2005年11月 
*オリーブ
*胡桃入りグジェール、タスマニアソモンの蕎麦粉ガレット・ディル添え
*毛蟹のトリュフ風味と秋茄子、根セロリピュレのドーム仕立て、ジロール添え
*ブーダンノワールのカリカリポテト包み、バニュルスのリダクション
*蝦夷鹿の心臓とロースのロティ、花梨のピュレ、白トリュフかけ
*ピジョンラミエのロティ、キャベツ添え、白トリュフかけ
*チョコレートのクレープに包まれた柿のスフレグラッセ
*りんごの熱々ガレット キャラメルのアイスクリームと
+98 Champagne / Veuve Clicquot (glass)
+90 Clos D'Iere
[AQ!]
移転半年、落ち着いた頃に伺う(もっと早く行こうと思ってはいたのだけど)。
大輪の花が、咲きました。
それはそれは見事な料理なのである。
例えば毛蟹のアントレ。発想と組立ての「鮮やかで複雑な切口」から印象に入ってくる料理なのだが、そしてその鮮烈さも確かなのだが、バックグラウンドにある「味」の厚みが揺るぎない。
どの皿も、探検隊が掘っても掘っても「ウマイ」が出てくる。どんどん出てくる。いやぁ、恐れ入った。料理の流れも非常に良い。
白トリュフはオプション、二人で3g=3750円。
クロディエールは12800円でヒジョーに良い酒。ブーダンに合わせて最初、ちょこっとサーヴ。その後「是非デカンタ」ということでデカンタで楽しむが、1/4 程は瓶に残しておいて、最後にサーヴ。ナニゲなく上手いんだ、この段取りが。
さすがはサトルちゃん。
[ヘベ]
そうそう、「デカンタすると見違えるようです」との勧めで、それもタマにはいいかなぁとアントレに合わせて楽しんだ後、隠し球のようにボトルから最後のおいしいところが現れる。すっかり貫録もついて堂々とした柴田さんの心憎い技でした。やられた。
小玉シェフの料理は、以前にいただいた時から思えば随分遠くに来たもんだ…という印象。ものすごーく進化しているのでは?
毛蟹と茄子と根セロリとトリュフの心躍る調和。蝦夷鹿のロティの旨いこと!
店のロケーションも素晴らしい。満を持して、いい店になって、こういうのを見るのはつくづく嬉しい。
[AQ!]
小玉さんはまだ34歳なんだってね。ってことは、前回いただいたのは31歳の時だったのか!
「さすがは柴田サンの青田買い力」…と変な感心をする帰途である(^^;)。
2,3歳下のスーシェフはじめ厨房は4人だったっけかな。
ロケーションも雰囲気も人間も、いい意味でとっても都会的なレストラン。
「移転前のヴィガトんとこみたいだ、カレデフィアンだ、ヴィヴァロアだ、、」と佳き頃のパリを何となく懐古する爺婆である(^^;)。
…。
実はこの日は、入店遅い上にかなりの長っ尻。柴田・小玉さんの丁重な見送りで送られ、我々は気分よく懐古オヤヂとなって赤坂駅までつくづくノロマな歩を進めたわけよ。ああ、まだ電車があってよかったね、でも次の電車はだいぶ先だね。…なんて言いながら、ホームをぷらぷら歩いて先端の方のベンチを目指して歩いてた。
…と、さ、
ベンチになんか見た顔がある。ありゃ、こっちに挨拶してるぞ。
…ってさ、小玉シェフと厨房一行なの\(@▽@)/。
俺らがダラダラしてたから、みんな遅くなってしまったのだな。でも「まだ電車あるぞ、間に合う」って急いで仕舞って走ってきた、とかそんなんみたいなのだ。ノロマな酔っ払いはどこかで抜かれておったのだ。
いやぁ。ドモドモ。
世にも珍しき、シェフと一緒の電車で帰りましたとさ。色々話が出来て、余計楽しかったのでありました。
2006年 8月 

[Menu 4eme Anniversaire]
*Amuses-gueules
胡桃とフロマージュのグジェール、アンショワとトマトの鳴門パイ
*Creme de chou-fleur, crabe truffer, oursin cru et creme fouettee au algue
カリフラワーのクリーム、トリュフ風味の蟹のメランジェ、北海道産生うにと生海苔クリーム
*Gros congre grille et legume d’ ete parfum boudin noir et miel
小名浜産太穴子のグリエと夏野菜をブーダンノアールと蜂蜜のドレッシングで
*Langoustine poeler, marmalade de tomate verte, tuile parmesan reduction de balsamique
手長えびのポワレ、グリーントマトのマルメラード パルメザンチュイル、バルサミコのレデュクション
*Veau TOKACHI roti beurre noisette et huile de pistache
十勝産仔牛ロース肉のロースト 焦がしバターとピスタチオオイル
*Gratine tomate avec glace a l'olives noires
*フルーツトマト果肉とそのグラニテのグラタン仕立て プロヴァンス産黒オリーブのジェラートと
*Cafe ou the et mignardises
食後のお飲み物とお菓子
+92 Volnay Clos du Chateau des Ducs / M.Lafarge
[AQ!]
ちょと凄いよ。最早、都内最高の一軒。
五十嵐一門、って目でみると、一門らしく工夫好きなのだが、五十嵐御大が洗練を極めてもいつまでもどこか「ウマイモノ屋」調(イイ意味で、よ)であり、加藤さんが朴訥かつ豊饒なのであるに対し、小玉さんは、都会っぽい。
パリの90年代みたいだ。ボクらがワクワクドキドキしていた“アレ”なんだよなぁ。
垢抜けていて深く、妖しくチャーミングで魅惑的。ウルサンなんか、ほんとに、“アレ”、なんだよなぁ。
まぁ店の場所や見た目も、カレデフィアンかフォージュロンか、、、みたいなんだけどね。
十勝の仔牛は、目ん玉飛び出るほど高いらしい。それも合わせて、ザッと見て、ほとんど儲からなそうなムニュである。そのためにか、本“記念”ムニュは、8/10-20のわずか10日間の御提供でございます。
[ヘベ]
そうそう、シックな輝きがあって、都会っぽいよね。好きだったあの頃のパリみたいな料理。
シェフを多数輩出してきた一部の名門老舗を除けば、このところの日本のフレンチはどちらかというとオーナーシェフの店が主流だったけど、今のシュマンは、新世代の「レストラトゥールの店」の決定版ではないかしらん。などと思う。
肉質、調理ともに素晴らしい十勝の仔牛。ウルサンを戴いたトリュフ風味の蟹の前菜。(これまでなんだかんだ)食べててよかった!と思わせてくれる一軒ですね。
[AQ!]
料理の流れが非常に良い。アミューズがこうでアントレがこう、プラでこうきてデセールはこう…というメリハリがある。
2007年 1月 

*Amuses-gueules
胡桃とフロマージュのグジェール、ツブツブ蜜柑
*Huitre cuite froide en gelee de tomate et fromage blanc
北海道仙鳳祉産牡蠣、トマトのジュレとフロマージュブランのアンサンブル
*Fran de crabe et HOKKI-GAI sauce pomme de terre truffer
蟹の冷たいフランと北寄貝、トリュフ風味のジャガイモのソースで
*ロニョンドヴォーのカシスマスタードソース
*長野産嘴広鴨ロティのルーアン風 茸ピュレ、腿のサラダ
*Mousse au chocolat,huile d’olive ≪ BIO ≫ et sel cristal
ヴァローナ(アラグアニ72%)のショコラムース
サルディーニャ産オーガニックエクストラヴァージンオリーブオイルとクリスタルソルト
*ピチビエ
+98 Champagne / Beaumont des Crayeres (glass)
+83 Volnay Clos de la Bousse D'Or / Pousse D'Or
+04 Sauternes / Dourthe (glass)
+凍り蜜柑クレマン
[AQ!]
グラス白ボルドーはなんだっけ、あれもよかった。
さて内容は、ほぼ完璧ですね。「アントレの陰影」と「ヴィアンドのキュイソン」、という魅力の両輪がダイナミックに時間を構成する。
ツブ貝の蜜柑(!)和えはビッツラ。
牡蠣のバランスは、添えられたシューブラッセル(歯応え)まで測られている。
嘴広鴨は、なな何と、2ヶ月フザンタージュとか。「こ、こ、コレですよ!」って感じ。やっぱ、若いのはイカンよな(笑)。鳩のデカい奴くらいの大きさ。やっぱり仏料理で食うのは、このくらい雑食系の奴をフザンタージュかけて…、ってのがイイのではないかと思う。いや~しかし、ダメな人には駄目だろ、ってくらい臭い\(☆〇☆)/。もっと大人しい鹿児島産サルセルもありますた。
青山アンフォールがなくなるのは急に決まったことらしいですよ、などなど世間話。
[ヘベ]
ふと思い立って訪れた平日夜のシュマンは、ほとんど満席。夜は更けて、料理もフロマージュもすっかり平らげても、卓には長っ尻なお客たちが思い思いにさんざめく。ここはヨーロッパかと錯覚しそうな、「レストラン」らしい光景だった。(←AQ!:「欧米か」)
・オーナー柴田覚氏の貫禄にもますます磨きがかかる。
・小玉シェフもかなり「大玉」化が進み、カラダに皿に自信が満ちあふれている。
・「蜜柑」を再発見。いい奴だけど、あっけらかんとしてて後ろ暗さがないからなぁ、と思いきや、こんな奥深いヒトだったとは。「胡瓜再発見年」以来のオドロキかも。能天気なところを注意深くとりのけ、わずかな苦味で裏打ちしてそっと差し出された微妙な風味。参りました。
・鴨が小さめなので、間にお二人でロニョンどうですか、と渡りに舟のご提案。これがまた素晴らしい!すこーし残した脂も清らかなピチピチのロニョンの旨いことったら。おいしければ、ものすごく好きな部位なんだよねぇ、と、思い出のロニョン話に花が咲く。
・2カ月フザンタージュのハシビロ鴨がすごい。そうだこれがジビエだったなぁ、と唸る。こうこなくっちゃ。
・そこかしこで見かけるようになった最近のジビエは、若く軽くフツーであることが多く、それならジビエじゃなくてもよいのでは?と言いたくなることもある。なんというか、「モッタイナイ」ことであります。
・ルーアン風の濃密なソースでいただく、薄く薄く切られた胸肉にうっとり。ガルニは茸とピュレで一面茶色い皿上世界が、美しい。サラダになった腿肉は、ころころと小さな角切りになってなお、強烈な存在感を放っていた。堪能。
2008年 7月 
*Amuses-gueules
胡桃とフロマージュのグジェール、マンボウのカルパッチョ
*岩牡蠣の茄子ピューレ敷き、軽いアーモンドクレーム、コンソメ添え
*ANGUILLLE farcie basquaise parfum de vinaigre de xeres
バスク風鰻のファルシー シェリービネガーの香り
*Roti de PIGEONNEAU BRESSAN sauce aux abats et shiso
スペシャリテ、フランスブレス産仔鳩のロースト 紫蘇の香りの内臓ソースで
*Paupiette d’EDA-MAME et de mousse au chocolat blanc, parfum du pedro ximenez
枝豆とホワイトチョコレートムースのポーピエット ペドロヒメネスの香り
*2008 Compote de PeCHE avec granite d’estragon glace a la vanille et bulle du ferment lactique
2008 桃のコンポート エストラゴンのグラニテ、ヴァニラアイスクリーム、乳酸菌の泡
+NV Champagne / Paillard (glass)
+98 Alsace Riesling / Barmes Buecher
+98 Crozes Hermitage D.de Thalabert / Jaboulet
[AQ!]
S先生家と4人で。
先生が「三皿構成でたもれ」というので、トワプラ組み。…も、うめーうめーと舐めるように食したせいか、サトルちゃんに「(爺ぃのくせに)食欲衰えませんねぇ」と呆れられる。いや、けっこー落ちてるんだけどさー。「体重100kg越えか?とか言われちゃってますよ」と膨らんだメートル柴田氏である。
結局、ワインも仕切りきってもらう(^^;)。白赤、どっちも11000円でついてたか、おーけーおーけー。
豪州黒トリュフ(追っかけ卓上削り)はけっこう香って、イケます。一人1g(600円)、へべだけ2g。
敢然と料理しきった岩牡蠣など見事。クールで人が悪いシュマンは悪の世界だす(笑)。
一応申し添えれば、「悪」の要素のない仏料理なんて、気の抜けたコーラみたいなもんだよ、チミー(^^;)。
2008年 9月 
『 Menu Sixeme Anniversaire 』~ シュマン6周年記念特別メニュー ~
*Amuses-gueules
*Tartare de seiche et cepe et ses salade
あおり烏賊とイタリア産ポルチーニ茸のタルタル そのサラダを添えて
*Fleur de courgette farci aux pate d’AYU avec moules Mont-Saint-Michel
鮎のパテを詰めた花ズッキーニのヴァプール
モン・サン・ミッシェルから届いたムール貝の香りと
*Tarte au gros conre sauvage “ONAHAMA”
小名浜産太穴子のムニエル さくさくパイのタルト仕立て
*Chevreau ”IWATE” roti sensibilite du jour
岩手県産の仔山羊 今日の感性で
*Compote de poire et figue ,bugnes lyonnaises,comme les milles-feuilles
avec glace patate douce violet
洋梨のコンポートとイチジクをビューニュリヨネでミルフィーユ仕立てに
紫サツマイモのアイスクリームと
*Cafe ou the et mignardises
+87 Cotes du Rhone Rasteau / Domaine de La Combe Dieu
2010年 4月 
*ベーコンマドレーヌ、ポワロタルト
*オランダ産白アスパラガスとモリーユ茸のフリカッセ
*ABATS DE VEAU paysage ≪AOMORI≫ varie
*イタリア産兎のオマール・ファルシ・ロティ
*AGNEAU DE LAIT ≪ HONGRIE ≫sensibilite du jour
*Eclair au parfait de banane et de pulpe orange Mousse au cafe Parfume aux noix
バナナのパルフェとオレンジ果肉 コーヒームースのエクレア くるみの香り
*Gateau de mousse au chocolat noire et morille perfume madere Glace a la morilles
モリーユ茸とマデラ酒風味のムースショコラ モリーユ茸のアイスクリーム
+94 Griotte-Chambertin / Domaine des Chezeaux
+オードヴィー・ド・プリュン ムートンと100年物
[AQ!]
実直で艶があり、オーソドックスな手法でありながらストレスフリーに仕上げている。新任・信定シェフ、やるじゃん。…ってか、偉いねー、サトルちゃん。ヽ(^。^)ノ グリオットは激ウマ。ディジェスティフの提案も堪能。
アバは、レバ・ハツ・タン・トリッパトマト煮、で、山菜色々がガルニ。
アニョードレはたいそうイタイケなサイズ、レモングラスとタイムのソースで美味。賄いレベルの実験ではこれに更にココナツミルクを加えると完っ全に「ソレ」になってしまうそうで『禁じ手』となったそうな(笑)。
「でも、最近のパリなんかだと、その、“ソレ”で出してきそうですね」
と言うと、
「あ、そうですねえ(笑)」
ついでに、
「最近の若い客はなってねえ!」
で大いに盛り上がる(^^;)。最近は見田さんの「メニューの読み方」(懐かしい…)など掘ってきて、再読してるとか。
シュマン一行は、1月に香港行ってきたらしい。福臨門・王子・ユンキー。
この一門はデセールに秀でるのだが、今日の2品も極上の出来。
2011年11月 

*グジェール(チーズ&?)秋鯖胡瓜赤玉ねぎトリュフソース、ベーコンマドレーヌ
*フランスみやげサラミ(セップ、無花果、猪、雉、鴨、豚)
*CRABE ,mousse de renkon et oeufs de saumon perfume “yuzu”
本ズワイ蟹とレンコンのムース、自家製イクラのアンサンブル 柚子の香り
*モンサンのムール、スープドポワソン
*Frit de CAILLE farcie de champignon sauvage et de ris condimenter aux 8épices
天然きのこと餅米を詰めたドンブ産ウズラの香り揚げ 8種類のスパイスを使って
*山鳩ロティ セップと
*フロマージュ
*Mille-feuille aux noix parfumé frangelico
濃厚なクルミのミルフィーユ フランジェリコ風味
*Mont-blanc façon “chemins sorbet aux figue et cassis
シュマン特製 国産栗のモンブラン フレッシュ無花果とカシスのソルベ添え
+99 Champagne / Ayala
+94 Pommard (Les Jarollieres) / Pousse d'Or
+89 Port Quinta do vesuvio

[AQ!]
ブラヴォ、シェフ!\(@▽@)/ 相変わらず見た目が貧相細面だけど(^^;)。
やっぱりシュマンは「柴田さんの味」…というのも大きいか、、、…と、まあ象徴的に言うと誤解を招いてしまうが(笑)、お店全体で作り上げる味。
それは、試食の時にどういう話をするのか、とか、他の店の何を食べてみたらどうだったという話をするとか、いざ料理を出す当日の段でどれだけ細かく調整できるか、とか色々あるのだろうけれど。
だいたい、シュマンは、お店の前まで行くと「いい匂い」がする。昔はみんな、したものだ(笑)。
スープドポワソンでも山鳩のソースでも、「古い味がする」(=美味しい)。そして、「新しい食感がある」(=軽い、澄んでいる)。そこがキチンと出ている。
帰り際、柴田サンが
「どうですかスープドポワソン? もうちょっと、あの、グジョーっとした(昔のタイプの)方がいいです?」
と聞くので、
「イヤ、今日みたいな、味の芯とか奥とかの大事な部分が出ているなら、こういうタッチでいい♪」
と答える。
柴田さん、ここのとこの信定シェフの仕事には、我ながらたいへん満足…だそうだ。でしょーとも!
蓮根ムース・自家製イクラ(コンソメ漬)、や、シュマン流モンブラン、といったクレアティフが強調された皿も、ひじょーに美味くて感心。
94のプスドールと98のタラベール並べられて困るが(笑)(しかも両者キャリテプリ)、プスドール。
ポマール村名ラベルなのだが中身がJarollieresらしく、確かに、コルクにもJarollieresと入っている。値段が村名なのでオトク、とか(^^;)。メゾンのオーナーがかわった時のゴタゴタ絡みでそんなことになってる、らしい。
シッカリとした構造が、ちょうど食事時間くらいをかけて艶やかに蕩けていく、それはそれは飲み心地のよろしい一本。山鳩とやると、気狂い的。

[ヘベ]
信定シェフのシュマン、すばらしい!
そして柴田さんの堂々たるレストラトゥールっぷりには、ほれぼれしますね。シェフ交代から、そのシェフの料理がその店の味、店の料理になっていくプロセスは神秘に満ちてますが、そこにはつい(もはや他ではめったに使わなくなった)伯楽という古風な言葉を持ち出したくなったりします。
秋鯖、は、オーダーの選には惜しくも漏れたけど未練もたっぷりあった前菜から一口をアミューズに、という嬉しい展開。このやり方って、いかにもレストラン、という風格が感じられて大好きなのです。しかも秋鯖絶品。大ハッピー。
料理はというと、のっけからレンコンのムースに、うっとり。上にイクラとカニ(と蓮根チップス)の華やかなプレゼンながら、味わえば主役はあくまで蓮根。この秋は個人的に蓮根大ヒット中ですが、そうでない人も人生における蓮根観がちょっと変わるのでは? というくらい、蓮根の味と香りが存分に、きれいに引き出されていて、おいしい。
クレアティフ((C)AQ)部門のもう一つの雄は、モンブラン! 軽やかで豊かな、嘯月さんの和菓子を思わせる、画期的な仕立て。オリジナルのモンブラン・モンテビアンコに各所で出会ってそのたびそれぞれに嬉しいこのごろですが、シュマン流は白眉かも。
全皿点呼したくなる見事な夜でしたが、どうしても言っておきたい、山鳩ロティ。そして、その、ソース。フランス料理ここにあり、94のプスドールとともに、こりゃたまらん、と、もうメロメロでしたとも。
2013年11月 

*グジェール
*コンソメいくら、ベーコンマドレーヌ
*Mariage de poivron rouge farci d’ANGUILLE et FOIE-GRAS poêler chaud au cardamone
スペシャリテ 鰻と赤ピーマン カルダモンの香り フランス産フォワグラソテー添え
*岡山産トピナンブールヴルーテ・仙鳳趾牡蠣・春菊
*GROUSE en deux services suprêmes rôti sauce salmi condimenter chocolat noir en-crôute de cuisse avce consomme
スコットランド産 雷鳥を二皿のサービスで 胸肉のロースト チョコレート風味のサルミソース
腿肉のパイ包み焼きとジビエのコンソメ スープ
*Légumes automne jardinière arlequin braise
*Chou à la biscuit CHOCOLAT NOIR chaud glace à la vanille et poire caramélisée
焼きたてチョコレートのシュークリーム ヴァニラのアイスクリームと洋梨のキャラメリゼ
*En-crôute de MARRON avec glace amarette
マロンクリームのパイ包み焼き 和栗の渋皮煮添え アマレットのアイスクリーム
+Chablis Blanchot (glass)
+75 La Fleur St. Émilion

[AQ!]
「うわー、フランス料理ってうめえぇ~!」とストレートに叫びが出る(笑)。ノビーはやっぱ、たいへんに美味いぞ!
五十嵐一門は、どの店もコース・アラカルトの両刀ともに“イケル”感じなのだが、兎に角“世の中”からアラカルト・ドゥプラでイケる力量店が激減している昨今、つい、ドゥプラ注文をしたくなる。
それにやっぱどうだろ、“本流キュイジーヌフランセ”って、ドゥプラでいただくのが、客としては“心、満ちる”感が強いような、、、。
トピナンブールはじめ野菜の多くはノビーの郷、岡山直送。“愛ある”仕立て♪…美味。
鰻は五十嵐一門会の時の考案だそうで。すげー美味い。
雷鳥は3週間、熟成香もタップリ、堪能。ま、此処だともっと引っ張っても出すんだろうけど(笑)。サツマイモピュレ 足、毛付 内臓添え。
柴田セレクションは「合いそうなの考えてたらこんなんなっちゃいました~(笑)」と、クロスモガドール・何かスペインの・と、サンテミリオンのラ・フルール(ポムロルの…も美味いだろうが、払えない(笑)) これもムエックスのワイン、…が並ぶ。
若々しさも残り…ってレベル(…と言って、無理に引っ張った作りでも無いが)で、すんばらしー! 85って言っても絶対わからん…ってゆーか、95と言われても…。そんな75。
…と言いながら、構成のある熟成感はバッチリ。
しかし、75ってもうそろ、40年かあ、、、。実感ない。
「82…とか、ついこないだのじゃん…って思っちゃうんですよねえ…(笑)」
「90なんてまだ飲めないんじゃないの?…とか(笑)」
と柴田さんと爺ぃ会話(^^;)。

[ヘベ]
これぞフランス料理を食べる喜び! と、改めて思う、シュマンの夜。
アラカルトのドゥプラって、当然のことながら、選ぶ側としても真剣勝負の度合いが高まる(なにしろチャンスはたった二皿)。その日の自分の気分、アントレとプラの折り合い、季節の食材、その店そのシェフならではの料理…などなどを勘案して、「やっぱり今夜はこれでしょ」と絞り込んで注文する。
それがピタリとはまったときの、それはシェフの腕であったり厨房の力であったりサービスの采配による絶妙な調整力のおかげであったりしつつも、でも自分もなんだか少しは「えっへん」と思わせてもらえる、ちょっとした参加感があって。
おまかせにも多皿にも良さがあるけど、こんなにアラカルト(でイケる店、いきたくなる店)が絶滅危惧種になるとは、90年代前半には夢にも思わなかった。
そんでもって、こうなると、時間とともに変化のある赤をボトルで腰を据えてゆったり飲むのが自然ななりゆきで(笑)。サンテミリオンのラ・フルール、おいしかったなー。
ヨタ話の流れで出た、「90年代ヴィンテージとか、ついこないだじゃん」感がプロ中のプロの柴田さんにもあるという話。やっぱり刷り込みってあるんだなぁと変なところで感じ入る(笑)。
ノビーおいしい!
鰻赤ピーマンのは、(店の歴代、はあっても)ノビーシェフとしては初の「ぼくのスペシャリテ」だそうで。出色の出来。とてもいい。
どうでもいいけど牡蠣の「センポーシ」って産地名は、いつ聞いても日本離れした響きだよね。仙鳳趾と字を書いてもなおかっこいいけど。
雷鳥が旨い! 熟成もばっちり。雷鳥はやはり「ここでなら」と思う店でいただきたい。別添の野菜ココットがまた特筆したくなるおいしさ。
2014年10月 

*グジェール
*海鮮カクテル パセリピュレ
*焼烏賊トマトパプリカソース
*吉野雄鹿内腿の炙りカルパッチョ フォアグラ・ノワゼット・無花果・パルミジャーノ・ルッコラ添え ナツハゼ・鬼灯ソース
*茸のフリカッセ
*熊などジビエのコンソメ 熊肉・松茸・銀杏
*雷鳥のロティ サルミソース 人参・菠薐草
*雷鳥腿とブーダンノワールのフリット グリーンサラダ
*無花果の薄焼きタルト グラス
*栗とノワゼット
+02 Cotes du Rhone Villages Cuvee AVE / Les Aphillanthes

[AQ!]
いやあ、恐ろしく、ウマイ。
時に脳味噌にグラっと物質が湧くような快感が走る、それは、真ん中を野太く射抜く迫力と、フランスの強烈な香り…おフランス、というか、どフランス、の奔流。
「フランス料理って旨いよなあ…」という言い方で感情が湧いてくるとすると、今は、コチラかしらん。
のっけのアミューズ、海鮮にパセリピュレをかけただけの一口で「クラっ」と来たのは不思議ですらあったのだが、これは後で聞いたら納得…の理由もアリ。本日はフランス産パセリとか。勿論、仏産を使えばそうなる…ってもんじゃあ、無いけど。
鹿カルパッチョ(奈良吉野から雄鹿の内もも到着です!熟成してから) は、登場人物だけ聞くとフツーなのに、非凡。理由は沢山あるが、コアは、鹿の熟成と炙りか。
茸は、トランペット、ジャンボマッシュルーム、山ヤナギタケ…じゃないや何て言ってたっけ…山茶茸かなあ山エノキ?、など。

熊コンソメはまた、フランス論とは別枠の、凄玉。注文とは別に、ノビーが出してくれた感じ?
熊の「格」の高さ…至高なり。品格・品位と、力。澄んで濃い、の世界。松茸がこんなに美味く感じさせらるのも、まず滅多に無い。
雷鳥、ど真ん中。サルミと言ったら、サルミ。脳味噌、砂肝。
これはイカン! イカンと言ったらアカン。駄目です。もう駄目!
今シーズンは初雷鳥だけど、コレで打ち止め。今季、このあと雷鳥を食うことは禁止です。だって、どうしようもない! 完の璧太郎過ぎ。これしか、無いです!
無花果(実家から甘くて濃厚な無花果到着です!薄焼きタルト) もたまらんちん。
[ヘベ]
アミューズのパセリに香る、フランスの風…に始まる、素晴らしい夜でした。フランス料理の、レストランの幸福って、まさにこういう感じだなぁ、と。
熊のコンソメ、熟成鹿、雷鳥サルミ、無花果タルト…どれも忘れがたい。いやー、幸せ。
2015年 2月 

*グジェール
*ベーコンマドレーヌ
*椎茸・里芋・烏賊のベニエ、アオリイカ炙り
*ナメタガレイと野付天然帆立、プティポワ、鱈白子のムニエル
*青森産野兎
背肉・骨付・内臓のロティ、ビーツ・マイクロ芽キャベツ、ビーツのエマルジョン
パイ包み焼、たんぽぽサラダ
ロワイヤル仕立て、フォアグラ・トリュフ
*苺とシュークリーム、チョコがけ
*林檎パイ、グラス、カクテル
*ミニャルディーズ:トピナンブールショコラ、山椒マカロン、チョコ
+07 Clos Vougeot / J.Tardy
+86 Ch.Le Trehon

[AQ!]
“この手の”料理…なら最も信頼する一人、信定シェフで「国産野兎の真実」をいただいてみよう(笑)…という感じの日。
壁際には白人女性3人の卓が温まっている。
野兎は青森産で3週間熟成。
そういえばシュマンは食材ワゴンで材料を見せてくれる(イマドキだいぶ減ってきた) のだが、「この次のクール」用の新入荷ウサぴょんfrom青森と御対面できる。カワイイ。(また、ナメタガレイや帆立が旨そうで、頼むことに…)
十分な熟成と信定流の強靭な調理で、芳醇な野兎の香りが立ち上がり、冬のフランス料理を満喫した。
またしかし、学習報告として言えば、やはり、日本の野兎はかなり薄いんだな…と分かった気もする。
熟成・調理とも「詰めに詰めた」感じで「丁度良く香り立つ」皿が出来上がる。
翻って、フランスの野兎なんてーのは、もう「臭っせーの臭くないの」で「整理して紛らわして薄めて追っ払って」丁度良くなるモノであったような気がする。
信定シェフのように「着地点を見極めて」料理する技能があれば、十分に活かせる食材であるが、今までいただいてきて「アレレ…?」な印象が多かったのもムベなるかな、という感じが、国産野兎、であった。んんん、餌が違う…?のかなあ?
今宵、3段活用で特によかったのはパイ包みで、これは悩殺級。ああ、でも、洋画の豊満美人でなくて日本画の艶然美人…っぽいか、な。
現シュマンのフランス料理は、ホントに落ち着きかつ興奮する、王道フランス料理だ。
此処のポイントは、説明しづらいものがあるのだが、俺ら的には「90年代オーソドックス」なんだよなあ。王道だから古典的?…と言っても、古典回帰マニア(エスコフィエ主義者とか)的な方向とはまったく違うし。ヌーベルキュイジーヌ絶頂時代シェフの小原さんの「古典回帰」や、90年代カーエム宮代さんの「古典を見直そう」には近い印象があるが。
パリの90年代なんかも、ごちゃまぜで色んな店があり、同じ店でも料理によって「モダンくっさいの」「オーソドックスなの」が入り混じってた感はあるのだが、その頃の「ああこういうのはオーソドックス」だね…と言ってた辺りの、イイ感じ…の奴、が現代で食べられるのが、コチラ、というイメージは、ある。
[ヘベ]
毛つき羽つきのジビエに、築地からの旨そうな魚介に…。この「食材ワゴンをはさんでメートルと何をどうやってイタダくか協議する」風習って、独特の味があるんだけど、なかなかできなくなった。
なんてことをAQと話しているうちに、選んだナニガシが見事に料理されてしずしずと現れる。パイ包みにナイフを入れると、圧倒的な香りがほとばしる。ソースがつややかに輝く。王道フランス料理の、あらゆる愉しみがここには健在だ。

前菜には、ワゴンで一目ぼれしたナメタガレイを。するとこれが見事な帆立と、鱈白子のムニエルも一緒に、築地からお勧め軍団の豪華な一皿となって立ち現れる。焦がしバターソースがぴたりと決まってる。帆立のヒモのところまで、旨いことったら!
2015年 8月 

*ナスタチウム
*Soupe de peche homard
*Ceps
*Risotte oremeau morille
*Tete de poisson
*En croute de Chevreuil 銀杏
*Dessert:トマト、パルフェ
*カヌレ
+01 Sancerre Charlouise / Vincent Pinard
+07 Ch. les Hauts de Caillevel Monbazillac Grains de Folie Blanc
[AQ!]
夏もシュマンだぜい、信定シェフだぜい!
2016年12月 

*グジェール
*ずわい蟹シューフルールムース
*猪・鹿・フォアグラのテリーヌ 柿添え
*平目 松輪鯖 烏賊 姫小鯛フリット 緑アスパラ オゼイユ 大葉ムタール
*岡山産根菜など野菜テリーヌ 帆立 トリュフ 花 ルコラ
*岡山産猪のアンサンブル コート・カツ・シヴェ
*焼モンドール
*苺のパリブレスト
*青森産青林檎のパイ包み焼
+05 Vacqueyras / Le Sang des Cailloux
[AQ!]
シェフ御父君の捌きによる見事な猪を堪能する一夜。
骨の周りが旨い、って言うけどさあ、ホントに旨い(笑)。
柴田サンの「癖のある直球」?…なバケラスがまたタマランス♪
2017年 2月 

*グジェール
*鰯のフリット、ベーコンマドレーヌ
*野うさぎとベキャスのパテアンクルート トリュフ べキャス内臓フォンダン べキャスビスク クミンキャベツ トリュフムタール
*フザンコンソメ
*フザンのシューファルシとヴァリエ トリュフ 蚕豆
*リエーブルコンソメと骨付カツ ピサンリ 肝
*リエーブル・ロワイヤル タヤリン
*青林檎
*パリブレスト
*ミニャルディーズ
+05 Domaine de Fondreche Ventoux Cuvee Nadal
[AQ!]
べキャス、いちばん旨くてべキャスらしい食い方じゃね?!…と言いたくなるぐらいの…。ビスク!! フォンダンのノワゼットもいいねえ。パテ中の胸肉も、ロティより旨い??ってくらい。
プラはリエーブル一色でもいいか、と思ったら、シェフが「フザンもいいですよ」。
フザン! ホントに旨い。また、ここまで焦点が合うと、この素材はやはりゾーンが狭い、ジビエの中ではピンポイントで狙わないと欠点が出やすいんだなあというのも、よくわかる。また、トリュフがよく合うんだよねえ、フザン。
リエーブル・フザンともに、露払いでコンソメが出るのが、厨房は大変だろうが効果大。
リエーブル、ひょとすると前シーズン以上?な印象。前シーズンは「国産でもここまで持っていけるんだねえ」的な感触だったんだが、コレはもう、そういう所の意識じゃない。ひたすら、な。
2018年 4月 

*グジェール、オリーブ
*Pate en-croute de viandes et de foie-gras de canard
*Presse de poireau avec SAYORI et AKAGAI creme d'algue sauce rabigotte
ポロネギのプレッセテリーヌ、サヨリと赤貝、青のりのクリーム、ラヴィゴットソース
*リドヴォと白アスパラ モリーユ海老詰め
*甘鯛松笠焼 ソースアルベール 蛍烏賊 浅利 筍 蕨 独活 零余子
*ベカス・リエーブル・フォアグラのパイ包み焼 サラドヴェール
*Parfait de mousse aux CHOCOLAT NOIRE calevo et mousse de framboise FRAISES fraiches glacee ala PISTACHE
*クレマダンジュ たんかん
+10 Auxey-Duresses Terres de Velle
+l'Abricot du Roulot
[ヘベ]
やさしい泡が春の宵によく似合う、ムニエの軽やかなグラス片手にカルトを眺め、あぁコレもソレもおいしそう…と迷う心に追い討ちをかけるように、笑顔のオーナーがつつ、と歩み寄ってカルト外からのおすすめを囁く。
シュマンで過ごす夜の始まりはいつもこんな風に、楽しくも悩ましい。
Pate en-croute de viandes et de foie-gras de canard
アミューズその2は、薄くカットされた暗赤色のパテアンクルート。きじばと、鴨、フォアグラ、鹿…一口目から、濃密なジビエの精気がほとばしる。
「コレだよコレ。このムワッと匂い立つ感じ。これぞフランス料理!」とAQ。
Presse de poireau avec SAYORI et AKAGAI creme d'algue sauce rabigotte
ハーブ香るビネグレットに海苔クレーム、フレッシュな赤貝が爽やかな風を運び、サヨリがなんとも…水を得た魚のように旨くて頰がゆるむ。
ポワロープレッセとしてはちょっと珍しい春の海辺調の仕立てが、いい。
リドヴォと白アスパラ モリーユ海老詰め
こんがりと香ばしくも中は見事な火入れのリドヴォと白アスパラに、クルヴェット詰めモリーユという極悪非道な取り合わせ。
リドヴォがアスパラがモリーユがソースが旨くて、もう手が止まらない。
[AQ!]
こんな満艦飾!…が、シリアスなり。
一種、21世紀と古典のすり合わせ…であって、勝見洋一氏の言う「臭い」がそこにある。
トルコ産モリーユ。
前半、グラスでもらった白は、シャンボールブランでした。
甘鯛松笠焼 ソースアルベール 蛍烏賊 浅利 筍 蕨 独活 零余子
岡山産零余子。
「プリューレ・ロックをがんがん呑む**人のヒト、蕨は残すんですよね~」…と雑多な談義は柴田サンw。
「常連用が微妙に違う、とかアタリマエですよねぇ」など、困ったちゃん客に関する爺ぃ会話は続く。
ベカス・リエーブル・フォアグラのパイ包み焼 サラドヴェール
うわ~♪
ウマイなあ!
最もベカスらしいと思ったベカス!…かもしんない。
信定シェフのソースが旨い。…でもソースが旨く感じるのは、ソースが主役素材を引き立てている!…から。
[ヘベ]
これがベカスか!
[AQ!]
2010Auxey-Duressesは、あざとくないベリー感をふりまく。
たんかん from 沖縄。
*****
剛直なる「本手」の連続。
郷田さんの将棋のような一夜(笑)。
2018年12月 

*グジェール、オリーブ
*牡蠣ジュレ寄せ
*藻屑蟹のウフブルイユ
*雷鳥腿肉のパイ包み サラダ
*そのハツ・レバー串焼 穴熊のコンソメ
*雷鳥胸肉などロティ 温野菜 根セロリピュレ
*穴熊ロワイヤル 背肉ロティ トリュフ添え 茸ヌイユ
*洋梨のデセール
*バシュラン マロン・パイン
+Champagne Ayala
+16 Vin de Savoie Chignin-Bergeron / Philippe Ravier
+08 Pesquera
+83 Sauternes Ch.Rabaud-Promis
[AQ!]
師走、客席の平均年齢高く、落ち着いたシュマン。…に落ち着く♪
牡蠣ジュレ寄せ
三陸産牡蠣 トピナンブールピュレ敷き 海水とコントレックスのジュレ
牡蠣、かみしめて旨い、マスキュランなタイプ。めずらしい。
藻屑蟹のウフブルイユ
モクズガニのウフブルイエに甲殻類ビスクのソース、気品・風格・スペシャリテ感が潮の如く寄せてくる逸品。また食べたい。
[AQ!]
岡山産藻屑蟹
“スペシャリテ”感、あるぞ♪
雷鳥腿肉のパイ包み サラダ
1ヵ月熟成雷鳥
[ヘベ]
雷鳥腿の小さなトゥルトー。このサイズでこの味に仕上がるとは サラダの葉のひとひらまでうまい ソースさいこー
そのハツ・レバー串焼 穴熊のコンソメ
ハツレバーで銀杜松色の雷鳥風味を満喫、優美・甘美なコンソメに穴熊脂のコクを添えて
[AQ!]
コンソメに脂身を浮かし
雷鳥
胸などロティ 温野菜 根セロリピュレ
[ヘベ]
胸さいこー ささみまでヤバイ 皮目ちりばめ 温野菜一つひとつがガルグイユ調 根セロリよく合う
穴熊
穴熊ロワイヤル しっとり見事なロワイヤル つややかなソース すばらしい
[AQ!]
穴熊ロワイヤル 背肉 トリュフ
バシュラン マロン・パイン
酸味
[ヘベ]
バシュラン カムフラージュ調の薄いメレンゲ マロンにパインの酸味が驚きのコンビネーション これイケるわ
経団連か、というくらいの9人大テーブル、隣席の老夫婦、(こちらは若いが)後から来たバイリンガルちゃんぽん男女、奥の席はワイン系女子などなど大入りの日にめんどくさい客で申し訳なかと(笑)。
[AQ!]
鏡よ鏡よ鏡さん、この世でいちばん美味しいものを教えてぇ~
それはね~、オマエがいま食べてるモノだよ~w
2019年 6月 

*グジェール、オリーブ
*石川産サルディンマリネ ベーコンフィナンシェ
*リエーブル・フォアグラのテリーヌ
*緑アスパラとモリーユ・ファルシ
*天然鰻の白いマトロート
*天然鼈のパイ包み焼き
*玉蜀黍のスポンジケーキ
*ルバーブの温製タルトとモンブラン仕立て ヨーグルトのソルベ
*ミニャルディーズ
+Champagne / Henriot
+14 Pernand-Vergelesses / Rollin
+Monteberg Likeur Pommelle Rood
[AQ!]
信定シェフから「天然鼈・天然鰻、到着」の報ありて、そんじゃま、6月だし合同誕生会や…と伺う。
「シュマン」は、まあ、落ち着いたレストラン…と言っていいだろう。もう、ベテラン店の領域だ。
しかし、だな、恐ろしいことに、東京きってのレストランの狂熱は、皿上の興奮は、この店にある(^^;)。
リエーブルは、2月産(!)。
「何だって?」…アタマのオカシイ世界(^^;)、シェフが出してくるものじゃなきゃ食わない世界(笑)。
(いや実際問題、我が家は、「知らない料理人が切った刺身」とかは食べない…みたいな生活習慣であるしw)
食文化の迷宮性の果てにドグラマグラを想うような、クラっとする、あまりに悩殺的で危険な官能。
天然ウナギは、白系のソースでマトロート。
途方もないが美しいニュアンス。清い感じの豊潤。罪作りなウマさ!
天然スッポンも、野太いようでいて透明なハイトーン。
高らかに歌い上げる声を綺麗にパイに包み込んで焼けている。
スッポンの肉質とかジュのニュアンスというのは、やはり、何か天来のものがある。…と思わせるに足る。
いやあシェフ、なんか、真冬より凄くありません???
…とか思わず言ってしまいそうな、驚くべき、初夏のキュイジーヌフランセ!
記憶されるべき一夜。
2020年 8月 

*グジェール
*水ナスと蛸マリネ
*Mousse de HAMO et sa grille avec bouillon de hamo
鱧のムースと炙り ジュンサイと鱧のブイヨン
*Pane de GRENOUILLE avec raviolis de TORTUES amyda sauce de beurre a la bourguignonne
フランス産グルヌイユのフリットと岡山県産スッポンのラヴィオリ パセリバターソース
*Matelote d’ANGUILLE et de lardon, joue de bauf, poivron rouge sauce au vin rouge
ベーコン、牛ほほ肉、赤パプリカを詰めた岡山県産天然鰻のマトロット風 赤ワインソース
*フロマージュ
*西瓜
*桃
+14 Irouleguy Herri Mina Blanc
+11 CNDP Reserve / Roger Sabon
[AQ!]
淡路産鱧
ランブロワジーより旨い赤ワインソース…と酔っ払いは馬鹿を言い♪
2021年 3月 

*サヨリ 蛸 野菜 ア・ラ・グレック
*リエーブル 鹿 フォアグラ パイ包み焼 フォアグラ ヘーゼルナッツ添え
*ソール・アルベール ヤリイカ・白アスパラ添え
*リエーブル ア・ラ・ロワイヤル
*フロマージュ
*タルトタタン
*ミニャルディーズ(実山椒チョコ)
+12 Macon Chaintre Les Pierres Polies / Daniel Barroud
+11 CNDP Resrve / R.Sabon
[AQ!]
2021年 6月 

*グジェール 米崎産牡蠣の海水ジュレ沖縄県産パッションフルーツの香り ナスタチウム
*水茄子 鮑 鰯
*甘鯛松笠 バリグール オマール 蛤 ヤングコーン
*スープ・ド・スッポン スッポンつくね 鱧フリット シュパーゲル 椎茸 木の芽
*ブランケット・ド・スッポン テト・ド・フロマージュ・ド・スッポン ジロール プティポワ キャロット ズッキーニ リ
*焼エポワース
*桃 八角
*マカロン
+09 Sancerre Charlouise / Vincent Pinard
[AQ!]
2021年10月 

[ La fete du dix-neuf anniversaire aux CHEMINS ]
*Amuses-gueules
国産牛ほほ肉のポトフ
*Marine de coquillage et de terrine de SATOIMO
つぶ貝と帆立貝、里芋のテリーヌ
*Fume de poisson blanche ≪ SAWARA ≫ poeler avec pates a la maison et moule
燻製した三重県産サワラのポアレ 自家製パスタとムール貝
*Croquette de crustace avec salad BIO
甲殻類のクロケット 青森県産サラダ添え
*モズクガニのビスク
*Supreme de pintade BRESSE poche et sa cuisse roti avec champignons francais
仏ブレス産ホロホロ鳥胸肉の低温調理ともも肉のロースト フランス産キノコ添え
*フロマージュ
*Mousse aux marron et de compote de poire avec glace a la vanille au poire williams
丹沢栗のムースと洋ナシのコンポート ポワールウィリアムス風味のヴァニラのアイスクリーム
*Cafe ou the et mignardises
食後のお飲み物 小菓子
+07 Chorey-Lès-Beaune / Chantal et Michel Martin
+Ron Zacapa 23
+06 Ch.Coutet
[へべ]
国産牛ほほ肉のポトフ
ナラタケ@コンソメ、グジェール
コンソメ(ポトフ)素晴らしい
2重蒸し上湯技法
つぶ貝と帆立貝、里芋のテリーヌ
小鰭・もって(のほか)菊のソース、ケッパータルタル、ポワロ
里芋は偉大♪
燻製した三重県産サワラのポアレ 自家製パスタとムール貝
槍烏賊
鰆皮目の香ばしさ 皮下の旨さ、ムールはモン・サン=ミシェル、パートに莢豌豆
甲殻類のクロケット 青森県産サラダ添え
伊勢海老 オマール 車海老、パセリソース、揚げたてクロケタからほとばしるエビ香り、銀杏、サラダがフレンチ♪
モズクガニのビスク
飛び入り参加♪
繊細 きれい 旨い
仏ブレス産ホロホロ鳥胸肉の低温調理ともも肉のロースト フランス産キノコ添え
ホロ胸 茸デュクセル 網脂しっとり、腿 こんがり しっかり セップ ジロールなど仏茸
フロマージュ
エポワース、カマンベール、ナッツ(ノワゼット、タマンド、落花生)
デセール
…に、ラムとソーテルヌ
2023年 3月 

*[ 岡山産穴熊アラロワイヤル ] コース
+Champagne Cedric Guyot
+19 Riesling Schlossberg / Domaine Weinbach
+07 CNDP / Nerthe
2024年 4月 

*グジェール 桜鱒
*牡蠣
*白アスパラ トリ貝
*オマール 甘鯛
*穴熊
*仔牛
*フロマージュ
*フォンダンショコラ ピスタチオアイス
*ミニャルディーズ
+02 Ch.Lagrange (mag)
+10 Taylor's Late Bottled Vintage Port
急に閉店の決まった『シュマン』へ。
この「急」の具合なのだが、一応予定されていた閉店ではあるのだが、様々な経緯の塩梅によって「当初の予定より大幅に前倒し」となっての「急遽」らしい。
2024年は「閉店」の年、ともなった。『シュマン』はじめ、みな「未来への展開」としてのステップであるので、客観的に悲しむことではない。しかし、どうにも寂しいのも、いたしかたない。
『シュマン』は、…こんな店は、もう、現れないだろう。
例えば…で言えば、この絶妙な前景のある90年代パリみたいな粋なハコで、90年代パリみたいな芳醇艶然とした仏料理が出てくる。…もう、無いだろうなあ(^^;)。
サヨナラだけが、人生だ。
…そう言えば、昭和の人間は「サヨナラだけが、人生だ」と言いがちだが、アレって何だっけ…とググったので、写しておこう。
勧酒(于武陵)
勧君金屈巵
満酌不須辞
花発多風雨
人生足別離
この漢詩を井伏鱒二が訳していて、有名となった。
コノサカズキヲ受ケテクレ
ドウゾナミナミツガシテオクレ
ハナニアラシノタトエモアルゾ
「サヨナラ」ダケガ人生ダ
我々の受けた杯は、02のラグランジュマグナム…という『シュマン』の誕生年ワイン、柴田さんらしいチョイス…だが、その下半分。
今日のお昼に、やはりお別れに来たお客さんが、上半分を飲んで行ったそう。
…いやあ、『シュマン』らしいや♪
グジェール 桜鱒
桜鱒のフュメ
牡蠣
雪溶けジュレ
白アスパラ トリ貝
酢バターで
オマール 甘鯛
松笠焼きにバスク風ピモンデスプレッド
穴熊
アナグマ背肉 コンソメ
フロマージュ
シトー トリュフ入り 36ヶ月コンテ