2011年 2月
*フロマージュとレーズンのキューブ
*トピナンブールのフラン、スープ仕立て、トリュフ
*シマアジの低温コンフィ、フォアグラ・フヌイユ・大根・赤玉葱、柚子ジャム
*揚げたリドヴォのデコポン風味、プティポワ煮、マーシュ
*サンピエールとジロールグリエ・モリーユ粉・赤ワインソース、セルリラーヴピュレ
*青林檎とカルバドスのグラニテ
*ベカスのロティ、腿パネ、内臓ペーストのトースト、葱焼・トピナンブール
*フロマージュ
*ベリー・ショコラ・クレーム
*柑橘の香るモンブラン
*ミニャルディーズ
+00 Hermitage Le Greal / M.Sorrel
[AQ!]
ツィート:
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「はじめまして、ようやく会えましたね」
「はじめまして、ええ、やっと会えました」
…の高田さん、ラ・シーム! す、すげぇ! 大阪のフランス料理では、ランボー・横田以来の衝撃か!
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…と、ネット社会の現代というのはまことに変なものだけど、行ってきました、ラ・シーム。
店を作ってるうちから噂に聞いていたこの店、このたび『やっと行けた』のだけど、まだ開店1年にもならないうちに…と思うとボクらとしてはかなり迅速(^^;)。
本町(または堺筋本町)から5分とか歩くとこ、オフィス街(?)なのかお店は少なく、夜は暗寂しい通り。fujiya1935とか一碗水の界隈と似た雰囲気(?)。
光が漏れている。そこが「ラ・シーム」。おまえはGrand Vefourか…っつう、結構立派な玄関構え。
おこんぼんそわー、と入店。おまえはnomaか…っつう梁材が見える。…ま、聞いてたけど(笑)。
ブラヴォ!素晴らしい!
行って食べてから改めて書くのは面倒くさくなっちゃうけど(^^;)、まずベーシックな感想を押えておけば、
『技術が高くミス無くひじょーに美味しい』
です。
アセゾネは穏やかめ…というか、口の中でアタックしてくるような塩はほとんど無くて、ウマミが重層的に構築されてくる感じ。
各皿には、ある程度多くの要素が使われているのだが、不要な物が全く見当たらず、参加者はみな良いシゴトをしている。
例えば、シマアジの低温コンフィ(Cook It Raw!調)にフォアグラを塗りつけ、薄くパリっとしたフヌイユ、薄くシナッとした大根・赤玉葱に、少し甘い柚子ソース(ジャム…と言えば簡単な説明か)、…という複雑な前菜は、「漏らさず全員集めて」一口で食うのがいちばん美味い。(切り分けるのが大変だが(笑))
よく練られた構造なので歳月をかけたスペシャリテ的な品?…と思ったら、
「お出しするの、今日が初めてなんですよ(笑)」「明日からやってこうと思うんですけど、ダイジョブですかね(笑)」
ううう、才能のある奴ってぇものは!(笑)
おまかせコース(プラはちょっとご相談があったのでベカスに決めたけど、あとは出てくるまでわからない闇鍋(笑))をいただいていたら、二つの言葉が浮かんできた。
一つは「新旧の交差点」。
こちらの料理は、プレゼン的には基本的には2011年現在の顔…モダンな姿で現れると言っていいのだが、その芯にはハッキリと、フランス料理文化のマグマがのたくっている(笑)。そういう意味での、新と旧の交錯・琢磨が、言葉となったり情景となったりして頭の中に浮かんでくる。
まあ、現代の料理は須くそういうモノではあるが、そこを随分と意識させる料理であった。古いモノたち、の巨大な姿が見える。
…なんてことを、もっとアッサリと、シェフとの雑談で喋ったら、なんか喜んだはったです。
もう一つは「しなやかさ」。
ここでの料理の、個性というか特徴…として言葉として浮かんできたのが、しなやかさ。
“しなやかさ”…って結局、例えば格闘技で言うと、また耐震建築で言うと“強さ”じゃあ~りませんか。そんな感じ。竹のような。
ついでに言うと、高田さん本人もしなやかな人だった(ブログの方が、キッツイわ(笑))。
そんなわけで、また行きたいですねえ!
ロゼシャンパンはなんだっけかな、白グラスのオーセイデュレスが料理と素晴らしい相性…なんだったかなあ06のコシュビズアールとかか、あと、モーリー・ソーテルヌ・フィーヌ・コニャックなどいただきました。フゥ、、、(笑)
[へべ]
シマアジのフォアグラは、超エマンセってくらいの薄切りで、なんともいい役どころでしたね。高田シェフの言うことには、魚の肝のイメージ、だとか。
[AQ!]
そうそう、正確にはキチッと薄切りになってて、超薄だけど角が立ってるんだよね、あの辺、上手。
そ、シマアジ…、シマアジであってんのかな、、、そういえば魚の種類の話は高田さんとしなかったな、皿が出た時に、ケヴィンが「サマアジ…」と言ったように聴こえただけ(^^;)、多分そうだと思うけど。
2011年10月
*ラビオリ、ショリソ、プティポワムース、小人参カラスミ薄皮巻、ケイクサレ、グジェール、イカ墨カヌレ
*甘鯛、フヌイユ、ジャガイモピュレ、エピナール、ブイヤベースソース
*フォアグラ、バターナッツソース
*6Kg平目、洋梨とそのソース・ピュレ シュークリーヌ 雲丹
*フザン サバイヨン・シャンパンたっぷり フザン・コンソメソース アーティショー オリーブ
*チーズケーキ 葡萄
*レモンとラムのグラニテ
+89 Beaune marconnet / A.Morot
2012年 6月
*貝ムース・泡と酢橘・ワインジュレ、グジェール、玉蜀黍の焼・アイス・髯
*南瓜ムース、ライチ・フランボワのタピオカ、サリエット
*緑アスパラ・海老、ルコラ・ココのソース、ルコラ花
*鮪・ズッキーニ、ソースピストゥ、アリコヴェール・香草・薄パイ・ピモンデスプレッド…
*大鰻、鰻・豚足・セップ・ブレットのソース、セップピュレ、玉葱・セロリ、緑の香草…
*鴨のファオグラ・オリーブ詰め、パプリカの効いたソース、巻きポテチ・タプナード、仏産アーティショー、空豆・四角豆・オリーブ、茄子ピュレ…
*プレデセール:スナップエンドウムース、ミント・生姜・花
*バースデーケーキ(^^;)
*奄美大島時計草・黒糖・チョコのデセール
+00 GC / Bellene
[AQ!]
大阪泊。
6月の大阪は、既に暑い。蒸す。
明けて月曜だが、折角だから何か食べて帰りたいね…ということで、高田シェフに連絡したところ、「何か考えるからいらっしゃい」という返事を得ている。
わっほーい! 「wktk」が「ワクテカ」なら、「wk2sw2」は「ワクワクソワソワ」だろうか?…という心持ち(なんのこっちゃ(^^;))
本町界隈。
ラ・シーム、fujiya1935、一碗水…と伺うのは土曜や祝日の夜が多く、頭の中のイメージはすっかり「ゴーストタウン」(^^;)なのだが、普段の顔がそんな訳はなく、平日昼は「オフィス街の賑わい」そのもの。なかなか気のきいてそうなビジネスランチが見え隠れする。
ラ・シームも6組の盛況だが、こちらは、ゆっくり食事を楽しむ卓ばかり。飲食業界関係も目立つが、実際、「平日昼は、プロの方が多いんですよウチ(^^;)」だそうな(笑)。
全体に吹くのは、次のテーマであるらしい、プロヴァンスの風。
最後まで、ドギマギと、コーフンしながら楽しむ昼下がりである。
ブログの表題「暑うてかなわん大阪の熱うてかなわん仏料理」は、言葉引っ掛けに走り過ぎたが(^^;)、「“熱い”はコチラの胸の内」と解釈すれば、言えてなくもない(笑)。
文献好き・古典好きが足元の大地を固め、料理が好きで考えることの総量が支柱となった上で、感覚というか感性というか…の瞬発力が凄い。閃きのダイナミズム。いただいていて、果てしなくバイタル。
…。
高田さんの料理は、ボクらにとってはヒジョーに「本筋」の仏料理であるので、何か言おうと思うと、妙にベタになる。「もおサイコーですわ」だけにしといた方がいいくらい(笑)。
2012年11月
*グジェール、玉葱ロール・シブレット・キャビア・茄子、ハムタルト泡、ブレットラビオリ・サフラン
*鰊、セルフィーユ根、烏賊墨玉子スプーマ
*とろとろフォアグラ、オレンジ・デーツ、アマランサス、蕪、シュークルート・クミン
*ジロールとそれで炊いたニョッキ、アーティショーとピュレ、セロリ葉、茶色ソースと牡蠣のソース
*金時鯛、サリエット、丹波黒枝豆、生姜のソース
*グルーズ2週間熟成、胸と腿と内臓ミンチの抱き込み サルシフィと黒大根
*カシスとモンブラン
*大人プリン:葉巻とウイスキー
*ティラミス・マカロン、アーモンドチョコ、チョコケーキ、フランボワタルト
+96 Volnay / P.Bouree
[AQ!]
11月、大阪出張。
ま、シゴトにも備えて自主的に前後泊を延長する。
と、お腹が空きますな(笑)。
…本町の駅から歩く。
フランス料理に、酔う。
今は、フランス料理店に行って楽しむのであっても、
“別にフランス料理がどうこう…というのじゃなくて、いいや”
というケースも多々あるのでムジュカシイ時代であるが、こちらでは、「フランス料理に、酔いしれる」。
…と申しおれば、
「アナタのフレンチ」…とは何ぞ?
とコダマに問われそう。
なーに、自分の快感について振り返ってみるなら、楽しいものだ。
俺らにとって
「フランス料理キターーー!」
という、その(「ならでは」の)核心は何かと思うに、それは、
『フィネス』 と 『エロさ』
…ということではなかろうか。
洗練・エレガンス・余韻・嫋々・滑らかな肌合い…、と、官能・艶・肉感・芳醇・豊満…。
その妖しい囁きが揃って鼻腔から脳髄に届くと、アタマの中の「気狂いの突起」のようなものがフルフルと震えて、悦楽の園に誘われる。
…とまあ、そんなある種の“感触”のようなもの、に、フランス料理をフランス料理たらしめている真髄がある。
フランス料理だけが持ちうる魅力がある。
…という風に感じるのが、俺らの“フランス料理観(もどき)”(笑)、となろうか。
食べる側にとって、料理が新しいとか古いとか、低温だとか高温だとか、ソースがあるとか無いとか(笑)、ハイテクか伝統か、革新の旗手か保守反動か、とか、…重要なことである。
重要なことではあるが、核心ではない。核心でない…という意味では、どうでもよい(笑)。
今、フランス料理のコアの部分でクラクラと痺れ呆けたいなら、ラ・シームに来る…のが我々の最適解の一つとなっている(笑)。
ま、欠点の無い満点料理では無いし、テーブルクロスも無いけど(というか、御存知、コペンハーゲンはクリスチャンハフンの眺めだし(笑))、やっぱ、どうでもよい(笑)。
高田シェフの料理は、卓上に現れるまでに、多分に即興的な部分を含んで組み立てられるらしい。
ちぇすとーっ!
そういう、時間軸に対する瞬発力・ダッシュ力、勢いと気合…は、何かしらの秘訣なんだろうな…と思う(笑)。才能の嵐が吹き荒ぶ(笑)。
2014年 5月
*竹炭、オレンジマカロン、人参、ハムタルト、抹茶グジェール
*白アスパラ シート アニス花 根セロリ
*魚1 胡瓜のクルクルとピュレ ナスタチウム葉・クレソン・玉葱
*フォアグラ カカオの樹 リンゴ玉
*甲殻類と肉
*焼トレビス 豚足
*魚2 泡 オリーブ
*鳩 豆 アスパラ 大蒜
*オレンジ
+95 Savigny-les-Beaune Lavieres / R.Ampeau
+L'Amour des Trois Oranges
[AQ!]
ウチら大阪来ましたらば、高田さんの「ラ・シーム 」。
うしゃしゃしゃ! ヽ(^。^)ノ
ボクら、食べるの大好きなわけだが、その言語化も道楽なので、色々書き残したりするのであるが、「ラ・シーム 」の項目って、何かまずまず書けてるようでいて、もう一つ物足りなかったりする。
こちらの料理は、掴み所が多い、取っ掛かりの豊かな、モノなので、そういう足掛かりから記録を残したりできるのだが、
どうしても、もっと核心である、高田さんのホトバシるような才能を、滝壺の行者のように、台風に傘を飛ばされる幼児のように、全身にゴオゴオと打ちつけるものを全身で感じとめる快感、体験の貴重さ、を、メモれてないような気持ちが残ってしまうのである。
人生のサンデッキに立って、高田浴を楽しもう。
うわあ、凄いモノが降ってきた。
ああ、生きてて良かった!(笑)
鳩の謎の感覚!?…の種明かしは、「まず高温で揚げるんですよ」(!!) 今日の「一品」だと、コレか?
昨晩、K先生。次の日、Nシェフ。相変わらずギョーカイ人客多し(笑)
[へべ]
アミューズのオレンジ、驚きの軽さと鮮烈な香り!
「ニンジンon人参」も、人気あります。
白アスパラ、根セロリにシートのあたりの見え加減がまるでエスパルデニャス。
魚1。鯖だった…ような気がするが(^^;) クレソンよかった。産地言ってた気がする。どこだか忘れた(^^;)
甲殻類と肉、これ旨かった。あか牛だった気がする。ビーツ。下の汁的なところがよかったんだけど、んー…。
アヴァンデセールの上にあれこれ載った軽い仕立てのもおいしかった。
[番外編:高田シェフの会@浅草オマージュ]
2014年11月
La Cime 高田シェフの会
*Amuse
Macaron/Boudin-dog/Patate douce/Jambon blanc/Pissaladiere
*Anguille fume/shungiku/pomme vert/souffle au riz genmai
*Ormeau/radis rouge/radis blanc seche/capucine
*Homard bleu/potiron/chou de bruxelles/melisse/sauce bearnaise
*Turbot/miel/celeri rave/comte/kerajimikan/girolles/panais
*Lapereau/st.jacque/gunkyo biloba/shiitake
*Pigeon/blettes,salada d'epinard/cerfuil/parlourde/royal de os a moelle
*Mont blanc au cassis/betterave
*tomate/amande
*Mignardise
[AQ!]
「ラ・シーム」の高田シェフを招いて、昨年は"コラボ"企画だったが、「今年はもう好きにやってもらおうと思いまして…」(荒井シェフ)ということで、「ラ・シーム@浅草」みたいな会。
素晴らしい!
Patate douce 安納芋
melisse レモンバーム
panais パースニップ
[ Aida x La Cime ]
2015年 7月
*Coquillage / Boudin dog / Aubergine
*Haricot vert / Echalote / Popcorns
*Calamar / Lait de chevre / Wasabi
*Artichaut / Cartilage de porc / Chataigne / corete potagere
*Ormeau / Momordique / Cacahuete / Yuba
*Garlequin
*Managatsuo / Rhubarbe / Gingembre / Ris de veau
*Chevre / Nepitella / Ail / Champignon
*Inobuta / Mandarine verte / Feuille de Cannelle / papaye verte
*Fruit de passion / Miki
*Mango / Foie gras / Cacao / Poivre long
*Peche / Prune / Amaretto
*Mignardise
+梅ジュース
+黒糖焼酎と和歌山ミントのモヒート
+14 Vignes Sans Chimie Cinq Cepages / Domaine Soga Obuse Winery
+Rietsch Kappel Grand Cru Zotzenberg
+Marina Cvetic Riserva Trebbiano
+13 Sancerre / Pascal Jolivet
+08 Chassagne-Montrachet Morgeot / Christophe Buisson
+13 Morgon / M et C Lapierre
+枇杷茶
[AQ!]
大阪「ラ・シーム」と和歌山「アイーダ」のコラボ・ディナーである(!)。
…いやあ、我が家にとってはレジェンド級のコラボ、「そのために関西旅行に出かけたんですね」と言われて悔い無し(^^;)…って感じなのだが、実際の順序を記録しておくなら、そうではない。
海の日連休に関西行きを決めて「まずはラ・シームの予約ぢゃ~」と問い合わせたところ、森田さんから「そこですか、実は今ちょっとコラボの企画をしてるんですが…」という(驚きの)返答があった、という順になる。
とーぜんまだ公開前で、だからワシら、本コラボに参加を決めたのはかなり早い組だぞコラ♪…となるのだが、何の自慢にもならん(笑)。
懐石調に杯の梅ジュースをいただいた後、黒糖焼酎+岩出ミントのモヒートで[奄美+和歌山]もスタート。
***
それにしても深く印象に残る、まあそうですカンドー的な(^^;)、コラボであった。
コラボと言えば、それこそ初対面みたいな道場破りみたいなイベントもある一方、今回は非常に日頃から親しい2人の組合せである。
一体どうするのか、という興味も湧くところだが、全ての皿が「共作」ということだ。
Aの皿/Bの皿/Aの皿…みたいな進行のコラボもよくあるが、今宵はみな「2人の合作」作品となる。
***
料理の可能性は無限だなあ、という思いが改めて湧いてくる一夜であった。
まあ我々、「料理の可能性」方向の料理はそこそこいただいている方だとは思うのだが、(久しぶりに)しみじみとその広がりを感じた。
いただいてる側の妄想を申し述べれば、
それは次々と宇宙から降り注ぐ感じ。そして、宇宙から降ってきたのに、なにか、懐かしい感じ。
ワタシの妄想中のテーマで言えば、それは「宇宙」と「故郷」の情景が見えてくる料理。
「生命」のダイナミズムを描くのに、想像力の広がりの「宇宙」と根を張る「故郷」(≒大地)、その対比が出てくるのって、手塚治虫っぽいじゃん。だからいただいてて、「火の鳥」のシーンが感じられた。鳳凰編の我王の心境(笑)。
***
…とか、って、妄想連想がやたらと宇宙に広がって行くのは訳もあって、大体、小林マダムはじめスタッフの連中が “あの2人(シェフ)の宇宙人が…” って説明をね、なさるわけですよ(笑)。
マダム小林によると、凡そ、
「あの2人の宇宙人、打ち合わせだとか言うんですけど、すぐ横で見てても何言ってるかちっともわからないんです♪
なんか、斜め45度上かなんか睨んでて、電波でも飛んでくるんでしょうけど、時折何か言う…というかポワンと泡のような音声を発すると、もう片っぽがまたポワン…みたいな。テレパシーで会話してるんでしょうけど、それで何で料理が決まるのか、ちっともわからん…」
(笑)…ということのようで、まあそれはたしかにスゴく分かり易い気もする。
そして、いただきながら、こっちのアタマの上の空間も開けていってはるか彼方で銀河系が回っているような気になる。
だから、客が宇宙と大地が語らってるような気分になるのは、小林有巳ちゃんの説明のせいでもあるのだ、きっと(笑)。
***
Echalote
Oeuf a la coque、黒糖焼酎、玄米(食感面白し)、エシャロット。
Boudin dog / Aubergine
竹炭のブーダンドッグと一口茄子マリネ。樅(だっけ)皮と楓葉を眺めながら。
Coquillage
チャンバラ貝にアオサのパピエ・ソース。
まず初めていただく「チャンバラ貝」が不思議な巻貝で、バイ貝なんかよくクルリと取り出し損ねるのだけど、そんな感じで「アレ、これ駄目ちゃう?」と思うのだけど、よくよく見ると魔女の爪先みたいんが出てて、それを引っ張ると見事に美味なる全身が登場する。
そこにアオサの2段活用が、気の利いたお相手。
Popcorns
ポップコーン・海老、海老のパエリヤのel bulli風…みたいな(笑)。非常に後ろ暗い、暗黒街の海老みたいな美味。
Haricot vert
アリコヴェールはレモンバーベナ風味で。
まず、指でレモンバーベナ葉を揉んで匂いたたせる。で、バーベナ風味パフ上の隠元をバーベナ粉と塩梅しながらいただく。
極めて洒落た組合せ、こういうのは「さすが」!
ここまでが、アミューズの扱い。
Calamar / Lait de chevre / Wasabi
カラマルに、根セロリ・胡麻・瞬間凍結山葵葉・山羊乳。
きゃ~、美味しい。山葵葉が巨大ナスタチウム葉みたい♪…じゃ感想だかなんだか、なのだが、とても効果的。
Artichaut / Cartilage de porc / Chataigne / corete potagere
アーティショー。Cartilage de porcは豚軟骨で、奄美風炊き…ってのか丁寧に煮られて滋味。Chataigneは練り込みのクレープとして。corete potagereはモロヘイヤ(へぇ、そうなのか)で、刻んだソースと葉をそのまま貼り付けるのと。
全体に穏やかな滋味…と言っていいような表現ながら、滾々と湧きいずる生命感。2人揃ってこの日のベスト…っちゅうかモストフェイバリット♪な一品。震える香り。
ここの段のワインがKappelだっけか、相性も特筆モノ。
Ormeau / Momordique / Cacahuete / Yuba
オーモー。仏語:さっきのcorete potagereもキツいけどMomordiqueと聞いてわかる人はかなりなんじゃね?(^^;)…ゴウヤ。カカウエテ、湯葉。
やや細切りの鮑をゴウヤ・落花生と湯葉で巻いたベトナム春巻調、上から香菜をパラリと。
面白いもので、落花生+香菜が香ると、東南アジア気分が出る。そのせいか気楽めにウマイウマイと進む一品。
Garlequin
ガルルカン、だとヽ( ´▽`)丿。
はい、そー、ガル~+~ルカン、ってことみたいですよ(笑)。写真を見ればおわかりの通り。
これはアイーダでやってる料理で小林シェフの命名…って理解でいいのかな?
ずらりと並んだ皿を各パーツを用意した料理人が回って盛り付けていくパレード…が、眼前(ローゼズ)に展開する。それが見られる、ってちょと嬉しい。
ものごっつ、美味い! ガル~や~ルカンよりウマイやないかぁ…って禁断の台詞が浮んでくるくらい(^^;)。
まぁでもこのガルグイユ・フォロワーの野菜料理ってホントはこういう風に美味いものなんである。
ちょっと流行や見た目で真似してるだけの「*種類の野菜」云々の人々は、そこんとこ押さえといてほすぃわ。…などと余計なことも浮ぶ。
それと、更に余計だが、野菜、この皿みたいにちょっと「ゴチャっ」としてる方がやっぱ美味い。好き。全部セパレートして分けて置いてく型は、まあその面白さもあるけど、味に喜びがないのが多いね。
このガルルカン、アイーダで出る時は、全体が今日ほどは多皿でないので「もっと大きいカットもまじえてゴロゴロした」仕立てだ、と小林シェフが言ってたっけかな。
Managatsuo / Rhubarbe / Gingembre / Ris de veau
真名鰹の美味しさの表現。お茶で炊いたルバーブ。新生姜(柔らかくハイな香り)。カリカリのリドヴォー。新芽。
やはり、ルバーブ茶炊きの働きに拍手。
Chevre / Nepitella / Ail / Champignon
島の暮らしは山羊とともに。ネピテッラ…何でしょ→ミントの一種。シャンピニオン・クーリを美味しいソースに。
献立に書き出してもらえてない笹がき牛蒡の素揚げが、素晴らしく一座を支える。味・香り・食感。
Inobuta / Mandarine verte / Feuille de Cannelle / papaye verte
猪豚はすさみ産だっけ。青蜜柑は、柚子胡椒メソッドで青蜜柑胡椒になっとりやす。葉シナモン。青パパイヤは、鬼おろし大根みたいに粗いおろしのようなカットの食感で。一口餃子付。
実に堂々とした主菜。合わせるのは、ああ開けちゃったよ(笑)…的な、96のボーカステル。素敵! 20年くらいになると旨いよねえ、ボーカステル。
Fruit de passion / Miki
ごめーん、「ミキ」知らんかったわ。奄美ではメジャー、沖縄にもあるそう、で、米・サツマイモの乳酸発酵飲料ですて。ゆる~いヨーグルト的な、甘酒的な。
イントロデュース「ミキ」なデセール、美味いです。
乗ってるカリカリ、何だっけな、へべが「高田シェフのカリカリはいつも湿気ない」と力説。たしかにこういう役回りのモノも上手。
Mango / Foie gras / Cacao / Poivre long
筒型マンゴデセール。フォアグラとカカオバター。Poivre longは「noma東京」でゆーめーになった(?)ピパーツ。
Peche / Prune / Amaretto
ぺシェに南高梅梅干(!)のソルベが好コントラスト。
Mignardise
鬼灯、ブルーベリー、サータアンダギー、マカロン。奄美+和歌山。
ミニャルディーズはミニャルディーズだが、色彩いいね、これ。お飲み物は枇杷茶で。
***
最初の皿から最後の皿…という「中身」だけでも3時間半くらいかかったんちゃうかな。
おつかれさま、ありがとうございます。
いかにも「らしい」のは、フェアイベントでありながら、開会・閉会の辞やら挨拶やら…の類は一切無し。2人のパブリック・スピーチは無し。
皿が出て始まり、消えて終わる(笑)。
勿論、ちょこちょこ両シェフとも各卓に出没するから話は出来るし、森田メートル・小林マダムと流麗・流暢な地球人サービスを擁しておるのだから何ら問題はないのだが、いかにも、「らしい」(笑)。
2016年 2月
*Boudin dog
*Seaweed, espuma of parsnip and yogurt, organic lemon and octopus roe
海藻 パースニップとヨーグルトのエスプーマとタコの卵 有機レモン
*Jerussalem artichokes and artichokes
あつあつ菊芋とアーティチョークの明石焼風
*Crab, Marinated "Shougoin turnip" tapioca in hibiscuss juice with essence of ginger, lemon caviar
カニ 聖護院カブのマリネ ハイビスカス風味のタピオカと生姜風味
*"Sansai" wild plants from mountain, pistachio and herring
春先取りの山菜 ニシンとピスタチオ
*Tartar of squid, bamboo shoot and cactus with "Sansho" flavor
アオリイカのタルタル タケノコとサボテン 山椒の香り
*Scallop, onions cooked in various ways
ホタテのプランチャと玉ねぎのヴァリエーション
*Cauliflower Soupe with foie gras and black truffles
カリフラワーのスープ フォアグラと黒トリュフ
*Longtooth grouper "Kue", chicory cooked in beer and brown sugar from "AMAMI", Mushroom and brown fish sauce
クエ 加計呂麻島の黒糖でキャラメリゼしたアンディーブ
*Poached wagyu beef with its own juice, variations of burdock and "Gyoja" garlic
黒毛和牛のポシェ 若ごぼうと葉ごぼうと行者ニンニク
*Brie de meaux and mascarpone with avocado jam
プリ・ド・モーとマスカルポーネのクリーム アボカドのジャム
*Strawberry wraped in rice flour dough with "Koji" cream and wormwood
求肥で包んだイチゴ ヨモギと塩麹のクリーム
*Sponge of "Dekopon" and jelly of "Buntan" with cacao ice cream
デコポンと文旦のスポンジとジュレ カカオのアイス
*Confection
お茶菓子
+Champagne / Roederer
+05 Solus Corbieres / Chateau de Caraguilhes
+96 Ch.Destieux
+10 Montagny 1er / J.M.Boillot
+Bel Canto Muscat Bailey A / くらむぼん
+10 Beaune Les Cents Vignes / Domaine des Croix
+13 Meursault / Vincent Bouzereau
+08 CNDP La Reine des Bois / Domainde de la Mordoree
+Eau de Vie de Marc gewurztraminer / Julien Meyer
+くびき茶、サネン茶
[AQ!]
いっつもの薄暗い本町界隈に~、いっつもと違~う奴がいるぅ♪
…えーと、ミシュラン2つ星も頂戴して好調の「ラ・シーム」が全面改装した。
そのオープン2日目である♪
(2つ星昇格は慶事であった。なんかさー、日本のミシュランの星って、落下傘ぽいというか・どっかしらには星出さなきゃいけないから、はいポイっ…って印象が強いのだけど、こちらのは、一つずつ積み上げた結果というか・その実力は認めざるを得ないに及び、というか、そんな感じがする)
オープン早々、“いやあミーハーにももう押しかけましたかぁ、狙いましたな”…と思われるに違いない訳なのだけど、グーゼンはグーゼンなのである。
2月オープンとは聞いていたが建国記念日連休では間に合わないだろ、と踏んでいた。…ところに、2/12オープンですよ、と言う。
オープン直後では御常連で一杯だわな、と踏んでいた。…ところ、伺ってみると、2日目に2人なら席あり升よ、と言う。
らっちょい!
さて、こんばんや。
ほんとに「全面改装」である。別の店、である。“ああそういえば奥が厨房で奥右がトイレだね”ってレイアウトくらいしか記憶が一致しない(笑)。
印象は、シック。
食べ進むに従って、親密さと高品格と…の両立を感じる。
20席くらいだっけ…の適度な広さもあいまったコムアラメゾン感があり、かつピシっとした品性を感じさせる。
壁に、漆喰と奄美加計呂麻の砂。シェフの鏝捌きも。
厨房前に盛付け場、目隠し木壁があってそこからシェフが顔半分出して客席をチラ見する。…この辺りが高田さん好み(笑)。
本日客席は、案外に飄々として冷静、もうずっとこの空間で営業してるように見える(笑)。
[へべ]
偶然に恵まれて、改装ほやほやタイミングでの訪店となる。
こ、これは…全面改装とは聞いていたけれど、予想のさらに上空へと羽ばたく大幅リニューアル。明るく開けた感じと、心地よい上質感、落ち着いた親密さのバランスが絶妙な気がする。さすがです!
海藻
緑あざやかな海藻シートに、きらきらプチプチと愛らしいイイダコの卵!春の磯に、有機レモンのそよ風が吹く。楽しい。
[AQ!]
海藻シート(案外しっかりしてて崩れにくい。香りたっぷり、グラデーションが綺麗)をタコ卵ヨーグルトをつけていただく。
「え、この海藤花、小さい」と思ったら、イイダコの卵だそう。有機レモンも効いてる。
えと、この盛付けの珊瑚石だっけ、シェフが島で拾ってきたの。
菊芋とアーティチョーク
明石焼である(笑)。英語だと、エルサレムアーティチョーク&アーティチョーク、である(笑)。
明石焼なんで、汁をかける。冬のホッコリ、この組合せは旨いわな♪
カニ
蟹ほぐしを聖護院蕪漬で巻き込んで生姜風味…と懐石調でもある。
蕪は凍結プードルとしてかけられてもいるが、この粉だけでもよく香る。多要素型の料理って、写真じゃわからんが食うと出来不出来が極端に出るから恐い(ので、良い子の皆さんは、高田さんのよーな天才の真似をする時は気をつけましょう(笑))。
山菜
山菜だ、「春先取り」と品書も雄叫ぶ。
蕗の薹、たらの芽、芹、…。いやあ高田さんの山菜、をいただけるとは♪ 根っこは芹、その下にアラン・ピスタチオ(!)、いちばん下に春菊ピュレ。
ひーん、うめ~(^^;)。
埋もれてる鰊を掘り出して一緒に行くと、風景が変わる。敢えていえば欧州っぽい、ってくらいに。
また土台の春菊、耳で聞くと春菊と山菜が近縁な苦味で喧嘩しないかと思うのだが、上手い味のイントレ組みとなっている。
ここまではロデレールのシャンパン、そしてペアリング開始。お題としては難しい(笑)山菜に、サンテミリオンのメルロ主体とコルビエールのグルナッシュブラン主体が並ぶ。
俺らはどうせとっかえひっかえ呑むから、と、1グラスずつ注いでくれる。
いやあサスガ。本日、全編にペアリングも冴え渡ってた。コルビエールは魔性っぽく合う。
[へべ]
山菜が、うれしい!
香りが、緑が、苦味が、歓声を上げる。響きあう。
芹の根っこの香ばしさが、いいアクセント。そして伏兵の(緑の迷彩をまとって下に潜んでいる)ニシンとの意外な出会い。うわー、おいしい! めちゃめちゃ好き!!
と、大興奮。
アオリイカ
このアオリイカが、また絶品で!
筍と烏賊の響きあいに目をみはる。役者が多い舞台でも、全員がきっちり仕事してるのが、すばらしい…。
[AQ!]
「またしても烏賊である(笑)」…はイミフな家庭内会話である(^^;)が、これも現代ガストロの「烏賊の自由」を謳歌する一品にして激ウマ。
(→最近のモダンガストロのイイとこ、優れた烏賊料理で勝負に来ることが多いね、とよく話題に出る)
アオリ・筍・山椒・卵黄…と並べると、アレ?…ちょっと和食料理人に悔しがってもらいたい組み合わせでもある(笑)。とくに、烏賊と筍の甘みの共鳴は面白い。仕上がり味はごく洋風だおー。
サボテンの食感が良い機能。さすが、入れたモノは働かせる(笑)。山椒の挽き方の講釈もあったような気がするが、忘れた(^^;)。
ホタテ
食材と季節の相関で、同じ時期の食べ歩きは品書に重なりが出来るのが自然。
昨日の「エニェ」に続き、『ホタテx玉葱』。今日の玉葱はデクリネゾンだ。紫玉葱の櫛形がユニーク。
ペアリングが、くらむぼんのマスカットベリーA。よろし♪ こういう可憐で個性的で、ワインだけじゃぜって~呑まない(^^;)ようなワインを挟み込んでくるとこがペアリングの、ひいては現代ガストロの楽しみじゃよ。ね♪
カリフラワー
トリュフの陰にかくれんぼ。スープ御一行さま。
開くと可憐なピンク…は花穂紫蘇だっけ?
引き締められた贅沢が麗しい。
ここでボーヌってのも上手いペアリング。今日のペアは、赤の持ってきかたが素晴らしい。
ダヴィドクロワはカミーユジローを再建した醸造家らしい、ワイン自体もとっても良い。
クエ
クエを茶ソースで強靭にいただく。
黒糖・ビール煮アンディーブの一群を隠すように立つマッシュルームが、マリーナベイサンズみたいな(笑)不思議な見え方。あのビルは倒れるんじゃないかとネットで話題(^^;)だが、こちらは喜んで崩していただく。
プラプリンシパルのポアソン・ヴィアンドでぐっとギアを上げて行く快感。
ムルソーは「如何にもムルソー」感のあるブズローを合わせて。正解。
「最近は“イイんだけどこれってムルソー?”…って感じのムルソーが増えましたねぇ」
黒毛和牛
熊本あか牛のポシェ。…は、なんだっけな自分のブイヨンでポシェする…的なコンサントレな説明があったんだけど忘れちった。「新食感です」…うん♪
牛蒡に葉牛蒡、ソサエティガーリックじゃなくて行者ガーリック(笑)と、お伴軍団が素敵。
改めて強調することでもないが、悦びの頂点をしっかりとソースで作り上げるのが高田流。
(素晴らしいMordoreeのCNDP。前回呑んだの何だっけ…が引っ掛かって見たら、K田さんにいただいて比良山荘に持ち込んだのだった(^^;)。ところでモルドレの当主デロルム氏は昨2015年、心臓発作で急逝されたそう。享年52歳とか。合掌)
フロマージュ
プリ・ド・モーとマスカルポーネのクリーム。アボカドジャム…と洒落てやがる♪
フロマージュは、ワゴンで目移りもいいし・今日はもうオナカ一杯でパス…だっていいんだけど、こーゆー風に料理してもらうのは好き。
蔓が可愛い。
イチゴ
緑苺、求肥で包んで蓬と塩麹のクリーム…ああ素敵だわ。
色彩も美しい。
この辺はゲヴルツのマールが皿ごとに表情を変えつつ、お付き合い。
デコポンと文旦
スポンジとジュレ カカオのアイス。
ざっくり言うと柑橘味チョコレート…とかのスタイルの味だけど、何がどうしてか、えらくウマイ!
にやにやペロペロ、この期に及んでウットリ。
それから今回から?だっけ、「奄美のハーブティー」の準備が。くびき茶(ツルグミの木のお茶)とサネン茶(月桃のお茶)をいただく。へえ♪どっちも好みだ~。
ばんしろう茶というのもあった、グアバ葉茶のようだから、これも好きな筈。いいなあ奄美♪
***
”今宵、この地球上でいちばん旨い食卓かと思ふ”
酔っ払いのたわ言壮語は狸の玉並みに巨大化して行く(^^;)が、まあ、今宵この地球上で最もピーハツな食卓のオッサン…にはなりました♪
[へべ]
世界のおいしいもの好きは、ここに来ないと! と、心底思いますわー。
[AQ!]
いやあ凄いねえ…♪、と嘆息していると森田さん、
「ボクらも昨日、試食だったんですが、シェフ、休業期間中たまってた(笑)んですかねぇ? 『抜きが無いな〜、今回は抜けるとこが無くてピークが続くなあ(笑)』って思いました」
(笑)
その通りでもあり、また高田さんのコースは力作を連ねてきてもうるさくないんだよねー。その辺は感覚の相性もあるだろうけど、ピークが続いてもリズムが感じられる。
ひと皿ずつについても、蟹・蕪の話の続きになるけど、高田シェフは多要素型の料理が多いのだけど、見事に味覚・嗅覚の鮮やかな色彩を表現してくる。
逆の例を考えれば、絵画で言えば多くの色を無計画に塗り込めば全体は灰色化するものだし、音楽で言えば無軌道にダビングを重ねれば全体はピンクノイズ化していくもの。そのように、多様な要素を用いれば、味が塗り潰れたり活性が死んでいったりする危険は常にある。
そこを乗り越えていくためには、鮮やかな筆致、豊かな思考・感性…が要るものなのだろう。
…とかって言わずもがもがなもいいとこだが(^^;)、上手く行ってないモダンにもよく出会う昨今、つい呟いてしまう(^^;)。
森田さんは眼鏡変えたのかなあ? ますます、優しくアヤシイ落ち着いたメートルの雰囲気ばっちりである♪
新装については、
「みんなが豪華な時にカジュアルにしてたのに、みんながそっちにきたらシックにするんですね~」
などとも(笑)。
森田さんのメートル話法は、ボケるでもツッコむでもなく揉みほぐすような術だ♪
高田シェフがやってきて、そんなことより個室も見ろ…とおっしゃる。
不思議な位置にある個室は、現状「ボクの部屋!」だと言っていばる(笑)。随所に、欧米らしさ・フランスん感じを出した内装にした…のは今回の一つのこだわりであるようだ。
あと、トイレに行くとこの「▲」マークに気付かないと怒られる(笑)。
食材は、奄美産…そして鹿児島産をフィーチャーしていく。今の季節はほんと、食材の種類が多くておもろい。夏場なんかはさすがに「一人何役」みたいなんも必要になるかなあ。
…と。
久しぶりにラ・シームのサイトを拝見したら、「稽古照今の精神」…と言っていた。
さすが天才、いい言葉をみつけてきましたなあ♪
[ 傳 x La Cime ]
2016年 8月
*Jelly of chicken from "KAGOSHIMA" with soup stock
黒薩摩鶏のアズピックと引き立て一番出汁
*Sweet fish and smartweed with cocktail of water melon
鮎とタデ スイカのカクテル
*Fried chicken flavored shell ginger and japanese pepper
傳タッキー 月桃と山椒の香り
*Tilefish and "NOZAKI" beef, with dried mullet roe and island chili pepper
熟成金目鯛と野崎牛 唐墨と島唐辛子のアクセント
*Salad of summer vegetables
夏野菜のサラダ
*"SOTETSU" noodles with crab and NARIMISO
ソテツの麺 朝日蟹とナリ味噌
*Peach chips and begonia with rhubarb
桃のチップと甘酢漬け ベゴニアとリュバーブ
*Rosy sea-bass and shellfish with seaweed
アカムツとトネリ貝 アオサノリの香り
*"KAWACHI" duck and eggplant, clocked rice with mushroom
河内鴨と焼き茄子 きのこご飯
*Arrowroot stash noodles with malt syrup of ginger "Hiyashiame"
月桃の香りの葛きりとシナモン風味の冷やし飴
*Fruits jelly of mango with caramel
マンゴーのパートドフリュイとグ○コのキャラメル
+平和クラフト PALE ALE 黄ラベル
+99 Meursault "Les Charmes" / Juliete Chenu
+14 Puoilly Fume / Jonathan Didier Pabiot
+パッションフルーツ・カクテル
+尾瀬の雪どけ
[AQ!]
大阪ラ・シームからお呼びでがんす。
なーに?
それがなんと、神保町「傳」とコラボだっちゅうじゃないですか。
それはゴイスじゃないですか。
お盆は東京でウダウダしてようかと思ってたワシらだが、急ぎ、新幹線と宿を押さえる。
「傳」は大阪でのコラボは初、だそう。
「ラ・シーム」も今年は各地で催し事リッチだ。
コラボは18時開場18時半開演だという。
お盆の大阪に着く、、、覚悟はしてたが、、、あ、、、暑い!
今年は東京の暑さがちょっとだけ腰砕けなので、尚更暑く感じる。ムワっ、、、
最近気に入ってる、動物園前の泊まり。
本町のラ・シーム近辺の週末はひっそりと「ゴーストタウンの如き」静けさだが、月曜に訪れると、フツーのオフィス街だ(^^;)。
いやいやこれはこれはどうもどうも。
と席に進み、ひと落ち着き。
…と、「あ、どもー、AQさん」と隣々席から声がかかる、見れば東京のグレートシェフス♪
いやいやこれはこれはどうもどうも。
奇遇に楽しくなる。
しかし落ち着いて見回してみると、タハハ、これはどうにも「関係者…とかそういう類の」面子の多い客席である。一般人…は俺らくれーじゃねーの?(笑)
黒薩摩鶏のアズピックと引き立て一番出汁
開幕を、水を飲みながら待つ。…シャンパンも注がないのはなんか狙ってますかね(笑)。
開幕の挨拶をメートル森田氏が手短に述べると、透明ジュレボールが手元に届く。
「まだですよ〜」
続き、ワイングラスが置かれ、そこに…ああいい香りだ、引き立て鰹出汁が注がれる。
なるほど。
和仏両サイドのコアのDASHIからピュアにスタートしましょう、と。
鮎とタデ スイカのカクテル
傳・長谷川シェフが西瓜を持って回っている。
パコっと蓋が開く、中がくり抜かれている。
西瓜のカクテル・ドリンクのようだ。これを次の料理に合わせる。
「鮎と蓼」テーマにビシバシの捻り。2日干し鮎に鮎肝の2年(!)卵黄漬、これを蓼の蒸しパンでサンドイッチにしていただく(笑)。蓼蒸しパンに包容力があり、付け合せのマイクロ胡瓜漬も特筆モノ。
展開するワールド。 展開するワールド。まずは「面白みのリージョンのものではある」とか、「西瓜カクテルの黒糖焼酎は良いが和風感あるビネガーはツンと来過ぎかも」とか、「最も興味深い鮎肝にとってはもっと引き立て方もあるだろう」…けど、楽しい挨拶。
傳タッキー 月桃と山椒の香り
アッハッハ♪
手羽の詰物は、餅米蒸しに豚軟骨で、月桃・山椒の香りがよろし。
合わせるのはペールエール。
パッケージ内にはたまに「ひよこちゃん」が入ってる。へべは当たり♪
熟成金目鯛と野崎牛 唐墨と島唐辛子のアクセント
牛x魚タルタル…スタイル。
長谷川シェフ8日間熟成金目x高田シェフ2週間熟成野崎牛。
このタイプのコンビネーションは珍しい訳ではないが、両主素材の状態と、混ぜ込まれた島唐辛子(ピーマン的役割も併せ持つ)やふりかけた唐墨が絶妙で、すんなりととても旨い。
「えーとこのくらいの配分でひと口分をお願いします」
と、置かれたスプーンには「お手本」が乗っている。お手本に従って6口分くらいだったかな。隣の女性卓は後半戦おなかが苦しそうだったので、この辺もうちょっと小盛りでもよかったのかもしれないが、ワシらは嬉しい(^^;)。
夏野菜のサラダ
そう、スタイル的には21世紀型超多種野菜盛り込みサラダ…の眺め、で、その通りなのだが、抜きん出た美味しさ。基本的には「傳」でやってるスタイルなんかな。30種以上使われている。
こういうのは何処がイイのか、言うのは難しいが、
中間項でごまかさず、まっすぐにぶつけてバランス取ってる。隠元など幾つかは天麩羅仕立てで変化をつけている。ソース的に「ラタトゥイユ味噌」とでも呼びたい茄子ピュレを敷いていて、具合が良い。ゴウヤ・緑胡椒・オクラあたりのハッとする働き。キレ味抜群のドレッセ。
ソテツの麺 朝日蟹とナリ味噌
8月1日に解禁となった奄美大島のアサヒガニ(本土と解禁日が違うようだ)でお椀を。
ヒジョーに雑に言えば(笑)、蟹の味噌汁。蟹のビスク。
ナリ味噌…は、原料に蘇鉄の実も入る奄美の味噌。蟹の身の下には奄美の青パパイヤ細切りを敷く。ヘーゼルナッツを散らす。
蟹味噌汁のわかりやすさ…と見えて不思議な深みがあったり、くどいくらいの旨味かな…と思うとひゅるんと品の良さがのぞいたり、ポップに見えてマニアック…な一品で、好き♪
「半分くらい残しといてくださいね~」
…と、背後から高田シェフがわんこそばのお給仕さんのように、ソバを椀に放り込む(笑)。これが蘇鉄練り込みの麺だと言う。
これがまた合うのだ。
そういえば「ソテツの麺って昔からあるんかいや?」って聞こうと思って忘れて帰ってきてしまった。ググった感じだと、「無いわけじゃないけど、そんなにポピュラーじゃない」くらい?
全体に「南の島の懐石」っぽく、んー、映画の一シーンに出会ったような気分になれる。
ペアリングの方も、思いっこし「南」(笑)。
パッションフルーツにそのリキュール、ヘーゼルナッツリキュール、ウイスキー…とかだっけな、色々入ってる。めちゃ面白、ともに行くべし!
桃のチップと甘酢漬け ベゴニアとリュバーブ
箸休め的リフレッシュ。和菓子の風情でもあるかな。
オゼイユ添え。チップはカラメライズぽくクリスピーで、カリントウを思わせる。
アカムツとトネリ貝 アオサノリの香り
8日間熟成のノドグロはとてもいい状態。旨みとシルキーさがあって、しつこさが出ていない。
赤い爪の貝は、おお、アイーダ・コラボの時も使ってたチミではないか。トネリ貝…前回は「チャンバラ貝」の紹介だったような。この貝は異名が多いようで、ググると、トネリは静岡・チャンバラは高知の呼び方であるようだ。
前回より多少サイズが大きく(中身を取り出すのに回転数を要す(笑))ウマイ。
しかしこの一品の隠れた主軸・エンジンはオオサかもしれない。この奄美のアオサは洗いの過程を飛ばしてるそうで、ワイルド&マイルドな風味。料理に入るととてもピュアに伸びてきて、しかも香ばしい。海の香りを、濁り無く伝える。
ここには日本酒。
河内鴨と焼き茄子 きのこご飯
さて、土鍋を引き連れて長谷川シェフが回る。
「富士山麓で6種ほど茸を摘んできました。茸マニアなんですよ、テヘ♪」
という、茸ご飯。
(言うだけある、見事な目利き。「傳」の店にはこれまで予約が入ったことがなくて伺えてないけど、この茸や、魚介の熟成技具合などにはシェフの腰が入った力量が窺えた)
プレゼンのあと、茸ご飯は鴨のひと皿に合流する。
大阪来たら河内鴨!…に、その肝と焼葱の「時雨」とか言いたくなるピュレ(魅惑的♪)。焼き茄子と茄子ピュレ。そして茸ごはん。
まず、美味しそうな皿上でしょ!…って感じなのだが、いただくと更に、その完成度の高さにビッツリする。パルフェに贅沢でまとまりあるひと皿。一夜イベントじゃなくて、練りこまれた常打ち小屋の花形みたいだ。
さすがに両シェフの、反射神経と集中力が凄いっす。
月桃の香りの葛きりとシナモン風味の冷やし飴
葛きりの皿と冷やし飴の容器が並んで、キュート!
それだけで素敵なプレデセールが確約されたようなもんだが、「月桃の香りの葛きりとシナモン風味の冷やし飴」それぞれの香りヴァリエが素晴らしい。これ、使える。両店のノーマル興行でも使えるんじゃない?(笑)
マンゴーのパートドフリュイとグ○コのキャラメル
アッハッハ♪
これで終わりか、サミシーな(^^;)。
暑い大阪に参った甲斐がありました(笑)。
期待通り、コラボ性はとても高く、すべてが2人の個性が入り混じった皿。繰り返しになるが、反射神経と集中力!
長谷川さんはこの手のイベントは厨房スタッフが行動をともにするそうなのだが、今回は急に決まったのともろに「お盆」なんで「それぞれお墓参りでも行っといで」で単独行動だそう(笑)。
2人の力量を反映した面白く美味しい料理なのは勿論だが、どれとして「ごてごてしてない」でピリっと完成させるのは、まことに秀逸です♪
[番外編:MUME X LACIME Collaboration dinner @ 台北MUME]
2016年11月
[ MUME X LACIME Collaboration dinner ]
*Steamed Bread
*Kuzu / Edamame / Abalone
*Eel / Lotus Root
*Squid
*Prawn
*Frog
*Fish
*Pigeon
*Pre Desert
*Dessert
シェフ、ケージマッチ?(笑) →
[AQ!]
で、バタバタと台北にやってきた主因wである [ MUME X LACIME Collaboration dinner ] に出向いた。
東アジアに吼える今をときめく両雄…の饗宴である、って♪
MUMEは2014年オープン、RAWやLe Moûtと並ぶ台湾のモダンシーンの最注目店。
系譜的に…というかメモとして書いとけば、中心となるシェフRichie Linは香港出身・noma,Quayなどで修行、シェフLong Xiongは米国出身・Per se,Adourなどで修業、シェフKai Wardは豪州出身。
実は、傳とラ・シームのコラボの時に高田シェフから「次はMUMEでやるかもしれません」と聞いてはいたのだが、幸運にも顔を出せることとなった。MUME側がなかなか詳細を発表しないので、バタバタはしたのだけれど(^^;)。
台北の地図を見ていると、真ん中辺にひと際でかいラウンドアバウトがある。仁愛路圓環…仁愛路と敦化南路の交差点。
忠孝復興・忠孝敦化・大安・信義安和の4駅から等しく遠い(笑)…のだが、忠孝敦化からプラプラ歩く。
ラウンドアバウトから一本、四維路という細い通りが出ていて、そこを進むと程なく「MUME」という地味でシンプルな彫りの看板に出会う(よく見ていれば♪)。
「MUME」はカジュアルなガストロで、アラカルト(今日は違うけど)の店。
んー、「Radio」とか・「Geist」を小さくしたようなとか・「Formel B」とか・「Rockpoolのセカンド」とか…みたいな感じですね。ガストロバルな雰囲気、と言ってもいいか。
台湾のモダンシーンは、号砲一発いっせいにスタート…って頃合であるせいか、何処となくピチピチと空気が沸き立つ感じがあって、快い。
どもども~♪
指定時間ちょい前くらいに着いたのだが、もうだいぶ始まっている。何組かずつ時間をずらして回してるんだろうな。
そんで、いやあどもども~♪
高田シェフ、奮戦中。
で、リベルテアターブルの武田シェフが自主ボランティアみたいな形(?)でヘルプに入っている。(相変わらず?タケちゃんマンの会でしたっけ…ってくらいの存在感を発揮中(笑))
そしてボクらと相席には、お客さんとしてAシェフ(一応、お客サイドなのでイニシャルにしてみる(笑))。ボクら同様の本日着だけど、遅い便だったので「まだ何も食べてない」そう。
南の島に一同揃って、乾杯♪
ざっと今回主旨を聞くと、「高田シェフ vs. MUMEが探求した台湾食材」が軸となっているとのこと。
Steamed Bread
Grape Fruits(confiture, segment) / Wild pepper / Sweet potato leaf / `pentus flower
おおっといきなり、異国な色彩が目に飛び込む。紫芋の淡い紫に・ペタルの赤ピンクに・芋葉の枯れ緑…っていう。粒は山の胡椒、紫芋蒸しパン。柑橘は、グレープフルーツと柚子の2プラトン攻撃だったかな。
不思議ちゃんでありながら、オイシイ着地。
Kuzu / Edamame / Abalone
葛餅 枝豆 鮑 / Green Dough / Soy bean soup / 抹茶粉 / 山葵 / Creme Fraiche
鮑を活かしたお団子。枝豆はハーフカットくらいで食感を残してる。スープを小さな鉄瓶から注ぐのが可愛い。山葵の塩梅が、アレ和芥子かな?と思うような効き方。こちらは安定した美味しさ。
Eel / Lotus Root
Galette / Crispy soba/ Lotus root / Onion cream / Coffee
蕎麦の舟に、鰻・蓮根餅、珈琲に蕎麦の実…。
ちょうど食卓ではAシェフが「見てると高田シェフの発想ってとても日本人とは思えないんですよ(笑)」と漏らしていたところに到着した一品。『まさにその通り』ってか!?…です。
ただ、旨さ…に難しいところはない皿♪
ヒラヒラと上で舞う花は、フォルモサな蝶のイメージとかw。
Squid
Squid / Chayote pickles / Ginger pickles / Chayote leaf / 酒粕 / Potato espuma / Squid merangue
さあフシギ疾走が止まらない! 何じゃコレ♪
Chayote…って言うんですって隼人瓜。漬けたんと、葉っぱにクルっと蔓が巻く、烏賊のメレンゲの上で。烏賊は甲イカです。酒粕が馴染ませ味。
Prawn
Prawn / Prawn head / Prawn Sauce / Beetroots / Tomato / Tamarind / Red Radish / Shiso(microleaf, flower) / Begonia / Amaranth /
クリムゾン色の葉に彩られる海老世界。こちらは台湾タイガープロウンの豊かな味をプレゼンするひと皿。ハイビスカスもコレだっけ?
Frog
Frog / Sauce / Emulsion Curcuma / Puree garlic / Kohlrabi /
さささ、泡が消えないうちにどぞ! …のエムルジョンはウコン。
蛙の泡かけ最中w?
Fish
クエ / 台湾季節野菜 / Roasted sesame / Sesame sauce / Lovage sauce / Nasturtium(leaf, flower) / Peanuts
魚はクエ。
神経の行き届いた皿に感嘆。かつ、我が家マニアックス的には、台湾の多様多彩な山菜(台湾ワラビとか)が改めて事件♪ たいへんな可能性!
Pigeon
Pigeon / 三星葱 / Kale / Rice puff / Sauce pigeon / Echolok oil / 菱 / 芽葱
うわああ、高田シェフ、やったあ!
鳩ロティに鳩魯肉飯をソースにして。…なんだと!?
まあ旨いこと♪ あ~んど、けっこー直球なんすよね…っつうか、フランス料理店のプラプリンシパルで出せそうな印象すら、ある。本格なんだよねー。
菱は台湾の菱かな、九州の菱より先が尖ってて(マキビシ向きw)栗に近い身甘(焼いてガルニ、ほこほこ)。
…ほんなこと言ってたら高田さんやってきて
「鳩、旨くないすかあ」
「うめえよ(料理的に)」
「ほんとイイんですよ、台北あたりのらしいんですけど、身質が。あと、鶏がめっちゃイイですぅ。フレッシュで時にイカリ過ぎるくらいなんですけど」
って、材料的にも素晴らしいそう。
Pre Desert
Dried cabbage / Sauce(Mallow blue, coconut, lime) / Cabbage powder / Polage flower
キャベツ・蔓エンドウ花・石榴の美しい眺め、に、高田さんがなんか不思議な冗談を言ってたんだけど、忘れてもうたヽ( ´▽`)丿。
Dessert
Maron / Noodle / Passion sorbet / Pandan sugar /
栗にソウメンのイガ、時計草。スカッとホッと、ひと息。
をひをひ、凄ぇな♪
*****
沸き立つ客席、アチコチで萌えてますわ~。
…と言ってたら、
「近所にラボを構えてます、見に行きまっかぁ?」
「喜んで♪」
100mほど行ったとこに、現代的キッチンラボ。さすがnoma世代、美しく整理されていて頗る機能的。
研究と仕込み場として、活用されているそう。
ラボ前にはナスタチュームはじめ香草が植わっている。その中に今日も活躍していた烏山椒があった。嗅がせてもらう。うひょ~、優しく透き通ってハイなトーン…これはイイわ♪
ついでに近所の系列店ステーキ「Le Blanc」を覗く。現在、こちらはLong Xiongシェフが仕切る。やはり店の前にはナスタチュームなど。
いやいや皆様どうもありがとう!
店の前も次々と記念写真で大盛り上がり(^^;)
…そしてコレは重要なことだけど、
「今度は逆パターンで、『リッチーシェフ vs. 日本食材』を大阪でやる」
ってさ!! \(☆〇☆)/
2017年 3月
[ MUME X LACIME Collaboration dinner ]
*スナップえんどう豆 昆布タルト リコッタ・柚子 ラベージオイル
*台湾紅キノア パンプキンクリームとその発酵タルト イクラ
*蕪と揚げ伊勢海老の“タコス” 牛蒡 チャイブ
*大分産牡蠣 昆布 若布 海苔バター 胡瓜 フライドケール
*近江牛タルタル 台湾干し大根 ポテチ クラムマヨネーズ 黄身コンフィ 茸 海老オイル ナスタチウム 香草
*サラダ豆豉ドレッシング:蕗の薹 たらの芽 うるい こしあぶら鰹出汁ジュレ セルリアック パセリ根 水菜 田芹 大根 花 大根・ハイビスカスのピュレ
*鹿児島産鶏 なめこ・舞茸 海老芋ピュレ 行者ニンニク
*甘鯛の鱗焼きと蛤 甘鯛骨出汁・マガオペッパーとレモンタイムスープ 菜の花 小玉葱とパセリオイル
*鹿児島産牛頬 黒にんにく 筍と蕾菜 燻製ヨーグルトソース ディルオイル
*胡瓜のデセール:ヨーグルトムース セロリ・グラニタ レモンバーベナ ジン風味
*ミニャルディーズ八朔
+16 Le Sake Erotique Quatre Sogga pere et fils
+Sherry Amontillado Emilio Lustau
+13 IGP Vin des Allobroges C de Marin Les Vignes de Paradis
+02 Aile d'Argent Mouton Rothschild
+95 Ch.Kirvan
+00 Hospices de Nuits Les Saint-Georges Cuvee des Sires de Vergy Georges Faiveley
+14 Le Petit Haut Lafitte
[AQ!]
2016年11月台北MUME、MUME X LACIME Collaboration dinner開催。
内容的には「高田シェフ vs. MUMEが探求した台湾食材」という感じで、台北でのLa Cimeポップアップ…という色彩が強かった。
そして同時に、「今度は逆パターンで、『リッチーシェフ vs. 日本食材』を大阪でやる」ことが発表されていた。
その日程が決まった。2017年3月末。
あらら、関西には2月に行ったばっかりだったけど、また大阪だ(^^;)。
復習メモ。
MUMEは2014年オープン、RAWやLe Moûtと並ぶ台湾のモダンシーンの最注目店。
中心となるシェフRichie Linは香港出身・noma,Quayなどで修行、シェフLong Xiongは米国出身・Per se,Adourなどで修業、シェフKai Wardは豪州出身。
2日間開催の初日。“関係者”は翌日の方が多いかな?
今回はメニュー印刷してないので、ひと皿ごとに責任シェフが説明します…とのこと。
Tシャツに青いタブリエの4シェフ。
高田シェフが(相変わらず)ふにゃふにゃ~っと開会の挨拶(笑)。
スナップえんどう豆 昆布タルト リコッタ・柚子 ラベージオイル
濃い茶のタルトに深い緑が映える。MUMEでは定番のアミューズらしい。
軽快。
最初のアミューズは白木の2段組容器(クール!)で、下段に次の1品が入ってそうだ…と開けようとすると「マダマダ…」と怒られる(笑)。
台湾紅キノア パンプキンクリームとその発酵タルト イクラ
面白いひと口。主役は紅キノアと南瓜。味出しのイクラ含め、テイストははんなりした具合。
説明はカイ。
台湾紅キノアって何じゃいね?…だが、後でググると「台灣紅藜」でヒットする奴、かな。
蕪と揚げ伊勢海老の“タコス” 牛蒡 チャイブ
タコスの皮にあたるのが薄切りの生蕪、楊枝で留めてある。牛蒡の香りがイイ。
説明はロン。
合わせるのはSoggaのSake Erotique、最近ウケてますな~。海老にピッタリ。
大分産牡蠣 昆布 若布 海苔バター 胡瓜 フライドケール
牡蠣の殻に牡蠣、上に黒緑の揚げたモシャモシャ。…といった眺めは「最近あるある」系でもあるが、コレはなかなかに小粋。
海草系で旨味を引き上げた牡蠣が出会うのが、ケール細切りの揚げと胡瓜(ダイス状の歯応えもアリ)で、とても斬新感があり、かつ好きやわ。
説明はカイ。
近江牛タルタル 台湾干し大根 ポテチ クラムマヨネーズ 黄身コンフィ 茸 海老オイル ナスタチウム 香草
台北MUMEのスペシャリテ・タルタルの日本版ヴァリエ、だそう。
風味、そして食感…よく出来てる。美味。
説明はリッチー。
砕きポテチに干大根ダイスが口の中で楽しい。同席のAシェフが「干大根入ってるの、すぐ慣れますね~。もう既に、入ってないと寂しい」と笑う。
ところで“そうそう”…と思いながら何か引っ掛かるのを後日思い出したのだが、4ヵ月前に都立大「Fukushima」で『奈良漬を刻み込んだ近江牛タルタル、卵黄・玉葱のソース』というのをいただいてた。
近江まで一緒な偶然wだが、“アジアの漬物を牛タルタルに”…ってのは、いつ頃からあるのかなあ。Fukushimaさんも、どっかで習ってきたと言ってたけど。
サラダ豆豉ドレッシング:蕗の薹 たらの芽 うるい こしあぶら鰹出汁ジュレ セルリアック パセリ根 水菜 田芹 大根 春野菜・山菜 花 大根・ハイビスカスのピュレ
まあ所謂ガルグイユ調…というか、多野菜盛込サラダ。…で、まずの特徴は豆豉になろうか、さすがに上手に活かされている。
“いい季節の来日で♪”…な、山菜リッチ。コシアブラの出汁ジュレ…かな、が、地味に面白い。コシアブラって値が行くので「ソレとわかる天麩羅」とか以外にはノーマル営業では使われにくいんだけど、色々使える香りを持つ(…とついこないだも「元吉」で刺身に生で添えてるのを食べてオモタ)。
あと、ハイビスカス持ってくるのが上手ね。
説明はリッチー。
鹿児島産鶏 なめこ・舞茸 海老芋ピュレ 行者ニンニク
鶏胸の真空調理、ソースをまとうナメコ、海老芋ピュレ。舞茸・行者ニンニク添え。
日本食材など実にコラボらしいし、それぞれとても上手くいっているのだが、この皿でそれ以上に印象強いのは、鶏とソースのフランス料理王道っぽい堂々感。
説明はロン、ロンさんはこの辺りが得意パートかな…と思わせる。
まあしかし、このナメコは使えるな。
甘鯛の鱗焼きと蛤 甘鯛骨出汁・マガオペッパーとレモンタイムスープ 菜の花 小玉葱とパセリオイル
甘鯛・焼菜花・小玉葱パセリ油のセットに、魔法の急須からスープが注がれる…というスタイル。
いいお味、で、台湾テイスト。ビミョーに。お互い東アジアで距離も近い日本~台湾で通じる部分がとても多いのだが、ビミョーな所で「こうは思いつかない」とか「こうはしない」ってのはある。スープが、けっこー甘やかで人なつこくてしかしイヤゲがないくらいの台湾風味、似てるけど日本だとしないよなあ…的お味決め。
スープはリッチーが注いでくれた。
鹿児島産牛頬 黒にんにく 筍と蕾菜 燻製ヨーグルトソース ディルオイル
筍・蕾菜焼きは薄いスライスで長時間加熱牛頬に乗る。
充実した主菜だが、一同の話題は、燻製ヨーグルト・ディルオイル(・中国漬物も入ってるかな)のソースの出来映え。とっても美味しい。
牛頬もいいけど、羊とか、何か肉類全体に応用がききそうですよねえ…なんて言ってて、MUMEチームにも水を向けてみたんだけど、さすがに「台湾シーンは『ガストロったらワギュー!』」って感じみたいで、あまりピンと来ないようですた(^^;)。とくに羊・ジビエは、好むお客が少数だって。
後半のワインは、Aile d'Argent~Ch.Kirvan~Hospices de Nuits。
今日も的確な森田さんセレクトだが、最近のペアリングでは「逆に」ボルドーが出てくると面白く感じる…傾向はあるなあ。
胡瓜のデセール:ヨーグルトムース セロリ・グラニタ レモンバーベナ ジン風味
胡瓜とセロリ、野菜型。ジン風味もよく、美味。
説明はカイだっけな、「台湾を台風が襲った日がありまして、材料が何もなくなった夜に考案しました」的なオモロ由来をつけてましたわ。
ワインはLe Petit Haut Lafitte。
ノンアルコールペアリングの方もずっとキョーミ深い展開を見せていたのだが、ここでのアルコール抜きライム・ジントニック…はオイシイ。売ってくれ、ウチで呑む(笑)。
あと振り返ると、牡蠣用だったか、茘枝+アオサが摩訶不思議な傑作。甘鯛のパセリ・セロリ・林檎も目をひいた。
いやあファンタスティックなエイト・ハンズ♪
堪能しました。美味しかった。
ん~、完成度が高かったな。3人来てるし、MUMEのスペシャリテをベースにしたものが多いこともありそう。
表裏…というか、[Cime x Mume]と[Mume x Cime]の両方を見たわけだが、(強いて)特徴を見ると、MUMEの3人はなかなかにクールでスマートだ。
冷静なバランス取り、そして世界も含めた「現代」の要求規範とかイメージの持たれ方をよく知っているかな…という印象を持つ。(3人いること・台湾が小国であること、も寄与しているだろう)
提出してくるエッジが、客にとって把握しやすい。
対するに高田シェフは、やはり爆発力・そして突破力のヒト…って感じだろうか。奄美の天才の凄みは、訳わからんとこ込み…である(笑。強いて言えば、ね)。
最後に4人のサイン紙をくれるのだが、客の数だけきっちり署名する3人に比べて、高田シェフは最後の方の客の分は字がどっかに遊びに行っていて、バランバラン。どうしたらよいかどうか(笑)。
[番外編:BIG5 Collaboration dinner @ リベルテ・ア・ターブル・ド・タケダ]
2017年 6月
[ Big5 ]
*Big5からのご挨拶
*イサキ・黒胡麻
*鰌・カカオ
*デンタッキー
*五島列島スジアラ・じゅん菜
*カシュー仔豚・花ズッキーニ
*!?
*奄美大島パッション・ジンジャーエール
*カカオ節・ダット
*〆
+88 Dom Perignon (mg)
+14 Puligny Montrachet Clos de la Mouchere / Henri Boillot (mg)
+Weekend Journey + umesennin 門司港バナナ
+兵庫 磯自慢 中取り大吟醸純米
+83 Echezeaux / Albert Bichot (mg)
+01 The King / Peter Lehmann
+"Beau Paysage"
[AQ!]
6月の忙しい最中に(…ってのはワタシの事情(^^;))何かやる、と言う。
今度は「Big5」だと言う。
「へ?」
「いや、大きいシェフがですねえ、集まりまして…」
「ああ」
タケダさんとこで、と聞けば、まあ、
Hommage 荒井 昇
La Cime 高田裕介
Liberte a table de Takeda 武田 健志
…ってことだな(笑)。
「あと2人は地方から来ます」
それが、
Patisserie STOVE 齋藤 毅
La Maison de la Nature Goh 福山 剛
秋田の齋藤さん、博多の福山さん…と言うより剛さん、であった。
うーん何なんだろう。
最近とみに減りつつある懐かしきアンシャンレジーム、『あんこ型体型シェフ』…の保存会だろうかw。
この話を聞いた誰しもが、
「麻布十番の酸素が薄くなりますねぇ(^^;)」
と漏らす珍企画の一夜が始まった。
平均100kg超級が並ぶと、店内が狭い(笑)。
さて、卓上のメニューに目をやると、各皿の後に、
「荒/高/斉/福/武」
という文字列が付されている。
「ん?」
「本日はクイズ形式です♪」
あれま、そうかあ…と多少の緊張感が湧いてくる。いやあこの面子、「当ててくれ」と言われたら多少は当てたらんとかっこ悪いやおまへんか(^^;)。
「あ、でも、メインの『仔豚』は5人共作なんで5人にマルしちゃってください。それ以外の各皿は「2人ずつ」の共作です」
え、そっか~、全て共作は共作か。ん~それじゃ当てるのは難しいかなあ。…とホッとしたり(^^;)。
その共作の競作、競演の饗宴…はいずれも見事な出来映え。
まあひと口にコラボ企画と言っても、スペシャリテやシグネチャの出し合いのように「名刺交換会」的なモノも多いが、今回のは勝手知ったるグループの「研究会」の様相。
斬新な切り口でドキドキさせながらも「オイシサ」では定評ある面々の着地に拍手喝采なのでありました。
Big5からのご挨拶
アミューズは一人一品。
それぞれの土地のモノを持ち寄って:おこし・黒糖焼酎・いぶりがっこ・めんたいこ…etc.
乾杯はドンペリ・マグナム(88!)。ワインもBigに、基本マグナムボトル(笑)。
イサキ・黒胡麻 [福/武]
新玉葱・紫蘇 すっきり旨い
[武]は絡んでそう、[荒]かなあ・ちょと違うか…という読み:[福/武]
鰌・カカオ [高/斉]
茄子・竹炭玉子・モレっぽいソース …かなり謎な逸品♪
これは[高]か、あと[福]?:[高/斉]
…って、コレに齋藤さんが参加してるのに、クイズ的にはやられた。さすがにパティシエはデセール2品だろう…と決め打ちしてたので、だいぶ推理がズレたヽ(^~^;)ノ。
「Weekend Journey + umesennin 門司港バナナ」に液窒かなんかでジャカスカ霧を立てる…というコチラも謎なペアリングがまた、秀逸。
デンタッキー
むむむ、お祭りといえばコレか(笑)。見慣れた赤いハコw。
長谷川さんは見た目ウエルター級ってとこか(笑)、スマホの画像で登場した6人目のシェフ。
…それから、パンも巨大である。7人目須藤シェフ。
五島列島スジアラ・じゅん菜 [荒/武]
ポメロ・セロリ 碗仕立て、美味しい♪
[武]は、いそう。で、相方は…[荒]がイサキでなければコッチ?:[荒/武]
カシュー仔豚・花ズッキーニ [荒/高/斉/福/武]
猛烈に盛り上がる凶作…じゃない共作主菜!
花ズッキーニなどは高田さんがAida小林さんにわけてもらって持参とのこと。小林さんも名誉参加ということで8人目のシェフ(笑)。
「83 Echezeaux / Albert Bichot (mg)」…ナニゲにソムリエチームも渾身、ウマ♪
!? [ガガン]
蟹カレー
これに先立つちょっと前、背後に何やら黒い影を感じた。
ゴルゴ13ならいきなり殴りかかって警察に逮捕されたりするシチュエーションだが、俺は温和に振り返る。
…と、ん?んん?んんん?と二度見・三度見、、、え、何しとんの、Gaggan Anand!
…という訳で、ガガンが本日スペシャルゲスト、9人目のシェフなのであった。
しかも、お得意の「蟹カレー」を振舞ってくれると言う。いやあ、何か、トクしちゃったなあ(笑)。
さすがに旨い。実働はけっこう剛さん…かなw。
奄美大島パッション・ジンジャーエール [高・福]
フツーに考えて、[高][斉]しかないやろ。…というのが、騙されました(^^;)。
カカオ節・ダット [荒・斉]
カカオ節(笑)。
俺も子供の頃は、おかかかき器でおかかかいたものだよw。
それはともかく、このデセールの独特の風合い・テキスチャ・味わいは忘れ難い。
本日「えーコレはナンナンだ!?」と思わせてくれた大賞が齋藤毅さん。違う星から飛んできたみたいな感覚なのだ。
本皿共作者の荒井さんも「もの凄く面白くて刺激になった」と言ってらした。
しかし齋藤さんとこって、秋田で、まあ所謂ケーキ店形態なんだよなあ。都内イベント・コラボなんかも続けてって欲しいものだ。あ~んど、秋田行きたい(笑)。
最後のBeau Paysageは「Uf-fu Chardonnay Blend」という名前の紅茶。シャルドネを思わせるブレンドだと言う。
ウフふぅ、楽しかった。
まあしかし、「ファン感謝祭」みたいなイベントだったなあ♪
[番外編:DINING OUT UCHIKO @ 内子町]
2017年10月
[ DINING OUT UCHIKO ]
*おつまみ:アマゴ卵・新蕎麦ブリニ・花穂、トピナンブール・フロマージュ・花、里芋の紅葉見立て
*紅葉鯛・じゃばら オクラすり流し 木蝋蜜蝋
*キジ・川蟹 蕪 らっきょう花
*もち麦・茸・いりこ 銀杏・零余子
*焼きみかん・はなが牛・茄子 人参葉
*アメノウオ・発酵洋梨
*イノシシ・椎茸・黒ニンニク 発酵柿ピュレ
*鮎・イノシシ・棚田米・笹
*葡萄・どぶろく
*栗・後発酵茶
*栗 柿
+17 Yebisu Meister The Royal Leaf Special Bottle
+梨風/梨
+内子茶/柑橘
+酒六酒造 幸三郎
+カカオミカン
+千代の亀酒造 袋しぼり
+15 Gevrey-Chambertin Mes Cinq Terroirs / Denis Mortet
+石鎚黒茶
[AQ!]
内子の体験記を[ DINING OUT UCHIKO ]のサイトに寄稿しました。
→ コチラ
[番外編:Épure Guest Chef Yusuke Takada]
2017年11月
Épure Guest Chef Yusuke Takada
[8-course Tasting Dinner]
*boudin noir, st jacques, cavier
*oursin, crabe, the fermente, peau de tofu
sea urchin, crab, kobucha, yuba
*huitre
La Royale oyster by David Herve No.1, endive, walnut, goat cheese, mojama
*crevettes
botan ebi shrimp, kuruma ebi shrimp, gingko, glutinous rice, amaranth
*amadai
amadai, cockle, Jerusalem artichoke
*ormeau
black abalone, salsifis, matsutake, sake kasu
*homard bleu
blue lobster, kumquat, squash
*boeuf Japonais
Kagoshima wagyu beef A3, bresaola, taro
*chataigne & biere
chestnut, beer, malt
*poire, fromage bleu, caramel
+12 Champagne Rose de Jeanne Les Ursules BdN Cedric Bouchard
+12 Ch.Malartic Lagraviere blanc
+16 Riesling GC Schlossberg / Wein bach
+13 Blanc Fume de Pouilly / Dagueneau
+13 Chassagne Montrachet 1er Les Vides Bourses / M.Colin
+Sherry Los Arcos Dry Amontillado Solera Reserva Lustau
+02 Hermitage / B.Faurie
+08 Tokaji Aszu 5 Puttonyos Hetszolo
[AQ!]
海洋中心4樓の店は、前面にカフェと海に向かうテラス席もあって、かなりの規模。
後で聞くと、厨房も広く立派で「ビックリしましたわ」らしい。レストランで「高田シェフフェア」を挙行しながら、通常営業も並行できる大きさだって。
また、現地シェフはじめスタッフの優秀さ・士気の高さも「ビックリ」レベルだったとか。
席は、某シェフと一緒に3人で組んでもらった。
シャンパンで乾杯していると、ニコニコと高田シェフ登場。3日間のフェアの最終日なので、ちょっと余裕をかましている(笑)。フェアは50席規模なのかな、さっさと完売したようだ。
お客は、香港の若いセレブ…みたいな感じが中心。…ま、店自体、イケイケの若いファインダイニングである。
boudin noir, st jacques, cavier
シックでアーティスティックに、黒く塗りこめてスタート。「日本から高級な奴、キマシタ~♪」(笑)
高田シェフのは、アミューズから美味しさに抜かり無し。
oursin, crabe, the fermente, peau de tofu
黒から一転するテクニカラー、「オズの魔法使い」効果(笑)。
泡の青臭さが、多種の旨味の上に凱旋する。昆布茶が締める。
huitre
仏Saint-Just-LuzacのDavid Herveの牡蠣(香港らしい)。…の皿なのだが、見た目は、おが屑にまみれた若筍、、、。(ナッツ擂り下ろし)
endive, walnut, goat cheeseの歓声の中を牡蠣が疾走してくる。
「牡蠣ったら、美味しさわかってるのに攻めますねえ…」と同席の某シェフが溜息(笑)…某シェフも大概攻めているのだがw。
まあホント、牡蠣料理も一種メルクマールであるのだが、まだまだ表現はあるものだ…。
crevettes
牡丹海老・車海老・銀杏・餅米・アマランサス・ビーツとそのリダクション・ワインビネガー。
不思議な眺め。ジャポネなテイスト…と思ったら、「鮨屋さんに聞いた海老の仕込み」だそうでw。
amadai
甘鯛は、絶妙な火通しの上、アジアンスペシャルな風味でまとめる。気分♪
ormeau
黒鮑に、香港人大好きな憧れの松茸。牛蒡に酒粕…の働きがイイ。
homard bleu
オマール・トレビス包みに金柑・南瓜・花紫蘇。魚介主菜らしさに日本風味を漂わせて魅了する。
boeuf Japonais
これまた香港人がウットリする鹿児島和牛、A3。ブレサオラで肉肉しさを強めて。
ギャロッピングで弾むように楽しくコースは展開する。
高田シェフ、現地のモノやヒトと天然に踊ってるようなのに、如何にも香港の人にも喜ばれそう…というか、実際オオウケしてるのが不思議と言えば不思議(笑)。
意識的にも無意識的にも、客層を真っ向唐竹割りするのは、近年さまざまなイベントを続けてきた経験の蓄積…ということも幾分かは、あろう。
chataigne & biere
再び世界は黒に戻る。
栗・ビール・モルト…と言われただけでピピっと来るが、食べるとピピピ!
poire, fromage bleu, caramel
そして、ミニャルディーズも含めて、色彩に溢れて終わっていく♪
このフェアは「よ~いドン」じゃなくて各卓進行なのだが、それでも進むにつれ、一体感のあるような熱気が場内に醸されてくる。高田熱を香港にも点火できて、ヨカタね~♪
ま、やりとげ顔のシェフは、余裕綽々のご様子ですた。
多分に「成行き」ってことではあるのだけど、去年今年は世界のあちこち(笑)で、高田熱の燃え上がりっぷりに立ち会えて、ハッピーでござりました。
[番外編:INTERSECT BY LEXUS – TOKYO クリスマスディナー @ 表参道INTERSECT]
2018年12月
[INTERSECT BY LEXUS – TOKYO クリスマスディナー]
*黒ブーダンドッグ
*スモークサーモン 豚のリエット
*カリフラワー キャビア
*ミル貝
*倭寇鯖
*帆立 椎茸
*オマール海老 京人参 あんぽ柿
*ヒラメ 黒大根
*蝦夷鹿 ほうれん草
*ブイヤベース 黒トリュフ
*仏手柑 木の芽
*苺 エストラゴン
[AQ!]
Dining Outなんかでお馴染みのLexusの多面展開、表参道に「INTERSECT BY LEXUS」という意識高い系wのビストロを持つ。
そこで、ラ・シームの高田シェフがクリスマスディナーをやる…ってさ、ふーん、…ってことがありまして、まあプラチナチケットですな…とほってあったのだが、実はけっこーバタバタな急場企画だったらしく、お席が湧いて出る…というのを聞きつけて、伺う。
クリスマス!…のモロ当日!、に、フレンチでっせ(^^;)。何年ぶりだ、もろクリ・フレンチ♪
INTERSECTに入るのは初めて、照明や内装はちょい残念系だが豊田佐吉関連書籍など豊富に置かれた、クルマ人御用達な感のカジュアルビストロ。椅子は食事にはちょいツライ。
…などありつつも、スタートを切れば、さまざまな条件も何のその、持ってってくれる高田ワールドでございました。
黒ブーダンドッグ
スモークサーモン 豚のリエット
カリフラワー キャビア
ミル貝
お馴染みブーダンドッグ先頭にアミューズ船団到着。
奄美豚に蕎麦ブリニ。
カリフラワーは炙って。
ミルは、昆布水ジュレで、遊星からの物体感w。
倭寇鯖
スゴイ名前の五島の神経〆ゴマ鯖。
鯖シュークルート・パセリオイル・グラニースミス・ステムレタス
緑ソースを注ぎかけて。脂vs.緑。
帆立 椎茸
帆立に椎茸・ボルチーニ・百合根、静岡産マッシュルーム薄片を覆いかける。
大人な仏が香る。お箸で食べやすい。
オマール海老 京人参 あんぽ柿
オレンジ色の泡かぶり海老。柿がよろし♪
ヒラメ 黒大根
五島産ヒラメ。
平目・サルシフィ・黒大根の2ファソン。
見た目・色彩が、怪しく妖しい。こーゆーものは、ウマイ!
蝦夷鹿 ほうれん草
鹿のチレアンチョ風味(!)、縮みほうれん草・緑ファルス。メイクイン&銀杏(!)。
見た目も食感も、カッコいい(!)美味しさ。
ブイヤベース 黒トリュフ
それは、ただ、黒い世界に沈みこんで、我々を待つ。
イカスミx黒トリュフ。
仏手柑 木の芽
苺 エストラゴン
本日のデセールは、チャーミング。ああ、クリスマスでしたね~♪
最後にはモチベで上気したINTERSECTサイド料理人たちも交えた撮影会。
色々と、さすがです、高田シェフ!…2019年もよろしこ♪
[番外編:開店10周年記念パーティー ]
(2020年 3月)
2020年11月
*ブーダンドッグ
*アミューズ:かんぱち 蛸 ムール 落花生 雲丹
*金木犀
*焼き柿
*鰹 冬瓜
*白子 やどかり
*さめがれい
*ねぎ焼き
*鱧 松茸
*ラーメン
*すじあら
*蝦夷鹿
*みき
*ババ
*ミニャルディーズ
+Champagne Royale Reserve Brut / Philipponnat
+18 Gewurztraminer Pige Lucie Colombain
+19 くらむぼん 樽甲州
+17 Les Acacias Herve Villemade
+18 CNDP / Chateau La Nerthe
+03 Ch.Sainte-Luce Bellevue
+17 Meursault Sous La Velle / Domaine Michelot
+19 守破離 no title
+07 Ch.Simard
+13 NSG au Bas de Combe / J.Cacheux
+05 Riesling VT / Rolly Gassmann
[AQ!]
ウチら、高田シェフの料理をいただく機会が、随分と、イベントだコラボだポップアップだ…というのが続いてしまった。
勿論、面白そうなチャンスに巡り会えるのは素晴らしく楽しみだが、さりとてやっぱ、いちばん好きなのはノーマルのスタンダード営業…なわけではあるよ(^^;)。
…そんなもんで「フツーの日のラ・シーム」がここんとこの課題だったんだけど、まあ所詮ウチの行動力、けっこー久しぶりとなってしまった。(ラ・シームは日曜休…ってのが、多少、旅行のスケジュール組みには縛りとなる…というところはある)
しっとりして華やかなサル(今日は女性率が高いわ♪)、ヤァヤァ森田さん(出張イベントなどでは帯同出来ないこともあるのは寂しい(^^;))と挨拶を交わすのも、実にしっくりした気分。
シャンパーニュと、いつものブーダンドッグから(いつもの口上付きでw)
[へべ]
高田シェフの料理が好きだ。好きすぎて、メモが極端に少ない。なんというか、あぁよかったーっ!うまかったー!好きだー!と叫んで、そのまま後を振り返りもせずにダーッと走り去ってしまいたくなってしまう。これは一体なんなんでしょうか。分析とか言語化とか、ええやないか、と。
でも後々になって記憶をよみがえらせてうっとりと反芻するには、やっぱり文字があると便利。
晩秋のもてなし。大人な味覚。高田料理。
アミューズ:かんぱち 蛸 ムール 落花生 雲丹
[へべ] カンパチ・とんぶりのタルト / 蛸・オリーブ・牛蒡
[AQ!] カリフラワー・雲丹・パプリカ / ムール・サフランライスのパフ / 落花生・カカオサブレ・韮花
ムールにはサフランライスをパフにして盛って…パエリア調な…つまり例のフェランアドリア調な一品♪ スムーズなカリフラワーは全盛期のロブションを思い起こさせるし、一瞬そーゆー「お歴々企画」かとオモタよ(笑)
金木犀
金木犀のお水の清涼。
焼き柿
発酵デーツを合わせた妙味。
2品並んで晩秋の景色♪ 華やぎより侘びを感じるゲヴルツが好相性。
鰹 冬瓜
藁焼きの鰹。冷凍大葉 胡瓜 冬瓜 梨。冴えている。
そして、柚子や蜜柑をおもわせる「くらむぼん」(甲州)。
白子 やどかり
[へべ] やどかりのビスク・白子。小芋冷凍筋切り 柴栗 トリュフ。
[AQ!] ややや、熱々! ヤドカリは鵡川のもので自称「鵡川のオマール」だとか(笑)。綺麗で味深く、猛烈に美味い。
そして、出来上がりが理想のフランス料理のよう。「へぇヤドカリかぁどうしよ?」…というところからスタートしてるかと思うけど、見事なキャスティングだ。ヤドカリがすっきりしてるから、淡泊濃厚な白子…だわなあ。コース全編を通じて、ここ一点で集中トリュフ(笑)なのもカコイイ。
ロワールのロモランタン…へぇ…が面白い。
さめがれい
お、サメガレイだ、イイねぃ♪ さめがれい(崩して食え)味噌漬け洗い アンディーブ キャビア 酒粕。クレームソース調。
…という登場人物だが、なんでかむちゃくちゃフランスやわ(笑)。
ねぎ焼き
ここでシェフ登場♪…なのだが、手にしたパンには「ねぎやき」!
そう、ポワローブレゼでもカルソッツでもなく(笑)、十三『やまもと』とかの、、、ねぎ焼き!
~~ 経産(一回)但馬牛熟成 山芋 セップ 餡っぽいソース 、、、こんがりとした中にイイ酸 ~~
こんなん、「おそろしく旨い」…とか書きたくないけど(笑)、「おそろしく旨い」。(しかも、変な話、フランス料理として…旨く、ねぎ焼きとして…旨い。あ~あw)
シェフは「おかわり自由っすから(笑)」と言い放って戻って行ったが、森田さん「え~と、まだ先が、かなりあります(^^;)」。うん、「おかわり自由」って、言ってみたかったのね(笑)。
ワインは、ブライのビオのメルロー。
鱧 松茸
つづいて、はままったけ♪
鱧パネ 松茸は発酵ワザを使って。
巧い具合にハマってると思ったけど、「松茸はラ・シームでは初登坂」…とか言ってた。
贅沢にムルソー。
ラーメン
うん、回りの席にお箸が出てたの、見たし(^^;)。…で。
ラーメンヽ( ´▽`)丿
蘇鉄粉の麺 島豚 キビナゴ魚醤 …と、高田シェフの奄美スペシャルというか南九州スペシャル。蘇鉄麺おもしろ。
「いや、コンソメに細いヌイユの浮き身ですから…(フランス料理)」とかテキトーなこと(笑)、言ってたっけなあ? …いや、それが、別にそれで、ハマってるというのは、摩訶不思議♪
合わせて(2020年12月現在はエライことになってる「まつもと」さんの)守破離 no titleだが、梨・胡椒を使ったカクテルに仕立てている…、で、すんげーウマイ! 合ってる。
これに限らず…だが、森田「ソムリエ」も、絶好調じゃ~ん♪
すじあら
五島産スジアラ。ビーツ 蓮根。
堂々と♪
ここでサンテミリオンは大変に愉快。
蝦夷鹿
キャラメル トピナンブール ジュヌオキサリス
ひたすら堂々と♪
ワインの旅路の方のオオトリはジャクカシュー。
ふぅ♪
…で、食後のお飲み物、茶・アンフュージョンのショワは、15種類の茶葉を見て悩むw…も、やっぱ、奄美系に目が行きますな。
みき
甘味。白き…は、奄美の「ミキ」!
アロエ 梨 かぼす。
ババ
タイムのババ、すっきり。巨峰2通り ジンクレーム チョコアイス。甘味もレベルたっかい。
甘いおちゃけはアルザスリースリング♪
ミニャルディーズ
ミックスジュースを閉じ込めたアイスボールが面白い。…ったら、なんだっけ、店の近くの自販機のミックスジュースから思いついた…だとか(^^;)。
コースは、玄妙からフェットへと展開する。ダイナミックで愉快でシリアスな体験だ。今日もシェフは疾走する、美食っていいなあ♪
…ねぎ焼きやラーメンを交えながら(笑)。いや、この言わば「奇天烈」枠も、ひと口すればもう、すっと整理がついている。
10周年を迎えた『ラ・シーム』、全編を通じて、「自信」と「余裕」による落ち着き・揺ぎ無さ…そこんとこは10年の変化であり実りである、かなあ♪