Road Woolloomooloo, NSW 2011  (02) 9357 3074  www.harryscafedewheels.com.au

・ シドニーのミートパイ・ホットドッグの店
  → 2012シドニー旅行記はこちら

2012年12月 

 *Tiger
 *Hot dog de wheels

[AQ!]
 大晦日。ものすごい快晴。ミートパイを食べに行く。
 シドニー旅行では、最もゆーめーな食べ物の一つ。あらゆる観光ガイドに出てきまふ。…につき、説明省略(^^;)。
 昔からゆーめー…なので、18年前のシドニーでも食べてそうなものだが記憶にない。発祥の地、ウルムルー店に向かう。

 ウルムルーの波止場にある、まあ屋台…である。椅子が数脚あるだけで、基本はテイクアウト。その辺のベンチに座って海でも眺めながら…、という設計。
 鉄道だと最寄駅はKings Crossになる。直線距離500mくらいなのだろうが、駅は高台の上で、波止場に向かってジグザグと階段を下りて行く。夜は風紀の悪い地帯らしい。

 品数はけっこうあるのだが、観光客向け注文定跡は決まっていて(笑)、それに従いミートパイ「タイガー」とホットドッグ「ホイールス」。
 「タイガー」はマッシュポテト・マッシュピー・グレイビーソース。豆のマッシュが前面に出るので、意外なほど緑の顔付き。
 「ホットドッグデホイールズ」はチリコンカンが特徴かな、オニオン・チーズソース・チリソース。

 周辺の程よいベンチは売り切れで路上に座って食べてる親子もいたが、ワシらは屋台併設の座りにくい椅子でいただく。「世界の有名人が訪れた時の写真」…がゴチャマンと貼ってある。
 お味の方ですか、んー、まぁまぁ食えるファーストフード…と、名物にうまいものな…と、の、中間くらい(笑)。広い中間だな(^^;)。
 「タイガー」は、構成要素のパーツパーツは悪くないのだが、この組合せは、何とも野暮ったい。

 まあしかし、何となくこれらをいただいていると、ロンドンの下町なんかが思い出されてくる。な~んとなく。やはり、それは、ルーツなのか?
 思い込みのような気もするが、豪州とその味…のバックボーン、に、思いを馳せるにはよいモノなのかもしれん(笑)。

 この店の周辺のカモメは、若い。子供かな。飛行訓練中、って感じ。
 とにもかくにもオナカが満ちた我々は、近くのホテルのカフェに移って、ショートブラック。
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  iggy's  イギーズ
  
The Hilton Hotel 581 Orchard Road Level 3 Singapore  +65 6732 2234  www.iggys.com.sg

・ シンガポールを代表するモダン・レストランの一軒
  → 2013シンガポール旅行記はこちら

2013年 8月 ☆

 *川海老と(トマト)ビール(ハム風味)
 *GILLARDEAU OYSTER
  Red cabbage, cabernet sauvignon vinegar
 *TUNA
  Buratta, balssamic, wasabi
 *SPAGHETTINI
  Sardine, pine nuts, Japanese nasu
 *RISOTTO
  Japanese sweet corn, hay smoked pigeon
 *SALMON
  Lily bulb, Burrata, clam stock, leeks
 *LAMB SADDLE
  Raita, artichoke, rosemary oil
 *MOMO
  Yuzu, sake
 *KAYA & TEH TARIK
  Brioche, pandan, Ceylon Tea
 +08 Bourgogne Passetoutgrain / R.Chevillon


[へべ]
 住所はヒルトンと同じ…って、ヒルトン内ってこと?
 レザミのように外から直接入り口があったりして…と歩いてみるが、どうもなさそう。ヒルトンのフロントに戻って聞いてみると
「はいはい、ここの3Fです」
 …だったら住所も「ヒルトン3F」と書けばいいのに…と言いつつ3Fへ。
 グランドボールルームの大宴会を横目に、黒いカベの「DOOR OPEN」ボタンを押す。モダンな照明のしゃれた暗い通路を抜けて、サルへ。
 なんと! すでに半分以上の卓が始まっていて驚く。
 自動扉(2ヶ所)の向こうはすぐ厨房。

川エビ揚+トマト(ハム)ビール

GILLARDEAU OYSTER

 オイスター紫ピュレ カベルネソース 紫キャベツ : 甘ずっぱい

TUNA
 ツナ(マグロ赤身)、人工金色キャビア、白クリーム、トマト

SPAGHETTINI
 イワシ松の実スパゲッティ、茄子、バジル

RISOTTO
 コーンのリゾット、鳩

SALMON
 サーモン 茶薄とろみソース(だしっぽい) 茶甘酸っぱいクレーム(ボリジ、シソ花) ゆり根ブラータ揚 LAMB SADDLE
 仔羊、ナス、残念

MOMO
 桃/ユズとサケのソルベ : よく熟した白桃に柚子の香と日本酒のきいたとろりととろみを感じさせるソルベ。お見事!

KAYA & TEH TARIK
 カヤトースト 極薄茶色甘板に泡、グラスにパンダン緑クリーム : バランス良くおいしい!

 スパゲティは普通に無難においしい(食べやすい)が、全体にシェフの料理部門には残念な感じが一貫して通奏低音のように流れていた…。
 サーモンのガルニがちょっとおもしろかった。聞くと、リリーバルブ百合根にBurrata(水牛のチーズ)を射込んで揚げたもののよう。ほっこり揚がった百合根にとろりとチーズがよく合ってて、これはよい工夫。
 川エビも、揚げは上手。
 一転、パティシエはできる人のような気がする。うちがデセールでいきなり元気づくなんて、珍しい。

[AQ!]
 川海老いい揚がりでトマトビールと、これは楽しい。
 百合根チーズのガルニは面白い。
 …料理はそんなとこ。
 何か色々やってる皿は多いんだけど、頭が混乱してるだけ?…って感じで。 部門の出来としては悪くないが、シェフの仕様設計がなあ…。ミスってないのに美味しくない、乃至はマズい、とか、

 っま、この店がヒョーバンを取ったのも前シェフ時代、…とかってハナシも聞いたっけかなあ?

 スパゲッティは、シチリアン+茄子。
 リゾットはトリュフかけられ升…ってことだったけど、合うかなあ??

 デセールは逆に、ピシッと決まっている。


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  IGNI  イグニ
  
Ryan Pl, Geelong +61 3 5222 2266 www.restaurantigni.com

・ Geelongのイノベーティブレストラン
  → 2019オーストラリア旅行記はこちら

Igni (2019年 5月)

 ↓ 速報口調で言うと、こーゆーことになる。

 やられたーーーーーーーーーわー(泣)
 Geranium 以来、いやもっとヒドイか。
 予約していたレストランに着いたら電気故障とかで臨時休業。…はしょーがないかしんないけど。( 。゚Д゚。)「ちょっと前にメールした」っつうけど、来てない。こっち来てから他の各店とはメール連絡してるけどなーーーー

 近年話題の一軒…、旅の目的の一軒でもあっただけに、残念。
 ま、ファクトのメモだけ。
●2/04 ネットから予約
●4/26 予約サイトからのConfirmメールにより確認
●5/03 当日夕方。散歩ついでに店の場所を確認。(覗き込んでHello!とでも言っときゃよかった)

●5/03 予約時間に訪問
 ドアを開けると、ん?
 素の明かり。テーブルに椅子があげられ、片付いている。作業員っぽいオッサン。
 嫌な予感…というか、迫り来る暗澹(^^;)。
 …まあ、イマドキだから、こーゆー演出の店?、、、という3%くらいの期待(^^;)。
 ちょうどお店のオネーサンっぽい人が出てきたのを捕まえて、事態判明。
 とにかく、電気故障で本日休業。これが全て。
 オネーサンは「ちょっと前にメールした筈だけど」と言う。が、来てない。コチラに来てから、Vue de Monde, O.My, Brae…などとのメール連絡はフツーに取れているのだが。
 ついでに言えば、オネーサンは「事後ケアについては後でメールするから」とも言っていたのだが、10日経っても来ていない。
 謝罪当番…とだけ言われてるのか、ソーリーしか出てこない。
 代替案はないのか、今から何処で何なら食えるのか、など何度も聞いたのだが、具体名の提示は無し。
 まあ、Geelongに他に大したものが無い臭い…のは、そうなんだろうが(^^;)。

●メルボルン在のYシェフに愚痴ってたら、裏づけなどある程度、聞ける。
 簡単にだけ記すと、当日の突発的な事故だったのは本当で、ビル丸ごとの電気的問題。当日営業が無理だったのは致し方のないところ。

●当日&事後の処理についても、「くらった我々」としては「怒りと悲しみ」としか表現しようがないのだが、まあ致し方ない。
 オーストラリアに於ける「2つ帽・全豪12位」…は、見様によっては「世界注目の一軒」ともなるが、見様によっては「世界の片隅の田舎で張り切ってる店」程度のことでもあり、接客の非常事態処理が、この前者寄りでなくて後者寄りである…のも、まあ、アルのことアルね(^^;)。

●それから、へべ調べによると、オーストラリアは「停電は少なくはない」そうな(^^;)。
Igni
04 Feb 2019 : We got our reservation on 3 May from IGNI site.
26 Apr 2019 : Reminder e-mail from the reservation site. We confirmed the reservation.

03 May 2019 : The day, we visited the place on reservation time, opened the door.
- White light, chairs raised on the tables, no guests...something seemed wrong.
- Mischievous, or surprising setting? ...No. It was just CLOSED.
- Just turned out the situation when a young female staff showed up.
- Unfortunately, IGNI was closed that evening due to an electrical failure.
- She said, "We just sent you a mail a while ago", but we had not received it. After coming to Australia, I got in touch with emails from restaurants such as Vue de Monde, O.My, Brae ..., but nothing from IGNI.
- She also said, "I will email you later on aftercare," but it has not come for 10 days. Ahhhh…
- I have asked many times whether there is any alternative proposals or suggestion for our dinner, but got no specific information. (Well, the smell that Geelong has nothing else ... is probably that way)
- When I talked to a friend living in Melbourne, I found some facts. To put it simply, it was true that the sudden accident on the day was an electrical problem of the whole building. The restaurant could not be opened on the day.

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  Kingsleys Steak & Crabhouse キングスレー・ステーキ・アンド・クラブハウス
  
6 Cowper Wharf Rd Woolloomooloo, Sydney 1300 546 475 www.kingsleys.com.au

・ シドニーのステーキと蟹料理の店
  → 2012シドニー旅行記はこちら

2012年12月 ☆☆

 *Chilli Fried Southern Calamari
 *Eye Fillet
  pasture fed, Grasslands, marble score2+
 *Cape Grim Striploin, on the bone
  pasture fed, Black Angus, marble score2+
 *Pavlova Meringue Roll
  creme cantilly, strawberries, rhubarb
 *Grand Affogato
  vanilla ice-cream with a shot of frangelico & an espresso on the side
 +11 Shiraz Kingsleys Collection Heathcote

[AQ!]
 到着日夕食。
 翌日からのガストロ行脚はだいたい決めてあるが、今日は白紙。
 しかしまあ、「明日からは凝ったモノも多かろうから、シンプルにステーキとか、どやねん?」が風向き。(到着日ステックフリットはボクらの欧州セオリーでもある(笑))

 …で、検索かけてみるが、なかなか決まらない。そういえば、(高級)ハンバーガーの店を検索するのも、難儀した。
 結局、アレなんですね、豪州でステーキやらハンバーガーやら…って、アタリマエな食い物過ぎる上に大概のレストランで用意がある…がために、「イカシタ専門店」とかあまり出てこない。「最高のハンバーガー?ロックプール行け」だったり…。むしろ関心時は、「500円ステーキ」「1000円ステーキ」でのランキング、だったり…(笑)。

 ま、そんな中、手応えあるっぽかったコチラへ。
 そうそう、言っておかないといけないのは、「Kingsleys Steak & Crabhouse」です、「Kingsleys Steak House」ではありません(^^;)。紛らわしいがな(^^;)。
 後者も有名店らしいんだけど、「多少落ちる」…って評者がいた(真相は知らん)。

 予約電話をしてみる。
「はい今晩ね、2人? 空いてるのは、6時15分、30分、45分、8時30分、45分…」
 ナヌッ、「それ、その6時45分、Ishiiね、よろしくシーユーレイタ」
 さすが人気店らしく、ちょうどいい時間は売り切れの模様。
 もう6時近かったので、ズバッブバッと着替えて出発。
 ウールームールーらしい。たしか駅の無いエリアで、まだ土地勘もない日、タクシーを飛ばす。

[へべ]
 ウールームールーの波止場(元)のずらりと並ぶ路面店の一番奥。
 留守電(休み)かと思った音楽が保留音だったらしく、AQ!が「念のため」(色々とホテル設備に問題があったのでもしや電話も?と疑って)かけてみたのが幸いして、18:45に予約ゲット!

[AQ!]
 まだまだ眩しいほどの太陽の照りつけるワーフ(上の写真は、食後、帰途のものざんす)。
 ずらっとヨットなど繋がれている波止場に、レストランが並んでいる。その先頭がkingsleys。
 そのまた先は高級マンション風、波止場の先っちょに出ると、軍艦か?…ってごっつい巨艦が泊まってるのが見える。そして釣り人たち。
 「ワーフを守った人々」みたいな記念エリアがあり、保存区域になってるみたい。詳細は知らないけど。

「外がいい? 中がいい?」
 この季節、外で風に吹かれながらやらかす方が人気のようだけど、ボクらは店内で。

 軽い前菜を一つくらい…と頼んだイカフライが美味過ぎる! 高級レストラングレードを凌ぐか、というくらい。ナンじゃコリャ、というぐらい。
 柔らかくて弾力があって、味がある! 衣も揚げ具合も、イイネ!
 実はこの旅行は「豪州烏賊の実力に驚く」旅となったが(笑)、これがその始まり始まり…でありました。

[へべ]
 カラマリ揚げ、カリッと香ばしいスパイス風味のきいた衣にコリアンダー・ライム。小ぶりのイカの絶妙な火入れに脱帽。

[AQ!]
 この店は屋号通り、ステーキと蟹がウリなのだが、蟹はパス。
 肝心の牛。
 Wagyuもあれば仕上げ3ヶ月グレインフェッドもある、が、やはりここはパスチャーフェッドで。
 ど~ん!! ぺろっっ!!
 いやサスガでごわす! にっくにっくはっぴー!
 Cape Grim Striploinの400gとEye Filletの200g、割る2で一人あたり300gなので、まあ言葉通り
「あっ」
 という間になくなる(笑)。
 肉汁たっぷりでミッシリ。StriploinとFilletの味わいの違いっぷりも実に嬉しい。日本牛は、変な脂臭が何処からも強くて部位の味の違いが曖昧…という傾向はあると思う。
 焼きは「ミディアムレア」、此処以外でもわりとミディアム寄りの印象の豪州、「レア」はどのくらいか…も見たくはあった。まあでもボクらはこのくらい。
 塩・胡椒がとても適切で、ソースは数種類から選んで別添で来るのではあるけど、味見に舐めたくらいで不使用。

[へべ]
 Pasture fedのフィレと骨付き、旨い!
 ソース不要、ホースラディッシュ合いの手。
 きめ細かく鉄分の詰まった感のあるフィレ。よりワイルドに、肉だぜ~って感じの骨付き。Chips(フライドポテト)と。
 健康な肉のすこやかな旨みと自然な肉汁。200+400gがペロリ。

[AQ!]
 デザートは「本場でパヴロヴァ!」(笑)が嬉しい。し、美味かった。
 Pavlova:1920年代にロシア人バレリーナのアンナ・パヴロヴァがオーストラリア/ニュージーランド公演をした時に発明された、そうですよん。
 シャリアピンみたいやな(笑)。未だに、発明オリジンをめぐってはオーストラリア/ニュージーランドがお互い譲らない…という話も(^^;)。

 ワインはハウスワイン的な位置付け(Chophouseと共同)の「Collection」という安シラーズ。
 まったくもって安ワインというのは、旅をしていなければ、かくも美味いものか! …と、お馴染みの台詞が口をつく(笑)。
2013年 1月 ☆

 *Kingsleys Burger
  grain fed beef, bacon, cheddar, roquette, beetroot relish, chips

[AQ!]
 シドニー滞在最終日。
 折角のビーフの国じゃ、ハンバーガーも食おうでヨ!…とあいなる訳だけど、何処で食べればいいか、ようわからん。
 …ってのは、日本にいる時のように「絶品ハンバーガー専門店」を探す…という行為をしてしまうから、のようなのだが、どうもさすがは豪州は何処でもハンバーガーはある、ってことみたい(^^;)。
 ハンバーガーのランキング的なものを見ても、結局、優れたレストラン・ステーキハウスの名前が並ぶ。
 多くの評が押すのは、Rockpool Bar & Grillだ(笑)。あ、でも今日は昼はやってないや。
 …と、そんな訳で、初日にステーキの実力をみせつけられたキングスレに向かう。

[へべ]
 肉が主役!というボリューム感。ベーコン、グリーン(クレソン・ルッコラetc.)、クランべりジュレ?、メルトチーズ、黄色み帯びたもろめのバンズ(やや甘めだがそれほど甘くない)、と、要素が絞られているのもいい。
 次の機会にはRockpoolのBar&Grillで? (土曜はランチ休みのため今回は都合が合わず未訪)

[AQ!]
 Kingsleys Burger。
 焼き方はミディアムレアで。
 ステーキもそうだが、こちらのミディアムレアは、ややミディアム寄りの印象。
 さすがに質・量ともに貫禄のパテで、ウマさ充満。バーガーにはグレインフェッドの肉。
 何とか掴んで齧れるサイズ、もマル! バーガー袋があれば全部齧れるのに(笑)。
 木の皿、というのも良いです。
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  logy  ロジ
  
1F., No.6, Ln. 109, Sec. 1, Anhe Rd., Daan Dist., TAIPEI logy.tw

・ 台北のイノベイティブ
logy 2020年 1月 ☆

 *かぼちゃ トリュフ
 *北海道産北寄貝 柚子ジュレ 木耳 コチュジャン
 *“三杯甘鯛”
 *茶碗蒸し セルリアックアイス 牛骨スープ
 *鳩 キノアチュイル
 *鯵
 *“ベジタリアン鶏” さつまいもの葉
 *フルーツ
 *パンナコッタ
 +Champagne Fleury brut Blanc de Noir
 +17 Le Roc des Anges
 +クラフトビールカクテル
 +雪の茅舎 山廃純米
 +17 Bourgogne blanc F.Didier
 +17 Vin de France Rita

logy [AQ!]
 日本から進出するや、予約の取れない人気店に…。
 …と、聞いていたので『RAW』みたいなもんかヤレヤレ…と思っていたのだが、ふとサイトを拝見したら空きがあるじゃあ~りませんか。
 おやおやコレも何かの縁…と組み入れてみた。

 第何次…か知らないけど、世界的な日本料理・日本の料理人ブームが続いている。
 まあ結構なことだが、その、世界から見た“日本料理”、いまウケている“日本料理”というのがどんな像であるか…という点はビミョーな問題でもあって、世界を席捲する日本料理の代表が「ラーメン」や「スシ」であるところにも現れているが、
 世界のヒトを魅了する日本料理って、

 UMA(MI)くて・しょっぱくて・強い(或いは、ひつこい・くどい)味のするアレ!

 と思われている♪…フシが少なからずあるように思われる。(一部の本格的な懐石的和食エヴァンジェリストには残念だろうが…)
logy
 そんなカオスな状況に日本から降り立ったスター候補店。
 うん、当たるだろうなあ。ますます人気店としてご繁栄…していくことだろう。

 台湾の「三杯」調味をヒントとした“三杯甘鯛”はアセゾネも決まり、美味しい。
 また、デザート2皿は満足度高い一級品。パンナコッタは「スペシャリテです♪」とサービス女子が微笑む。
logy
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  M‘loma  マロマ
  
台東市正氣北路109巷60號(點我導航) m-loma.com

・ 台東のモダン阿美族料理
  → 2024台湾旅行記はこちら  

M‘loma 2024年 5月 ☆☆

 *刺蔥佛卡夏
 *彩虹橋
 *南投的天空
 *白旗魚
 *阿粨
 *勇士湯
 *豬肉主餐
 *小米香蕉糕
 +小米酒
 +野蜜香蘭茶

M‘loma
 屏東の『AKAME』(モダン・ルカイ料理)がその名を天下に轟かせた影響もあってか、台湾のアチコチに、ちらりほらりと「モダン原住民料理店」が生えてきている。
 こちらもそんな一軒で、「モダン阿美族料理」を供するという。
 それはキョーミ深いのぉ…と、訪れてみることにした。
M‘loma
M‘loma  場所は台東市内、鯉里山公園の裏側の麓…って感じのとこで、中心部のホテルから徒歩15分くらい…になるか。
 クールな一軒家。
 メニューはおまかせ一本。…はいいのだが、行ってみたら、酒が無いヽ(^~^;)ノ。
 …というか、コースに「小米酒一杯」はつくのだが、それ以外の用意が無いのよ~(^^;)。相客さんの卓は、ワイン持ち込みやった。しまった。台湾だから、考えてみれば、ありそうなパターンでもある。
 多分持ち込みはノープロブレム…っぽいから、これから行くヒトは是非ご準備を(^^;)。

刺蔥佛卡夏
 刺蔥のフォカッチャ。

彩虹橋
 「レインボーブリッジの伝説」に基づく一品。泰雅族・太魯閣族・賽德克族…などに伝わる「祖先の家に戻れる」お話だそう。
 海老・ハーブなどの野菜巻。
M‘loma
M‘loma 南投的天空
 「南投の土地の情緒と風景が作った料理で、土・山菜・空を主軸に表現する」

白旗魚
 「台東成功漁港で捕獲された白旗魚。魚の腹の35日熟成から炙り刺身を作り、黒いソースは烏賊で海洋生態の破壊問題を訴える」
 成功漁港は、台東近辺では代表的な漁港。
M‘loma
M‘loma 阿粨
 「「部落小米飯」で、外の葉も可食。葉は偽の酸漿と呼ばれ、昔は部族の胃薬だった。この料理は、部族が山に登って狩りをする時に持参する弁当である」
 美味しいお弁当です♪ 台湾と言えば、弁当文化だし。

勇士湯
 「豚足と樹豆のスープ。樹豆は昔は部族の蛋白源でもあり、勇士たちはこのスープを飲むことで、山に入って狩りをすることが出来た」
 勇士にあやかる♪
M‘loma
M‘loma 豬肉主餐
 「燻製ロース肉を何度かに分けて加熱し、柔らかい瞬間に供する。「燻製」は部族にとって、主たる保存方法の一つ。」
 やっぱ、こーゆーのは、ウマイ!

小米香蕉糕・野蜜香蘭茶
 「部族伝統の小米バナナ餅を、ティラミス風に」 「部族の巫師(魔法使い)が祈福に使うヨモギと一緒にシロップと香蘭を用いて茶を作る」
M‘loma
「シェフ、名前はなんつーの?」
「あいうえお…」
「え!?」
 よく聞くと「阿嶽」(アユエ)さんこと張凱威シェフ、1986年生、花蓮市豐濱出身。自身、阿美族だが、料理は阿美族に限らず、少数民象料理を研究してるらしー。
 2020年3月末に台東美術館にレストランM'LOMAをオープン、後にこちらへ。
 屋号『M'LOMA』には「想家」とふられているが、「Ma’ilol ko loma」の略で、故郷への憧れ・郷愁・ホームシック…みたいな意味の阿美語らしい。
 シェフは、シャイだし英語はイマイチみたいだけど、優しくてよく面倒みてもらた♪

 全体に、美味しくまったりと「阿美をいただいた」感覚で、満足度高し。
 酒だけが、悔しい(笑)。
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  Marque マーク
  
4/5 355 Crown Street Surry Hills, NSW 2010 +61 2 9332 2225 marquerestaurant.com.au

・ シドニーのレストラン
  → 2012シドニー旅行記はこちら

2012年12月 ☆

 [New Year's Eve 2012]
 *Quinoa Cracker with Oyster & Wakame
 *Blue Swimmer Crab with Almond Gazpacho, Almond Jelly, Sweet Corn & Avruga
 +2012 Thick as Thieves, ‘the Love Letter’ Sylvaner…, King Valley, Victoria
 *Tiger Prawn with Avocado, Buttermilk, Hazelnut & Cured Egg Yolk
 +2008 Dveri Pax Rumeni Muskat, Kakovostino, Slovenia
 *S.A Calamari with Celtuce, Apple, Iceberg Lettuce & Mushroom Broth
 +2012 Moriki Shuzo Tea no Hana, Kimoto
 *Murray Cod with Cabbage, Green Strawberries, Fish Milk & Roe
 +2011 Rudi Pichler Terrassen Smaragd Riesling, Wachau
 *Organic Free Range Chicken with Leek & Shallot
 +2008 quinta da Muradella ‘Gorvia Blanco’ Doña Blanca, Monterrei, Spain
 *Mandagery Creek Venison with Smoked Beetroot, Egg Yolk, Cured & Jam
 +2011 Portal del Priorat Gotes Carignan & Grenache
 *Charred Rhubarb with Blueberries & Tarragon
 *Camomile with White Chocolate, Yoghurt, Lemon Aspen & Milk Cookie
 +2012 La Spinetta Biancospino Moscato d'Asti
 *Sauternes Custard

[AQ!]
 海外の店のことをモゴモゴ言っててもしょうがない(^^;)から、最初から結論めいた…じゃないけど、ことを、翌日のメモから引き写し。

「ハズレ ただしデザートは良い」
「パリ、ロンドン、ニューヨーク、東京、大阪…あたりの大都市で(なら)ウケそうな料理」
「材料は素晴しくいい質。「いい材料」…の意味合いとして、如何にも大都市の中央市場で高値がつきそうな…タイプの、という意味で「いい」」
「サービスもここはイマイチかなあ 珈琲も」

 まあ勿論、「世界第61位だろ?(The World 50 Best Restaurants)」かつ「トータル572AUDだろ?」…って上での話だけど(^^;)、あんましボクらと相性の無い店でしたかねえ。

 アミューズ。素敵なキノアのパリパリ焼に、オイスタークレームとワカメ…が、これはどうでしょう?的。多少の暗雲を見る(^^;)。
 たしかに結局、様々な(どっかで聞いたような)工夫を凝らしてくるのだが、皿上の味と香りに上手く帰結していないものが多かったように思う。

 本日は「New Year's Eve 特別メニュー」。メールで“特別メニュー決まったら教えるね~”って言ってたけど最後まで決まらなかった(笑)モノ。
 …でもそんなに特別ではなく、照らし合わせると、基本的にこの季節の幾つかのメニューからの組合せ…っぽい。

 白い小山…がMarqueのスペシャリテとして知られる「蟹とアーモンドガスパチョ」。
 美味しいんだけど、アーモンドが前面に出まくって、なんというか安全で安心なお味…という印象が強い。都会のお客さんに「文句を言われない」料理、って感じ。良くも悪くも。

 ところで、まだ陽のある入店時に「しかし照明これだけでええんかに?」と言ってた通り(?)、夜が訪れると、ひたすら暗い店だった。
 なんか、ニューヨークのガストロみたい(^^;)。
 ←肉眼で見ると、こんな感じ(Murray Cod with Cabbage, Green Strawberries, Fish Milk & Roe)。
 料理はよく見えないし、味も穏やかで複雑で曖昧、なので、ひたすらボ~~ンヤリしていく…(^^;)。

 驚くほどの質のフリーレンジ・チキンを根付き葱とシンプルめに調理した一皿は、本日料理の花形。

 そして「締めの鹿」はロティなんかじゃない。「タルタル」だ! さすがは今が夏の豪州!(^^;)

 冒頭に書いたように、デザートは文句なくイイ。
 Charred Rhubarb with Blueberries & Tarragon の妙味、Camomile with White Chocolate でのカモマイルの香りの強く清い引き立てよう。
 Sauternes Custard はヒョッとして名物かな?…と思うような魅力。
 それぞれ、よく見えないけど(^^;)。

 ワインペアリングについて。

 此処に限らず、ワインペアリングには予想外に多くの欧州など非豪州ワインが使われる。ま、それは考えてみればアタリマエというか、シドニーの裕福層にとっては今更オーストラリアワインが出てもよぉ…ということはあるだろう。その事情はわかる。その条件下で各店ソムリエは苦心している。
 我々にしても、豪州ワインに拘るならペアリングでなくボトル注文すればいい訳で、それは単なる選択。
 …とソコはいいんだけど、此処んちの日本酒とスペインワイン2本の状態の悪さ…は多少気になるレベルであった。
 とくにGotesは、偶然だが直前にヴィンテージ違いを「カサマイヤ」でいただいていて、ついつい引比べてしまわれたのだが。日本に問題ない状態で入ってるんだから、豪州だって…。

 美味しかったのは、Victoriaの「the Love Letter」、これは良かった。
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  Mikkeller Taipei  米凱樂啤酒吧 大稻埕
  
台北市大同區南京西路241號 www.facebook.com/pg/mikkellertaipei

・ 台北のミッケラー・ビアバー
  → 2019-20台北旅行記はこちら

Mikkeller Taipei 2019年12月 

 +GOSE Watermelon
 +Peter Pale and Mary
 +Chipotle Porter (Ale Brewed w/Chipotle Chili)
 +Chill Pils Pilsner 柚柚柚
 +Raspberry Organic Berliner Berliner Weisse

[AQ!]
 今春の台北では、動線都合で中山站近くの「南西 Nanxi」店に行っていたのだが、「そんなにビール好きなら、大稻埕店に行けばゆっくり呑めるわよ」と言われていたものだ。
 …ってんで、大稻埕へ。…ってゆーか、Mikkeller大稻埕の近所に宿を取った(^^;)。
 外見は古そうな建物のリノベでカッコイイ。1階カウンター4席、2階は広々としたスペースとなっている。1階に2席空いていたので、陣取る。
 タップが24本ほど。

 リフレッシングなものからスタート。
 香りのエッジの立った米凱樂の世界で、到着日を語る。
 ああ楽しい、実に楽しい。任せてミケレル、頼りのミケレル。
 オネーサンが椅子を持ってきて…ああ、如何にも米凱樂な品書板書(の書き換え)が始まった。チョークは、「パステル」18色x2・48色 (笑)。


Mikkeller 2019年12月 

 +大英帝国 Brewlander TFP016 Imperial Mild
 +野生酵母酸啤柚子
 +Oaky Dry Stout YES YEAST LAB SERIES
 +Oregon Fruit Series : Flat White Stout Sweet Cherry

[AQ!]
 ごめんなんしょ…と入店してみれば、昨日とまったく同じ1階の2席が空いてる。
 階段を、グラスを持ってあがるのがめんどくさいオッサンは、さっさと座り込む♪

[へべ]
 大英帝国、野生酵母柚子、オーキースタウト、オレゴンフルーツ。
 台湾人と見分けのつかない同朋のみなさん続々登場。
台北
[AQ!]
 そそそ! いやあ、かつては、海外の街角で日本人・中国人・韓国人…なんて8割以上が一撃でわかったものだが、最近はかなり難しい。
 特に今回、特に『米凱樂』では、“流暢な日本語を喋り出すのを見て、仰け反るようにビックリ”…することが数度、、、。賭けしてたら大負けしたかも(^^;)。

 ところで、板書オネーサンは今日は、明日大晦日向けの貼紙の作成中(日本語はほんのちょっと、惜しい)。大晦日はビッグサイズグラスオンリーで、それが全てスモールサイズ・プライスだと言う。
 ほほ~、混みそうだなあ(^^;)、ワシらはやめとくけど、皆、大いに呑むがよい~♪


2020年 1月 

 +Honey Black Tea Amber Lager
 +Spontan Cherry

[AQ!]
 寒い東京に帰りなくたいわん…帰りたくないわん、と、ラストナイトもMikkeller。
 …と、カウンターの兄ちゃんは「よ、まいど。指定席空いてるよ♪」と(笑)。

 Spontan Cherryは、ベルジャンクリークっぽさを魅せる。
 Honey Black Tea Amber Lagerは、紅茶の香りの最高の楽しみ方かと思うほど。
 さんきゅー、Mikkeller台北!

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  Mikkeller Nanxi  米凱楽 南西
  
台北市中山區南京西路14號 www.facebook.com/mikkellertaipei

・ 台北のミッケラー・ビアバー
 閉店の模様。台北のミッケラーは、大稻埕店へ。

  → 2019台北旅行記はこちら

Mikkeller 2019年 3月 

 +南西 野生酵母 啤酒
 +僧侶 霊薬 Belgian Dark Ale
 +摩登世代 IPA
 +100% 黒后 小威石東紅酒
 +小美人魚 Mexican Lager

[AQ!]
 今は、何処に行くにも「Mikkellerがあるかどうか?」は見てみた方がいいのか? (^^;) …ってな勢いだが、台北にも2店舗あるらしい。
 行きやすい中山站近くの「南西 Nanxi」店へ。
 地図では駅すぐ…なのだが、繁華で、何処やねん?…とウロチョロ。…なんのことはない、駅隣接の誠品生活のビル1階だった。

 ホントの狭小スタンドビアバー…に、タップが11本。(椅子席は無い)
 世界共通のミッケラーのノリ…に、中国語タイトルがついてるのは愉快だ。ビールは間違いない、ウマイ、ラブ♪
 おかわり&一種類だけある赤ワイン…も頼んだら、「あら、じゃ♪」と言ってサービスでカップ一杯の花生をくれた。嬉し。

Mikkeller 2019年 3月 

 +俄羅斯熊讃 Russian Imperial Stout
 +驚蟄 Taiwan Lemon Saison / Taiwan Head Brewers

[AQ!]
 狙ってたわけじゃなくウロついていたのだが、たまたま中山站近くまで来てたので、一杯ひっかけに寄る。

 オネーサンが、
「また来たの?(笑)、台北にもう一軒あるの知ってる?…そっちは2フロアだしタップも多いわよ」
 …と教えてくれる。永楽市場のあたり、駅で言うと、北門。
 そっちも、考えようによっては使い易い位置だなあ♪
Mikkeller
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  Le Moût  樂沐
  
台中市西區存中街59號 www.lemout.com
11:30~14:30/18:00~22:00 月休
Chef: 陳嵐舒 Lanshu Chen

・ 台中のフランス料理
 陳嵐舒 Lanshu Chenが台中「樂沐 Le Moût」の2018年一杯での閉店をFB上で発表したそうだ。(2018)

  → 2014台湾旅行記はこちら

2014年 3月 ☆☆☆

樂沐套餐

Aperitif
下酒菜

Amuse-Bouche
開胃菜

Natural’s Beauty Organic Silken Hen’s Egg
 Cream of white Chicken Stew, Homemade Granola, Chicken Skin, Split Chicken Jus
天然有雞蛋

Sweetbread
 Caramelized Brussels Sprouts, Sour Onion, Porcini Foam, Shallot-Leek Sauce
澳洲小牛胸腺 孢子甘藍/牛肝菌/大蔥醬

Hailbut
 Flourless Squid Ink Gnocchi, Seaweed Butter Calamari, Thai Inspired Shellfish Fumet
時令海魚 南洋魚湯/手工墨魚麵糰子

Tai Tung Guan Shan Lamb Belly, New Zealand Smoked Lamb Loin
 Nashi Pear, Beetroot, Fermented Black Garlic & Black Bean Hummus, Warm Rice Salad
台東關山羊腹肉/紐西蘭燻羊肋 水梨/甜菜根/黑蒜/野米沙拉

Eclair de Bleu d'Auvergne
 Sweet Bordelaise Sauce and Hazzlenut Butter
閃電泡芙 奧維涅藍紋乳酪/波爾多紅酒醬汁/榛果奶油醬

Tomato
 White Coco Bean and Black Sugar
風乾蕃茄 法國白豆/黑糖

Mignardise
精緻茶點

 +Champagne Blanc de Blanc "Le Moût" / Bauget-Jouette
 +08 Gevery Chambertin / Trapet

[AQ!]
 台北站から約50分で高鐵台中站。
 高鐵の駅は市街地から距離のある位置。シャトルバスで市街へ移動する。高鐵利用客は無料…と気がきいている。
 土庫停車場站で降りて10分も歩けば、國立台灣美術館。
 その途中に、本日の目的店「Le Moût 樂沐」がある。

 美術館近隣らしく、洒落た高級店がポツポツと並ぶ通り。
 交差点角になかなか立派に建つ、アレが「Le Moût」であるか…と近づいて見ると、横っぱらの窓にデカデカ、
「ASIA'S 50 BEST RESTAURANTS 2014」
 とディスプレイされている。
 ハッハッハ、初々しいなあ。
 そう、この店、2月に発表された「ASIA'S 50 BEST 2014」で、初登場24位にランクインした (台湾の店では初) のである。
 まあしかし、その前からポツポツと話題になり始めていたのは確かで、我々が予約を入れたのもアジアベスト発表以前であった。

 ***

 東南アジアのフランス料理界。地元出身の若さが引っ張る。
 ランシュー・チェンは、アンドレ・チャンと並ぶホープかもしれない、と感じた。

 ***

 「美人過ぎるシェフ」…の類の煽りがめっちゃ似合う(笑) ランシュー主厨、プロモ写真でもすました表情が多いけど、実物に会うと、可愛いチャーミングなシェフで、シンガポールの2amのジャニスを思い出す。
 臺灣大學外國語文學系出のインテリでもあり、外国語は堪能そう。そこもアンドレ・チャンに似てる?
「え、東京からですか?、それは偶然! 私は2日前に東京から戻ったところです」
 とのことで、東京ではQとL・和食ではK…に行ってきたそうな。

 ***

 アミューズは「開胃菜」になるのか、いい言葉だ(笑)。蟹・トマト水のジュレのボール、と、一口ピザ・ニース風。

 開胃菜乃二(笑)がちょっと変わってて、皿の上の太極…じゃないけど赤と黄の2色はツナ・タルタルとクッキー・クロカンで、これを自助餐…じゃない、自分で混ぜてくれよ、と。で、そこにメートレスがタラ~っとソースをかけてくれる趣向。

 さて、卵から本編だが、本編内容が素晴らしい。

 天然有雞蛋:
 バシャっと叩きつけた現代絵画調の皿上の景色、この手のプレゼンとしては、かなり良く出来てる方。イミテーションの殻(もちろん可食)も“そっくり”。そして、美味い。
 モダン卵料理の傑作。

 小牛胸腺:
 リドヴォ・芽キャベツの縁焦がし・ポルチーニ粉かけ、下には“酸っぱい粗おろし”みたいなのが敷いてあるけど、これがShallot-Leek Sauceかな。
 いやあ、イイ料理!
無駄なく機能的な味の取り合わせが口の中にハーモニーを奏でる…的なとこは、実に趣味が合うシェフだ。キッチリ禁欲的、とも言える。

 時令海魚:
 ハリバット本体は筒型でトマト粉を表面にまぶす。へべ曰く「蟹カマに見える」(笑)。イカ墨の“粉を使わない”ニョッキ、へべ曰く「橄欖に見える」(笑)。海苔のような海草・ディルのような香草、ちびイカリング。
 で、タイ風スープ仕立て。Sa.Qua.Naの馳名な一品を思わせるが、もっとおとなしい。
 複雑だが美味しい機構を誇る料理…って。

 プラは、NZ羊と台湾山羊の競演(だと思う)。
 わおっ! フランス料理の山羊は珍しい。J.R.フィゲラスのカブリトを思い出す仕立て。黒大蒜や豆豉のアジアっぽさを忍ばせるソースも上手。ソースが美味いんだよなあ、このヒト。
 羊心臓・ビーツ・ペア・極小ダイス野菜…のガルニが、必要最低限のコンパクトさで組み立てられ、かつ、味がシッカリしていて、好感度高し。

 シェフはエルメでも修業しているので、甘味も上々。

 フロマージュ・エクレアの赤ワインソースは、酒が飲める飲める!(笑)

 ドライトマトのスープに細かいパーツを落とし込んでいただくデセールは、なんとなくマッシモ・ボットゥラを想起する“いただくデザート”。また、豆乳のグラスがどひゃ~!とウマイのは、さすが台湾!?

 精緻茶點4種は食べる順番指定アリ。2層ゼリーは、クランベリーとライチ。

 ***

 味がとても良く、古き佳き法式も香る(笑)。

 モダニティ、台湾やアジアのテイスト、ボーダーレス…そういった要素もそれぞれ巧みに取り入れながら、味覚嗅覚のベースにフランス料理の骨格がきっちり感じられるタイプ。
 そういう意味じゃ、前述のアンドレやJ.R.フィゲラスとか、ハンス・ヴァリマキなんかの料理を思い出した。
 タイプ的には、日本で言うと、エディション下村シェフとかラ・シーム高田シェフとかに近いかなあ?

 更に言えば、陳嵐舒シェフは、まず、感性と理屈の折り合いの良さ。
 そして、最終的に極めて理知的な、総合力・統合性の高い皿に完成している。頭、良さそう。

 ***

 シャンパンはBauget-Jouetteに「樂沐」ラベルを作らせている。いい選択。
 ワインリスト、は、「サンペリ・アジアのレストラン」っつうと巨馬鹿な店が多い印象(笑)だが、此処はまずまずコンパクトな趣味のよろしいもの。
 08GC/Trapetは、ワタシがリストで選んでしまったが、ソムリエ・テイスティングはしてくれる。
「あ~、今、イイ感じになってますね! 良いチョイスだわ(笑)」
 と言ってたけど、実際、具合良かった。
 印象、よろしいです。
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  MUME  ムメ
  
No.28 Siwei Road, Daan District, Taipei (02)2700-0901 www.mume.tw

・ 台北のモダン料理店
  → 2016台北旅行記はこちら

MUME 2016年11月 ☆☆☆

 [ MUME X LACIME Collaboration dinner ]
 *Steamed Bread
 *Kuzu / Edamame / Abalone
 *Eel / Lotus Root
 *Squid
 *Prawn
 *Frog
 *Fish
 *Pigeon
 *Pre Desert
 *Dessert

 シェフ、ケージマッチ?(笑) →
MUME
[AQ!]
 で、バタバタと台北にやってきた主因wである [ MUME X LACIME Collaboration dinner ] に出向いた。
 東アジアに吼える今をときめく両雄…の饗宴である、って♪

 MUMEは2014年オープン、RAWやLe Moûtと並ぶ台湾のモダンシーンの最注目店。
 系譜的に…というかメモとして書いとけば、中心となるシェフRichie Linは香港出身・noma,Quayなどで修行、シェフLong Xiongは米国出身・Per se,Adourなどで修業、シェフKai Wardは豪州出身。
MUME
 実は、傳とラ・シームのコラボの時に高田シェフから「次はMUMEでやるかもしれません」と聞いてはいたのだが、幸運にも顔を出せることとなった。MUME側がなかなか詳細を発表しないので、バタバタはしたのだけれど(^^;)。

 台北の地図を見ていると、真ん中辺にひと際でかいラウンドアバウトがある。仁愛路圓環…仁愛路と敦化南路の交差点。
 忠孝復興・忠孝敦化・大安・信義安和の4駅から等しく遠い(笑)…のだが、忠孝敦化からプラプラ歩く。
 ラウンドアバウトから一本、四維路という細い通りが出ていて、そこを進むと程なく「MUME」という地味でシンプルな彫りの看板に出会う(よく見ていれば♪)。
MUME
 「MUME」はカジュアルなガストロで、アラカルト(今日は違うけど)の店。
 んー、「Radio」とか・「Geist」を小さくしたようなとか・「Formel B」とか・「Rockpoolのセカンド」とか…みたいな感じですね。ガストロバルな雰囲気、と言ってもいいか。
 台湾のモダンシーンは、号砲一発いっせいにスタート…って頃合であるせいか、何処となくピチピチと空気が沸き立つ感じがあって、快い。

 どもども~♪
 指定時間ちょい前くらいに着いたのだが、もうだいぶ始まっている。何組かずつ時間をずらして回してるんだろうな。
 そんで、いやあどもども~♪
 高田シェフ、奮戦中。
 で、リベルテアターブルの武田シェフが自主ボランティアみたいな形(?)でヘルプに入っている。(相変わらず?タケちゃんマンの会でしたっけ…ってくらいの存在感を発揮中(笑))
 そしてボクらと相席には、お客さんとしてAシェフ(一応、お客サイドなのでイニシャルにしてみる(笑))。ボクら同様の本日着だけど、遅い便だったので「まだ何も食べてない」そう。
 南の島に一同揃って、乾杯♪
MUME
 ざっと今回主旨を聞くと、「高田シェフ vs. MUMEが探求した台湾食材」が軸となっているとのこと。

Steamed Bread
 Grape Fruits(confiture, segment) / Wild pepper / Sweet potato leaf / `pentus flower
 おおっといきなり、異国な色彩が目に飛び込む。紫芋の淡い紫に・ペタルの赤ピンクに・芋葉の枯れ緑…っていう。粒は山の胡椒、紫芋蒸しパン。柑橘は、グレープフルーツと柚子の2プラトン攻撃だったかな。
 不思議ちゃんでありながら、オイシイ着地。

Kuzu / Edamame / Abalone
 葛餅 枝豆 鮑 / Green Dough / Soy bean soup / 抹茶粉 / 山葵 / Creme Fraiche
 鮑を活かしたお団子。枝豆はハーフカットくらいで食感を残してる。スープを小さな鉄瓶から注ぐのが可愛い。山葵の塩梅が、アレ和芥子かな?と思うような効き方。こちらは安定した美味しさ。
MUME
Eel / Lotus Root
 Galette / Crispy soba/ Lotus root / Onion cream / Coffee
 蕎麦の舟に、鰻・蓮根餅、珈琲に蕎麦の実…。
 ちょうど食卓ではAシェフが「見てると高田シェフの発想ってとても日本人とは思えないんですよ(笑)」と漏らしていたところに到着した一品。『まさにその通り』ってか!?…です。  ただ、旨さ…に難しいところはない皿♪
 ヒラヒラと上で舞う花は、フォルモサな蝶のイメージとかw。

Squid
 Squid / Chayote pickles / Ginger pickles / Chayote leaf / 酒粕 / Potato espuma / Squid merangue
 さあフシギ疾走が止まらない! 何じゃコレ♪
 Chayote…って言うんですって隼人瓜。漬けたんと、葉っぱにクルっと蔓が巻く、烏賊のメレンゲの上で。烏賊は甲イカです。酒粕が馴染ませ味。

Prawn
 Prawn / Prawn head / Prawn Sauce / Beetroots / Tomato / Tamarind / Red Radish / Shiso(microleaf, flower) / Begonia / Amaranth /
 クリムゾン色の葉に彩られる海老世界。こちらは台湾タイガープロウンの豊かな味をプレゼンするひと皿。ハイビスカスもコレだっけ?
MUME
Frog
 Frog / Sauce / Emulsion Curcuma / Puree garlic / Kohlrabi /
 さささ、泡が消えないうちにどぞ! …のエムルジョンはウコン。
 蛙の泡かけ最中w?

Fish
 クエ / 台湾季節野菜 / Roasted sesame / Sesame sauce / Lovage sauce / Nasturtium(leaf, flower) / Peanuts
 魚はクエ。
 神経の行き届いた皿に感嘆。かつ、我が家マニアックス的には、台湾の多様多彩な山菜(台湾ワラビとか)が改めて事件♪ たいへんな可能性!
MUME
Pigeon
 Pigeon / 三星葱 / Kale / Rice puff / Sauce pigeon / Echolok oil / 菱 / 芽葱
 うわああ、高田シェフ、やったあ!
 鳩ロティに鳩魯肉飯をソースにして。…なんだと!?
 まあ旨いこと♪ あ~んど、けっこー直球なんすよね…っつうか、フランス料理店のプラプリンシパルで出せそうな印象すら、ある。本格なんだよねー。
 菱は台湾の菱かな、九州の菱より先が尖ってて(マキビシ向きw)栗に近い身甘(焼いてガルニ、ほこほこ)。
 …ほんなこと言ってたら高田さんやってきて
「鳩、旨くないすかあ」
「うめえよ(料理的に)」
「ほんとイイんですよ、台北あたりのらしいんですけど、身質が。あと、鶏がめっちゃイイですぅ。フレッシュで時にイカリ過ぎるくらいなんですけど」
 って、材料的にも素晴らしいそう。
MUME
MUME Pre Desert
 Dried cabbage / Sauce(Mallow blue, coconut, lime) / Cabbage powder / Polage flower
 キャベツ・蔓エンドウ花・石榴の美しい眺め、に、高田さんがなんか不思議な冗談を言ってたんだけど、忘れてもうたヽ( ´▽`)丿。
MUME
MUME Dessert
 Maron / Noodle / Passion sorbet / Pandan sugar /
 栗にソウメンのイガ、時計草。スカッとホッと、ひと息。

 をひをひ、凄ぇな♪
MUME
*****

 沸き立つ客席、アチコチで萌えてますわ~。
 …と言ってたら、
「近所にラボを構えてます、見に行きまっかぁ?」
「喜んで♪」
 100mほど行ったとこに、現代的キッチンラボ。さすがnoma世代、美しく整理されていて頗る機能的。
 研究と仕込み場として、活用されているそう。
 ラボ前にはナスタチュームはじめ香草が植わっている。その中に今日も活躍していた烏山椒があった。嗅がせてもらう。うひょ~、優しく透き通ってハイなトーン…これはイイわ♪
MUME
 ついでに近所の系列店ステーキ「Le Blanc」を覗く。現在、こちらはLong Xiongシェフが仕切る。やはり店の前にはナスタチュームなど。

 いやいや皆様どうもありがとう!
 店の前も次々と記念写真で大盛り上がり(^^;)
 …そしてコレは重要なことだけど、
「今度は逆パターンで、『リッチーシェフ vs. 日本食材』を大阪でやる」
 ってさ!! \(☆〇☆)/

  → 2016台北旅行記はこちら
[番外編:MUME X LACIME Collaboration dinner @ 大阪La Cime]

mume 2017年 3月 ☆☆☆

 [ MUME X LACIME Collaboration dinner ]
 *スナップえんどう豆 昆布タルト リコッタ・柚子 ラベージオイル
 *台湾紅キノア パンプキンクリームとその発酵タルト イクラ
 *蕪と揚げ伊勢海老の“タコス” 牛蒡 チャイブ
 *大分産牡蠣 昆布 若布 海苔バター 胡瓜 フライドケール
 *近江牛タルタル 台湾干し大根 ポテチ クラムマヨネーズ 黄身コンフィ 茸 海老オイル ナスタチウム 香草
 *サラダ豆豉ドレッシング:蕗の薹 たらの芽 うるい こしあぶら鰹出汁ジュレ セルリアック パセリ根 水菜 田芹 大根 花 大根・ハイビスカスのピュレ
 *鹿児島産鶏 なめこ・舞茸 海老芋ピュレ 行者ニンニク
 *甘鯛の鱗焼きと蛤 甘鯛骨出汁・マガオペッパーとレモンタイムスープ 菜の花 小玉葱とパセリオイル
 *鹿児島産牛頬 黒にんにく 筍と蕾菜 燻製ヨーグルトソース ディルオイル
 *胡瓜のデセール:ヨーグルトムース セロリ・グラニタ レモンバーベナ ジン風味
 *ミニャルディーズ八朔
 +16 Le Sake Erotique Quatre Sogga pere et fils
 +Sherry Amontillado Emilio Lustau
 +13 IGP Vin des Allobroges C de Marin Les Vignes de Paradis
 +02 Aile d'Argent Mouton Rothschild
 +95 Ch.Kirvan
 +00 Hospices de Nuits Les Saint-Georges Cuvee des Sires de Vergy Georges Faiveley
 +14 Le Petit Haut Lafitte

CiMume
[AQ!]
 2016年11月台北MUME、MUME X LACIME Collaboration dinner開催。
 内容的には「高田シェフ vs. MUMEが探求した台湾食材」という感じで、台北でのLa Cimeポップアップ…という色彩が強かった。
 そして同時に、「今度は逆パターンで、『リッチーシェフ vs. 日本食材』を大阪でやる」ことが発表されていた。

 その日程が決まった。2017年3月末。
 あらら、関西には2月に行ったばっかりだったけど、また大阪だ(^^;)。
CiMume
 復習メモ。
 MUMEは2014年オープン、RAWやLe Moûtと並ぶ台湾のモダンシーンの最注目店。
 中心となるシェフRichie Linは香港出身・noma,Quayなどで修行、シェフLong Xiongは米国出身・Per se,Adourなどで修業、シェフKai Wardは豪州出身。
CiMume
 2日間開催の初日。“関係者”は翌日の方が多いかな?
 今回はメニュー印刷してないので、ひと皿ごとに責任シェフが説明します…とのこと。
 Tシャツに青いタブリエの4シェフ。
 高田シェフが(相変わらず)ふにゃふにゃ~っと開会の挨拶(笑)。
CiMume
スナップえんどう豆 昆布タルト リコッタ・柚子 ラベージオイル
 濃い茶のタルトに深い緑が映える。MUMEでは定番のアミューズらしい。
 軽快。
 最初のアミューズは白木の2段組容器(クール!)で、下段に次の1品が入ってそうだ…と開けようとすると「マダマダ…」と怒られる(笑)。
CiMume
台湾紅キノア パンプキンクリームとその発酵タルト イクラ
 面白いひと口。主役は紅キノアと南瓜。味出しのイクラ含め、テイストははんなりした具合。
 説明はカイ。
 台湾紅キノアって何じゃいね?…だが、後でググると「台灣紅藜」でヒットする奴、かな。

蕪と揚げ伊勢海老の“タコス” 牛蒡 チャイブ
 タコスの皮にあたるのが薄切りの生蕪、楊枝で留めてある。牛蒡の香りがイイ。
 説明はロン。
 合わせるのはSoggaのSake Erotique、最近ウケてますな~。海老にピッタリ。
CiMume
大分産牡蠣 昆布 若布 海苔バター 胡瓜 フライドケール
 牡蠣の殻に牡蠣、上に黒緑の揚げたモシャモシャ。…といった眺めは「最近あるある」系でもあるが、コレはなかなかに小粋。
 海草系で旨味を引き上げた牡蠣が出会うのが、ケール細切りの揚げと胡瓜(ダイス状の歯応えもアリ)で、とても斬新感があり、かつ好きやわ。
 説明はカイ。

近江牛タルタル 台湾干し大根 ポテチ クラムマヨネーズ 黄身コンフィ 茸 海老オイル ナスタチウム 香草
 台北MUMEのスペシャリテ・タルタルの日本版ヴァリエ、だそう。
 風味、そして食感…よく出来てる。美味。
 説明はリッチー。
 砕きポテチに干大根ダイスが口の中で楽しい。同席のAシェフが「干大根入ってるの、すぐ慣れますね~。もう既に、入ってないと寂しい」と笑う。
 ところで“そうそう”…と思いながら何か引っ掛かるのを後日思い出したのだが、4ヵ月前に都立大「Fukushima」で『奈良漬を刻み込んだ近江牛タルタル、卵黄・玉葱のソース』というのをいただいてた。
 近江まで一緒な偶然wだが、“アジアの漬物を牛タルタルに”…ってのは、いつ頃からあるのかなあ。Fukushimaさんも、どっかで習ってきたと言ってたけど。
CiMume
サラダ豆豉ドレッシング:蕗の薹 たらの芽 うるい こしあぶら鰹出汁ジュレ セルリアック パセリ根 水菜 田芹 大根 春野菜・山菜 花 大根・ハイビスカスのピュレ
 まあ所謂ガルグイユ調…というか、多野菜盛込サラダ。…で、まずの特徴は豆豉になろうか、さすがに上手に活かされている。
 “いい季節の来日で♪”…な、山菜リッチ。コシアブラの出汁ジュレ…かな、が、地味に面白い。コシアブラって値が行くので「ソレとわかる天麩羅」とか以外にはノーマル営業では使われにくいんだけど、色々使える香りを持つ(…とついこないだも「元吉」で刺身に生で添えてるのを食べてオモタ)。
 あと、ハイビスカス持ってくるのが上手ね。
 説明はリッチー。
CiMume
鹿児島産鶏 なめこ・舞茸 海老芋ピュレ 行者ニンニク
 鶏胸の真空調理、ソースをまとうナメコ、海老芋ピュレ。舞茸・行者ニンニク添え。
 日本食材など実にコラボらしいし、それぞれとても上手くいっているのだが、この皿でそれ以上に印象強いのは、鶏とソースのフランス料理王道っぽい堂々感。
 説明はロン、ロンさんはこの辺りが得意パートかな…と思わせる。
 まあしかし、このナメコは使えるな。

甘鯛の鱗焼きと蛤 甘鯛骨出汁・マガオペッパーとレモンタイムスープ 菜の花 小玉葱とパセリオイル
 甘鯛・焼菜花・小玉葱パセリ油のセットに、魔法の急須からスープが注がれる…というスタイル。
 いいお味、で、台湾テイスト。ビミョーに。お互い東アジアで距離も近い日本~台湾で通じる部分がとても多いのだが、ビミョーな所で「こうは思いつかない」とか「こうはしない」ってのはある。スープが、けっこー甘やかで人なつこくてしかしイヤゲがないくらいの台湾風味、似てるけど日本だとしないよなあ…的お味決め。
 スープはリッチーが注いでくれた。
CiMume
鹿児島産牛頬 黒にんにく 筍と蕾菜 燻製ヨーグルトソース ディルオイル
 筍・蕾菜焼きは薄いスライスで長時間加熱牛頬に乗る。
 充実した主菜だが、一同の話題は、燻製ヨーグルト・ディルオイル(・中国漬物も入ってるかな)のソースの出来映え。とっても美味しい。
 牛頬もいいけど、羊とか、何か肉類全体に応用がききそうですよねえ…なんて言ってて、MUMEチームにも水を向けてみたんだけど、さすがに「台湾シーンは『ガストロったらワギュー!』」って感じみたいで、あまりピンと来ないようですた(^^;)。とくに羊・ジビエは、好むお客が少数だって。
 後半のワインは、Aile d'Argent~Ch.Kirvan~Hospices de Nuits。
 今日も的確な森田さんセレクトだが、最近のペアリングでは「逆に」ボルドーが出てくると面白く感じる…傾向はあるなあ。
CiMume
胡瓜のデセール:ヨーグルトムース セロリ・グラニタ レモンバーベナ ジン風味
 胡瓜とセロリ、野菜型。ジン風味もよく、美味。
 説明はカイだっけな、「台湾を台風が襲った日がありまして、材料が何もなくなった夜に考案しました」的なオモロ由来をつけてましたわ。
 ワインはLe Petit Haut Lafitte。
 ノンアルコールペアリングの方もずっとキョーミ深い展開を見せていたのだが、ここでのアルコール抜きライム・ジントニック…はオイシイ。売ってくれ、ウチで呑む(笑)。
 あと振り返ると、牡蠣用だったか、茘枝+アオサが摩訶不思議な傑作。甘鯛のパセリ・セロリ・林檎も目をひいた。
CiMume
 いやあファンタスティックなエイト・ハンズ♪
 堪能しました。美味しかった。
 ん~、完成度が高かったな。3人来てるし、MUMEのスペシャリテをベースにしたものが多いこともありそう。
 表裏…というか、[Cime x Mume]と[Mume x Cime]の両方を見たわけだが、(強いて)特徴を見ると、MUMEの3人はなかなかにクールでスマートだ。
 冷静なバランス取り、そして世界も含めた「現代」の要求規範とかイメージの持たれ方をよく知っているかな…という印象を持つ。(3人いること・台湾が小国であること、も寄与しているだろう)
 提出してくるエッジが、客にとって把握しやすい。
 対するに高田シェフは、やはり爆発力・そして突破力のヒト…って感じだろうか。奄美の天才の凄みは、訳わからんとこ込み…である(笑。強いて言えば、ね)。

 最後に4人のサイン紙をくれるのだが、客の数だけきっちり署名する3人に比べて、高田シェフは最後の方の客の分は字がどっかに遊びに行っていて、バランバラン。どうしたらよいかどうか(笑)。
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  No. 8 by John Lawson 
  
8 Whiteman St, Southbank, Melbourne  www.crownmelbourne.com.au/No-8-by-John-Lawson

・ メルボルンのクラウン・エンターテイメント・コンプレックスにあるレストラン
 2016年にJohn Lawsonが離脱。閉店?

  → 2014メルボルン旅行記はこちら

2014年11月 ☆☆

 *Koo Wee Rup asparagus salad
  wheat berry, hen egg and pea shoots
 *Warm octopus terrine
  crispy little pig, tomato gazpacho tartare
 *Portland Blue eye cod ‘in ash’
  chorizo, beans and heart of palm
 *Strzelecki Ranges grass-fed, Hereford beef (48 day dry aged)
  Spiced short rib 200g
 *Potato chips, hand cut
 *Beetroot, goats curd and sorrel
 *ギモーヴ
 +13 'The Stag' Yarra Valley / St Huberts


[AQ!]
 メルボルンは春真っ盛り。

 ヤラ川の河畔は、カジノ・クラウンからつづくコンプレックスにレストランがずらりと並ぶ。
 遊歩道に謎の塔…のようなものが並んでいるのだが、の先端からは、時報代わり?に毎時ものすごい炎が上がる。
 塔の下を歩いていると頬が熱いくらいだ。謎の演出(笑)。

 ディナーはいま注目と言われる若手John Lawsonの「No.8」。
 カジュアル・サンパでガストロバーみたいな感じ、北欧で言えば、アラカタカ・ラジオ・ロルフスショークとか。

 空港からホテルにタッチして駆けつけた我々。21時過ぎ、もう人々は温まりまくってまふ。

 トラティショナルな調理/コンテンポラリーな取り合わせとプレゼン/キュイジーヌテロワ、…という取り合わせがモットーという通り、オーストラリアらしい伸び伸びとしたイングレディエンツの特色が存分に発揮される料理。
 豪モダンの伝統とも言えるが、ときにタイ・ベトナムっぽく中国ぽく…といったエピス使いが食材の強さとちょうどバランスする巧みさ。

 品書のサイドオーダー欄に野菜が並んでいる。主菜の付け合せはそこから頼んでくれよ…って感じかなと思ってポテトとビーツを注文したが、2人で1つで良かったか…と思うくらいゴッチャリ来る。
 …のだが、ウマイんでほとんど食っちゃった。とくに「残せばいいから…」って言ってたポテトは完食(^^;)。

 ワインは、ヤラのピノから一番安いのを頼んだだけだが、「いい意味でスルっ」というのはこーゆーのを言うのじゃ!…という美味さ。
 やっぱ、安~中級ワインにとっては、「旅をしてないメリット」というものの大きさは計り知れない。
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  O.MY Restaurant  オー・マイ・レストラン
  
23 Woods St, Beaconsfield VIC +61 3 9769 9000 www.omyrestaurant.com.au

・ メルボルン近郊Beaconsfieldの菜園レストラン
  → 2019オーストラリア旅行記はこちら

O.My 2019年 5月 ☆☆☆

 - Sourdough consomme.
 - Smoked tomato varieties.
 - BBQ warrigal greens, garden spices/oil.
 - Chicken thigh fried in sourdough culture, lemon juice and salt.
 - Blanched radish, dressed with verbena.
 - Pickled beans, dill seeds dried.
 - Outer cabbage leaves, farm honey, bread vinegar, fried chicken skin.
 - House made prosciutto.
 - BBQ chicken and marinated zucc skewers, chilli carmel, chive flowers.
 - BBQ broccolini, black garlic powder.
 *Sourdough bread, house churned butter, beef fat butter, garden salt.
 *Compressed watermelon circles, farm honey, pickled watermelon skins/mint.
 *Salted flesh figs, sliced radish, passion fruit, concentrated pork broth, bay leaf oil, mouse melons, green tomatoes.
 *Jerusalem attichoke basted/fried skins, puree, pickled, 2 hour egg yolk.
 *Zero waste pumpkin tortellini ,roasted filling with chilli/garlic/sage/pickled skin/seed praline chicken/kimchi/sauce, pumpkin ash, rocked flowers.
 *Beef Ragout/jus, dressed diamond tomatoes, cauliflower puree, garlic chive dried.
 *Farm honey ice cream, whey caramel, cucumber granita, mint powder, meringue, tree marigold.
 *Smoked pumpkin skin ice cream, shaved chestnuts.
 *Quince marmalade, sourdough pudding, bread vinegar crumble.
 +Farmhouse Ale Aromatic Spilt Derwent
 +18 Farm Wine Riesling The Wine Farm South Gippslend
 +18 Fairbank Sutton Grange Winery Field Blend Central Victoria
 +Cobaw Ridge 'il pinko' Syrah Rose
 +16 Mayer Yarra Valley Pinot Noir
 +13 Langhe Nebbiolo Il Ciabot
 +18 Obstgarten Riesling King Valley Schmolzer & Brown

O.My
[AQ!]
 今回のオーストラリア旅行、最後のディナーは「O.My」に行ってみる。
 世評を見ると、Good Food Guideでは2018版から2つ帽…だが、Top100ランキングには入ってなかったり、今のところバラけた評価。
 ボクらがこちらを選んだのは、在メルボルンのYシェフから「いま、こっちのギョーカイでかなり話題になってます」…と聞いたことが大きい。
 メルボルンから50kmほど郊外のBeaconsfieldという町にある、ファームレストラン。2013年オープン。

 サザンクロス駅から店まで一時間半。
 平坦な鈍行が、闇の中をとことこ進む。数えきれん駅に止まりながら。…言えることは、帰途はぜってぇ、寝るな。(^^;
 ビコンズフィールド駅。かなり堂々の、腰が入った暗さである(笑)。さすが、予約の申し込みに、まず、「えーと、ウチ、どこにあるかわかってる?」…と店が返信してくるだけのことはある。
O.My
[へべ]
 Beaconsfield駅に到着。秋の日はすっかり暮れて、駅周辺はがらんとして何もなく、闇の中から時折バスが現れては去るばかり。
 寂しく、暗く、よるべなく、空腹の身に宵の秋風が冷たい…と、足早に歩いてきたら開店前に着いてしまった。

[AQ!]
 歩いて10分弱。地味にある。エントランスに立っても、「ここ店? やってんの?」…ってくらい、地味。(ただし、この一ヵ月後に町内での「移転」が決まってるらしい。少しは「2つ帽」らしい店になるのかも)
 25席ほど、小体で簡素なダイニング。センス的には端々尖ってて、クール。
 予約が7時、の6時20分。6時半開店と聞いてたんで「ごめんね、早く着いちゃって」と覗いてみたのだが、問題無し。勿論ワシらが一番乗りだが、程なく客は着きはじめ、7時にはかなりスタートしてた。日曜夜だし、田舎だしな。
 (店の昔の写真によると)以前はほっそりしていたブーデのサービスは、陽気に場をほぐしてくる。
 コースは一本、スロンジャルダンで日替わり。
 アルコールのビバレッジマッチング。ノンアルやミックスのマッチングもある。
 Farmhouse Aleで乾杯。

 はじまりはじまり♪ 卓上が、緑と茶色の情景に変わる。アミューズの森だ。
O.My
[へべ]
 爽やかな酸味のタスマニアビールとご一緒に♪
 スライス丸太の台座に載ったスナックたちが卓上にずらりと並ぶ。

Sourdough consomme.
[へべ] まずは自家菜園野菜とサワードウのコンソメから、穏やかな滋味が五臓六腑に沁みわたる。
[AQ!] ひと口目は液体、のパターンが多めの旅だ。
 時間かけました、という、野菜とサワードゥのコンソメから。痺れるほど、美味しい。

Smoked tomato varieties.
[へべ] マイクロトマト各種は、温度の翼に乗って飛んでくる燻香と酸味旨味が魅力的。

BBQ warrigal greens, garden spices/oil.
BBQ broccolini, black garlic powder.
[へべ] 緑野菜の直火焼BBQ2種は、ブロッコリーニに黒大蒜パウダー、ハコベの親分みたいな緑野菜=warrigal green(好みのタイプ)にはガーデンスパイスとオイルをぱらりと。
[AQ!] 緑の誘惑に心が踊る。一つ一つ、手の込んだ仕立て。ブロッコリーニはまさに「BBQ 」を感じさせる。

Chicken thigh fried in sourdough culture, lemon juice and salt.
House made prosciutto.
[へべ] サワードウ種の衣にふわりと包まれた鶏腿肉のフリッター(レモン汁と塩でさっぱり軽やか)や、自家製プロシュートあたりを野菜軍団と交互につまむと互いに引き立て合って、ますますハッピー。
[AQ!] 緑一色にはせず、適度に絡む動物性蛋白質もイイ。鶏揚げは非常に軽い。プロシュートも自家製なのは恐れ入った。
O.My O.My
Blanched radish, dressed with verbena.
Pickled beans, dill seeds dried.
[へべ] ラディッシュはベルベンヌ、ちび鞘隠元ピクルスはディルシード風味で。
[AQ!] 豆ピクルスが気の利いた狂言回し。

Outer cabbage leaves, farm honey, bread vinegar, fried chicken skin.
BBQ chicken and marinated zucc skewers, chilli carmel, chive flowers.
[へべ] 鶏とズッキーニの串焼にはチャイブの花、ケール外葉のパリパリカナッペには鶏皮揚げと蜂蜜とパンのビネガーを散らして(このケールが素晴らしい力強さ!)。
[AQ!] 2日ドライのキャベツ。ラインナップ中でも華のあるパリパリ焼き。中心の主軸の筋は硬すぎて、齧りきれない…のが、この店らしい?(笑)
O.My
[へべ]
 菜園の香りいっぱいの、わくわくするプロローグ。

[AQ!]
Sourdough bread, house churned butter, beef fat butter, garden salt.
「このパン、旨すぎてさあ、、、」以下略…丸々とした体格のサービスは語る(笑)。
 そのパンは「明日の朝食に」と、お持たせもくれる。

Compressed watermelon circles, farm honey, pickled watermelon skins/mint.
[AQ!] 「もうシーズンもこれで終わり、って頃合いです」…と、西瓜。
 西瓜の皮とミントのピクルスのトッピングが洒脱で、立体的奥行きを出す。
[へべ] 一筆加えてくっきりさせたような、西瓜そのものの食べ心地…皮のピクルスとミントが効果的!
O.My
Salted flesh figs, sliced radish, passion fruit, concentrated pork broth, bay leaf oil, mouse melons, green tomatoes.
[へべ] ローリエのオイルを浮かべた豚のブロスに泳ぐチビメロンと無花果が甘美。
 緑トマトとパッションフルーツの酸がふちどり、パッション種子の食感で快く盛り上げるのは冴えたアイデア。
[AQ!] 華やかで新奇なキャスティングの菜園スープ。
 面白く、説得力ある仕上がりは、がっちりポークブロスが支えている。
 フィグいいねー。マイクロ野菜の食感のチャーミングさ、ったら。
O.My O.My
Jerusalem attichoke basted/fried skins, puree, pickled, 2 hour egg yolk.
[へべ] お次は君が主役♪ 「名脇役」で済まされがちなトピナンブールへの愛がほとばしるデクリネゾン。
 シャクシャクした薄切りピクルスのベールの下に、香ばしく揚げた皮、なめらかなピュレ…相性抜群の卵黄をソースに起用して、その魅力を満喫させてくれる。
「僕のお気に入りの一皿だよ」とサービスの兄さんも言ってたけど、ぼくらも激しく同意しま〜す♪
[AQ!] トピナンブールはおそらく、季節なのでもあろう。今回、よく出た。
 こちらのは、見かけない趣向ではないが、史上最高クラスに、美味しい。

Zero waste pumpkin tortellini ,roasted filling with chilli/garlic/sage/pickled skin/seed praline chicken/kimchi/sauce, pumpkin ash, rocked flowers.
[へべ] 南瓜のすべて入りトルテリーニ、素朴な味わいにキムチのアクセント。
[AQ!] 誇らしく謳う「Zero waste」。満喫のカボチャ。
 合わせるMayerのワインは「クレイジーな奴が作るピノ」…とのご紹介。後でワインダイヤモンズのサイトでの紹介を読んだら、ホントにいかれポンチっぽかった、少し引用すると、
 ~~ティモメイヤーは人間の欲望が剥き出しになった様なインスピレーションの男です。食欲や睡眠欲を貪り、綺麗な女性には目がありません。小太りの上に禿げ上がっていますが笑顔が人懐っこく、まるで悪戯好きの少年の様に落ち着きが無く、猥談が大好きな「オッサン」です。数年前に来日した折には六本木の交差点を歩く沢山の女性達を見て「ここは天国だ!」と叫んだ愛すべき「オッサン」なのです~~
 優れたピノ♪
O.My
Beef Ragout/jus, dressed diamond tomatoes, cauliflower puree, garlic chive dried.
[へべ] ビーフのラグーに弾けるトマト! シンプルだけど、とても新鮮&鮮烈。
[AQ!] プッチントマトはエルブジの「ドンパッチ」よりずっとイイ、とへべが言う。…何と比べてんねん?(笑)
 「コンビーフ!?」…という声のあがる(悪い意味でなく)牛ラグーの上を一面に覆うマイクロトマト。香草と花。
 フツーに言って、コース主菜として『問題作』(笑)。ひどく個性的。ものすごくヒトによる、「〆としてしょぼいでしょ」ってヒトがいても、ちっとも不思議ではない。
 …でも、これイイです♪ はっきりしたシグネチャ。手離れの良さ、ぷっちん!、爽快!、快感!
O.My
O.My Farm honey ice cream, whey caramel, cucumber granita, mint powder, meringue, tree marigold.
[へべ] 蜂蜜アイス、胡瓜グラニタがいい味。
[AQ!] デザートに胡瓜がよく香る。わりと複雑な構成を完成度高く出している。

Smoked pumpkin skin ice cream, shaved chestnuts.
[へべ] 南瓜皮の燻香効かせたアイスにピュアな生栗のスライス。
[AQ!] カボチャスキンアイス。カボチャの道行き・奥行き…を感じさせる一日。いわゆる「カボチャの煮付け」とかは、死んでくれ(笑)。

Quince marmalade, sourdough pudding, bread vinegar crumble.
[へべ] quinceのママレード、サワードウのプディング、ブレッドビネガーのクランブル。
O.My
O.My
[へべ]
 自家菜園で育てた食材への愛、若々しく自由な発想がはじけるような料理っぷりが、なんとも楽しい。
 洗練とか技巧とか精緻とか眉間のシワとか…その辺のことはとりあえず忘れて、愉快にやろうよ! 的ハッピーな食後感で。
 …駅までの暗い夜道も、帰路は不思議に近く感じる。
 見上げれば夜空いちめんに見慣れぬ星座の星たちが、朦朧とした酔眼にやさしくまたたくのでした。

[AQ!]
PS:
 ロックだぜ、アートだぜ、…って店内風景も好き。
 厨房はハーフオープン。この店は気のいいブーデも含め3兄弟で営むようだが、シェフをつとめる一番細身の(笑)Blayne Bertoncelloが見える。厨房は女子メンバーも多い。
 sustainability and zero wasteにフォーカスする彼らが自農園で作っているものは、
Farm Eggs, Citrus, Allium Flowers, Warrigal Greens, Radish, Brassicas, Quince, Dried Flowers, Honey from our Bees, Apple, Black Garlic, Our Sourdough, Pickles, Basil, Tomatoes, Zucchini, Sun Rose, Beetroot, Shallots, Garlic, Mint, Preserved Citrus, Cucumber, Watermelon, Sheep Sorrel, Beans, House Kimchi, Pickled Plum, Gherkins, Mouse Melon, Mint, Cauliflower, Pumpkin, Figs, Passionfruit…
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  Orana  オラナ
  
Upper Level, 285 Rundle Street Adelaide (08) 8232 3444 restaurantorana.com

・ アデレードのモダンオーストラリアン
  → 2019オーストラリア旅行記はこちら

Orana 2019年 4月 ☆☆

 [Alkoopina]
 *Potato damper & roast lamb butter
 *Magenta lilly pilly & tea tree
 *Macadamia & native thyme
 *Murray River cod, leek & eucalyptus
 *Hot & sour Port Wakefield squid
 +16 KT pazza Riesling, Clare Valley, SA
 *Tommy Ruff & Australian jerk roti
 +18 Tonic, Chardonnay, Woodside, SA
 *Goolwa pipis, ruby saltbush berry & local beach succulents
 +16 Benjamin Darnault, Picpoul de Pinet, Languedoc, FR
 *Spencer Gulf prawn, Geraldton wax & green ants
 +17 Mica Tino Vermentino, Margaret River, WA
 *Cacio e pepe
 +Smiling Samoyed, Dark Ale, Myponga, SA
 *’Soup Soup’-Crocodile with Australian botanicals
 *Kohlrabi, dorrigo, lilly pilly & lemon myrtle
 +17 Tim Wildman MW 'Heavy Petting' Riverland, SA
 *Return of the bread with eggplant & bunya miso
 +NV Blackwood Hill 'Spark' Blanc de Blanc, Yarra Valley, VIC
 *Surf & earth - King Brown mushroom & toro over the fire
 +18 Gentle Folk 'Village' Pinot Noir, Forest Range, SA
 +18 Brash Higgins 'Nymph' Cinsault/Carignan, McLaren Vale, SA
 *Kangaroo, smoked potato, wattleseed & pandanus
 +16 Brash Higgins 'Amphora Project' Nero d'Avola, McLaren Vale, SA
 *Jillungin tea
 *Coopers sparkling ice-cream pop
 *Kitchener bun with riberry jam & macadamia cream
 *The Honey jar - native honey biscuits & marshmallows
 +18 Mount Horrocks 'Cordon Cut' Riesling, Clare Valley, SA
 *Set buffalo milk, strawberry & eucalyptus
 +15 Melsheimer 'Reiler Mullay-Hofberg' Spatlese, Riesling, Mosel
 *MacRobertson Chocolates - Paperbark ganache, cherry ripe & coconut truffle

Orana
[AQ!]
 「Orana」で夕食。
 アデレードにまで足を伸ばした主目的…みたいな店である。
 南オーストラリアの自然を歌い上げる…というオラナ。
 最近の世評は、
Good Food Guide 2019 : Restaurant of the Year, 3帽
Gourmet Traveller 2018 : Restaurant of the Year, The top 100 restaurants 1位
AUSTRALIA'S TOP 100 RESTAURANTS - TOP 100 2018 : 23位

 …と、なかなか熱狂的だ。世界が振り向き始める。
Orana
[へべ]
 番地間違え(^^;)。
 こじんまり、20数席、オープンキッチン。

[AQ!]
 店舗は州都アデレードの飲食店などが集中するエリアにある。
 目立たぬ小さく暗い看板を出しただけの二階、は、隠れ家仕様だが、通りの番地に従えば着く。番地の数字を間違えて覚えていて、最初に迷ったのはワシだ(^^;)。
 25席くらいか、コンパクトなサル。
 エミューのマスコット置物。全体に薄暗い、今回の旅では最も暗かったかな。シドニーの数店ほどでないが。

 厨房はハーフオープン。店の狭さも含め、「料理を熱々で出したいから」…と何かのインタビューにあった。そのシェフのJock Zonfrilloとおぼしきが指揮をとっているのが見える。スコットランドとイタリアのハーフ、だっけかな。

 コースは一本。ワインペアリングが、「ワールド? オーストラリアン?」で、オーストラリアン・ペアリングを選択。
 卓上にはパン生地。何かパフォーマンスあり?…かと思ったが、「じゃ焼いてくるね」で下がる。焼けてきたパンはけっこー旨かった。要らんパフォーマンスが無いのがヨカタ?(笑)
 ちなみに、我が家はそんなに食中にパンを大量にいただかないので、半分くらい余る。後ほど、「持って帰ってい~い?」と聞いたら「OK,OK」で包んでくれた。…のを翌朝開けたら、一個丸々入ってた。予備のパンをくれたか。ありがとう♪
Orana
[へべ]
Potato damper & roast lamb butter
Magenta lilly pilly & tea tree
Macadamia & native thyme

 ダンパー。レモンミルトの枝に巻いたパン生地を卓上にて炭火でひと焼きして出来上がり、ハーブ香るマカダミアミルクとチェリー、ブラウンバターを添えて。
 卓上で味わうアウトバックでのキャンプ風味シリーズ。

[AQ!]
 メルボルン在のYシェフは「オーストラリアはBBQです」と、実に簡略に言い切る(笑)。
 ま、意味するところは色々あるのだが、ま、今日も分かりやすく、のっけから卓上で火が燃えている。
 ダンパー…という単語くらい知っとかないと豪料理単語に踏み入るのは大変だ(^^;)。焚き火焼きの無発酵パン、アボリジニも食べてたらしい。
 そのポテトのダンパーに、炭火がジワっと焦げを作る。好きなとこで、むしゃ♪ 楽しい。
 同時に供される、タイム風味マカダミアミルクはドリンクタイプ。ダンパーにかけてもいいか。
 ブッシュチェリーを実らせるlilly pillyはオーストラリアではポピュラーな庭木。大樹になるが、実は可憐。
Orana
Murray River cod, leek & eucalyptus
Hot & sour Port Wakefield squid
 Murray River cod・葱をユーカリ葉サンドのようにして。スープ的なソース。Murray River codは豪州最大の淡水魚(cod…は見た目だけ、種としては関係ない)、豆腐のようにサワヤカ。
 烏賊は細かい包丁でひと口スプーン、タマリンドのサワー。Port Wakefieldはアデレードの北、湾の奥。豪州ガストロで、出てきたらウマイ!…のが、烏賊。
Orana
Orana Tommy Ruff & Australian jerk roti
 Tommy Ruffは、オーストラリア鰊。その焼魚を、カリブ風ジャークチキンロティ…のチキン代わりに包み込んで。葱味噌…風、も一緒に。
 これはなかなか美味しい。
Orana
[へべ]
Goolwa pipis, ruby saltbush berry & local beach succulents
 ピッピ貝 白泡ソース ビーチハーブ
 市場でも見かけたピピ貝は薄べったい浅利のような二枚貝。別名Goolwa cockle、豪州最大のマレー川が海に注ぐGoolwaの浜でとれ、地元では潮干狩のお目当てにもなっているとか。
Orana
Spencer Gulf prawn, Geraldton wax & green ants
 海老に蟻にハーブ、グリーンサワーチリ。

[AQ!]
 スペンサー湾はアデレードの北西、優れた海老ちゃん。Geraldton waxは西オーストラリア固有の花、らしい。緑蟻…オーストラリア・ガストロは緑蟻・黒蟻ともに出てくるが、とくに緑がよく活躍してる。

Cacio e pepe
 シェフのルーツ、か、もろイタリアンな胡椒フロマッジョパスタ…を、アデレードヒルズ胡椒で。
 合わせるのが、ダークエールなのだが、「ビー『ル』!」と日本語発音で置いて行く(笑)。何処で習ったんや、ソレ(^^;)。
Orana
’Soup Soup’-Crocodile with Australian botanicals
 卓上にオーストラリアンハーブ類を詰めたポット、そこにクロコダイルのコンソメを注いでアンフュゼして。
 すっきり爽やかスープ。
 言われんとクロコダイルとはわからん(^^;)…のだけど、豪州ガストロ人の声には「クロコダイルの肉はよく食うがコンソメとは面白いじゃん」というモノもあり、なかなか、ローカルガストロノミーの“ベースライン”問題というのは複雑なものだ(笑)。
Orana
Orana Kohlrabi, dorrigo, lilly pilly & lemon myrtle
 コールラビの、美しい現代ファインダイニングな一品。
 dorrigoは、dorrigo pepper…か、北NSWのモノ。リリーピリー&レモンマートル、再び♪
 見た目通りの、イイ感じ。

Return of the bread with eggplant & bunya miso
 パンが美味しく焼けました♪
 茄子ピュレにブニャ味噌。…、bunya-bunyaは松の実みたいなもんだから、味噌も出来るか。

Surf & earth - King Brown mushroom & toro over the fire
 大トロ/キノコ/ブッシュトマト…炙り焼いて、どんぞ。
 アウトバックでのキャンプ気分…再び♪

[へべ]
 茸と大トロ串焼き。
 茸と大トロのそれぞれに、一杯ずつワインがペアリングされる。
 ちょいやり過ぎ風味。ペアリングって落ち着かない面も…。
Orana
Kangaroo, smoked potato, wattleseed & pandanus
 カンガルー上質、焼きもばっちり、いい肉いい料理。
 リークと芋ピュレ、1週間発酵汁ソース。

[AQ!]
 カトラリー、セットし忘れ。コレも手で行くのかとオモタ(笑)。
 カンガルーロイン/リーク・芋 フェルメンテド。頻出のワトルシードに加え、ちょっとパンダンの緑粒子も見える。
 これは旨い。本日、料理的には、コレ♪

Jillungin tea
 西オーストラリア、NyulNyul族の、Jilungin Dreaming Loose Tea。
Orana
Coopers sparkling ice-cream pop
Kitchener bun with riberry jam & macadamia cream
The Honey jar - native honey biscuits & marshmallows

 様々な角度から、南オーストラリアらしい小菓子が並ぶ。

Set buffalo milk, strawberry & eucalyptus
 気のいいサービス『前掛けちゃん』も「ワタシも大好きなんです♪」だそうな、苺・ユーカリ・ミルク。
 これはホッとする。
Orana
MacRobertson Chocolates - Paperbark ganache, cherry ripe & coconut truffle
 チョコクーラン。

 シェフはウチの隣の老VIP夫妻がお帰りになるまでは在店。(…スタッフ全員10名ほどが「気をつけ」で整列してお見送り。な、何者? まあ、ウチが帰るのでも5人くらいでワーワー言って送ってくれる、手厚い店ではあるが)

[へべ]
 にこりともせずにサービスとみっちり会話しつつ笑いをとってた隣のおじさん、実はVIPだったか、帰りはスタッフ全員集合整列してお見送り。

 野趣が似合う趣旨の店。

[AQ!]
 志や良し。意気や良し。
 楽しく美味しくいただける、南オーストラリア食材深掘りは大変興味深い、…のではあるが、ガストロ店的には、途上…って感もある。
 ちょっと、多くの皿が、塩と脂に頼り気味…なんよね。料理着地を求めて、う~んまたソコ行っちゃったか、みたいな。
 その辺、同じ3つ帽店(全豪に7軒のみ)と言っても、Brae, Attica, Quay…みたいには、まだ、至ってないかなあ。
 薄暗いのもなあ。南オーストラリアの珍しい食材…を、全体的にもうちょっとアピール出来てもよいかなあ。しょーじき、ワシらは勿論、多分ビクトリア州やNSW州の客だって、知らんことが多いんちゃうのん?
 品書も後でくれるけど、最初から図鑑的ガイド的に開陳して説明・講義するくらいでもいいのかも…とか、オモタ、けど…。
 サービスやペアリングも、ちょい「必死」風味なんだけど、オーストラリアの世評を見てみるとコレでも解けてきたらしいんで、まあ、その意味でも「途上」なんかな。
 もっと面白くなりそう。

[へべ]
 帰りは雨降り、傘を持ってきてよかった。
 この季節、ちょっと油断すると、降られる。
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  Quay キー
  
Upper Level, Overseas Passenger Terminal, The Rocks, Sydney 2000 (61 2) 9251 5600 www.quay.com.au
料理長 : Peter Gilmore

・ シドニーのレストラン
  → 2013シドニー旅行記はこちら

2013年 1月 ☆☆☆☆

 [ TASTING MENU ]
 *amuse
 *Sashimi of local lobster, bergamot, green almonds, elder flowers
 +09 Framingham Select Riesling, Mariborough
 *Salad of preserved wild cherries, albino and chioggia beetroots, radish, crème fraiche, violets
 +10 Margan White Label Barbera, Hunter Valley
 *Line caught iki jime Tasmanian squid, squid ink custard, society garlic, pink turnips
 +12 Spinifex Rose, Barossa Valley
 *Smoked and confit pig cheek, shiitake, shaved scallops, Jerusalem artichoke leaves
 +10 Tapanappa Foggy Hill Pinot Noir, Fleurieu Peninsula
 *Hawkesbury free range chicken cooked in Vin Jaune and cream, steamed brioche, egg yolk confit, Alba truffle
 +10 Thick as Thieves Poco Rosso Nebbiolo, Yarra Valley
 *Poached Rangers Valley beef, bitter chocolate black pudding, morel, ezekiel crumbs, shaved mushrooms
 +10 Caillard Mataro, Barossa Valley
 *Andalucia citrus and almonds
 +10 Dominique Portet Vendage Tardive Sauvignon Blanc, Yarra Valey
 *White nectarine snow egg
 +11 Marcarini Moscato D'Asti, Piemonte
 *Coffee, Petits Fours

[AQ!]
 Peter GilmoreのQuayである。今をときめく南十字星。世界の熱い注目の集まる一人。
 実際問題、今回のシドニー旅行は、近年困難を極めるというQuayの予約が取れた!…という所から始まった(笑)。

 シドニーはロックスにあって「キー」と称する…と聞けば、“随分ベタな場所にあることで…”と思うものだが、思う以上に現地はベタ(笑)。
 右手にオペラハウス、左手にハーバーブリッジ、…の大型船埠頭、その中にある。
 『観光爆心地』(^^;)と呼んでもいいか、という(笑)。
 ハーバーブリッジには「年越し花火大会」の名残のキスマーク…が浮かんでは消える。
 こんなところに美味いモノ無し、…としたものだが、世の中は例外で出来ている(笑)。

[へべ]
 大桟橋の港展望レストラン…的な立地(ある意味ベタな)。
 360°ビューのガラス張りサルからはベイブリッジ?もオペラハウスも一望できる。

[AQ!]
 ところで、“この船着場ビルの中か…”ってとこまで来て、からの、「何処ですかー?」が若干、迷わしい。わざと?(笑)
 ごく、さりげない、入口。
 …ごめんなんしょ…と踏み入れば、空気は変わる。
 “なるほどこれがワールドクラス・レストラン”…である。…その一方、豪州らしいオープンというか気さくというかイイ加減…な雰囲気もちゃんと、それはそれで、ある…(笑)。
 店内は2層構造。上層階に通される。なんとなく、上層の方がハイソというかスペシャル感を漂わせてるんだけど…。 上層階は予約順なのかなあ?はたまた?
 この階の作りは360度展望、天井に映る客席と海。

[へべ]
 ベリーニ:甘く香り、味はクールめ
 エルダーフラワーのシャンパンカクテル:スコットランド風?だったか、ちょい甘め やさしい風味
 シドニーのレストランは全体にどこもカジュアル&フレンドリー。
 日本語のめちゃくちゃうまいサービスの男性一人。奥さんが札幌の人で、住んだこともあるとか。

 ピーター・ギルモアの料理、期待以上にすばらしい。
 皿上にある多要素のそれぞれに役があり、合わさった味がおいしく、奥行きがある。

[AQ!]
 「キー」。
 今回の旅の主目的であり、山ほどの期待を抱いて訪れるも、そのまた上を行く。

 塩などは強くないが、構成要素はそれぞれ力強く、皿上で火花を飛ばし合うが、それが美味に帰結する。

 豚や鶏は、至極慎重に口に運んで行っても、その質の高さに驚く。これは美味い。
 鶏の本尊なんかは、オーソドックスではある。

 コレクション性の高さ。「標準現代料理」の範囲内にスッポリとおさまっていながら、「私がPeter Gilmoreだ」…という署名の、墨痕が鮮やか過ぎるほど!

 色は、現れてもカラフルではない、というか、どこか独特の渋いストイックさ。…これは、味にも出ていて快感。
 盛付けも、現代的華やかさはたしかにあるのだが、どこかストイックで、“やや小ぶりの皿にちょんぼりと…”と見せているものが多く感じる。どこか古い懐石的だったり、アレックスブルダス調だったり…。

 それにしても高効率な料理だなあ。一つ一つ、時間かけて練り上げてるのかなあ?

***************

 その料理。
 月並みな言い方にはなるが、卓抜した構成力。登場させた要素はそれぞれのベクトルに思いっきり力を出させておいて、皿上~口の中で整然として魅力溢れる美味に昇華させる。
 大きく出して、しかし、“成金打線”じゃなくて、バランスが取れていて高度に機能する。
 下手な多要素モダンにありがちな「モゾモゾ」「ゴニョゴニョ」した仕上がり…とは対極な感じ。
 クールなのだがウマイ、スマートなのだがオカワリしたくなる、そんな感じ。

[へべ]
 アミューズ、小さなグラスに海のもの(雲丹・貝)、トマト、クレーム、エピス、カリカリ。
 案外はっきりした味がありつつバランス・多角性、期待高まる。


 Sashimi of local lobster, bergamot, green almonds, elder flowers 
 命名「楊枝エビ」。ロブスターにグレープフルーツ(ポメロ?)、白い花。

[AQ!]
 “楊枝甘海老”(笑)だな、コレは! ほぐしグレープフルーツ。敢えてかなり冷た目の温度も、効いてる。キリッとした逸品。
 PGの白。…おっと、もう、時代のPGはPeter Gilmoreか…。


 Salad of preserved wild cherries, albino and chioggia beetroots, radish, crème fraiche, violets
 モラセス入りサワードーのカリカリ
 パンの使い方、上手ね~。(そう言えば、食卓のパン…4種からチョイス…も美味しい)
 この季節の小さな根菜たちが美味い。ワイルドチェリーはやはり小さくて、キリッと効く。
 全部一口でいきたい欲望にかられるが、さすがにそこまで小さくはない。
 ココに投入するバルベラは、上手いマッチング。

10 Margan White Label Barbera, Hunter Valley

 Line caught iki jime Tasmanian squid, squid ink custard, society garlic, pink turnips 
 活け締め処理がどんなんかは知らんが、やはり烏賊の質は極めて高い。
 韮花のハイトーンがナイスなアクセント(ソーシャルガーリック気持ちよし)。イカ墨カスタードは、ムガリッツのパン・イカ墨を思い出す。

    

 Smoked and confit pig cheek, shiitake, shaved scallops, Jerusalem artichoke leaves 
 豚頬は、抑制と放埓(笑)を矛盾無く御した一品、とでも言うか。
 薫香・椎茸・帆立など、品の良いラインに並べながら、トータルの美味さの奔流は口内に溢れる。菊芋葉もいい香り。
       

 Hawkesbury free range chicken cooked in Vin Jaune and cream, steamed brioche, egg yolk confit, Alba truffle 
 クリームをまとった鶏煮、で、これだけ純真な風味はマレだろう。鶏自体が、滅茶苦茶良いが(笑)。
 シットリしていて味の爆弾。エッグヨーク・ブリオッシュの合いの手も素晴しい。トリュフは適切量。

 Poached Rangers Valley beef, bitter chocolate black pudding, morel, ezekiel crumbs, shaved mushrooms
 ビーフのポーチでこれがありうるのか!、と驚くへべ。ポコッと鶏卵大の黒い塊りが現れるだけ、だが、いただき始めると、ボリューム以上に、本日の締め…の存在感を遺憾なく発揮する。
 チョコ・ブーダンをブフ・ポシェに、かあ。この、ブラックプリンが抜群のまとめ役だ。
 敷いてるブレット?も美味かった。

 キーの品書は、字面だけ眺めてると「どうなんかなあコレ…」ってのが多少あるが、現物と対面してみると、「ちゃんとみんな計算してるからね、ハッハッハ」と言われてるよう…である(笑)。

 
 ココのマタロもよろし。
 ワインペアリングコースは2トラックあるのだが、「クラシック・ワイン・マッチ」は、豪州ワイン中心のセレクションで、多分、セレブな「プレミアム・マッチ」(欧州著名ワイン中心)より良いんじゃないかなあ。

 Andalucia citrus and almonds

 White nectarine snow egg
 
 アンダルシアと雪卵でまた、ピーターホワイト(笑)に還り白色を愛でる。

 雪卵のヒンヤリが夏のシドニーの熱を払う。

 ここ「Quay」は甘味が名高く、「デザートが!」と強調するヒトもいるようだ。たしかにこの2品は傑作。
 ただ、シドニー全体を回った印象だと、この町の連中は甘いモノ好きなのか、ほぼどのガストロも、デザートは非常に強い。上手。
 そういう意味では、「Quay」では、料理の方がインパクトあって記憶に残った…という気はする。
 
    
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  RAW  ロー
  
No.301, Le Qun 3rd Road, Taipei City, Taiwan  +886-2-8501-5800 www.raw.com.tw
11:30~14:30/18:00~21:30 月・火昼・日夜休

・ シンガポール「アンドレ」が台北に展開するレストラン
  → 2015台北旅行記はこちら

2015年 3月 ☆☆☆

 *Toasted Cauliflower / Chicken Masala / Cous Cous
  焦花椰 / 馬莎拉 / 白花小米
 +13 Pouilly-Fume les boucanes / Henry Pelle
 *Rose Champagne / Tomatoes / Ohba Sansho
  粉紅香檳 / 番茄 / 山椒紫蘇
 *Perfect Egg / Praline / Wild Veg
  蛋 / 堅果 / 野菜
 +11 Savennieres Schistes Chenin Blanc / Pithon Paille
 *Cappellini / Sakura Ebi / CCC
  細麵 / 櫻花蝦 / 香草
 *Clam / Corn / Kelp Jus
  蛤 / 玉米 / 海藻
 *Burnt Cabbage / Cod / Soubise
  甘藍 / 鱈 / 洋葱
 +13 Le Plaisir rouge / Mas Amiel
 *Mushroom Salad / Pork / Chinese Olive
  菇 / 猪 / 破布子
 *Strawberry / Pink Guava / Roast Apple
  草苺 / 紅心芭樂 / 蘋
 +Rose D'Anjou Domaine de Montgilet Victor & Vincent Lebreton

[AQ!]
 今やアジアを代表するシェフの一人、アンドレ・チャンだが、シンガポールを本拠に展開する彼は、実は台湾のヒトである。
 2014年、そのアンドレが台湾に店を出す…とあって、台北は大熱狂。
 その真っ只中にお邪魔する。

 捷運劍南路站…は駅を降りるとギョッとする(笑)。
 ピカピカっ、ドンとモダンなピルが建ち、ん、“お台場”みたいな感じ?(^^;)
 で、見上げれば観覧車…あの松山機場から見える観覧車が立っている。…ああ、あの、アソコがココか!
 ミラマーホテルを行き過ぎて、RAWまで徒歩10分くらい。

[へべ]
 空港から見えた丸頭ツインタワーや観覧車が目の前に!
 カラフルに色変わりするライトの彩る遊歩道を若いカップルがそぞろ歩く…行ってみたら剣南路はお台場だった。
 夜の街、BGMはサックスが奏でる「また逢う日まで~♪」のメロディ。
 ↑ところでこのSax奏者はかなりうまかった。あと、台湾のヒトは(多分)サックス好き! MAJIで専門店があったくらい。
 観覧車の少し先までぶらぶら歩くと、高級オーディオのショウルーム?と一瞬思うようなバーンとガラス張りの大空間が。
 ガラスに小さく店名が書かれている。

[AQ!]
 旗艦「Andre」よりずっとカジュアルラインの設定だが、同時にクールでモダンな作りになっており、店の前に着くと「高級車のショールームでっか?」という見た目。

 巨大な扉を開けて入店すると、ニコニコと可愛らしい眼鏡少女に
「イシイさんですね?」
 と迎えられる。
「ワタシが、、、」
 …おー、彼女がすっとメールでやり取りしていたK嬢でありました。

 広々としたスペース(贅沢。さすが英雄凱旋(笑)でよい条件で遇されてるのか)に50席程度。
 巨大な木のオブジェ(これは事前に写真で見ていたけど)の巨大な存在感、それとコントラストの設計のよい照明で、直方体の空間をリズミックに成立させている。

 テーブルセッティングは、クロス無し・カトラリーは引き出しから・フェルト皿敷き…とモダン・ノルディック・スタンダード調、テイストも北欧っぽい。

 おまかせ1コース。ワインも「ペアリングコースあります」とのことでそちら。
 ワインの説明(味わいの紹介・産地・品種)はたいへんシッカリしているK嬢、さすがはケンさんのお弟子さん♪

 ***

焦花椰 / 馬莎拉 / 白花小米
 素敵なオツマミ、チキンカレーにカリフラワークスクス。鶏皮がパリパリ。

粉紅香檳 / 番茄 / 山椒紫蘇
 色とりどりのトマトと胡瓜・ナスタチウムの木蔭にはマクローが隠れている。

蛋 / 堅果 / 野菜
 山蘇・豆蔓・ヘーゼルにトロトロ玉子を乗せ、ハーブ園を添えた一品が最初の感心。
 花付きチビ胡瓜はじめ様々なハーブを木の枝の冠に挿した「農園」からは、好きにハーブをちぎって玉子に散らして食する。アトラクティブなプレゼンは流行中であるけど、このやり方は実効性を伴っていて「丁度イイ」印象。
「オオタニワタリ(山蘇)に此処で会えるとわっ!」
 …は、勿論たいへん嬉しいアンサンブルで、食材王国台湾らしく「地元食材やったるで〜」だね!
 オオタニワタリ自体も、中華を離れて食べてみるとまた一層、食材としての優秀性がよくわかる、ぶっちゃけ美味い。

細麵 / 櫻花蝦 / 香草
 茸のお茶と桜海老カッペリーニ。これはお茶をかけたりせず、交互に賞味する趣向。
「桜海老パスタ」は品書きとして眺めるとアジアのモダンイノヴェイティブにとっては「危険な」臭いがする…ま、例えばシンガポールのLes Amisなんかではまんまと「陥っていた」ところの…下手すると「なんだ居酒屋か」みたいになっちまいやすい角度の料理なのだが、さてどうだ?
 んん、美味い!
 あ、こりゃあ上手だ。
 ポイントを押さえていて、ノーブル。桜海老が、「臭い」じゃなくて「匂い」「香り」になってる。茸茶との相性も良い。
 そして、ここまでもそうだが、アセゾネが台湾なのねー。ま、単純に言ってしまうと薄味の美味味、ってか、ね。それが活きてるし主張してるのが素晴らしい。

蛤 / 玉米 / 海藻
 コーン蛤ケルプなんかは若々しい溌剌味。

 ***

 客席もフロアも厨房も、台湾の元気な若者で一杯だ。
 料理も、味の決まり具合について「口の中でホップする」「ジャンプした」「ギャロップする」…みたいな形容が浮かぶポイントがとても多くて、いい意味で若い躍動感を感じる。かつ、味の面での変な気取りは少なくて、基本的に素直な美味しさで着地している。


甘藍 / 鱈 / 洋葱
 続く「バーントキャベジ」も聞くからに溌剌、実際、焦げキャベツと鱈の響き合いが楽しい。
 “小玉ねぎ上向き時代”配置に、ほんのすこし醤油の香り。

 ***

 Burnt Endsの厨房にいた男の子がこっちに回ってて、
「シンガポールにいらしてましたよね!?」
 って挨拶してくれたのも素敵だった。

 ***

 店のコンセプト作りに、アンドレと彼のチームの賢さが際立つ。最強のガストロバル…って感じですかね~♪
 興味津々の台北の若者の席を2つもらっちゃって申し訳ない…ってくらい、開明的。…だけど、俺らもと~っても楽しい!

菇 / 猪 / 破布子
 〆は、「台北のアッチの方」の自慢の豚、焦がしケール、茸・オイルに破布子!
 この一品が斜め45度上を行く系の傑物。最近の多皿構成の工夫された主菜…というジャンルの中で印象に強く残りそう。多皿のフィナーレを大きく締めるのに成功!
 パーツ毎とトータルと、とってもよく出来てて、すこぶる美味い。
 豚と酸の交錯具合は中国的でもあって、それもイイ。
 パーツの話に帰ると、どれもイイんだけど、日本のシェフに食べさせたらひょっとして悔しがりそうやな…って感じがしたのは、茸。西洋料理ガルニに使い易い頃合で、旨味が濃い。
 破布子はジャンルを越えて活躍できる子だろう、と思ってましたよ(笑)。

鳳梨酥
 プレデセールは、台湾銘品「パイナップルケーキ」もちゃんと出してくれるぜい。フローズン。

草苺 / 紅心芭樂 / 蘋
 草苺にグアバ・リンゴ、季節。

 サルと厨房の間にシェフズテーブルがどんと取られてて、越えて入る厨房も広大、若者潤沢。
 それが台湾&台湾国家的英雄、って感じだ。
 トーゼン、ピッカピカ。
 見た目が初々しいシェフ、黃以倫。このヒト、角度によっては小林寛司シェフそっくりさん…(^^;)?

「タクシーは? え、要らないの?」
「だって歩くの、楽しいじゃ~ん」
「そうだけど、MRTで来たの? わ~」
 という訳で、タクって来る客が多いみたいだけど、すきっぷらんらんらん♪…と帰る。
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  Rockpool  ロックプール
  
11 Bridge St, Sydney NSW 2000 +61 2 9252 1888 www.rockpool.com
総料理長: Neil Perry

・ モダンオーストラリアンキュイジーヌの旗手 (1995)
 このシドニーの「オン・ジョージ」店が本店格になるが、ニール・ペリーのロックプール・グループは2013年現在、シドニー・メルボルン・アデレードに7店舗を展開している。

 「107 George St」で「Rockpool on George」を店名としていたが、上記に移転して「Rockpool est. 1989」という名に変わった。電話番号はそのまま。 (2013)

 「Rockpool Est. 1989」を閉店、同所で「Rockpool ELEVEN BRIDGE」を開店。 (2016)

  → 2013シドニー旅行記はこちら

1995年 5月 ☆☆

 *蟹入りラビオリ筋ハム乗せ
 *Smoked Oyster Salad, sweet Peanuts oil sauce, ハーブたくさん, 白黒キクラゲ, クワイ
 *Chinese Roast Pigeon 皮パリパリ、チンゲン菜炒め、パイ台
 *Roasted Illbo Lamb ガーリックピュレ、トマトソテ、ポテトグラタン
 *White Chocolate & Caramel Mousse
 *Clotted Cream & ベニエ、ザクロ洋梨コンポート
 +92 Rockpool CabernetMerlot

[AQ!]
 ヌーベルオーストラリアン。

[へべ]
 Sydney です。全体にヴィヴァロア(Paris)のような軽い内装(特に椅子)の店が多く、人々の服装もカジュアルなのがこの国らしい(のかしら)。
RP1 ラビオリは本日のスペシャル、の冒頭で紹介の一品。なんかわかんないどよよんとした茶色い汁に浸ってて、この汁がまたおいしい。カニの香りが立ってて、上のハム的肉が味を添えてて、とてもおいしい一皿でした。ちなみにスペシャルにはまだまだ先があった(らしい)のですが、ここですっかり気を取られてしまって右から左でした。

 この店は素材自慢らしく、メニュー開いて1ページ目に素材の仕入先列挙が載っていました。鳩、羊、野菜、あと何だったか。素材自慢に惹かれて頼んだ Illabo Lamb も  もおいしかった。のですが、それをしのぐ美味しい野菜たち。ハーブたくさんサラダ、は、すばらしい。あと、ジャガイモが妙においしい。塩もおいしい。燻製牡蛎、は、軽燻製の多い昨今珍しいくらいの強いスモークでおもしろかった。あぁ、市場で生ガキも食べればよかったと今頃後悔。(^_^;)
 ちなみにここはワインリスト自慢でもあったようです。さぞや自慢の、という版面ながら、オーストラリアとあってピンとこなかった予習不足の私達。(^o^;)おすすめのカベルネメルローはハウスワインですがしっかりした、ほどのよい選択でした。
 食後のエスプレッソはたいへん short!。

[AQ!]
 全体的に婿食席料李...なんだこの変換...無国籍料理色の強いシドニーでしたが、とくにこのRockpoolのメニューは、フランス・イタリア・東南アジア・中国・インドごちゃまぜ。頼んだ四品も国際色豊かなものでしたが、それ以上に統一力があって、まとまった皿々でしたな。生産者の名前が記された素材たちは素晴らしいが、中でも緑色野菜とハーブ類が、とてもヴィヴィッド。

2013年 1月 ☆☆

 *Canapé
 *Queensland spanner crab, broccoli and Jerusalem artichoke
 *New season asparagus, Sichuan silken tofu, chestnut mushrooms and honey vinegar
 *Butter poached calamari with broad beans, oats, bone marrow and ham
 *Tasmanian lobster, scrambled eggs, lobster essence, shaved kombu and seaweed
 *One thousand layer pork with chicken parfait tartlet
 *Spring vegetables selected by Nina Kalina, braised in a jasmine and turmeric sauce
 *Chinese roast pigeon with king prawn, smoked eggplant, black mushroom and cucumber pickle with XO Sauce
 *Passionfruit soufflé, passionfruit ice cream
 *Milk chocolate and saffron terrine, hazelnut praline, poached pear and cocoa nib ice cream
 +08 Bloodwood Orange, N.S.W. Shiraz

[へべ]
 サーキュラー・キー、現美ウラの奥行と立体感のある店内 (前回の記憶がない…上の階だった?)
 パリッとした客、サービスも。

 メニューを読むと、案外、中華。2つ帽(SMH)は頷ける。メニュー第一頁の食材讃は今も変わらず。
「豊かな食材とアジア圏の近さ」
 前回シドニーに感じた環太平洋感の中心を担っていたのはやはりロックプール/ニールペリーの印象だったか。

 皿によって当たり外れ、自分の好みとの遠近はあるが、いい皿はいい。
 甘め/酸/甘ずっぱ味、がわりと多い。アジア味のキッチュ感をファインダイニングの卓上に載せる。食べていて何となく楽しい。気分がいい。

 Queensland spanner crab, broccoli and Jerusalem artichoke
 グラスの中のカニカナッペ:クリームがおフランスにならず、ねぎとサクサク食感をアジアンテイスト。笑っちゃうけど結構うましし交換もてる。

 New season asparagus, Sichuan silken tofu, chestnut mushrooms and honey vinegar
 豆腐アスパラ:"new season asparagus"の文字があちこちでメニューに躍る。皿に香り立つ。西洋仕立てならフランかババロア・ムースのありそうな位置に、豆腐。赤いソースはあまり辛くない抑えた味。甘ずっぱ煮(キノコ?)少々。アスパラはもうそのまんま生と茹で。アスパラヴィネグレットソース。いい季節皿。

[AQ!]
 アスパラ・絹豆腐は、ケムにまかれたような食い口だが、Rockpoolらしさが楽しくはあった。

 ***

 入店、ずっと傾斜のついた店内で奥が高い。2階もある。

 シドニーに来て初めて、水より先にシャンパンを聞かれた(笑)。

[へべ]
 Butter poached calamari with broad beans, oats, bone marrow and ham
 イカキッチュ:鴨スモーク、イカ墨、屋台テイスト。

 Tasmanian lobster, scrambled eggs, lobster essence, shaved kombu and seaweed
 ロブスターいり卵:そのまんま。海藻ちょいかたい。甘め。

[AQ!]
 ロブスター煎り玉子、はシロートでも出来そう(笑)な、どうでもいい感じ。

 One thousand layer pork with chicken parfait tartlet
 豚の一品は、チキンレバーが支配的、全体はフツーだがまとまっている。“甘酢っぽい”味決めは、多い。

[へべ]
 豚ミルフィーユ鶏レバーパルフェ:レバーパルフェの量が圧倒的に多い。上下のパイが固いので中身が全部出る。

 Chinese roast pigeon with king prawn, smoked eggplant, black mushroom and cucumber pickle with XO Sauce
 鳩(旨い!)の中華揚げとなんだかんだサラダ

[AQ!]
 プラはうってかわって、どちらもかなり満足度が高い。
 ニールの「中華好き」も、鳩では極めて光る。“たまに赤唐辛子”も結構なり。そういえば、烏賊にちょっとだけ入ってる青唐辛子は辛かった。“ケムリ臭い”のはそもそも好きそうだなあ。
 肉のナイフはThiersの上モノで、カトラリーが粗末(笑)なシドニーでは珍しく感じる。

 Spring vegetables selected by Nina Kalina, braised in a jasmine and turmeric sauce
 この季節の小さな根菜たちは、美味い。

[へべ]
 野菜セレクション:ミニ根菜(固め)(生も)うまい! 緑のかゆ風ベースもgood、いい皿。
 NSW、ヤラの泡。

 パンうまい。サワードウにバター。

 Passionfruit soufflé, passionfruit ice cream
 パッションフルーツのスフレ(good!)とアイス

 Milk chocolate and saffron terrine, hazelnut praline, poached pear and cocoa nib ice cream
 チョコ64%カカオ(ヴァローナ3択)

 パティシエ、いい仕事してる。

[AQ!]
 Valrhonaは、48.64.70%から64%をチョイス。キチっと膨らんだスフレとともに、デセールは抜かり無し。

 Bloodwoodはデカンタ、いい意味でとてもインキ臭い、美味。こちらで、より、ステーキハウスとかで飲みたい感じ、でもある(笑)。
 ディジェスティフもゆっくり。翌日の日記に「Tawnyとセミヨン」とだけあったが、もう忘れ(笑)。

[へべ]
 シラーズ08、めちゃ旨い。
 トイレへの通路にSMHその他のアワードのプレートがずらり。

[AQ!]
 量はわりと冷静。土地柄、TPOに合ってる、感じ。
 プリフィックス型で、2・3・4皿組みを選べるが、食欲の薄い時などは、此処の「3(2)皿」コースはいいかも。

 全卓平均1回転以上しそうな大繁盛。
 トイレ通路には、グルメトラベラー・SMH・サンペリの表彰状が並び、この店の歴史を訴えている。我々の前回訪問時、1995の表彰状もあった。
 現店シェフらしき…は、配膳台の客側に陣取り、サービス陣に直接指示するような采配。やはりクラッピング・ハンド(サービスへの合図が「パンパンッ!」と音高い拍手…というのが、シドニーではとても多かった)。

 18年ぶりのRockpool、「楽しかった!」のが前回同様。変わらぬゲンキさが嬉しい。
 まあ、ワールドハイエンドなガストロの緊張感のエッジ…とは多少の距離のある所に来てると思うが、そのかわりの余裕ある豊潤な時間、都市のアッパーなさんざめき、楽しい最終日となりました。
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  SINASERA24  シナセラ24
  
台東縣長濱鄉南竹湖 26-3 號 089-832558 sinaseraresort.com

・ 玉里のリゾートで、アミ族xフランス料理
  → 2024台湾旅行記はこちら  

Sinasera24 2024年 5月 ☆

 *Taiwan Ebony / Mexican Mint
 *Wild caught fish / Sumac / Annatto
 *Donghe Vanilla Bean / Bamboo Shoot
 *Eel / Wild Tomato / Betle leaf pepper
 *Somen / Wild Greens / Sea Urchin
 *Whiteleg shrimp / Wild Vegetable Pesto
 *Potato / Bouillabaisse / Goat Cheese
 *Quail / Onion / Brown Sugar
 *Venison / Mulberry / Fig Leaf
 *Sourdough / Shuto
 *Camellia Oil / Smoked Coconut Butter
 *Bitter Gourd / Pomelo Flowers / Candied White Gourd
 *Cnataloupe / Honey / Beeswax
 *Assorted Chocolate

Sinasera24

 +Champagne BdB Extra Brut / Pierre Peters
 +生酛系「古代」 塩川酒造
 +21 Matassa VdF blanc Cuvee Alexandria
 +地瓜酒 繁曙
 +13 Kanonkop Pinotage
 +紅烏龍

Sinasera24
[AQ!]
Sinasera24 Sinasera24 Sinasera24 Sinasera24 Sinasera24 Sinasera24 Sinasera24 Sinasera24 Sinasera24 Sinasera24
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  Sühring  
  
No.10, Yen Akat Soi 3, Chongnonsi, Yannawa10120 Bangkok +66 (0) 2287 1799 www.restaurantsuhring.com
mon - sun: 5:30 pm - 9:30 pm
料理長: Thomas and Mathias Sühring
・ バンコクのモダンドイツ料理
  → 2017バンコク旅行記はこちら

Suhring 2017年12月 ☆


[AQ!]
 まあ行ってみるか。行かないのも気になるしな。
 …と、人間とは困った、か弱いモノ、である(^^;)。
 モダンドイツ料理Suhring、最近のアジア内ランキング・クライマー、多分に色々と透けて見えるのではあるが「話題の一軒」である。2016年開業。
 だけど予約の方は低難度かな、すんなり取れる。
Suhring
 さて、場所が、思いっ切りチンプンカンプンである。
 ま、所詮コチラはバンコク初心旅行者だからさあ…ではあるのだが、これまで行った市内の店では断トツに「見当つかん」位置である。
 「駅」からは遥か遠い。知ってる場所の中ではクロントーイ市場なんかの方面だけど、それ、参考にならん。「目印」類にも乏しい感じ。住宅地?なんかなあ。
 まあタクシーだろうなあ。タイ語の住所とか、地図とかのプリントアウトを用意した。
Suhring
 ホテルのオネーサンにタクシーを頼む。
「何処行くの?」
「コレ」
 と見せると、オネーサン、目の前のPCを叩いてフフンと頷くと電話をかけ始めた。
 やって来たタクシーの運転手氏には行き先が伝わっていた。
 やるなあ、オネーサン。上の下というか中の上くらいのホテルだけど、やるもんだ。

 スススイとタクシーは、上級とも下級ともつかない街並を走る。
 ごちゃっとした区画に入り路地を曲がる、、、が、「?」という顔付きでUターン。道を戻ってその辺のヒトに聞いて、またさっきの路地に入った。
 あと少しだけ進めば正着だったのね(笑)。ともかく無事、着いた。
 やっぱ、わかりにくいんだ。この行程、20分くらいかけて着いたのだが、帰りに店が呼んだタクシーでAsokに帰るのは5分くらいで行けた。時間帯や渋滞の差もあろうが、土地の知識がいる場所なんだべ。
Suhring
 まあタイは人件費が安いのだが、駐車場キーパー・ドアマンみたいな人がうじゃうじゃ待ち受けている。
 こちらへどうぞと案内されるコロニアル別荘風の洒落た作り、ライティングされたお庭の緑、素敵ステキ素敵! 「これだけで今日来た甲斐がありました」という言葉があるが、言葉通りとなった(笑)。

 まあそういう訳で「色んな困難」を見込んで早く出発したところが、所要時間的には「スンナリ」着いてしまったので、予約時間の1時間前である。今晩はキッチンテーブルだしどうかなあ…と思ったのだが、ザザザと帳面を繰ったあとインカムで連絡したオネーサン、「もう大丈夫デスヨ、どぞどぞ」
 この店は、ダイニング・ガーデン・キッチン・リビングの4種に席を分けて予約を取っている。
 キッチンテーブルは、店の奥へ進んで(どういう作りなのか)半地下っぽく下がったところにある。かぶりつきのカウンターにつく。

 炎が上がり、大勢の厨房スタッフが高麗鼠のように回転している。眼福♪
 …後で思えば、ちょうど「1回転目の客の料理ピークタイム」くらいだったんだろう。
 薪火はエチェバリ型昇降台だ…というのをはじめ、「流行り」の機材が揃っている。
 そしてこの店のメルクマール、「禿の双子シェフ」もお揃いだ。Thomas and Mathias Sühring。コックコートは一人が白/一人が黒…スタッフが見分けつきやすいように?(笑)
Suhring
 コースはおまかせとそのショートトラック、ペアリング。
 で、「ドイツから取寄せたキャビア食わへん?」「アルバ産白トリュフ削らん?」「通常**バーツで出してるグランヴァンも入ってるプレミアペアリングもあるんやけど?」…とオプションの山、あーハイハイけっこーれす。
Suhring
 アミューズ船団が5隻ほど。
 アイスバインや鰊のマリネなどが、こちら「ドイツ・モダン料理やど!」と訴えてくる。なかなかよく出来てまずまず美味しい。
 ただドイツ料理って、大雑把なんがドカンと出てこそドイツ…ってとこがあって、チンマリだとフランス料理だかなんだかわからん…ってこともありまんな(^^;)。
 その辺も含めてドイツ、というか。スペイン・イタリアのミシュラン星付店はスペイン料理・イタリア料理だけど、ドイツ・英国のミシュラン星付店はフランス料理、という欧州色分け区分的な、ね~。

 鹿児島産和牛のタルタルとローストビーフ…あーハイハイ…に、「せめて一匙、ドイツ産キャビアを乗せないかね?」と押してきた。ま、挨拶か…といただく。ま、キャビア一緒設計らしく、キャビア無しより多少は美味しい。
 かんけーないけど、此処にアルバ産をかけたら、日独伊三国同盟やね♪

 次に「パンの段」があるのは、北ヨーロッパらしい。ハム(ドイツなのになあ…的残念さ)やパテなどがお供。パンは、エチェバリスタンドで多少炙られてから切られるのだが、これは美味。
Suhring
 鱈のクリームスープに、クルトン・香草ミックスをかけていただく。(不評)
 玉子と青菜。…これは白トリュフ様の「台」としての設計みたいで、我々のような白トリュフお断り組(結構いるのだが)はなんで食べてんだかようわからん代物。(不評)

 肉のナイフはNesmukの物で、柄のデザインをチョイス。

 ハンガリー産鴨は藁包み焼を見せに来る。まあ見せにくるのはディスプレイ用で持ち回りみたいだが。藁包み焼のわりに、休ませ方の問題か、肉はシンネリしてマァマァくらい。腿の餃子スープや、ガルニはけっこう旨い。
Suhring
 デザートは美味しい♪
 エッグノック関係とか、「秘伝のSühring家手帖」みたいのを見せてくれる。
 えーと、デザートとパンはなかなか「!」だ。双子の分業はよくわからないのだが、もし「料理人/パティシエ」の分かれ方をしてるとすると、パティシエの方(そうなら多分「白」の方)は才能あるような気がする。

 全体を見れば、とくにミス・落ち度はなく、まずまず美味しい。よくやっている。
 とくに「最近の世界の、モダンでイノベイティブでトレンディなファインダイニング」はよく研究しているようで、あれもやってます・これもやってます…って感じ。(ワインのチョイスも含め)
 おそらくまだまだ、コスモポリタニズムな町ながら、都市規模に対して西洋料理のバリエーションに乏しいだろうバンコクでオオウケするのはよくわかった。
 値段は馬鹿高く、更にオプションで倍増も出来るのだが、これも、おそらくは「金の使いどころに困っている」富裕層が急増しているバンコクにはぴったしカンカンだろう。
 まあ、結構なことだ。
 …と、感想が多少所在無げになってしまうのは、正直には、コレといったドカンとくる美味しさやオリジナリティは無かったから…ってことにはなるのかなあ、ソレがあると態度がジャガーチェンジするからなあ、ウチ。ヽ(^~^;)ノ モンペリエを思うと、禿の双子との巡り合せが悪いんやろか(^^;)。
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  ta vie  旅
  
2/F, The Pottinger, 74Queen’s Road Central, Central, Hong Kong (852) 2668-6488 tavie.com.hk

・ 香港のモダン・イノベイティブ店
  → 2019香港旅行記はこちら

ta vie 2019年10月 ☆☆☆

 [Tasting menu featuring Asian Ingredients]
 *Kegani crab / cucumber/ shiso
 *Marinated sardine, smoked Oscietra caviar, potato confit
 *House made pasta with "Aonori" seaweed sauce topped with Hokkaido 'Bafun' uni
 *Simmered 'Aka' Abalone from 房総半島 cooked with 20 years aged Shaoxing wine and Kombu
 *'Head to fin, scales to bone' Pan scared 'Kinme-dai' with crispy scales Acqua Pazza sauce
 *Grilled French milk-fed veal with fresh wild Yunnan porcini mushroom egg yolk confit
 *Shine muscat ball Shine muscat / Aloe vera / shiso flower
 *"Les Feuilles Mortes" fresh chestnuts Mont-Blanc with Pu'er tea ice cream
 +山梨産ゴールデンピーチのベリーニ
 +18 Azumino Sauvignon Blanc / Azumino Winery
 +17 Chardonnay Tasya's Reserve / Grace Vineyard
 +Granmonte Heritage Syrah

ta vie
[AQ!]
 佐藤英明シェフ、「エルミタージュ ドゥ タムラ」~「龍吟」から「天空龍吟」のオープニングシェフ、そして2015年に「Ta Vie 旅」を開店する。
 ボクらは、龍吟のパーティーでお目にかかったのがお初であったのだが、ようやく伺える機会を得た。
 …のはイイ、のだが、困ったものなのが、現今の香港の状況。
 聞いた話でも、「福臨門に行ったんだが他に客がいなかった」とか「Amberはスタッフにヒマを出し始めたらしい」とか、そらまー不景気な話が山積みである。
 たいそう心配である、のだが、ボクらが心配しても、何も変わる訳じゃなく、屁の足しにもならない(^^;)。「ta vie」には予定通り伺う。

 「パリのA.T.はトゥールダルジャンの斜め前」だが、「ta vieは陸羽茶室の斜め前」…と唱えていれば、着く(^^;)。
 ホテル「ザ ポッティンジャー」の中にあるので、ホテルエントランスから入る。(ホテル直営店ではない) エレベータで2/F。
 落ち着いてクール、少しコロニアル。黒・白・緑。
 平日だし先週末がイベントだったので、基本は静かなのだが、奥の席はずいぶん楽しそうにさんざめいている。
ta vie
 佐藤シェフに動乱見舞い…じゃない(^^;)っつの、ご挨拶。
 こちらのギョーカイの悩みは深刻なようだが。
 山梨産ゴールデンピーチのベリーニで、来られたことに乾杯♪
 「ta vie」では、使用食材の7割程度が日本産だそう。

 卓上にトランプカード状のインストラクション、パンとバターの説明だ。
 バターは毎朝仕込むホームメイドで、少なくとも24h内に使い切ってしまう。
 パンもホームメイド、糠漬けの糠を使い、麦は北海道産「キタノカオリ」。

Kegani crab / cucumber/ shiso
 スパっと前菜から始まる。
 「胡瓜丸かじりのイメージ」というひと皿。「10月だけどまだ(こちらは)暑いですから」
 この胡瓜に、ハート掴まれる。いいなあ、コレ♪
 もろに胡瓜そのものであって、胡瓜の美味さに溢れている。
 毛蟹も紫蘇も、こう言っちゃナンだが、「胡瓜のお膳立て」と言いたいくらい献身的だ。
 キュウリがウマイ、ってのが、脳に沁みてくる。(コースの)ツカミはばっちし♪
ta vie
Marinated sardine, smoked Oscietra caviar, potato confit
 はっはっは、鰯の握りですね♪…な、プレゼンアピール、か?(笑)
 ローカルのオーガニックポテト。このじゃがいもがしっかり量ある良さ、が、よく出ている…というか、トータルバランスの良さで美味。

House made pasta with "Aonori" seaweed sauce topped with Hokkaido "Bafun" uni
 根室産馬糞雲丹
 こちらの“スペシャリテ”格のひと皿、らしい。たしかに『みんなが好きなあのアレ!』感に満ちている組合せ。
ta vie
Simmered “Aka” Abalone from 房総半島 cooked with 20 years aged Shaoxing wine and Kombu
 鮑!
 シンプルでピュアで、豊かで深々とした、The鮑!
 ちょっと不思議なのが、かなりシンプルなのだが「日中合作感」的な食味を感じるあたり…。と言ってたら、シェフは、
「鮑に於ける、干しvs.フレッシュ…みたいな論戦に終止符を打つべく…みたいなテーマで(笑)」
 と。
 圧力釜を駆使した加熱であるらしい。調味料は、20年物の紹興酒と、手柄山純米本みりん延寿。

 実は「ta vie」の鮑には「あわびのシヴェ」というスペシャリテがあり、それは龍吟でいただいていた。
 どの店でもそうだが、「スペシャリテの扱い」は嬉しくも悩ましい「問題」である。…とシェフも言う。
 此処みたいな世界的なイノベーティブ店だと、余計にそうだろう。
「同じ常連さんでも、『また同じのか?』と仰る方も、『期待して来たのに出ないのか?』『出ると思って客を連れてきたのに出さないのか?』と仰る方も、いますからねえ…」
 明確な答えのない問題、だ。
 今日は、雲丹はスペシャリテ・鮑は新作、にて。
ta vie
 ワインは、緩いペアリング…というか、合いそうなグラスをちょびちょび出していただいた。
 ここでは、Grace VineyardのChardonnay Tasya's Reserve。
 これが不思議ぃなことに、中国茶が香る。うーむ♪
 山西省の家族経営Grace Vineyardは、ジャンシスロビンソンが中国で最も評価している生産者の一つであるらしい。

"Head to fin, scales to bone" Pan scared “Kinme-dai” with crispy scales Acqua Pazza sauce
 Head to fin, scales to bone…いい言葉だなあ!
 アクアパッツァをイメージした、ぱっきりと旨味が出たソースでいただく。
ta vie
Grilled French milk-fed veal with fresh wild Yunnan porcini mushroom egg yolk confit
 ブルゴーニュ産仔牛
 堂々たる主菜は、乳呑み仔牛で、満足感高いフィナーレとなる。
 照りは、セージバターで(いい香り)。(征治バター…じゃありませんw)
ta vie 「何料理だかわかんない、って言われるんですが、わかんないですね(笑)。まあフランス料理なんですけど…」
 と、本人もどっちかに結論付けているのかいないのか、よくわかんないシェフの言葉だったけどw、モデルヌなフランス料理重力圏への着地、でしたか♪
 旅の料理です。

 中国内の食材は出来るだけ見に行くことにしている…そうなのだが、「雲南の茸はなかなか行けないんですよ、日にちがかかっちゃって。ウチ、原則週1休なんで…」
 ワインはタイのシラー。汎アジアに盛り上がるw。

 ふぅ。
 しっかし、このパンとバターも旨いよなあ。…と、実はいつもはトシのせいかパンは残してるワシらにしては綺麗にパンを食べていたら、
「もう一種類、パン、ありますけど如何?」
 とナイス提案が入り、パンおかわりの段♪
ta vie
Shine muscat ball Shine muscat / Aloe vera / shiso flower
 香港でも大人気のシャインマスカットで、甘味その1.
 実はシャインマスカットのデザートは難しいと思うです。シャインマスカット単体が美味しすぎて。
 そこのとこ、絶妙にバランスをとってシャインマスカットを御した…ナイスなデセール♪

"Les Feuilles Mortes" fresh chestnuts Mont-Blanc with Pu'er tea ice cream
 枯葉よ~♪ 中国の枯葉よ~♪
 桂林の栗がとっても美味。
ta vie
[へべ]
 今回、香港への「旅」のハイライトはこちら、龍吟一門の会でお会いした佐藤英明シェフのところへ。
 上質な食材を鮮やかに生かした料理。まるかじり感のある胡瓜…握りずしを思わせる鰯とじゃがいも…シンプルで奥深い鮑…堂々たる主菜から、デセールのシャインマスカット(絶品!)、そして栗へと、くっきりと心に残るコースの展開はさすが。
 マダムの温かくこまやかな接客も素晴らしく、初めての訪店でしたが、すっかりくつろいで料理もサービスも満喫させていただきました♪

[AQ!]
 墨痕鮮やか…な、骨太で記憶に残りやすいコース。
 順調なる料理の旅。
 誤解を恐れずに言えば、あまり日本人の方は見てないだろう、コスモポリタンなフーディーに対峙するレストランとして、店の旅も順調である。
 …とか、と、締めたいところであるが、話は戻って、行く手の暗雲は「(店にも客にも)いかんともしがたい」香港の動乱である。
 何とか、遠過ぎない未来の平和な着陸を望みたいものであるが…。
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  Tetsuya's テツヤズ
  
529 Kent Street Sydney Australia +61 2 9267 2900
Lunch Fri - Sat, dinner Tues - Sat

・ シドニーにあって現代のモダンキュイジーヌを牽引する和久田哲也氏のレストラン (1995)
 下記の1995年訪問時には、シドニー郊外Rozelleで文字どおりヒッソリと営業していたテツヤズですが、その後、中心部に移転しキャパシティも拡大したようです。上記のKent Streetがその新住所、の筈。 (2001)

  → 2013シドニー旅行記はこちら

1995年 5月 ☆☆

 *前菜盛り合わせ:紅茶トマトスープ、Blue Swimmer Cr^Aab on Sushi Rice、Quail軽燻製マリネ、Tartar of Tuna with Wasabi-date、NZ-Scanpi with Fried Veg.
 *Tasmanian Ocean Trout Confi with Shio-Kombu & Negi on Red Poivron and 深谷葱
 *Raveolli of Lobster(茶碗蒸し的)、海苔、緑海草、トビっ子、onワカメ オリーブオイルソース
 *Green Salad with various Herbs
 *ビーフ薄切り、椎茸、葱、鞘豆せんぎり、梅びしお的
 *鞘えんどう、チンゲン菜
 *ブラマンジェ、 3 種のペア・ナシのゼリー
 +Brocken Chardonnay
 +93 Chardonnay Show Reserve Upper Hunter River Valley / Rosemount
 +86 Cabernet Sauvignon / Wynns Coonawarra

TT1 [AQ!]
 昼。プリフィクスメニュー。「美味しんぼ」に出てきたワクタ氏のレストラン。

[へべ]
 紅茶トマトスープに嬉し恥ずかしご対面。おいしい。思った以上にトマトであり、紅茶でありました。ほんのひと口の器。Blue Swimmer Crab はふっくらと甘い身が美味。魚市場で見ましたが、生きてるときはほんっとに紫やら青やら派手ハデなんですね。前菜の皿で最も何気なかったけどおいしかったのがニュージーランドのスキャンピ。添えてある揚げた野菜がまた、いいです。
 そして圧巻、Tasmanian Ocean Trout。丸い皿に縦一文字、皮を上にした切り身。皮の表面にはびっしりと微塵にした塩昆布と青葱、側面は鮮やかな紅色。とろりと旨味をたっぷり含んだ分厚い切り身は、一瞬生かと思うくらいのごくごく軽い火の入り方です。これはすごかった。
 ここでテーブルが一旦、一段落します。明るい店内。ランチです。さすがに次はデセールか。それとも・・・と、半信半疑で固唾をのんでたら2組のナイフフォークが並びました。でもまだもしかしたら、と思ったのですが(^^;)、この後ラビオリが出てさらに肉が出た。オージーの食欲おそるべし。ラビオリの中身はほんとにロブスター茶碗蒸し状態。ふるふるです。ふるふる、といえばブラマンジェも。梨と洋梨づかいが面白い。

[AQ!]
 Tasmanian Ocean Troutは上手な塩の加え方、と思ったら、塩昆布刻みでしたねぇ。祇園の千花かぁ~っ。脂肪の甘味もすごい。
 どこの店でも、オリーブオイル系の油が多くて、まぁ、純フランス料理、などをうたっているところに行ってないせいもあるのかなぁ、バター・クリーム的どっしりがない分、
>オージーの食欲おそるべし
の量なのだが、その割には、苦しい目に合わずにいただけましたねぇ。

TT2 [へべ]
 Tetsuya'sでは、隣のテーブルの上品な老夫婦から「飲み残しですけど良かったらどうぞ」と、ワインを御馳走になりました。ここはBYOといってアルコール飲料は各自持参だったので、近くの店で白の1/2を買っていったのですが、コースの展開を読み違えて(^^;)、早々に飲み終えてしまってたので、ありがたくいただきました。奥さんがチャーミングな方でしたねぇ。
 この店はどこから入っていいかわからなくて閉口しました。(^^;) 店は角にあるのですが、角の戸口には「← Entrance」と左へ行け、との貼紙。で、そっちにはどう見ても勝手口としか思えないのっぺりした緑の戸(写真参照)がぴしゃりと閉まってて、鍵までかかってます。さて、どうしよう、とうろうろしてたらもう一人お客らしい(酒瓶抱えた)人物が登場。件の勝手口ノブをがしゃがしゃやって、やはり当惑顔でうろうろ。そうしたら、そこで戸が開いて招じ入れてもらえました。
 店内は明るい色調で、天窓があって、2階の客席は2パートに分れているのですがその間が橋でつながってたりして面白いつくりでした。

[AQ!]
 Bill&Lyris Hopesさん。
「今日は、44回目の結婚記念日なんだよ」
「ここはいいレストランでしょ、あなたたちはどーしてここなんか知ってるの」
「上手な英語じゃないか、日本人なのに」(…いえ、滅相も別荘もございません(^^;))
「このローズマウントのショーリザーブ、気に入ったかい。わたしたちも大好きなんだ」
「わたしの妹は、日本に詳しくてね。あれはなんだっけ、あ、そーそー、そのミンシュクとゆーものにも泊まったみたいだよ」
などなど。

2013年 1月 ☆☆

 *Chilled Pea Soup with Bitter Chocolate Mousse
 *Pacific Oysters with Ginger & Rice Wine Vinegar
 *Savoury Custard with Avruga
 *Salad of The Sea
 *New Zealand Scampi with Chicken Liver Parfait & Walnut Vinaigrette
 *Confit of Petuna Ocean Trout with Fennel Unpasteurised Ocean Trout Caviar
 *Veal Tenderloin with Shiitake Mushrooms & Veal Jus
 *Poached Spatchcock with Asparagus & Morels
 *Lamb Backstrap with Summer Vegetables & Sheep's Yoghurt
 *Pear Sorbet
 *Green Apple & Mint Ice Cream with Basil Jelly
 *Floating Island with Praline & Crème Anglaise
 *Petit Four
 +NV Champagne / Larmandier-Bernier
 +10 Pinot Noir / Sinapius
 +10 MR / Telmo Rodriguez

[AQ!]
 …という訳で(?)、18年ぶりのTetsuya'sである。
 いやあ、18年経って存続してる…ってだけでも凄いのに、世界の一線級を走り続けてきたのだから、恐れ入る。
 以前には、Rozelleという(未だに何処なのかはっきりしないような(^^;))エリアの民家…のような小店だったが、シティ中心部の旧「サントリー・レストラン」を買い取って栄転(笑)した、とは聞いていた。赴く。

[へべ]
 シティの旧判事邸? 通りから一段奥まったしっとりした建物に日本庭園。
「シドニーの迎賓館ってとこか?」とAQ!。
 郊外の貧相なハコの最先端料理店から「世界一予約のとれない店」を経て、迎賓館へ。
 しっかりとした落ち着きと(今や)オーセンティック感ははしばしに漂う。

[AQ!]
 いやいや、ケントストリートから一歩入ると、石灯篭…かよ(笑)。看板の無いのは…以前と同じ、別の意味(笑)だが。
 滝付き庭園(!)を挟んで直角に2サル。

 ちなみに、今回のテツヤズは「ま、取れたら、行こうか…」くらいの感じだったのだが、予約はアッサリと入った。「世界一予約困難」…と言われてた頃ほどの勢いでは、ないようだ。

 料理は、基本、「おまかせ」1コース。ワインは取り立ててペアリングのオススメは無く、ボトル注文の方が基本のようだ。
 そう言えば、以前のテツヤズはBYOオンリーで、来店してから「え、そうなの?」と近くの酒屋に走ったことを、思い出す(笑)。

 今や、シドニーを代表するファイン・ダイニングの一軒。
 豪州は、地勢上の位置がアジア寄りな上に、ニールペリーや和久田哲也氏が料理シーンを主導してきたので、ガストロに於いては、西洋料理に東南アジア・東アジアの食材・手法がミックスされている「方がフツー」(笑)くらいの勢い、日本でいうところの“無国籍料理”が「シドニー・クラシック」という空気すら、ある。
 そっちの方の意味で、テツヤズの、「和風」がスキップスキップらんらんらん♪…する料理をいただいていると、ホッ、と、する(笑)。
 QuayやBiotaみたいな、ネオ・ローカルやネオ・ナチュール色の強い料理の方が、ハッ、と、する、感じか(笑)。

 Chilled Pea Soup。青臭いほどの豆っぽさは、好き。ヒトにはよるか。チョコムースがもうちょっと混ざりやすいほうがいいけど。相性はイイ。
 牡蠣はオプション、今回まだ出てなかったので頼む。タスマニアのパシフィックオイスター。こういう所だと、シドニー・ロック・オイスターじゃ無いんだなあ。どことなく「土佐酢調」にて。
 アヴルーガのカスタードは醤油風味で。テツヤズに期待されてるもの…にお応えして、調(笑)。
 海のサラダは、サラダサラダとばかり言ってるから、後ろの葉陰にゴハンの一握りがあるのに気付くのが少し遅れてしまった(笑)。「Sushi」と書いといてほしかった(笑)。Rockpoolでは、同趣向料理のタイトルは「Chirashi Zushi」。この酢飯を崩して刺身と一緒に鮨にして食ったほうが美味いものが多い。海草類は、ストロング磯の香り。
 アスリートなニュージー・スカンピはチキンレバー・パルフェをソースでいただく、変わってるなあ…だがシドニーでは見るなあ。ウォルナット酢がよろしく「マークよりは美味しいわね(笑)」。

 グランクラシックのオーシャン・トラウトは、口上でも「我々の古くからのスペシャリテ」。昆布は、18年前の方が千花っぽかった? トラウトの質は極上。イクラは余計? フヌイユが良い。
 仔牛も質が良かったなあ。煮凝り風?のソース。
 スパッチコックもね。
 その後の羊がちょっと霞むくらい。羊は少し、食べ劣りがした?
 ここの肉、三種の並びが「まあ別にいいんだけど…」調ではある。あらためて今、調理法・アセゾネなど眺めると、工夫の痕は見られるんだけど、いただいていての変化…が演出されきってない感じ。
 「焼きはピンクで大丈夫か?」とか、日本人ケア多し。

 さて、ところで、ここからのデザートは、滅茶苦茶美味かった、コチラ。
 緑の冷菓は持ってきたニーチャンも「ボクモ・ダイスキ・デス」と言ってたよ(笑)。
 それぞれ、表記にある通りだけど、プティフールまで含めて、やめられない止まらない!
 なんか、シドニー・ガストロはデザートの質の高さが目についたのだが、こちらは白眉。

 北タスマニアのピノ、ウマ! ソムリエ・セレクション頁から。

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  Tippling Club  ティプリング・クラブ
  
8D Dempsey Rd, Singapore +65 6475 2217 www.tipplingclub.com

・ シンガポール、郊外の分子料理
  → 2013シンガポール旅行記はこちら

2013年 8月 ☆☆

 *AMUSE BOUCHE
 *KING FISH : yuzu sorbet, black radish.
 +BLOOMSBURY GARDEN : tanqueray 10 gin, bijofu yuzu, fresh coriander juice.
 *BACALAO : purple garlic, parsley root.
 +09 CHATEAU DE LA ROULERIE : anjou blanc les terrasses
 *BEETROOT : oxtail, hoseradish, sorrel juice.
 +08 EL CASTRO DE VALTUILLE : bierzo
 *PIGEON : celery, goats curd, preserved lemon.
 +08 BRUNDLMAYER : alte reben, gruner veltliner kamptal
 *TEXTURED MILK : wood sorrel, amaro.
 +APHRA BEHN MILK PUNCH : dark rum, english breakfast tea, citrus, milk.


[へべ]
 タクシーでデンプシーヒルへ。
 南国の緑がわさわさと茂る(ただし、手入れが良い)エリアに突如、広々とした敷地に幾棟かの平屋のバーベキューレストランやアンティークショップや何やかやが点在するオープンエア平屋個別棟ショッピングモールのようなところに出る。
 めざす8D棟(だっけ)は、一番奥のちょいエラそうな位置。

 カウンター席。
 実験室の試薬びん調スパイス入れ。
 酒ボトルは宙づり。
 仕込みトレイはプラ円盤形。

 5コース+ペアリングドリンク、で。

 エディションで使ってるタブレットおしぼり(シンガポール、数店で見た)に、ビーカーから注水。

 ***

 シャンパーニュ

 シンガポールカレー : ライスパフ、カレームース、カレーリーフ揚、ハーブ

[AQ!]
 昔のヨーグルトみたいな瓶入りの「シンガポールカレー」、ライスパフ。

 店内は、香辛料保存瓶・酒瓶の実用ディスプレイが、おもろ~♪

 赤パプリカのまっ黒天麩羅(笑)、つゆヌーべ。

[へべ]
 黒い衣の揚げパプリカ、ピンセットで。わさび醤油ヌーべ。

 トマト水:試験管に茶・緑(バジルオイル?)inストロー。

[AQ!]
 試験管のトマト水にストローのバジルを落とす。食べて美味く仕上がる。

KING FISH
 +BLOOMSBURY GARDEN


 「KING FISH」の表記の正体(笑)は、築地直送のハマチ。薄造りマーブル仕立てに海苔。
 ここに合わせる、ジン+美丈夫ゆず+コリアンダー+ミントのカクテルは、拍手モノ。

[へべ]
 ジン・コリアンダー・ミント!!
 ハマチ(築地)のカルパッチョ、蛙の葉っぱ(ナスタチウム)!
 黒大根、ルッコラ、のりチップ、甘ソルベ、緑ソース

BACALAO
 バカラオ、パースニップ緑?、ピンクガーリック(ブルターニュ)。上からトリュフ。



BEETROOT
 オックステール、モワル

[AQ!]
 ビートルート丸抜きに牛尾の時雨煮(笑)、豆蔓たくさん。ホースラディッシュ・ソレル。

PIGEON
 鳩にセロリがいい感じ。goats curd, preserved lemonもいい登場人物で、全体はもっと美味く出来そう。



TEXTURED MILK
 液体窒素デザートは、カウンターの目の前の作業なのが楽しい。これも楽しい不安定グラスのカクテルは、ラム・ミルク・ティー。

 エスプレッソ、よろし。

 ***

 「流行のモダン料理、やったるぞ~ゴルァ♪」って感じの店で、モレキュールな皿が多いかな。

 ガストロ・トップクラス…とかで考えると、味・香・哲学…など、“まあ大したもんやない…”と言えるのではあるが、みんな、元気で・面白く・感じが良く、て、いい訪問だった。
 部門部門の志気が高く、フレンドリーでもある。

 ペアリングする飲み物を、一工夫したものも出していて、美味いし好感がもてる。
 世界のレストランを見回しても、この部分は、2013年現在まだまだ追求する余地があると思われるところ。

 シンガポールのガストロシーン、今回の訪問を眺めると、別格のアンドレは置いとくとして、やや中途半端な感…?も否めないイギー・レザミに比べると、ティプリングクラブのエンタテインメント性は「スカッと割り切れてて気持ちイイ」みたいなことは感じた。
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  2am:dessert-bar  
  
21a Lorong Liput Holland Village Singapore  Tel: 6291 9727 www.2amdessertbar.com
mon - sat: 6pm - 2am sun: closed
料理長: Janice Wong
・ シンガポールのデザートバー
  → 2013シンガポール旅行記はこちら

2013年 8月 ☆☆

 *Kayambe H20
  72% Michel Cluizel chocolate, Evian
 +10 Finca Constancia Petit Verdot and Syrah
 *Basil White Chocolate
  Seagrapes, passionfruit fluff, pastilles, coconut sorbet
 +Anakena SV Late Harest, Rapel Valley, Chile


[AQ!]
 「Burnt Ends」の後、しばしフラフラと散策…そして、「2am dessertbar」へ向かう。
 洒落たエリア、ホーランドヴィレッジにあるデザート・バーで、ちょっと“隠れ家”っぽい作り。

 2階に上がって、メインの座席は“巨大ソファ”で、そこへ靴を脱いで上がり、ダランと(^^;)寛いで甘味をいただく。
 トドの昼寝みたいな客が並ぶ情景は、フランクフルト「シルク・ベッド・レストラン」を思い出す(笑)。

 此処は、サンペリ・アジア50で「ASIA'S BEST PASTRY CHEF」に選ばれたJanice Wong(キャリアは、ケラー・アケッツ・バラゲ・エルメなど)の店。
 さすがに切れ味鋭く、充実のデザートだ。全ての品にペアリング・ワインが提案されているが、このチョイスがまた見事。

 チョコ+エヴィアンは大変にGood! ミシェル・クリュイゼルを満喫させる。
 Seagrapes…は、その通り…海ブドウで、面白い食感。パッションフルーツのウエハース(?)は強烈。

 シェフは可愛いけど、シゴトっぷりは厳しそう(^^;)。
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  Janice Wong  ジャニス ウォン
  
渋谷区千駄ヶ谷5-24-55 03-6380-0317 www.janicewong.jp
11:00〜22:00 

・ シンガポール2am:dessert-barの支店

JW 2016年 9月 ☆

 *Dessert degustation 3 courses
  Popcorn: ポップコーンと柚子のパルフェ・パッションフルーツのソルベ
  Melon Violet: 静岡県産マスクメロン・アーモンドミルクのチーズクリーム ミントとミルクのアイスクリーム
  Chocolate H2O: ビターチョコレート・塩キャラメルソース 柚子ソルベ・カラマンシージェル
 *Mango Babble bath
 +Sake Pairing 3 glasses
  Tsuruume-Yuzu and GreyGoose Vodka
  HENDRICKS Gin.Perno with Tonic
  OgasawaraMirin, HennessyVS and Lemon
 +Alsace Gewurtztraminer

[へべ]
 とんかつ後のデザートはこちらで。
 たまたま所用で来日中のジャニスにもご挨拶。凛々しかったなー♪

[AQ!]
 ペアリングのドリンクがとっても良かった♪
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  two birds one stone 
  
12 Claremont St, South Yarra, Melbourne  +61 3 9827 1228 twobirdsonestonecafe.com.au

・ メルボルンのカフェ
  → 2014メルボルン旅行記はこちら

2014年11月 ☆

 *Two birds: eggs on toast with mushrooms, spinach, roasted tomatoes, haloumi & avocado
 *Leek & potato roesti with house smoked salmon, soft herb salad, pickled cucumber & a poached egg

[AQ!]
 メルボルンはカフェ文化がやたらと定着した街で、幾多の店が人気を競っている。
 珈琲一本勝負の店もあるが、珈琲・居心地に朝食・ブランチ・昼食の食事もウリになってるとこが多い。
 その一軒、Two Birds One Stoneでブランチ。

 South Yarraの駅近く。
 11時過ぎ、超満席、名前を告げて10分待ち。
 名前の横にスタッフが“目印”を書きこんでいる。ワシらのとこには「Red elegant shirt (Lady)」…だって。
 朝食メニューだけでもたいへんに多彩。標準「Two Birds ブレックファスト」と「ポテト・リーク・ロースティー」をいただく。
 食事珈琲ともにゴキゲン。
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  Vue de monde  ヴュー・デ・モンド
  
Rialto Towers, 525 Collins St, Melbourne +61 3 9691 3888 www.vuedemonde.com.au

・ メルボルンの高級レストラン
  → 2019オーストラリア旅行記はこちら

Vue de Monde 2019年 4月 ☆☆

 [Seasonal Tasting Menu]
 *Avocado and Vegemite with Vue de monde billy tea
 +NV Agrapart Terroirs Blanc de Blancs, Avize, France
 *Heirloom tomatoes with smoked mussels and elderflower
 *Moonlight Flat Clair de Lune oyster with lemon myrtle
 *Mud crab with native pesto and koji
 *Mud crab snags with kohlrabi and tarragon
 *Western Australian marron “curry”
 *Pumpkin scone with cultured butter
 *Pumpkin with samphire and brown butter
 *Sea parsley sorbet with herbs and flowers
 *Jonella farm baby corn with cured kangaroo and macadamia miso
 *Dry aged duck with Leatherwood honey, beetroot and apple
 *Roasted marshmallow
 *Chocolate soufflé with espresso ice cream
 *The whole celeriac with grapefruit and finger lime
 *A selection of Australian biscuits
 +15 Ten Minutes by Tractor McCutcheon (Pinot Noir), Mornington Peninsula

Vue de Monde
[へべ]
 55階から展望する夜景の中ほどに、あやしく明滅する観覧車が「どや? メルボルンもなかなかの大都会じゃろ?」と囁きかける。

 初訪店。夜景が自慢のレストランにして「メルボルンの迎賓館」(by AQ)と、当家とは縁薄めスロットの有名店なれど、朝便で到着した日曜日という行程都合などもあり…。

[AQ!]
 受付は一階、がらんとした空間で待って、案内されるエレベーターは55階へ。
 待っていた案内人が静かに自動ドアを開けると、そこがワインカーヴ。静かに「全豪一でございます」調に自慢される。グランヴァンのオーラに睨まれながらカーヴを抜けると、すんごい夜景。
 ヴュデモンド、まさに展望レストラン。眺め渡すと、“メルボルンって、やっぱ、けっこーデカイなあ”…と今さら思ったり。

 店の作りやノリはけっこー軽く、「街の最高級レストラン」役…がこのポップさとは、さすがオージー♪
 サルの多くの席からは「オープンキッチン」が見える。さすがに、大変な人数が忙しく働く。
 日本人もひとり。まだフレッシュなよう。
 後ほどになって「写真撮ろうよ撮ろうよ」と向こうから言ってくるし、ごくごくサンパ。
Vue de Monde
 ワインは、分厚いリストから「ビクトリアのピノ」指定でオススメを伺う(まあ、コチラの「ワインペアリング」は、価格パンチ力あり過ぎ(^^;)…ということはあったのだが)。
「載せてるのはみんなオススメだけどねー」から切り出してきて、手軽なところでは「10ミニッツ・バイ・トラクター」は、推しであるらしい。
 ジャンシスロビンソンも評価してたっけ。
 新世界感は強いが飲みやすく、うーん、クロコダイルエレガント。食事にはとてもヨカタ。

Avocado and Vegemite with Vue de monde billy tea
「この辺の朝食です♪」から。
 ベジマイトかよ、あっはっは…
 この後、朝食カフェなんかでホントにアボカドトーストをパクついてるオージー姐御など見かけると、クスっとしてしまう(^^;)。

[へべ]
 まずはオージーのアウトバック生活&朝食あるあるメニューより、ビリー缶から注ぐユーカリ風味のビリーティーに、ベジマイトとアボカドのトーストを…。
 後者は柑橘の酸を効かせたベジマイト味のアボカドディップと極細グリッシーニ、という構成で。
Vue de Monde
Heirloom tomatoes with smoked mussels and elderflower
Moonlight Flat Clair de Lune oyster with lemon myrtle
 トマト各種に軽くスモークしたムール貝。
 レモンマートル風味の牡蠣。
 爽やかな香りのレモンマートルは今回よく出会って気に入った、豪ネイティブのハーブ。上質な牡蠣の繊細かつちょっと独特のきれいな風味によく合ってる。

[AQ!]
 Moonlight Flat Clair de Lune oysterはキャンベラから50kmくらい、NSW Batemans Bayの高名なる牡蠣…のよう。
 ちょっと知らない世界の、艶かしく清らかなミルキーさ。うんまい。レモンマートルの風味を入れただけで。
Vue de Monde
Vue de Monde [へべ]
Mud crab with native pesto and koji
Mud crab snags with kohlrabi and tarragon
「はーい、お次はバービーよ♪」
 マッドクラブのソーセージを卓上BBQで楽しくいただく。コールラビの食感もグッド。
 BarbieはBBQ、Snagはソーセージのオージー語…らしい(豪州趣向のメニューはローカルスラングの登場頻度が高くて案外わかりづらい)。

[AQ!]
 わりと狙いが生きた展開で楽しくいただく。
 オーストラリア名物マッドクラブだが、ガストロじゃこーゆー「何じゃソリャ(笑)」的なノリでいただくのが粋…みたい。
Vue de Monde
Western Australian marron “curry”
 クレイフィッシュのカレー汁びたし。これも“名物をどうぞ”だが、やや料理的には凡庸かなあ。

[へべ]
 ザリガニをカレーソースで。
 西オーストラリアの marron は淡水産の巨大ザリガニ、豪州らしくハレ感もある食材とあって、よく使われてました。
Vue de Monde
Pumpkin scone with cultured butter
Pumpkin with samphire and brown butter
 かぼちゃスコーン。
 秋を迎えた当地は、南瓜シーズンまっさかり!
 samphire はシーアスパラガス、こいつ別名が多すぎる…。
Vue de Monde
Sea parsley sorbet with herbs and flowers
 花々を液体窒素で凍らせて、砕いて…ええと、着地点は、お口直しのソルベでした (^^;)
 この店らしい演出、Sea parsleyは豪ビーチハーブ。

[AQ!]
 まあご丁寧なこって…、というのは厭わないよねw。さすが、最高級店。
Vue de Monde
Jonella farm baby corn with cured kangaroo and macadamia miso
 美味い! これはっ、美味い!

[へべ]
 カンガルーの肉質、ベビーコーンとの相性が素晴らしい!
 マカダミア味噌もいい感じ、この夜の料理で一番のお気に入り。
Vue de Monde
Vue de Monde Dry aged duck with Leatherwood honey, beetroot and apple
 鴨に使われてたのはタスマニア名産レザーウッドの蜂蜜。

[AQ!]
 レザーウッドハニーはいいんだけど、料理着地は御安全に…いささか“フツー過ぎ”かなあ。ここまで慎重だと、盛り上がらない(^^;)。

Roasted marshmallow
 厨房で火熾しをしては、各卓へ出撃しているのは見ていた。何じゃろ?…と思ってたけど、コレか!
 ご苦労なこっちゃがこーゆー店だと効き目があるしな。それに、美味しい。

[へべ]
 盛大に炎を上げる薪火で…この夜いちばん派手な出し物はこれ、炙りマシュマロ(笑)。
Vue de Monde
Chocolate soufflé with espresso ice cream
 チョコレートスフレにエスプレッソのアイスクリーム…文字にしてしまえばベタな組み合わせだが素晴らしくおいしい!

[AQ!]
 まさにベタだが、ものすごくウマイ。絶品♪

The whole celeriac with grapefruit and finger lime
 セルリアック+グレープフルーツ+フィンガーライム、なんて清涼な(嬉)。
Vue de Monde
[へべ]
A selection of Australian biscuits
 この分野の知識は圧倒的に不足してる中、ティムタムは知っててちょっと嬉しかった♪

 Ten Minutes by Tractor の2015ピノもご機嫌でしたわー。

*****

 上質な豪食材の見事なショーケース。銀座の高級店みたいな堅苦しさはなく、フレンドリーなサービスがオーストラリアらしい。
 ブッシュの恵み、アウトバック風味、BBQ、ベジマイトなど、オージーらしい味わいや演出を巧みに組み込みつつ、味覚的にはどこのどなたをお迎えしても大丈夫そうな間口の広さをキープしているあたり、まさにメルボルンの迎賓館(by AQ)と呼ぶにふさわしい。
Vue de Monde
「で、今日は何か特別な日なの?」と少なくとも3回は聞かれたが、記念日でもお祝い事でも接待でもなくてスマソでした。
「えーとえーと…あ、今回メルボルンの旅、これが初日ざんす」とひねり出した答えに、プレート文字描き班もひと安心♪


[AQ!]
 感じが良くて、工夫も沢山してて、楽しい高級店。
 …であるし、う~ん、ワールドワイドなガストロ食べ歩き的に見ると、些か料理のアタリハズレは大きいかな。、、、アタリハズレ・出来不出来…というより、傑出~凡庸が激しい、か。
 現場監督格がラスムスコフォードに似てたw。…は、かんけーないが(^^;)、この日はとくに「シェフは?」などの質問はしなかったんだけど、後日、在メルボルンで活躍中のYシェフと話してたら、
「ヴュデモンドのシェフは最近変わって、20代前半のとても若いシェフになった…んじゃなかったですかね」
 だそう。
 そう言われると、そうかも。…というか、現況判断をどう見るか、だが、上向きベクトルの処女航海…であるならば、これからが期待もされるやも…。
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  畭室法式巧克力甜点創作  Yu Chocolatier
  
No. 10, Alley 3, Lane 112, Section 4, Ren'ai Road, Da’an District, Taipei +886 2 2701 0792 www.yuchocolatier.com

・ 台北のショコラティエ
Yu 2019年12月 ☆

 *台灣可可塔
 *Shibusa

[へべ]
 信義安和、どしゃ降りの中、Yuショコラティエへ。
 テーブルは予約でいっぱいだったが、ショーケース前の立食卓がちょうど一つ空いててラッキー♪
 台湾カカオのタルト(とても繊細、カカオが味わえる)、ショコラムース(うっとりするなめらかさ、濃厚さ、香り)
Yu
[AQ!]
 台北、“いま話題の1軒”…とは聞いたが、満席とは! 、、、って、テーブルは3,4卓しかないけど。立ち席があってヨカタ。
 台灣可可塔…は、「屏東栽種可可果製」。屏東のチョコはキテる♪…のだ。
 素晴らしいショコラティエ、台北に来るたびに伺いたい…と思う。

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