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フランス料理店(パリと近郊)
この一覧はアルファベット順になっています。
 
 

  Les Allobroges  アロブロージュ
  
71 r.Grands-Champs 75020 PARIS 01 43 73 40 00 www.lesallobroges.com
ferme vacance, dim., lundi et feries
Chef: Oliver Pateyron
・ 庶民的な街の小粋で気軽なレストラン (1999.4)
Michelin 記載/GaultMillau 14 (2001)
Michelin 記載/GaultMillau 14 (2002)
Michelin 記載/GaultMillau 13 (2004)
Michelin 記載/GaultMillau 13 (2005)
Michelin 記載/GaultMillau 12 (2008)

1999年 4月 ☆

 *ニンジンとアイヨリマスタード
 *サーモン・クリュとグロ・セル、茄子のマーマレード
 *ハーブのミックスサラダ
 *仔羊のスーリ
 *アドックのブランダード風
 *ショコラのマルキーズ
 *パン・ペルデュとフロマージュブラン・ソルベ
 +97 Collioure / Dom.Baillaury

[AQ!]
 トータルで700FF弱はヤタラメタラ安い。
 昨年、下見だけすませたLes Allobrogesにこんにちは。変な街だなぁ、この辺りは。20区って下町っぽいんだろうか。
 店内はちょっと小粋で、人のノリは大ざっぱなイイ感じ。客は意外に洒落者っぽい人が多く目立つ。
 隣卓の父子のパクつく濃い赤ワインの肉塊が目をひく。それがSouris d'Agneau、勇んで注文。
 amuseが人参スティック(そのまんま)と大胆。
 Saumonは筋ばっていて必ずしも高級ではないが、グロセルと茄子のハーモニー。ハーブサラダは気分がリフレッシュ、血が奇麗になりそう。ドレッセも申し分ない。スーリは関節付きの骨の部位で、空豆(?)のピュレを敷き、ニンニクのそのまま揚げを伴う。見た通りの濃赤色の味で骨太である。
 アドックはブランダード・ド・モリュのフレッシュ・バージョンとでも言うべきもので成功しており、意外に食い飽きが来ない。全体に裏表のないストレートな仕上がりである。
 ショコラのマルキーズは上出来、パン・ペルデュのパンの肌合いが魅惑的であった。
 ワインはラングドックルーションの小アペラシオンのようである。初香が漢方薬でしっかりとした苦味を持つ。割りとサクサクほどけて、栗の香り(ローヌのそれよりはやや涼しいか?)をもたらす。
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  Les Ambassadeurs  アンバサドゥール、レザンバサドゥール
  
10 pl.Concorde Hotel Crillon 75008 PARIS 01 44 71 16 16 (Fax 01 44 71 15 02)
Chef: ~ Dominique Bouchet (1952-) ~ Jean-Francois Piege ~

・ ホテル・クリヨンの誇るメイン・ダイニング (1999.4)
Michelin ○○/GaultMillau 16 (2001)
Michelin ○○/GaultMillau 16 (2002)

 料理は上々の素晴しいレストラン。ちょっと見たところ、クリヨンはリッツなどより品の良いホテルって感じ? (1999)

 Michelin Guide Rougeの2003年版で、1つ星に降格。2003年9月、(トゥール・ダルジャンなどでも腕を奮った)ドミニク・ブーシュ総料理長の更迭が決まる。
 後任は***の***らしい、と噂で聞きましたが、さて。 (2003.10)

Michelin ○ /GaultMillau 16 (2004)

 Michelin Guide Rougeの2005年版で、2つ星に昇格。さすがはプラザ・アテネのデュカスのシェフだったピエジェ…というところだが、人によって色々な言われ方があるようだ。

 Jean-Francois Piegeは、ゴー・ミヨの「2007年の料理人」に選出される。

Michelin ○○/GaultMillau 18 (2008)
Michelin ○○/GaultMillau 18 (2009)

 AFPなどの伝えるところによると、この夏をもって、Jean-Francois PiegeはLes Ambassadeursを離脱する、とのこと。 (2009.8)

1999年 5月 ☆

 *トマトの小さなパイ
 *オマールのクリームとジュレ
 *ポーチドエッグと春野菜のスープ、軽カレー風味、黒トリュフ添え
 *トマトのタルトにルジェ、黒オリーブのオイル、香草添え
 *ブレスの鶏、ピノデシャラン風味、きのことマカロニ添え
 *ピエ・ド・コションのガレット、緑キャベツ添え、茶トリュフソース
 *メレンゲとプラムのコンポート、クレームブリュレ添え
 *アーモンドのヌガティーヌ、温かい林檎添え、アーモンドミルクのアイス
 +89 Clos de la Roche / A.Rousseau

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  L'Ambroisie  アンブロワジー、ランブロワジー
  
9,pl.des Vosges 75004 PARIS 01 42 78 51 45 www.ambroisie-paris.com
ferme vacances de fev et aout,dim.et lundi
Chef: Bernard Pacaud (1947-)
・ 夢にまで昇華する簡素な料理、最高のレストラン (1999.4)
ミシュラン3つ星獲得は1988年。
Michelin ○○○/GaultMillau 18 (1990)
Michelin ○○○/GaultMillau 19 (2001)
Michelin ○○○/GaultMillau 19 (2002)
Michelin ○○○/GaultMillau 19 (2004)
Michelin ○○○/GaultMillau ※ (2005)
Michelin ○○○/GaultMillau 18 (2008)

参考:メールのページ

 上に記したように、Bernard Pacaud シェフは1947年生まれ。つまり、そろそろ還暦を迎える年代である。ああ、はやいね、トシツキは。
 それはともかく、ここに一言は書いておかなければいけないのは、ここ数年ジリジリとジワジワと飛び交い聞こえてくる「Bernard Pacaudの引退」の噂についてである。必ずやってくるであろう「その日」は遠くない“すぐそこ”にあるものと思われる。実のところ、あんだかんだと色々聞こえてきてはいるのであるけれど、いずれにせよ、これから「行ってみるべ~」という方は、くれぐれもその辺りの情報収集に怠りなきよう…、と思う次第。
 先走った話になるが、ベルナールの引退後については、現在厨房に入っている息子さん(オールドファンは草創期の「料理王国」誌にそのあどけない顔を見られる訳だが)が引き継ぐのが既定路線であるようだ。息子さんについての、あんだかんだも聞こえてこない訳ではないのだが、それは置くとしよう。それは置くとして、パリのオーナーシェフ型の星付きレストランで、代を引き継ぐのは結構珍しいように思える(地方では逆にそれがアタリマエだけんど)。さて、そうなったらそれはそれでどうなって行くものだろうか。
 うん。いや、新しい時代は新しい時代として、大人しく見守るのが正しい爺ぃの在り方ではあろうな(^^;)。 (2006)

 噂では、ベルナール・パコォは、引退する時は店を閉める…すなわち、「ランブロワジー」は一代限りとする意向が強いのではないか、ということである。 (2007)

 いつまでやるんだろう?息子はどうするんだろう?…あいかわらず取り沙汰されているが、「本人のみぞ知る」ってとこなんですかねぇ。
 此処の所の、大雑把に聞こえてくる風評をまとめると、パリ在住フランス人には「もう駄目だろアソコ」という声が少なくない一方、日本人からは「な~んだやっぱりパリでは一番美味いじゃないの」という声が多いように思う。ボクらも久しぶりに2008年1月行ってみましたが、「今が絶頂…」とは言わないまでも、やはり空前絶後ワンアンドオンリーな店だとの思いを新たにしました。
 ところで我々の行った日もそうだったんだけど、「昼は3,4卓(だけ)・夜は(予約受付日から)満席」という日が多いみたい。以前の「昼夜ともビッチリ」とは違うような。これが、店の勢いの問題なのか、意図的にそうしている運営方針なのか、シカとはわかりかねるのですが、何やら暗示的ではあります。 (2008)

         → 2008フランス旅行記はこちら

1994年 4月 ☆☆☆

 *ルジェと新人参クミン風味
 *クレーム・ド・オマール、モリーユと帆立
 *Feuillantine de queues de langoustine aux graines de sesame,sauce curry
 *セル・ダニョー、空豆と根セロリ
 *鳩のロティ
 *ミルフィーユ
 *苺のスープ

[AQ!]
 今日はこっちか、陽あたりの柔らかい昼。

1995年 1月 ☆☆☆

 *アミューズは魚のポワレ
 *トリュフとフォワグラのパイ包み「御機嫌さん」
 *牡蛎スペシャルとポロ葱の温製
 *ク・ド・ブフ
 *鳩のじっくり焼き、ソラマメ
 +79 Ch.L'Eglise

[AQ!]
 お馴染みBernard Pacaudの店にまた来られた。至福である。

[へべ]
 雪の残るボージュ広場。
●ルイ・ロデレールのL'Ambroisieシャンパン。
escalope de bar : バール+クミン甘酸キャロット皮かりかり。皮の下の脂のまったり。下はピュレ、ディルのせ。
Chaussons de Truffe : ご機嫌さん、トリュフのパイ。後でこれでございますと見せてまわってたトリュフ。すごい。超みごと。
Huitres "Special" chaud, parisienne de legumes : 甘くて香りの野菜とあたたかいソースの中のふっくらしたカキのしあわせ。
Pigeon+ail+空豆、poivre : じっくり、こてこて焼いた鳩。味がしみじみ。じんわり。にんにく空豆まとわりつき。
Queue de boef : 深紅色のソース。こてこてに煮込んだ牛のシッポ。マカロニのターバン。骨からほろほろとはなれる肉のすみずみまでしみこんだ強いワインの味。酸・コクが脳天直撃。オイシイ。これがクドブフかぁ。
Crotin de Chavignon : 今がセゾンのとろとろのサンマルセランタイプのシェーヴル、赤みの強い中とろとろ。ぶどうのパンがおいしい。丸パンもおいしい。
L'Eglise 79 : Pomerolらしい、いい赤でした。
Sorbet d'Anana : Daniel presents. なんと上品な清いおいしいアナナ。
Parfait aux Marrons glace : 濃くて軽い、おどろき。特にチョコレートのこてこてのソース。
Gratin de Pamplemousse rose : 軽くメレンゲかけ焼きつけ。甘いソース。グレープフルーツのjus渾然一体。
●隣席のゴージャスな奥方、注文パターンがうちと似てる。となるとアペリティフに飲んでたトマトジュース様のものが気にかかる。さいごはportのんでました。
●今回は入って最初のタピスリーの部屋の真ん中のテーブル。全卓埋まって、まわりの華やぎも楽しかった。
●maitreは例のかたこと日本語機能付デーブスペクター。menuはなく、本日の魚/肉(pigeon)の説明付。ラングスティーヌのミルフィーユやトリュフのパイ、クドブフなど有名platが揃っているのはhiverのせいか?
 ソムリエも見たような人だが「ボルドーの赤で」と言うと即座にl'Egliseをすすめてきた。あれって風采からおおよそ見当つけて来るのだろうか。店の大きさ、規模、卓間距離などもあるだろうが店内のさんざめきが皆食べるのを楽しみに来ているという雰囲気で、Joel Robuchonに比べ、心地よい。椅子がちょっと高い。
1996年 1月 ☆☆☆

 *ルジェのポワレ
 *トゥルボのポワレ、二種のセロリと細切りトリュフ
 *牡蠣のショーフロワ仕立て、キャビア添え
 *ご機嫌さん、フォワグラ入りのトリュフ・パイ
 *鶏のポシェ、メールブラジエへのオマージュとして
 *オランジュとパンプルムースのデュオ
 *マンゴーのオムレツ
 +coup de Champagne"L'Ambroisie"
 +83 Ruchottes-Chambertin G.Mugneret

[AQ!]
 うーん、感動っす~。最高~~っ!!

1999年 4月 ☆☆☆

 *ソモン・ソバージュ、タプナード添え
 *半熟玉子とグリーンアスパラのキャビア添え、サバイヨンソース
 *キュイス・ド・グルヌイユのフリカッセ、グルノーブル風
 *フォア・ド・ヴォー、セロリとシブレットのせ、アリコヴェール添え
 *コンポーゼ・ダニョー(アイユのヌガティーヌ)、そら豆ベーコン添え
 *バニラアイスクリーム
 *スープ・ド・フレーズ、ミント・ルバーブ添え
 *プラリネのダックワーズ、温フレーズ添え
 +クープ・ド・シャンパーニュ(ロデレール)
 +88 Gevrey-Chambertin Clos-St.Jacques / A.Rousseau

[へべ]
 たいへんな上天気。ヴォージュ広場にも陽光を、あるいは木陰を求めて老若男女がのどかに群れ集い、にぎわっている。そんな中、前回は予約のとれなかったランブロワジーへ。今回もUCデスク経由(注:ランブロワジーのFAX番号はミシュランなどに記載無し。使ってないのかな。電話もかかりにくいので、手数料の安いUCデスクの予約代行は助かる)、ありがたや。
Ambroisie1  開け放した扉から、外の明るさがもれてくる。店内は(たぶん)変わらず。タピストリーの間、マントルピースの前の席。
 食前に、グラスでシャンパンを。老ソムリエは夜のみなのか、不在。その次のヒトがなみなみと注いでくれたルイ・ロデレール(Cuvee L'Ambroisieではなかった)。
 サービスの顔ぶれもおぼろげな記憶に照らしてみるとあまり変わっていないようだ。英語もできるデーブ・スペクター(似のカレ)も健在。なんと「ありません」(日本語)(←ノワ・ド・リドヴォーが今日はなかったので)という新ワザも披露してくれた。

 アミューズはの焼いたの。切り身が皿にタテに置かれているのが日本人には斬新である。白いソースを敷き、タプナード添えである。この鮭が絶句してしまう美味。表面にはカリっと焼き色がつき中はトロリと透ける赤でねっとりとして。タプナードがまたこの上なく上品。黒オリーブの好ましい成分だけを集めてきたような、ある種クールな肌あいのこのタプナードと、さりげない白いソースを伴った鮭は夢のように旨かった。ベルナールの魚は別格だと改めて思う。

 半熟玉子。タマゴが強い。まっ黄色のねっとりとした濃厚な黄身の旨さを香ばしい緑アスパラの穂先にからめる。軽やかなサバイヨン(だかオランデーズだか)ソースがまた、いい。こはく色のキャビアがソースに散り、小スプーンに添えてある。タマゴにタマゴ。キャビアの添える海の塩気が、よく合っている。

 蛙のモモ。皿一面に敷き詰められた蛙のモモから、いかにも食欲をそそる香りがたちのぼる。ごく軽くパネして表面はこんがりとキツネ色したカエルの、その肉質のすばらしいこと。ちょっと半透明の光を帯びた、なめらかな肉の旨いこと。こんがりしたクルトンと黒っぽい小粒のケッパー、マーシュを添えただけのシンプルな料理だが旨い旨いとたいらげてしまう。

[AQ!]
 フォア・ド・ヴォー。ベルナールらしいズガンとした皿。シンプルだが複雑で、つまり、感動を呼ぶ。巨大なフォアには一面にシブレットとセルリが「薬味のごとく」敷き詰められている。酸とネギ臭さ、セルリ臭さというものが鋭角的な模様を描きながらフォアをかつぐ。へべが「全身、コレ、血ギモ!」と感嘆。アリコヴェールの「山」の量は凄い。甘橘系がちょびっと刻みこまれていて巧みである。

 仔羊は傑作。3つの部位からなる。1つは多分、リ。1つは薄切り。中心となるのが骨付きの部分だが、ここにジャガイモが貼りつけられて焼かれている…のだが、ジャガイモ表面にカリカリとお煎餅のような食感を与える、何か穀物なのだろうか、が加えられている。骨付き仔羊部の旨さは驚倒的で、仔羊の質で見てもロブションのパストラル以来かと思われ、料理のまとまりはランブロワジーの仔羊の中でも図抜けているような気がする。

 スープ・ド・フレーズは以前よりこんもりと盛るようになったようだ。そして、濃縮感と鮮烈さの並立が際立ってきたように思う。
 ダックワーズには何と温かいフレーズを添えるのだが、これが温かいのに脳天に突き抜けるような香りで、インパクトに富む。ダックワーズというつまらん物がこんなに!、という驚きに耐えない逸品。

 (マダムの)ダニエルは相変わらずちょっとカン高い性のような風情でサカサカと立ち働く。今回は入店の挨拶だけ。

 Vosne-Romaneeが2日続いたのでスンナリとソムリエの指す88 Gevrey-Chambertin Clos-St.Jacques / A.Rousseauに決める。Gevrey-Chambertinらしさに溢れた感を受ける。良いことだ。ルソーのGevrey-Chambertinとしては割とマロい印象があり、柔和さを覚えるが、勿論本質的には腰が入っている。格調あるワインとしては「旨いね旨いね」と飲んでしまう傾向あり。ガッシリとした巨木が意外に可憐でちょっとか弱い花を咲かせている感じ。…う~ん、とはいえ、コート・ド・ニュイの話だからなぁ、他所のワインと比べれば、大柄で色気たっぷりの花、っつうことになるだろうが。

2000年12月 ☆☆☆

 *ソモンフュメにアネットフレーシュのクレーム、じゃがいものパリパリ格子
 *かき卵に黒トリュフ、ガーリックトースト添え
 *ルジェバルベのポアレ、セップとトリュフ、オランデーズ系ソース
 *サンピエールのロマラン風味、アリコブラン
 *Coeur de fillet de boefのボルドレーズソース、焼きエシャロット添え、セップとジャガイモは別鍋で
 *タンジェリンのソルベと煮タンジェリン
 *リンゴとキャラメルのミルフィーユ
 *洋梨のコンポート、ショコラのグラス、ピスタチオ、チョコレートソース
 +78 Nuits-St.Georges les St.Georges / Faiveley

Ambroisie2 [へべ]
 「20世紀最後のビフテキ」を、まさかこの店でいただくとは…。

 パリ行きが決まるといつも、まず最初に取りかかるのがこの店の予約です。今回も残念ながらディネはコンプレ、でもデジュネが取れてよかったよかった。最近はいつもそうですが、大きなタピスリーのかかった手前のサルで、ムッシュパコーの料理をゆっくりと堪能しました。
 あっさりとしたカルトに目を走らせて…あれも食べたい、これもおいしかったよね、と迷いつつも楽しいひととき。パコーさんの魚はやはり旨いので食べたい! ということで、ルジェバルベサンピエールが当選。あとはやっぱりトリュフものを是非。最後もう一つのプラは迷った末に思いきってCoeur de fillet de boefを。

 皿の上の景色の潔さに、ああベルナールの料理だ、と実感します。
 黒灰色のかき卵の麗しいこと…その圧倒的なトリュフの香りときたら!
 そして黒い岩山のような、堂々と皿にそびえるマッシヴなビフテキ。その迫力、その旨さ! それにしてもまさかこの店で今世紀最後にして最高のステーキを食べることになるとは思いもしませんでした。これが最高!と思ったミシェル・ブラスのオーブラック牛のステーキに並ぶ強烈な「肉の旨さ」。なんとも幸せな選択でした。

[AQ!]
 アミューズの、ソモン・クレーム・ジャガイモの景色の良さ。惚れ惚れとしながら「パリに来たやんけ~」って気分充満、そして一口食べれば舞い上がるばかり。
 それにしても、ビフテキ。牛肉の焼いたんは、もうフツーは「な~んだ」。そりゃそう。しかし、一線を超えられたら最後、至上の宴です。ミシェルブラスとベルナールパコーは恐ろしい。「普通にあるものを突き詰める」…こそは確かにランブロワジーの十八番とするところではある。

2008年 1月 ☆☆☆

 *Parmaentiere de noix de saint-jacques au cresson
 *Oeufs de poule brouilles a la truffe blanche, emulsion de cepes
 *Croustillant d'escargots et ris de veau, creme fouettee a l'anis etoile
 *Escalopines de bar de ligne a l'emince d'artichaut, truffe noir
 *Agneau de Lozere en croute de noix, artichauts violets farcis a la ricotta
 *Strates de nougatine a la poire, sobet "william"
 *Biscuit tiede aux noix et cafe, poelee de coings au beurre de caramel sale
 +88 Clos de la Roche / Faiveley

[↓メモ版:工事中]
[へべ]
 久々のプラスドヴォージュへ。丸い柄がモチーフのかっこいい一点ものブティックなどひやかした後、いざ、たぶん、もしかして最後になるのかもしれないランブロワジーへ。
 タピスリー(前と柄がちがっていた気がする)の主サルを通り抜け、ここへ来て初めて奥のサルへ。カボチャとキャベツの模様の壁布、さらに奥に個室的?小さめのサルが見え、一面は中庭の窓。

 ロデレールに、大きめのグジェールをつまみながら14年の訪問歴をしめくくる注文はどうしたものかとカルトを広げる。デイブは今日も健在ナリ。うれしい。口頭ご説明コーナーとしては、本日はクドラングスティーヌがありません。魚のおすすめはバールを黒トリュフとともに。おいしそう!ひとつはそれにしましょう。
 重すぎなくて料理のおもしろみがありそうでここまでで食べたものとあまりぶつかってなくて…エイヤと選んだのが、ひとつはここでは初めて、エスカルゴの皿。もうひとつはやや消去法で、そんなつもりはなかったのにとか言いつつ、白トリュフかき卵。

 アミューズは、魚を選んだ私たちにはサンジャックがやってくる。白く泡立ったソース。下から鮮やかなクレソンの緑。アレックス以前は最強だった、今もトップクラスのデリケートな火入れ。ちなみに注文していない卓にはバールが出ていた模様。

 かき卵は、トーストで囲んで白トリュフが上面一面に! 白く軽い酸味のソース。

 アントレのスターはエスカルゴ様。つややかでぷっくりジューシーな、こんなん見たことない級エスカルゴに、リドヴォ(とエスカルゴ?)の棒状包み焼きという取り合わせ。旨い! かたつむりや牛のしっぽを、堂々たる押しも押されぬレストラン料理にする、ランブロワジーらしい一皿。

 圧巻は、なんといってもプラのバール。灰黒色のソースを背景に、白くふくよかなバールの切身4切れがあでやかなバラの花を咲かせ、その合間を黒くトリュフとバールの皮目がきりりとひきしめている。なんたる妖艶! あでやかで、くっきり強く、豊かで、美味。台座の大きなアーティショーがこれまた強力にそれ自体旨い絶品。ムンムン香るソースは、あとからのデーブの説明によれば、クレームやバターは使っておらず(バールの)ジュとトリュフのみ!
 ピュアで簡潔でスケール感満点な、これぞベルナール・パコー、ランブロワジーの、これぞフランス料理だなあとしみじみ思う。こういうのは、ベルナール・マサオの後になったらもう、なかなか食べられないんじゃなかろうか。

 肉は羊で、かなりちっちゃい(個体)。にんにくの甘やかに香るジュのソース、ありそうでこの感じもなかなかほかでは味わえない。ガルニは別皿でアーティショービオラのリコッタ詰め。

 ふんわりとやわらかめのビスキュイに、フィヤンテーヌで3階層に分断されたポワールとウィリアムズのソルベ。

 デーブにおとーさんが感謝のごあいさつをして、写真を一緒にとってもらった。しんみり、しみじみしながら帰路につく。午後4時のヴォージュ広場をあとにして。

[AQ!]
 時に涙腺も緩む7年ぶり7回目。
 カルト名乗りは未だにautomne。バールはノンクレーム、ユイルとトリュフ(とジュ)だけ。
 お昼のヴォージュ広場は、店が増えてちょっと明るく賑やかな感じになっていた。広場の意図(?)はこんな雰囲気だったのかもと思うが、空きが多かったんだよな。

 ぼんじゅー。出迎え(だけですが)はダニエル。「Ishiiでごんす」。このヒトは相変わらずのケンツクしたノリ…、そうそう変わるもんでなし、「おーおー、コレよ!」と喜んだりして。
 おっと今日は奥へ向かって2番目のサルだ。4回連続主サルだったので物珍しい。通路左手に中庭がちょい見え。それにしても相変わらず「90年代前半と間取りが変わった気がするよね?」と曖昧なワシら。それと主サルの方のタペストリが変わった気もする。
 さて今日も元気だ、デイヴ。本日は(例の)ラングスティーヌが無く(ワシらはそれほどでもないが、コレの熱狂的ファンは落胆することだろう)、バールのアーティショー&トリュフ仕立てというのがあって、それがオススメだと言う。
 第2サルは少しフェミニン。4,5卓程度で主サルよりやや小。日本3人、日本1人、かわった頭のフランス人親子3、とワシら。到着が2番目で最終アウトでした。
 このサルの埋め方は、やむを得ない防衛的布陣…と最初思ったのだが、どうももしかすると、今昼の客はこれだけだったような感じである。到着時・トイレ時・帰途ともに主サルは客無しだったから。この予約は一ヶ月ジャスト前の「せーの」電話で、まぁ予想通り夜はコンプレにつき昼に取ったものである。昼は取れますぞ諸氏!…と思うが、何か考えや理由のある運用になっているのかも知れませんな。
 老ソムリエは、…そも、もういないんだっけ…、はじめ、ベテラン勢は昼はお休みかな。デイヴの王国。名無しのロデレールは変わらず、で、乾杯。

 アミューズはサンジャック、バールが出てる卓もあるランブロワジー形式。これも超楽しみな「本日の一品」である。(しかしAlexのサンジャックはこれに勝ってたなぁ、スゲーなアイツ)
 椅子は高く天井も高い。(値段も高い…今や伝説時代になってしまうけど昔は安かった。3倍近くにはなってるな。ケトゥルネルから行ってるヒトにとってはもっとか)

 エスカルゴは、つんもりとエスカルゴ炒めを置き、円盤状にコロンとしてるのがリドヴォー巻。まずはエスカルゴ本体をパクっ…絶句!! どしぇ~!! 天からカタツムリの精霊が降りて来た。肉の旨味と食感、アリエナス。エスカルゴ観を破壊されそうだ。自制しないとエスカルゴばかり食い呑込んでしまいそだ。アタリマエだが貝系の魅力を昇華した感じかなぁ、プーレに対するエスカルゴ、って調子かなぁ(と翌日の日記に書いてあったのだが、もはや意味不明じゃね)。リドヴォー巻の方も、本体組に合せてか、ピュアトーンの仕立てで美味。
 うーんしかし、フーゥ…、と溜息つく間に食い終わってしまった系…であった。

 掻き玉子は、ちょっと高めの「お立ち台」型に成形された、白トリュフ版。
 まぁ、この種の料理は「トリュフの反則」ぶりを、いやらしく眺めるものではある。美しくむせ返ってみせるものではある。ただし、ワシら2人は「黒トリュフ赤ワインソース版の方が好きだなぁ」は一致した。白トリュフ版は…“ランブロワジーにしては弱い料理だなあ”感が付きまとう。

 バールが本日の狂気の一品。ドンと目の前に置かれた、刻み黒トリュフと乳化オイルが灰色に光るソース。そこに大きい乱切状のアーティショーをボコボコっと置き、大ぶりに切った焼バールを鎮座させる。皮目の銀黒光沢、身のパールホワイト…もう皿上の色彩から「俺はヤバいぜ、ランブロワジーだぜ」と言っているようなズガン!料理。
 一口食らえば、フッ!と頭の中で何かが沸騰する。本当にコレだけの素材、その本当・最上の物を持ってきて、最適の加熱と調味をして置いただけ。言われればそれだけの物が、なぜ人をこれだけ駆り立て感動せしむるものなりや。不思議にして不思議でも何でもない、朴訥な魔術である。
 ひたすらコツコツと打ち込む魔法使い…、まー、俺みたいやんけ(誰も言ってくれないので自分で言う)。
 それにしても、もうこんなド迫力の料理、ベルナールとマサオさんが辞めたら、誰もやる人いなくなってしまうんじゃないですかな。寂しいものですな。
 ちょっと不思議(?)なことに、後で調べるとこの仕立てのバール、普段はトリュフじゃなくてキャビアごちゃまんのソースらしい。作り飽きたのか、黒トリュフの季節だからか、気まぐれと偶然の産物か? 俺ら的にはたいへん嬉しいことであった。キャビア版だったら…、、注文、違うのにしてたかもしんないし(笑)。

 ロゼルの仔羊、アニョードレかおめぇ…ってくらい柔らかく、かなり幼そうでいながら、味と香りは十分にのった、それはそれは見事な肉質である。大蒜が割とピーキーに立って豊かさに輪郭を付けているソースは、オーソドックスな筈なのに、やはり、此処とマサオさんちでしか「あ、コレ!」と思わないヤツ。勿論、美味なるソースにも色んなタイプがある訳だが、こーゆー単純なものでも「人の顔」は現れるものですな。悦楽的。
 ガルニのパセリピュレの、目に痛いほどの濃緑が美しく、いい合の手。これは初めて見たな。ピュレと言っても、クレーム・バターが少ないのか、フレッシュというか、超細かく刻んだパセリをほんのちょっと寄せただけみたいな感覚になっている、不思議なパセリ団子である。
 バールのソースは、後でデイヴが得意げに(?)教えてくれたのだが、「クレーム・ブーレは使わず、ユイルとトリュフだけなんですよぉ~」とのこと。キュイジーヌ・ア・ロゥ!!

 デイヴことパスカル、だっけ。オージョルドウィ、セ、セッフォア、ヴィアン・ランブロワジー、メ・アプレセタネ。ヴゼ、トゥージュール、サンパティック エ ジャンティ、メルシー僕 写真ピュィジ撮りまっしょ もうちょっとどおかせえよ俺

 へべは
「いざ、たぶん、もしかして最後になるのかもしれないランブロワジーへ」
 …って言ってるなあ。
 ランブロワジーは素晴らしいよ、やっぱり、パリでは此処しかないんじゃないか…と思うくらい。しかし、たしかに、実のところの心の中で思うのは、そろそろ、
「思い出を汚すことになったりするのか?」
 …的に言って、そろそろ、“ギリ”かなあ、、、という気がするのも事実ではある。

 ワイン。ランブロワジーと言えばフェブレでしょ…じゃないけど、昔からいっぱい持ってる。で、88クロドラロシュ。今、現在、となっては、3つ星店の割には安いワイン…も沢山あるのだが、コレもそうかな。88はマジもあって悩んだが、多分…ではあるが、トリュフとの兼合いで、こっちで正解だったような。
 フェブレっぽい妙な剛直さや88にたまにある堅いままの立ち枯れ…はまるでなくて、素晴らしい。美味い。正直、我がフェブレ史上ではトップ。往年の良年のポンソみたい。

[↑メモ版:工事中]
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  Amphycles  アンフィクレス
  
78 av. Ternes 75017 PARIS
ferme sam.midi et dim.
Chef: Philippe Groult
・ ロビュション門下、フィリップ・グルーの店 (1996.1)
Michelin ○/GaultMillau 17 (1990)
GaultMillau 15 (2002)
GaultMillau 15 (2004)
GaultMillau 16 (2005)

 http://amphycles.lesrestos.com/などによると、閉店したような…。デビュー当時は「瞬く間に二つ星に駆け上がったロブション門下のトップランナー…だったんですがねぇ…。

1995年 1月 ☆☆

 *アミューズ:黄橙ムースin緑、海老出汁+ズッキーニ、冷製、クルヴェットムース、ふんわりスープ
 “Menu : Gibier et Champignon (680FF)”
 *帆立、栗、トリュフの香草サラダ、蜂蜜を使ったソース
 *鹿のカネロニ、ホウレンソウ、茸・香草・茶色ソース
 *マルカッサンのソテ、茸・茶ポワブルソース、橙クスクス・カレー風味カルダモン
 *フロマージュ:サンマルセラン、シェーブルetc.
 *グラス(キャラメル、バニラ) チョコケーキ(バナナチェリーとろとろ) バニラクリーム オレンジタルト  +シャンパンに苺
 +'88 Pommard Grands Epenots / Michel Gaunoux (650FF)

[AQ!]
 フィリップ・グルーのアンフィクレス。

[へべ]
 FAX予約可、のスグレモノ・レストラン(注:今ではフツーになってきた)。しかも美味しい。鹿~ マルカッサン~
Amphycles  いただいたのは Gibier et Champignion の Menu.
 シャンパンに苺風味のアペリティフ
 クルヴェットかなにか、黄橙色のムースがえびだしのきいた緑のスープにふんわり
 帆立とトリュフと香草のサラダに栗と蜂蜜
 鹿カネロニ茸ほうれん草 猪もだけど茸茶色ソースがたまりません
 マルカッサンは胡椒がきいてて肉の力強い香と味がたまりません~
 そしてカレー風味クスクス、カルダモンきいてて相性もばっちり
 昼だというのにサンマルセランだのシェーブルも忘れずに、
 バナナ&チェリーとトロリトロリのガトーショコラ2種、
 グラス(キャラメル、バニラ)、バニラクリーム、オレンジタルト
 13:00に入って出たのは16:00 Total=2198F
 あ、Vin=Pommard Grands Epenots '88 (Michel Gaunoux),650F も含まれてます
 Amphycles を出て Terne 駅への途中の市場(的な通り)、おもしろかった。siitake (だっけ?)やタコやおいしそーなフロマージュや怖い魚

[AQ!]
 地下にトイレとカーヴ。小奇麗なトイレは勿論、覗き込みを計算したような整頓されたカーヴがよろしい。
 目の前はテルヌ大通り。ポートマイヨから来たが、帰りはTerne駅方向に向う。1950年代ワインをディスプレイした酒屋。横にのびる市場。露店と店舗。果物。肉屋。Dinde。Caille。野菜。巨大ポワブロン。巨大オーベルジーヌ。シイタケ。ピエドコション。怖い顔した魚。珍しい蛸。ユイットル各種。小奇麗にディスプレイしたフロマージュ屋。お茶と珈琲の店。マリアージュフレールのような缶にはいったお茶。積出し港の表記の入った珈琲。ちょっとマニアック。花屋。

1996年 1月 ☆

 *フォワグラのテリーヌ、林檎添え
 *ルジェのスープ
 *アレネ・ド・メア、オマールとともにタルタル仕立て
 *マルカッサンのポワレ、ベリーと栗とペコロス、スケール添え
 *鹿とフォワグラのポワレ、パイ添え、栗と林檎とポテトのピュレ
 *デセールワゴンから各種
 +82 Clos Fourtet

[AQ!]
 ここのマルカッサン、美味しいなぁ。超満腹で苦しくはありました。^^;

[AQ! & へべ]
 テルヌ駅から歩く。昨年、SHIITAKE(椎茸なんです、コレが)をみかけたマルシェなど。やがて白い張り出しテントが見えてくるとアンフィクレス。
 扉を開けると、ちょうど中から迎えられる。待ち構えていたというより、偶然「総員配置につけ」の時間だったよう(ジャスト20:00くらいか?)。ただ、ドアの係の彼は、以後もドア前に仁王立ちで、ゴクローな人なのであった。というわけで、口開けの客。
Shiitake  オススメのアペリティフはKirRoyal。さすがにCafeBleuのよりもぐっと上品で、おいしくいただく。客はさっぱり来ない。

 Carteを眺める。Menuは「秋のコース」と「ムニュデギュスタシオン」のようだ。ざっと目を通していると、マルカッサンの文字列が目に飛び込んできた。口中に蘇る去年のあの、肉の旨味。今回はブレゼとある。煮込みだとどうなるのか、食べてみたい、と、ひとつはこれをメインに。も一つメインはシャランQ、じゃなかったシャラン鴨のオレンジ風味というスペシャリテはpour2pers.。リエーブルがいく皿かあって、これにしようかと思ってもう一度よく見ると、シュヴルイユがある。これならワイン選びもラクだ、と決定。アントレは一つはルジェのスープでよかろう、と。もう一つはレギューム・ド・リヴェールというのが気になるのだが、料理名のそれに続く部分が読めない。聞いてみて余り望ましくなければ「例の」海の蜘蛛(アレネ・ド・メア)にでもするか。とこんな感じに。
 シルヴプレ。聞くと、とりあえずレギュームは今日は出来ない、とのこと。でも、意味は教えてくれた。よくわからなかったところは、「内臓の色々の部分の総称、みたいなことだ」とか。というわけで、注文は決定。ワインは後ろにあわせて、ボルドー赤から伺う。こないだ試してみたんだけどすっごく良かったよ、と言う82クロフルテに。

 そしてアミューズ登場。
 アミューズ登場。フォワグラのテリーヌである。けっこう、でかい。パワフルなアミューズです。Tokyoならこれで料理一皿です、とまでは言わないが(いや、そういうウチもあるか)。ねっとりと美味しいが、林檎がことのほかよく合う。じきにクロフルテも現れる。アレ、と思うくらいヴィヴィッドに酸がたっているのが印象的だが、後は、まぁ、まだ、寝込みを襲われて叩き起こされたところ、という感で見守ることとする。
 やっと、ちょこっちょこっ、と客も増えるけど、まぁ、出足遅かったですわ。^^; 最終的には、まぁまぁよく入ってました。「現代的・二つ星」な店は、「古典的・三つ星」な店に比べて、30分くらい開始が遅いような気がする、大ざっぱな話だが。

[へべ]
 フォワグラのテリーヌ。なめらかにねっとりと、おいしくて、ぺろり、と(そのときは)いただきました。林檎は小さく四角くトリミングした濃縮焼リンゴのような風情で相性のよいこと。

[AQ!]
 アレネ・ド・メア。目にはお馴染みの一皿。去年の昼も、やたらと売れていた、目立つお姿。昆布のような海草をグシャっとひいた上に陳座する海の蜘蛛。脚長な蟹である。甲羅を丸くくりぬき、ここに蟹の身とさらにオマールなどを加えたタルタルを詰める。それぞれがよく処理されてまとめも塩梅されているので、まぁ予想がつく系統には属するものの、美味しい。目で驚かせて安心して食べさせよう、的コンセプトになるのかな。海草は食べない。と思う。

 夜は照明がけっこう落ちて、テーブル上は明るく、昼同様うまくまとまった店内である。内装の、昼だとよく感じられるパステル調の色彩感が、いくぶん夜は印象が薄くなるのが残念かもしれない。

1997年

[AQ!]
 フィリップ・グルーのアンフィクレスですが、ミシュランで一つ星に降格になってしまったようです。こら、しっかりせんかい。彼は、何かプライヴェートな問題を抱えている、という噂あり。

2001年

[AQ!]
 ついに星どころか、ミシュランに記載もなくなってしまったようですね…。ゴーミヨは16点。諸行無常。
 ウチに「シェフのポートレイト」という料理長たちの写真集があるのですが(セーヌ河畔の露天古本屋で買った)、その中で空手道着を着てポーズをとっているフィリップ・グルー。再起する日は来るのだろうか。
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  Apicius  アピシウス
  
20 rue d'Artois 75008 PARIS 01 43 80 19 66 (Fax 01 44 40 09 57) www.restaurant-apicius.com
ferme vacance d'ete, sam. et dim.
depuis1987 Chef: Jean-Pierre Vigato
・
 長く慣れ親しんだ 122 av de Villiers 75017 を離れ、8区に豪華な物件を購入、移転したそうです。電話・FAX番号は そのままみたい。↓の日記は17区当時の物なので御注意あれ。 (2004)

 Guide Michelin France 2014で1つ星へ降格。 (2014)

 Mathieu PacaudがApiciusの経営権を獲得、同店を後継することになるようだ。 (2017)

Michelin ○○/GaultMillau 17 (1990)
Michelin ○○/GaultMillau 17 (2001)
Michelin ○○/GaultMillau 18 (2002)
Michelin ○○/GaultMillau 17 (2004)
Michelin ○○/GaultMillau 17 (2008)

PAPI1 2002年12月 ☆☆

 *「魚の形」のソモンマリネ
 *胡瓜とウフポシェ、牛コンソメジュレと牡蠣の水
 *トン・クリュの岩塩とバルサミコ、生姜と空豆
 *サンピエール・プチポワ・レチュミジョテのココット
 *ピエドコションのカリカリ包み
 *"カフェ・カフェ・カフェ"
 *無糖のスフレ・オ・ショコラ
 +87 Griotte-Chambertin / Ponsot

[AQ!]
 ヴィガトアピシウスとは縁が無かった。80年代中盤からグングンと評判をあげたこの店は、いつも「次に行ってみたい店メモ」の上位を占めながら、うーん何つーか、縁が無かった。微妙に日程が合わなかったりして。ま、とにかくワシら、パリじゅう隈無く行ける訳じゃないからなぁ(隈無く、どころか、笊ほどにも枠ほどにも行けない訳だが…)。興味はですね、大変あったのです。1995年のヴィガト来日フェアにも行ったし(^^;)。
 そんで、ヴィガトさんって、若々しくエネルギッシュな料理を作りそうな料理人に感じられていて「その清新さを見たい」という思いがあった… …のは裏返すと、年月が経って中堅(「トップクラス中の中堅」)で安定してるようならもういいか、という考え方にも通じやすく、近年では「どこ行こうか会議」で見落としがちにはなっていた。

PAPI2 ←[縁がありました、Jean-Pierre Vigatoさん。後ろ姿ですが、なかなかの(元)ハンサム系です]  --というのが個人的背景だったのだが、今回Parisでポカリと空いた日程に、「条件合う店で何かなかったかしらん?」と言ってたらススス~とApiciusの予約が取れてしまった。縁は、生じる時にはえらく簡単なものである。
 そうだ、ここの予約FAXの返信のおそるべき迅速さはメモっておかねば。「予約お願い出来ますかしらん?」とFAXを打てば、ものの15分で「どうぞどうぞ」と返ってくる。「わーい、嬉しい。確認です」と送れば、「お目にかかれるのを楽しみにしております。私めがシカとお受けいたしました」と10分後。凄い勢いだ。…まぁタマタマかもしれないけど。
--店に行ってみたら、メートルのおっちゃんが気が良くてあたりが柔らかくてコマメそうなヒトで…「営業時間以外はカレが電話・FAXの前にへばりついてるのよ、きっと」…と与太な推理をするワシらでした--

 (さらについでの話だが、パリ…に限らずヨーロッパのレストランに出した予約FAXの返事というのは、時間がかかるものである。しかも返信はこちらの出したFAXのコピーに「OK」とだけ殴り書きしたようなモノも多い。このくらいすぐ返事出来るだろうよ…、とブー垂れたくなるような物に、1週間だ10日だと平気でかかる。お気をつけあれ。ただし、オーベルジュ…すなわち「ホテル+レストラン」型の店は返事が早い。半日~2日くらいで返ってくるのが大抵で、文面も多くはキチンとしたフォームが用意されている。ま、こういうのが“人手”というものですな。 ---な~んて言いながら最近はe-mail予約が多くなりました。もっともe-mailでも返信がノンビリな店はノンビリだ。ちなみに、e-mailはフランス語ではmelと言っていたのだが、最近は“courriel”を使えといいますね)
PAPI3
 いい天気のお昼。凱旋門からテレツクテレツクまっすぐ北上の10分ほどを散歩する。アピシウスは、ちょっと前の時代の、さりげな~い街場の高級レストランの佇まいである(ジャマン、フォージュロン、アンフィクレス、ヴィヴァロア…)。外に面した窓ガラス際には蔦がよく伸びていて(蔦の伸び具合が店の年輪かも)中はチラリとしか見えない。
 ボンジュール。件のメートルが「やぁやぁやぁ、お待ちしてましたヨ~」と何とも嬉しくなるような具合で迎え入れてくれる。
 ウニャーぁ。んー、ここはいいレストラン。空気が素晴らしい。そう、サンパで少し気取ったセルヴールたち。クールで少しお洒落で、でも落ち着いた(落ち着いて来た、というのが正しいのだろうか)内装。ちょっぴりアブストラクトに緑色青色で林檎を描いた壁の。壁際や仕切りのアクセントに、丈の高い花瓶に何本もいけられた丈の高い白いチューリップ

 そしてやはり極め付けは、素敵なお客たち。シャレてて、少し気取って、でも根っ子では今日はアピシウスに来ちゃういい日なんだからウキウキしてて、豊かで食いしん坊で…そんなパリっ子(ワシの後ろ(初老男性3人組)のオヤジは赤いマフラーを巻いたり外したり巻いたり振り回したりしてる。今日のチミたちの話題は何なんだ?)。みんな楽しそうだ。そして、ほぼ観光客は見当たらない(←ってオマエラが言うな(^^;) ←と、いつもお約束の自己ツッコミ(^^;))
PAPI4  まぁ観光客については、それこそ今現在のアピシウスが“今旬”でも“ファッド”でも“噂の”でも「無い」のが幸いしたかもしれないし、今日は12/23…ギリギリで日が良かったかもしれない。明日からパリの観光人口は急増する。

 ワインリストを見ると、こちらも、「ハイソとセレブと観光客で一杯の3つ星」店で無いことの恩恵があるような気になる。すなわち、87ポンソグリオットなんてイカしたワイン(実際、夢見心地の一本だ)が手の届く所にある。例えばラルページュには到底こんなん残ってるとは思えないし、あったらあったで此処の5倍くらいの値段を付けるだろう。

 「胡瓜とウフポシェ、牛コンソメジュレと牡蠣の水」は、ヴィノムのブルゴーニュみたいなグラスに入って供され、ま、少し食べにくいけど、とても美味しい。この組み合わせはファンタスティックで、とりわけ胡瓜のポジションは巧い。
 トンクリュはトンの軽マリネ調だが、どことなく刺身っぽい和風が漂う。そう、21世紀に入ってから、パリのシェフたちは皆揃って“スペイン風邪”や“日本脳炎”に罹ってしまったらしく(そこら中で下手糞なテンプラと下手糞なスシと下手糞なエスプーマと下手糞なチピロン焼と…)「パリのフランス料理界はスランプ状態」と断じる向きも少なくないが、まぁややそんなことを想起する感じ。
 プラの2品は、けっこうジンワリとシミジミ系の味に仕上がってて、のんびり旨い。
 デセールも、技巧を凝らしてるようだがそれを感じさせず、イイ意味、オーソドックスに満足する。

 全体には、名乗りやディテールを観察すると革新的だったりヌーヴェルだったり(…それって新しいと言ってるのか古いと言ってるのか?(^^;))意欲的な工夫を感じる面が多いのだが、印象としては、穏やかで気楽で“美味しかったネ”という感が残る。まぁ、ガーンと感動がこみ上げたり、心底からクラクラ驚嘆したり、という風では無い料理かなぁ。まぁ料理について語ろうと思うと、ヴィガト氏の料理や考えや店の在り方の変遷というものがわからないのでちょっと見えて来にくい…、という部分があった。
PAPI5  ま、しかし、レストランで過ごした時間としてはサイコーにゴキゲンさぁ! ヨカタねヨカタねギャハハハ、と夕方の街に、今度は千鳥足含有度5%くらいで漕ぎ出すワシらでありました。
 ところで、アピシウスApiciusとはローマの美食家の名前で、そこから付けられた店名。そして、ヴィガトのアピシウスと有楽町のアピシウスは、とくに関係は無い。

 PS 帰途、HMVの辺りを通りかかると、パリの若い馬鹿タレが Sony U-10 を購入して余程嬉しかったらしく、「おーいジャポネいいだろ」とこっちを写しながら騒いでおる。おやおやまぁ(奇遇、奇遇…)、とワシも「若ぇの、オレら本場の人間を舐めんじゃねーぜ」と懐から同じ U-10 を取り出して、逆に写してやったら、「ワオっ!ワオっ!」と喜んでおりました。いいよね、U-10 (^^;)。
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  L'Arpege  アルページュ
  
84 r.Varenne 75007 PARIS 01 45 51 47 33 (Fax 01 44 18 98 39) www.alain-passard.com
ferme dim.midi et sam.
depuis1986 Chef: Alain Passard (1956-)
・ 1997年、意表をついて(?)ミシュランの新三つ星に輝きました
 料理に手応えのある中堅二つ星、というのは実にその通りだったんですが、豪奢さの全くない店で、パリの他の店を押さえて三つ星に上がったのはちょっとビックリ。
Michelin ○○ /GaultMillau 18 (1990)
Michelin ○○○/GaultMillau 16 (2001)
Michelin ○○○/GaultMillau 17 (2002)
Michelin ○○○/GaultMillau 19 (2004)
Michelin ○○○/GaultMillau 19 (2008)

参考:メールのページ

1994年 5月 ☆☆ 

 *半熟卵あさつきクリーム酸味
 *サンピエール、皮の下にロリエ、下のマーシュに柑橘酸馥郁、回りにさっとソース
 *カナール・パネー、林檎レモン血のソース、甘いピュレ
 *アボカドのスフレ
 *ショコラのスターアニス風味グラタン
 +Yquem

[へべ]
 ロダンmuseeきれい ガラス塀 薔薇庭の斜め前
 外観そっけない 中優美モダン ガラスプレート 大胆花=カラー、チェロ
 若いマダムとマドモワゼル 緑のそろいで素早いカーヴィング
 細バゲット塩味 バターに店名

[AQ!]
 オーソドックスな料理。デセールは前衛的な物が並ぶ。
 鴨は、「母の思い出」とかそんな感じの料理らしい。

2002年12月 ×

 *coque-mouillettes風
 *南瓜のスープ
 *セルリラーブの塩釜焼
 *Collection Legumiere
 *Jardiniere 'Arlequin' aux herbes fines
 *Volaille de paturage
 *Tomate confite farcie aux douze saveurs creme glacee
 *Orange a l'huile d'argan
 +00 Sancerre Monts Damnes / Cotat

[AQ!]
 フランスのフランス料理界に於けるミシュランの影響力の大きさは測り知れず、幾多の功罪を歴史に刻む。ああ、そしてまったく、このパリ7区の小さい店ラルページュにミシュランがもたらした3つ目のマカロンは、ムッシュ・アラン・パッサーとその客に苦い災厄のみをもたらした。罪なことである。
 …とか何とかブツクサ言ってもせんないことだが、んー、もおっ、2002年のアルページュ訪問は「せめて悪口くらい言わせろよ」ってなものでございました。それで元が取れるわけでもないが(^^;)。
 アンヴァリドをロダン美術館に曲がると、前方微かに灯りが見えてくる。レストランや店鋪の殆ど無い静かなエリアに、かつて「ラルケストラート」であったその場所に「ラルページュ」の星が灯る。
 今回は、3つ星様を訪れるにはバタバタの、当日まで3週間を切ってからのFAXでの予約ゲット。前後の日程調整が難航していたためで、結局前後の日が気楽なクラスの店に落ち着いたゆえ、アッパークラスに駄目もとで当っていた。さすがにパリ中にウジャウジャと3つ星の増えたせいか、直前でも取れるものだ。
 このクラスでは、リコンファームの必要は当然として、ラルページュでは、直前リコンファームとして、当日午前中の電話連絡が求められた。ちょい、面倒臭い。
 はい、こんばんは…う、狭い。狭いのは既に承知の助、驚きゃしないが、冬に訪れてわかるのは、コートを脱ぐのもやっとの玄関である。ちょっと路上で脱いできましょか状態。
 ま、しかし、ワシら的にはそーゆー空間のやりくり自体は嫌いじゃない。また、そんな店が3つ星を取ること自体は面白いことたりえると思う。しかしなー、この店の狭い玄関でゴソゴソやってるのは少しも、おもろない。サービスよ、ゴメーワクをおかけしてるんだからちょっとは気の効いたことでも言って間を持たせろよな、と期待するも、「早く脱げよ」とでも言いたげな顔に温性のカケラも無い。
 「こちらへどうぞ」、アレ、今回は階下だ。地下のサルは5卓、カーヴか地下水道を模したような内装に、何とアルミパイプのちゃちな椅子。学食みたいな。しかし、プラスチックの型抜き椅子で3つ星をもぎ取った「ヴィヴァロア」のファンのワシら的にはそーゆー思い切った調度自体は嫌いじゃない。また、そんな店が3つ星を取ること自体は面白いことたりえると思う。しかしなー、それが良質な効果を生み出すのは、サービスや料理の力による「逆転勝利」が演出された時のこと。ここんちでは…、うーむ、安っぽいだけだ。…いや、「狙ったけど外したね」くらいには言ってあげないと可哀想なんだろうか。
 地下の客は、我が同胞日本人にアメリカ人、女1男2のフランス人はヘビースモーカー(よほど泡銭に恵まれたか、トリュフを使わない料理にも特注でたっぷりふりかける。香りのお裾分けはありがたし。換わりにワシのセルリを嗅がせてあげると大いに盛り上がっていた所の、まぁ陽気な気の良い連中ではあった)と、「ふふ~ん、なるほど、そーゆーことか」な振り分けではある。もっとも地上の主サルでも10卓前後しかないこの店では、5卓の地下が「特別懲罰牢」とは言えない所だろう。
 ま、ワシら的には「Si possible, 禁煙でよろしこ」くらい事前に言っとけば良かった後の祭りだが、最後に決まった穴埋め日程だけに何も申し送って無かったのではある。3つ星店をスケジュールの穴埋めに使うんじゃありません、という教訓にはなった…のか。
 ムニュは320euroと巨馬鹿な…というか冗談のような値段に驚いてパス、テケトーなカルトを選ぶ。ワインは古いものは殆ど無く、値付けは巨馬鹿が多く(まぁまぁくらいで付けているものもあるが)、コタ様に逃げる。そーだ、アペリティフのクプドシャンパーニュは断りもしないがKrugで、巨馬鹿値付だがさすがに旨い。
 サービスの目が届かない…、っつうか、なかなかサービスがいないレストランで、ワインは、最初の内はオズオズと、その内に堂々と、手酌王。まぁ飲みねぇ飲みねぇとへべに注いでやる。内装も相俟ってなかなかのビストロ気分で、これで勘定書が1/10なら楽しかろう。食後のコーヒーに至っては、自分で配膳台に取りに行く始末。学食ですね。
 アミューズは流行り(?)のコックムイエ。些か甘ったるめ。まぁ元々も味付けがそんなに上手な店ではない。まぁ以後の料理の感想もそんなんばっかかな。料理の出来について、「2つ星の活気には十分であっても、3つ星としての完成度に欠ける」というような言い方が成り立てば救いにもなろうが、正直、2つ星当時より落ちていると思う。「とりあえず肉を焼くのは上手だ」みたいな美点は失われ、かわりに数年前に「野菜オンリー」化したのに象徴される「取ってつけたようなニューコンセプト」に振り回される神経症ばかり目立つ。だってムッシュ・パッサー、野菜は下手だもんね。しかしこの新提案ノイローゼ状態には、3つ星の重圧(の一つの表れ)というものを窺い知るものではある。
 サービスの病いも重い。う~ん、と、2,3つ星レストランで時たま見る病状ですね。「優秀なサービスを揃えねば切迫症」的に、おそらくはホテル学校の成績とイングリッシュ・スピーキング・アビリティだけで採用してしまったような若者たち。それこそ顎を突き出すような勢いでフルーエントな英語をまくしたてるのだけは得意な、サービスの基本精神は何も理解してないエリートたち。いやぁ、あるんですよね、こーゆーのばっか雇っちゃう店。沢山のマカロンを貰ったからには、英語が喋れる奴じゃないとマズいよ~、とか思ってしまうのは、イングリッシュ・スピーキング・アビリティが低いパトロンシェフのサガなのか。
 ところで、理論的に批難されるべきは、サービスのイロハもわからん奴が英語能力だけでフロアに出てることだ。ま、しかし、これは余談だが、そもそも、フランス料理屋であまり何でもかんでも英語を話さないで欲しいわけよ…なんてことを、こないだ誰かが雑談で言ってたな。「ローストチキンとかラムステーキって言われるとさ、美味しそうな気がしないじゃないか」…、確かにそうなのである。やっぱね、こちとらフランス料理屋に、半分は"幻想"を食いに来てるんだからさぁ、"ローストチキン"ってのは止めてほしいのだなー。食えば一緒だろ、って言ったって、例えば、蛍光灯の下で料理を食ったら白熱灯の場合と同じように味わえるだろうか。ま、そんなようなこと。
 理想的な言語の擦り合わせは、難しいけどね。こっちが仏語のうちは仏語、英語になったら英語、みたいなチャンポンが一番有り難いのだけど。気の利いた人はいつの間にかそうなっている。いや、もっと気の利いた人は何語とも気付かないうちに話が通じた気にさせるものだが…。
 さて、こちらアルページュでは、ぁまり面白くもないしサッサと帰ろうとか言ってたのに(もう一卓の日本人はフロマージュもデセールもすっ飛ばしてもう御帰還。見習うべきだったか)、珈琲も勘定も2回や3回頼んだくらいでは来ない有り様に、地下鉄の終電時間も過ぎてしまった。タクシーを呼ぶついでに、アランも呼びつけて説教の一つも垂れたろかとも思うが、これだけデキナイ人だと、改心する素養自体が欠如してるだろうなと思うと脱力、うーん、サッサ転じてスゴスゴと退散。

[へべ]
 いやー、笑ってしまう…しかないような再訪となりました。小さい小粋な二つ星、として輝いてればみんなもっと幸せだったんじゃないかなぁ、と思わずにいられない。料理、サービス、値付けのいずれにも、感嘆と別の意味で溜息が出ました。
 ええと、料理で唯一面白かったのが、根セロリの塩釜焼。焼けたところをテーブル脇で恭しくご開帳。立ちのぼる根セロリの香りにうっとり…シンプルな料理だけど、これは美味しいし華がありました。隣の仏男女3人卓も、香りのおすそ分けに盛り上がってくれたしね。ただ、やっぱり高過ぎるんじゃないかなぁ、値段は。あの店で三つ星価格を取るには料理とサービスが完璧でないと…。そのサービスはといえば、実に惨憺たるものでした。いやはや。

[AQ! @ 2005]
 …上記は「たまたま悪かったのかなぁ」とも思うのだけど、同感だ…というメールばかりいただいている。また「この10年間で定食の値段が3倍近く上がっている」「パリの3つ星の中では段トツで予約が取りやすい…ので間際に「3つ星を」とか言ってくる層はみなここ送りにしている」というような御教示もあった。
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  Restaurant A.T
  
4 Rue du Cardinal Lemoine 75005 Paris +33(0)156819408 www.atsushitanaka.com
日月休
depuis2014 Chef: Atsushi Tanaka

・   

         → 2015-6パリ旅行記はこちら
         → 2016パリ旅行記はこちら
A.T 2015年12月 ☆☆☆

 *Poireau / Beurre Noisette
 *Salsifis
 *Cebette
 *Huitre / Chou-Rave / Sudachi
 *Bulot / Navet
 *Foie gras / Poivre Long / Meringue
 *Camouflage: Daurade / Genievre / Persil
 *Boeuf / Foin / Topinambour
 *Saint Jacques / Celeri-Rave / Bergamote
 *Rouget / Romanesco / Coques
 *Pigeon / Betterave
 *Myrtille / Hinoki / Piment de Jamaique
 *Coin / Sapin / Pomme
 +10 Champagne brut / Andre Beaufort
 +14 Riesling Cuvée Particulière / Gérard Schueller
 +14 Vaumorillon Bourgogne Tonnerre / Amaury Beaufort
 +14 Naranjuez Brutal rosado
 +Galarneau rouge / Hodgson
 +14 Layon K

A.T
[AQ!]
 さて、今宵はいよいよ、A.Tに伺う。
 旅の目的のひとつだ。
 クリスマス〜年末年始は休む店も多い中、「割とお客さん来ますんで…」と通常営業している。

 A.Tの場所だが、これがまー、わかりやすいというか、トゥールダルジャンのお向かい(笑)。
 随分とサイズは違うが(^^;)。
 まあ迷わなくてよい。
 ただ、宿のヴォージュ広場からトゥールダルジャン辺りは、適当な地下鉄経路が無い。
 乗っても無駄やわ、と、歩く。地下鉄2、3駅分の距離…となろうか。
 サンルイ島を横断していく。教会のロシア式クリスマスコンサートの貼紙、…大昔に聴いたなあ、など。
A.T
 セーヌ川から眺めれば煌びやかに浮かび上がるノートルダムと宙に浮くトゥールダルジャン客席、そこから地面に視線を落とすと、Rue du Cardinal Lemoineに面した、簡素な、小体な一軒に出会う。
 窓際にオブジェがあって、何じゃろ?と覗いていく通行人も多い。
 ボンスワ…とお邪魔すればすぐ店内、奥の厨房口に田中シェフがチラリと見える。
 (シェフは進行中も、よく店内の様子を窺っている)

 おまかせコース、アディショナルでフォアグラ、5・7杯のペアリングワイン。

[へべ]
 トゥールダルジャンのすぐそば、という立地にさりげなく店を構えるA.T。店内や卓上の眺めに思わず出る一言はやはり「北欧か?」ではあるまいか(笑)。
 気取らず温かみのあるサービスも、いい感じです。
A.T
Poireau / Beurre Noisette
 焼き葱にブラウンバターのアミューズをパクリと口に放り込むと…およよ、酸っぱい…。名乗りと色調からは予想外の味わい、今宵のアミューズ占いは「吉」と出て、上々の滑り出し。
 以後、魅力的な料理が次々に現れては胃の腑に消えていく。

[AQ!]
 ポワロにビートルート粉、食べると酸味。印象を残す。
A.T
Salsifis
 牛蒡にミエル、花。

Cebette
 スプリングオニオン。分葱刻みの一口サンド。

Huitre / Chou-Rave / Sudachi
 柚子大根の香りのするユイットル。クールなモダンながら、とても親しみやすい美味。コールラビの食感が楽しい、アタマが当初“大根”として受け取るが、考えれば大根じゃない(笑)。

[へべ]
 柚子大根を思わせる爽やかな香りとともに登場する牡蠣は、コールラビの食感が新鮮。
A.T
Bulot / Navet
 蕪のヴルーテでは、貝の出汁の旨さと蕪のハーモニーに目を瞠る(和食の料理人が悔しがりそうだよね、コレ…)。

[AQ!]
 Bulot…後でググると「ヨーロッパエゾバイ」、欧州蝦夷バイ貝か。
 カブとツブの炊いたん、…「ま、ヴルーテなんすけど」。
 ナチュールな仕立てながらカブラ蒸しっぽい…というか、和を想起させる印象がある。けど、和食には、無い。「ま、ヴルーテ」♪
 これは大変に美味しい。
 このカブツブと牛タルタルトピナンブルは殿堂入りっぽいw。

Foie gras / Poivre Long / Meringue
 フォアグラと次の“カモフラージュ”が、瓦煎餅シリーズ(笑)。
 本編以降は量もキッチリと出る。
A.T
[へべ]
Camouflage: Daurade / Genievre / Persil
 シグネチャーであると聞く迷彩メレンゲ板の“カムフラージュ”(プレゼン良し、魚マリネの味さらに良し)。

[AQ!]
 迷彩の森に、フロマージュブランフュメおろしの雪がかかる。
A.T
A.T Boeuf / Foin / Topinambour
 どの皿も香りが良い。ここでのトピナンブールとかも、ありがちに見えて、香りの魅力に囚われる。
 藁は香りづけ、藁が関与してトピナンブルの香りが上がるような。そしてブフとの3者の共鳴の計算がイイのかなあ。
 こちらの料理はプードルが多用されているのだが、どれもよく香る感じがするんだよなあ。

[へべ]
 そして、牛の赤身にトピナンブールを合わせた一品ときたら!
 藁の燻香でくっきり縁取ったようなトピナンブールの香りがなんとも魅力的。

[AQ!]
Saint Jacques / Celeri-Rave / Bergamote
 オトナな取り合わせ。
A.T
Rouget / Romanesco / Coques
 ルジェのコック貝(ザル貝とシェフは言ってた。サルボウ貝とも)は良い扱い。全体は豊潤。

[へべ]
 ルジェはちょっと焼き浸し調。

Pigeon / Betterave
 主菜の鳩は見事な焼きで、ここは堂々と旨さの山が大盛り上がり!…という展開ぶりもめでたい。
A.T
A.T [AQ!]
 鳩の杜松風味焼。とくに胸はとても旨い焼き。

Myrtille / Hinoki / Piment de Jamaique
Coin / Sapin / Pomme
 桧・松はレに漬けてグラスに。
 コアンのにょろにょろはコアン漬を干したもの。
 ここでの樹の匂いのように、もろ北欧みたいにキワキワギリギリまでは被疑者を追い詰めないところは随所にある(笑)。バランス良い。

***

[へべ]
 香りがいい。
 そして、こう言っては当たり前みたいだけど、味がいい。
 構成には緊張感がありながら、ものすごく慎重にバランスをとって、味の着地ポイントは「おいしいゾーン」にきっちり決めているような(こちらの勝手な印象です)。
 絞り込まれた素材が、それぞれ大切に生かされている感じで、心に残る、すぐまた食べたい料理がいくつもありました。

 いやー、パリに来られて良かった!
A.T
[AQ!]
 美味しい!

 非常に作品性が高く、完成度を誇る。
 見事にきっちりと美味い着地。着地安定性が抜群。
 特徴的な、香り高さ。…それを感じせしめる、強さ。

 シェフは、(ぶっちゃけで言うと)「薄くて軽くてダシがきいてる味…は好き♪」と言う。
 それは一面の真実。だが、この方向でありがちな「うすらぼんやり感」のまったく無い、シャープでしっかりした味覚である。
 塩で引っ張る強さでは、ない。

 食材の核…コアに対する感性、味の着地、舞い立つ香気。…この辺りのポイントが共感を呼ぶので、「才能の衝撃」とともに食べていて「シームレスに感じられるスンナリ感」もある。
 それはシェフの、
Pierre Gagnaire, Quique Dacosta, De Pastorale, Maaemo, Geranium, Frantzén, Oaxen Krog…
 など多岐に渡る修業歴からも推察できるように、欧米現在の多彩な食シーンの経験と理解の幅広さから出てくる面が、大きくあるだろう。

 経歴中、ある意味目をひくパストラレには3年くらいいたそうだ。
「Reetは田舎でもない半端な感じの町なのに、…店5軒くらいしかないし(^^;)」
 というのが笑った。そうだよね~。
 当時のベネルクスはとても興味深かった、と。
A.T
 …という田中シェフとは、「いやあようやくお会い出来ましたねえ」という『初対面の知人』。(「もんのすごく以前から読んでますよ」と強調されてしまった(笑))
 へべの人物感想は、「優しい。おだやかでいい人そうで落ち着いてる…」(と何度も言ってた(笑))。…いや、シェフ、プロフ写真とか “細身で髭” で『もしかしてちょっと恐い?』系じゃん(^^;)。
 ただホントに身体は細い。細いけど、食べ歩きも好きなんだって。

 パリの中ではおそらく、かなりインターナショナル派なのだろう。
 店を始める時も、ブリュッセルは小さい、ニューヨークは人脈無いしなあ…で、パリ。だとか。
 でも「アメリカでもよかったかな?(笑)」…今月Meadowoodの「12 Days of Christmas」成功が心強かったよう。
 A.Tはパリ最注目店の一軒であるとともに賛否分かれる店…とも聞いてた。ある意味「まあそうだろう」(^^;)。ある種の人の「パリといふもの」「フランスといぶもの」への期待、…とは、じぇんじぇん関係ない一軒。フランス産品はめっちゃ活きてるけどねー。
 それとペアリングワインはビオでも「もろビオ」で多少クセがあり、好みが分かれはするだろうなあ。
 ペアリング自体は、対比で行くか調和で行くか…まあ考慮はされてるんだが、実際には相乗したり相殺してたりする気もして、これは発展途上か。

 ところでメートルのおっちゃんは気が良く、それなりに気働きする。シェフとアガペシュブスタンスで一緒、ダヴィドが抜けてツマラなそうだったので呼んだ、とか。

AT Even 2016年 6月 ☆☆☆☆

 [ 4 hands dinner Ylajali Even Ramsvik×A.T Atsushi Tanaka ]
 +09 Champagne Charies Dufour
 * Beetroot / Chiken Liver
 * Oyster / Kohlrabi / Lovage
 * Chicken Skin / Crab
 * Celeriac / Cockles / Lemon Thyme
 +09 Pechigo, Sylvain Saux
 * Mackerel / Miso / Horseradish / Citron Caviar
 +Sake Katori, Terada Honke
 * Whelk / Marjoram / White Asparagus
 +14 Blablacblanc, Jolly Ferriol
 * Celery / Blackcurrant Leaf / Almond
 +07 Chenin 07, Desplats
 * Turbot / Sapin / Green Asparagus
 +13 Serragghia, Zibibo Gabrio Bini
 * Onion / Ramsons / Fermented Fish
 +14 Gewurztraminer Pige, Schuller
 * Seetbreads / Black Garlic / Wild Cabbage
 +14 Jeux de Mains, Ferreira
 * Duck / Cerise / Genievre
 +13 Boisson Rouge, Heredia
 * Hitra Bla / Plum / Amond Praline
 * Sorrel / Green Apple
 * Rhubarb / Edelberry / Strawberry

AT Even
[AQ!]
 さて、いよいよ…というか着いてすぐ翌日だが(^^;)、今回の旅の目的/主旨である、Even Ramsvik/Atsushi Tanakaのコラボイベントである。

 このイベント開催がFB上で発表されたのが5月中旬(開催一ヶ月前)。
 それを目にした時の、名状し難いフシギな気分…というか、「え、イマ何て言った?」的キツネつままれ系の驚き、は、忘れられない。
 それと言うのも、Even Ramsvik/Atsushi Tanakaの2人は、近年のウチの食べ歩きで、(まあぶっちゃけ間単に言えば)最も気に入り最も気にかかってたシェフ…だったのである。
 それが、いきなり組んで何かやろう♪…と言うのである。
 えええ、何だソレ…、6,7年前にレネとマッシモがコラボやる…って聞いたらこんな気持ちだったろうか(いや違)(^^;)。

 うーん、ちょちょちょチミたちちょと待った(^^;)…、お・お・お・落ち着けワシら、、、
 うーんコレは行くしかないのではござらんか(^^;)。
 すぐ一ヶ月先だけど。
 我々…機会、とか、出会い、に関してはけっこー運命論者なのである。この日取り、無理をすれば行くことは出来る。(無理はするけど。しかし「無理をしてもいけない」という日程は世の中には多い)
AT Even
 ***

 Atsushiシェフの「A.T」は、先日発表になった「2016 EUROPEAN TOP 100 RESTAURANTS」(いま最も現実的なランキングと考えられる)で89位に上昇。

 Evenシェフは、2014年にミシュラン星を得た「Ylajali」を2015年一杯で閉め、ネクストステージへ転進中。まずは3月にオスロSentralenにカジュアルレストランをプロデュースしている。ボクらにとって「現在の北欧の最重要」シェフだが、身軽な期間…であるかもしれない。

 ***

 6月のパリ。
 先週は「溢れるぞ」と脅されたセーヌ河畔の「A.T」へ勇んで歩く。(考えてみれば、この辺りは河畔だけど水面からは高さがあるので心配ないのかもしれない)
 20時から開催…と聞き、10分前くらいの到着だがほとんど先頭ランナーだった(^^;)。さすがフランスだな。
AT Even
「いやあAtsushiシェフ、どもども♪ 来ちゃいましたよ」
「何か2人であーでもないこーでもないと言ってたら皿数が増えて15品くらいになっちゃいました(笑)、大丈夫ですか?」
「望むところです!」

 そしてEvenシェフに初めまして!
 …そう、Ylajaliではシェフには会ってなかったのである。
 基本、北欧はシェフは挨拶周りに出ない店が圧倒的に多い。また我々は、忙しい時間帯では、「ちょっと校舎の裏までツラを貸せ」…とシェフに呼び出しをかける(笑)方ではないので、会わず終いだった。
 ここで2014年のYlajaliのカンドーを本人に告げる。
AT Even
 本人に会ってみると、意外なことに(?)、ノルウェー人なのに我々とサイズがさほど変わらない。たしかあの国は平均身長が180cm越えだよなあ。現地ではチビ…小柄な人扱いなんちゃいますかw。
 また、ブルートな奴ラフな奴も多いエリアだけど、Evenは物静か。それも静謐…なんて感じではなくて(料理はソッチだけど)、穏やか~におとなしくちょびっとだけニコっとしてる感じ。
 トレードマークの髭はタップリで、ホビットかジェントルジャイアントか…森のおじさん妖精、みたいなタイプ。

 奥どんつきのテーブルについて、開演を待つ。
 料理は、Even主導・Atsushi主導のものが交互に出される感じ。
 前段をシャンパーニュで行き本編以降は1皿/1グラス見当、のペアリングワイン。
AT Even
 ***

Betterave / Foie de Volaille
 ビートルートはビートルート・ジュース内で発酵させたもの、鶏フォアを包みオキサリスを散らす。
 渋い美姿、多少持ちにくい(笑)、パクっ。
 …と、脳のメモリからぶっこ抜かれたように「イラヤリの味がする」!
 うーむ料理は恐いわ~♪ 最高のスタート。
AT Even
Huitre / Chou-Rave / Liveche
 Atsushiシェフ得意の、千枚漬コールラビ牡蠣…みたいなの(これ好き)、今回はラベージ風味。

Crabe / Poulet
 揚げ鶏皮・蟹ほぐしに焦がしオニオン粉。
 イラヤリでもやってた鶏・蟹のバリエ。ホコっと温製、安らぐ旨味。
 後でAtsushiシェフが楽しそうに「アタマの方も温製がけっこー増えちゃって出すのタイヘン」とこぼしてたw。

Celeri / Coques / Thym Citron
 Coquesはザルガイ…とは前回Atsushiシェフに習った(笑)、いやなんか二枚貝だと思ってたけどザルガイという和名は知らんかったよ~。たしかにググると笊に似ているので笊貝、だそう。
 根セロリの丸抜きをかぶせレモンタイム風味で椀仕立て風。
 とても淡いが、とても芯のしっかりした意志の通る一品。
 「和食の料理人さんに食べて欲しわ~」なんて卓上で笑うけど、Atsushiシェフの料理は『和食』という言葉が脳裏に浮ぶことがママある。けどそれは、最近の世界を席捲する「和風テイスト取り入れ」とかじゃなくて、何か「未来の和食」みたいなイメージ。
 『和食来るべきもの(The Shape of Washoku to Come)』(笑)。
AT Even
Maquereau / Miso / Horseradish / Citron Caviar
 これより本編。
 「Evenのスペシャリテ」の紹介で現れる通り、見覚えのあるホースラディッシュ・パセリの凍結球(パセリ汁を注いで溶く)。
 鯖は『ノルヴェジアン・ミソ♪』でマリネし海草巻き。クロカンなキノアと酸がキュートなシトロンキャビアを散らす。
 手がかかった皿だが、求心的かつ昇華する味覚。
AT Even
Bulot / Marjolaine / Asperge Blanche
 ツブ貝に白アスパラ・マジョラム、上からピスタチオ粉。
 ところでATの器選びはビミョーに大好き、最も気の合う一軒かも。

Celeri / Cassis / Amande
 生アーモンドに、発酵セロリ・カシス葉ジュース・キャビア。
 軽い合いの手のひと皿のようでいて、まさに驚倒する風味。
 静かに思索的で、かつ何処までも魅惑する。
 Even、オスロでは海産物インパクトが強烈だったが、レギューム小物の大物力も凄いのである。
 卓上では「今年のひと皿…に入るわ」とワシら。
AT Even
AT Even Turbot / Sapin / Asperge Verte
 テュルボは3日間熟成・塩マリネ(的)…いいお味。緑アスパラは軽薫香。サパンの香りで引き締める。
 点々と散らした酸味ソース、多肉なビーチハーブ的な芽(何だか効き忘れたが)…が、目にも美しいが、食べるとピシっと像を結ばせる役に立つのが、AT流。

Oignon / Ails des Ours
 一枚の玉葱・黄色小花にラムソンスープ。
 小片と風味を与えているのが『ノルヴェジアン・バカラオ♪』…北欧風干し発酵魚。
 効き目良好。
AT Even
AT Even Ris de Veau / Ail Noir / Chou Sauvage
 リドヴォーのキャラメルソース、黒大蒜添え、ケール包み。
 Evenの原案ではこの時期の北欧のシューソバージュのイメージだったようだが、フランスでは1ヵ月ほど季節が先行していてシューがリッチ過ぎるなあ…ということで、急遽、ケールに差し替わった模様。
 ケールの緑に、豆豉のようなサイズで散らされた黒大蒜がよく効く。…アイユノワールは高級スーパー「プリッソン」でも扱われていたくらいで、もうすっかり世界の食材。
 さすがにパリ開催イベントだけあって、リドヴォ自体もとても優秀。このポイントでは、仏食材+北欧発想…のコラボを感じられる。いい料理だ。
 かんけーないけどEven、
「2014年にYlajaliに来たのっていつのシーズン? 8月か、そりゃ正解だな♪ 冬は寒くて無理ゲーだよ(笑)」
AT Even
Canard / Cerise / Genievre
 シャラン産鴨の、低温+炭焼。一風変わったテリーヌ添え。細春巻みたいに筒状で添えたスリーズの使いこなし具合は、肉+果実スタイルでは傑出したもの。
 前回も合わせて考えてみると、主菜ポジションは案外に直球勝負でエッセンシャル…という言い方も成り立つATスタイル。そして引き締まっている…今回はジュニエーヴル。
 「やがて大河となる」調の、素晴らしいコースの流れ。
AT Even AT Even
AT Even Hitra Bla / Plune / Praline d'Amande
 ノルウェー産ブルーチーズ、温プラム、プラリネ。

Sorrel / Green Apple
Rhubarb / Edelberry / Strawberry

 酸のキレ♪…にも楽しいバリエ。
 Edelberry/Sureau→ニワトコ
AT Even
 ***

 それは夢のように、深く清く美しく漂う、、、、

「これが、これこそが食べたかった」としみじみと感じ入る。

 まあ我々もいい加減、多少は経験のある食べ歩き人…ベテランではあるのだろうが、経験を積むことの良い所は、
「いま目の前で食ってるモノが何なのか」
「いま目の前で自分が食ってるモノが、自分は好きなのか嫌いなのかどうなのか」
 が、明白にわかる(ようになる)…ってことなんじゃないか、とは少し思う。

 今日のコレこそが、ホントに美味くて「自分が食べたかったモノだ」と真っ直ぐに確信できる。
 ああ、幸せなことだ♪ (幸せなオッサンだ)
AT Even
 ま、いちばんの謎は「自分」だからねー。
 「自分の好き」が何なのか、体験的にでも少しでも解明されたような気分になれる…っちゃイイことです。

 ***

「それでEven、フューチャープロジェクトについて教えてケレよ♪」
「うん、オスロでカジュアルなイータリーはもうやってるよ。それに続いてワインバーがそろそろオープンする。…んで、ボク自身のガストロはね、2年後くらいかな。…2年、だったらいいなあ♪」
ヽ(^~^;)ノ

 ***
AT Even
 両シェフの付き合いはそんなに深い因縁がある訳ではなく、北欧などのイベントでよく一緒になってイイ感じであったことや、EvenがA.Tに何度か食べにきてくれて…なんてことが発端でのイベントだったらしい。
 まあ、Evenは半分は「浪人」の身だし(笑)。

 コラボイベントとして、見かけないような高打率。
 勿論、レギュラーチームでレギュラーな料理として供すれば上がる細部もあろうから、これが100点だ満点だという意味ではないが、こめられた力と思いがパーンと炸裂してた。

 まあEven/Atsushiシェフということで、足し算的な意味合いでは期待通り…みたいなことはあるのだが、実際を見て驚いたのは、掛け算的な素晴らしさ。
 どちらの主導する皿も他方を引き立てるよなあ…という印象。お互いがよく見え、美味しく感じる。角度の相性が良いんだろうなあ。
 一軒の料理では無い、のだが、二軒の持ち寄り料理、でもなくて、何か別の有機体・イメージが出来上がっておりました。

 両シェフに感謝、拍手♪

[へべ]
 EvenとAtsushi、二人のシェフの料理が…なんというか、響き合って、そこに一つの場が生まれているような。
 静かで、美しく、心に沁みるおいしい一夜、素晴らしい体験でした。
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  Auberge des Saints Peres : Jean-Claude Cahagnet
  オーベルジュ・デ・サン・ペール : ジャン・クロード・カーニエ
  
212, avenue de Nonneville 93600 Aulnay-sous-Bois 01.48.66.62.11 (Fax 001.48.66.67.44) http://www.auberge-des-saints-peres.com/
ferme merc.soir, sam. et dim.
depuis1997 Chef: Jean-Claude Cahagnet (1965-) サービス: Christian Lievre

・
 1965年パリ生まれのカーニエは、ラ・トック・ブランシュ、レ・トロワ・マルシュ、ラ・コルベイユ、ルレ・デ・ギャルド、レ・シャントレーヌを経て、自身も経営に参画するこの店を開店。
 2004年に待望のミシュラン1つ星を獲得した。(ゴーミヨ好みっぽいのだが、ゴーミヨ評点が低めなのはちょっと不思議)

Michelin ○  /GaultMillau 13 (2005)
Michelin ○  /GaultMillau 15 (2008)

         → 2005フランス旅行記はこちら

ADSP1 2005年 4月 ☆

 " Le Menu des Saints Peres a 35E "
 *amuse : アスパラムース、カカオリダクション、ベトラーブの葉揚げ
 *Petits pois au bouillon de Veau et sumac, Tourteau effiloche et jus gazeaux de tomate au basilic
 *Asperges vertes plantees dans une puree de radis noir au caviar de Hareng et deposees sur un lit de Saumon fume roule au Nori
 *Aile de Raie douce rissolee a la creme de chou fleur, un rape de Combava a l'huile vierge et une poelee de chou fleur epice
 *Epaisse cote de Cochon en croute de brioche et chapelure de lard fume, finebrunoise de navet adoucie a la vanille et jus de celeri lie au beurre
 *コンテ、ピマント赤
 *グラス盛りアヴァンデセール旨、クレーム
 *「Potage」de fruits frais avec des morceaux dedans et un vin chaud a l'orange pour faire chabrot フルーツ煮 かなり良い
 *Profiteroles de creme glacee a la betterave arrosees de chocolat chaud legerement releve de citron vert
 +02 Givry 1er Cru / Ragot "フリュイテ"
 +Moka d'Ethiopie
 +Cafes Casta-Rica

[↓メモ版:工事中]
[AQ!]
 …と言ってもまだ着かないぞ。パリに入ったワシらはCDG空港にそのまま泊まって翌朝からレンタカーをぶっ飛ばすつもり。さて早く寝るべか…としたものだが、今回はエア(久しぶりJAL)が15:30と早い時間にパリ着なもので、さすがに夕方に一休みして夕食はちゃんと外出することにする。このパターン、眠いんだけどね。眠いから、17:30とかに着く便だとやらない方がいいのだが。
 で、こんな行動パターンにちょっと良さそうな店がある。それがこのAulnayのオーベルジュ・ド・サンペール。Aulnayってのは、CDGのあるRoissyとパリ市内とのちょうど真ん中くらいにある郊外の街で、この小さな街の小さなレストランが昨年(だっけかな)、ミシュランの1つ星を取ったのである。タクシーで市内に出ることを考えると半額で済むし、これはちょっと試してみたいところ。
 Aulnay…がどこにあるかはタクシーの運転手氏も楽勝ピーであったが、Aulnayの街の中…、はややこしいややこしい。頼んだタクシーにちっぽけな、しかし頼もしい実用的カーナビがついていて誠に助かった。店に着いて、運転手氏も「わかんねーよな、こんなとこ」と言っていた。
 …と、そうなのである、タクシーはフランスでいつもそんなに利用しないのでシカとはわからないが、今回気付いたのは、「タクシーのカーナビ装備率」が大変に上がっていたこと。Nantesでもそれで助かった。

 大都市郊外の住宅地の静かな小さい店。(郊外住宅地…はイメージ通りというか“中の上”感の漂うまずは小奇麗な家々の立ち並ぶ街なのだが、ストリートにいる若者どもは妙に不良っぽい。イマイチとらえにくい町だ、Aulnay)  ミシュラン星付きとは言っても、ほとんどは近所の連中がワイワイと盛り上がっている。ま、連中にとっては今日は「ハレヤカな」店に来てるだど!、ってとこかな。内装はお気楽シック、サービスはお気楽ちょい気取りのちょいお茶目。ソムリエはへべの水グラスにエヴィアンをちょっとだけ注いで「テイスティングお願いします」などとカマしておる(笑)。

 料理は、メニューに「ノリマキ」がどうの「チョリソ」がこうの「カオリサンショ」がどうした…、と並ぶ、スペイン風邪と日本脳炎をこじらせた21世紀パリ型インフルエンザ仏料理の典型である。写真の珍妙な(カッコいい)ガラス容器の一品も、卓上に現れてから、“消火器のような”ボンベからガスパチョ様のトマトソーダスープを「ブシュ~~っ」と吹き入れて行くと言う、サーカス小屋のような演出。
 …とケレンたっぷりなのだが、ここんちのCahagnetってシェフはなかなかにまとめ上手で、美味しい。意外と意外に、無駄がなく、けっこう腑に落ちてくる設計になっとるのだ。味の夾雑性が少なく、細部も詰められていて、快い。うーん、こういうタイプではかなり好印象。「これって、カーニエ君の属人的な才能なのか、それとも最近はパリも日本料理セミナーとか盛んだし21世紀型もだいぶこなれてきたという時流なのか、どっちかねぇ??」とつぶやくと、へべは「あら、そんなもん個人の資質に決まってるわよ、どうせ。この人、上手ねぇ」と断じる。

 それと、これ、アミューズ・前菜・主菜・フロマージュ・アバンデセール・デセール・ミニャルディーズ、と付いての「5000円定食」(プリフィクス型)なのだ。36Euro。けっこう、めちゃ安。まぁパリ市内からタクシー飛ばしてやって来ることを考えると、8000円定食ぐらいの意味合いになってしまうが、それでもお値打ち感がある。なかなか良い店だ。

 で、ホテル帰って爆睡。ちなみに空港ホテルはDorintを試してみた。これもAccorでほぼNovotelと同等なのだが、空港Novotelよりず~っと良い。そのせいか、ロビーにはやたらとエアのクルーが目立つ。

[へべ]
 前回からちょっと気になっていたが曜日が合わなかったりで、今回空港ホテルからタクシーで初日の夕食に出かけてみた。
 タクシーでよかった!カーナビ(つってもごく簡単なモノだけど)ついててよかった!!と思うくらい、オールネーの住宅街は複雑怪奇な構造。自力では永遠にたどり着けないんじゃなかろうか。路上の青少年もちょっとガラ悪いし。
 ドアの内側はきわめて快適。客も楽しげ、フロアもなかなか気楽にサンパ。料理は予想以上に現代風の最先端方向に攻めていた。それだとトンチンカンなことも多々ありそうなところが、さほどでもなくて、食べて旨い、と素直に思えるのが嬉しい。無事にたどり着ければ、とてもお得な一軒では?


[AQ!]
 好感
 コション 明日のZuddas
 ワインリスト、ヴァリエ広し 多分ソムリエやる気。数は少ない。古いのも持ってる。50,100-150,200以上…と価格帯を切ると手薄い。01GC C.Dugat110euro.

 物凄く難しそうなAulnay,行きのタクシーのPhilipsカーナビ付きは、おそらく大ラッキー。敷地・手入れともに悪く無い“中の上”住宅地の様相なのに、路上にはやたらと不良多し。金曜のせいもあるが。子供はみなグレた? 判断に迷う町。タクシー利用、マスト。

 カー・アー・ーェ! がシェフ。メートルがクリスチャン。日本人コミはソムリエんちに居候。へべにエビアン注いで「テイスティングお願いします」と言う。“何か言わずにおれぬ”ソムリエとクリスチャンはなかなか感じが良くて、パリ近辺の店としてはかなり快適。
 まーまー安くまとめたオーセンティック調内装は、レゾルムとか…。
 141euro、すごく安い。
 凝りまくる器は、収納も大変そう。

 アミューズは趣味よく、まとまりもある。
 全体に21世紀初頭パリ型インフルエンザ的な名乗りの品書きなのだが、趣味と効率の良さ、無駄の無さが目立つ。個人的資質なのか、パリもこなれてきたのか。
 5000円定食だと思うと、異様に優秀。一線級に一応勝負できるし(素材とかは一寸落ちるけど)。Aulnay、さすがに家賃安い?(^^;) パリからタクシー往復は50-70euroくらい?
 メートル、ソムリエに続く第3のフロアは黒人のセルヴール。フロマージュもカレの係であった。

 トマトバジルのニンニク抜きガスパチョソーダみたいなjusは、ガス噴射器(?)からの御提供。プチポワ餡が少しモッサリ目なのだが、トマトシュワシュワと出会うとバランスする。ほぐし蟹はフランス人にしては良い味付け(Jeffroyは下手)。器の小窪みを利用して「薬味調」にコルニションの小刻みなどを盛り付け配するのは面白い。

 客は、Parisとしてはちょい早めから盛り上がっており、騒ぎ始めは飛ばすこと飛ばすこと。「今日はオレらイイ店だかんね」という意識はありつつ、すげーお気楽な感じ。

 のり巻に黒大根ピュレに…は、恐れるほど破天荒なプレゼンにはせず、美味しくアスパラをいただける具合。エイは、身の具合は天使とまでの洗練はないが、軽くリソレし、シューフルールの風味でいただく趣向は結構。
 「分厚いトンカツ」は、完璧なキュイソンとまでは言わないがオイシい。タイムとロマランを細い葉巻きほどの大きさに束ねて、タ~ップリと燻した物が付いてくる。勿論食べられはしないが、ひっじょーに香り高く、トンカツによく合う。エルブジ風に“嗅ぎながら食え”という所か。
 フルーツ煮は“ポタージュ”で、「Chabrot」だと言っている。ショコラも良かったが、このフルーツは同様の物の中では中々結構だ。

 到着日のよるゆえ、たまに眠気の波が来るが、快適に過ごせた。ムニュにincludeだったのでフロマージュも軽くかじったし。
 帰り。酔った若者が路上で騒ぎ、タクシーの兄ぃもムッとする。どうもAulnayはよくわからん。Roissyのドリントはノボテルよりずっとキレイ。クルーの利用が目立つ。客室フロアにエレベータを止めるにはカードキーが必要、と、セキュリティも良い。朝食が高品質。
[↑メモ版:工事中]
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  L'Auberge du 15  ローベルジュ・デュ・キャンズ
  
15 Rue de la Santé, 75013 Paris 
日月休
Chef: Yoshinori Morié
・ 守江慶智シェフの話題店 
 守江シェフは2016年中に独立、開業の予定とのこと。

         → 2015-6パリ旅行記はこちら

 守江慶智シェフ、独立開業。「Yoshinori Restaurant」 18 rue gregoire de tours 6ème 75006 Paris。(2017)

15 2015年12月 ☆☆☆

 *サヴォアの麦の香りをまとったパネのヴルーテ 黒トリュフ
 *Foie gras/ anguille fumée/ cacao Madagascar/ citron meyer/ balsamique au citron noire
  フォアグラと鰻燻製 焦がしパセリ・オイスターリーフ・パンプルネル・ケール・香草 シトロンメイヤピュレ・シトロンノワール風味バルサミコ
 *Bar de ligne の芥子の実まぶし軽炙り ナスタチウムなど花・香草 柑橘風味ムタール
 *仔牛とコック貝のタルタル 黄白にんじん オキサリスなど香草
 *Huîtres de Utah beach/ poireau carbonisé/ huile d'hiver
  牡蠣・キャビア ナツメグポワロ ポワロ海水漬の炭 香草
 *帆立 錦糸瓜 黒トリュフ
 *鶏とフォアグラのパイ包み トリュフ 小シューブラッセル はこべ
 *ココナツ白球体

15

 +Champagne blanc de blanc / Bonnet Gilmert
 +Sancerre rouge
 +13 Meursault Les Narvaux / Diconne
 +Saint-Bris Moury / Goisot
 +14 Bandol / Tempier
 +97 Rivesaltes Ambre / Cazes

[AQ!]
 Auberge du 15は、何やら、変なとこにある。
 13区。健康通り。
 極端にパリの町外れ、って場所ではないのだが、キレイにメトロが避けて通っている陸の孤島的な位置のよう。
 どうしようかと思ったが、暖冬の強みで、徒歩15分くらいはかかりそうだが、Glaciere駅から歩いてみる。

 途中の”そそりたつ壁”は、ルパンが入ってた監獄跡らしい。
 極めて静かな通り。2人だと何でもないが、1人だとちょっと気持ち悪いかなー。
 まあ、お店の類はまったく少なく(怪しいマッサージ屋があったりはするのだけど)静まり返っているのだが、15は、「忽然と」現れる。
15  あまりいきなりなので、うおっちょっチョチョイ…とか言って1回通り過ぎてしまった(^^;)。
 時計を見るとまだ予約時間のちょい前だし、ゆっくり外観撮影などして、気を取り直してボンスワ。
 …ってな一連のムーブを、ソムリエの大橋さんにはずっと観察されてたようで、まあ、カッコ悪い(^^;)。

 さて本日、大晦日。
 俺のつたないフランス年越経験値によると、
~サンシルベストルはバシっと決めて・元日はダラっとリラックス~
 なんだよなー。
 バシっと決めたフランス人が、ちらりほらりと入店してくる。
15
 ところで、日程の話。
 15の営業コード、基本的にはクリスマス〜年末年始は閉めてしまうらしい。
 ただ昨年は、「サンシルベストルは開けた」とのこと。
 じゃあ今年もそこは期待できますかねえ、とチップを張って待っていたのだが、年末年始スケジュールはなかなか決まらない。
「やりますよ」ということになって予約が入ったのは12月2週目くらいだったか。
 パリ小規模店だとこんなペースなんかなー。

 乾杯。
 2015最後の一食が始まる(笑)。

 入客はワシらを先頭に一時間幅くらいか。
 トロトロ進行するうちに差分が段々吸収されていって、年越しの乾杯にはみな足並みが揃っている…ってな寸法。
15
 パネのヴルーテでスタート。
 パネはレギュムウーブリエの一つで、まあトピナンブールとかあの手の野菜。これにサヴォアの麦で香りづけという。麦を見せてくれるプレゼンが素敵。トリュフ。

[へべ]
 パネも「忘れられた野菜」

Foie gras/ anguille fumée/ cacao Madagascar/ citron meyer/ balsamique au citron noire
 フォアグラ鰻お見事!
 オイスターリーフが「牡蠣入ってたっけ?」と、思わず皿を二度見するほどの香りっぷり。メイヤとノワールのシトロンコンビもいい仕事してました。

[AQ!]
 フォアグラと鰻燻製をシトロンの香りで。実に美味しい。
 メイヤーレモンピュレとシトロンノワールのバルサミコ漬の、ダブルレモンソース。
 緑も印象的。焦がしパセリとケールが絶妙のおとも。あと、オイスターリーフの牡蠣香がよく香る。
 この皿は、前店からやってる料理…との弁。だっけかな。

 この辺で、でっかいペリゴール産黒トリュフが店内を回る。各卓ごと、(オプションで)「これ、アリで行きますか?」の打診である。むんずと掴んでフゴフゴ嗅いでるとっつぁんもいる(笑)。
 このフェットな日、「パス」の卓は少なかったろう。
15
 バールドリーニュは見た目以上にパワフルな食感の一品。マッチョ。
 いい鱸だねえ、思い切り口の中で暴れる。香り立つ。
 花たちもクリスプ。

[へべ]
 バールは、今宵の極北まで攻めた一皿。芥子の実がとても効果的。
 旨みの乗ったあのバールでないと成立しない、ギリギリのポイントな気がする。ムタール、確かに柑橘風味だったような。

 仔牛タルタル、おいしかったなー。これは日本では食べられない。
 根菜、香草と一口ごとに変わる景色を楽しみながら。シャクシャクしたのはズイキじゃなくて根菜だとシェフに聞いたんだけど、肝心の根菜の正体を失念。なんだっけ?
15
[AQ!]
 白・黄人参…って話だったような。薄輪切りがパラリと乗っているが、幾つかが芋茎みたいな食感で興味をひく。
 このヴォー・コック貝のタルタルは、今宵居並ぶキラ星の中でも白眉の一皿。
 とても美味しく、面白い。…まあ、最も日本で食べられないタイプの料理でもあるし。

Huîtres de Utah beach/ poireau carbonisé/ huile d'hiver
 ユイットルはポワロと相性のいいものだが、そこを捻った一品。
 海水漬ポワロの干したん…は、単体で嗅がせてくれるが、ずばり「昆布」! …おもろいもんでんな。
 多過ぎるほどのキャビアと。

[へべ]
 海水漬け後に黒焼きにしたポワロはなぜかコンブの風味。
15
[AQ!]
 サンジャックでは錦糸瓜の食感が対比。
 フランスのサンジャックは小甘くて、フェットってゆー感じやわー♪

 紅白歌合戦、大トリは、鶏・フォアグラ。パイ包み!が嬉しい。
 二人でパイ一つ相当。
 皿上でトリュフが笑っている。しみじみと旨いねえ。
 小粒のシューブラッセル。

 サンジャックに鶏の畳み掛けはサンシルベストルだから?…と聞いたら、とくにそんなことはないとのこと。
 逆に、
「年末年始は休んでることが多いんですけど、やっぱ鶏とかはいいんですかね?」
 と聞かれる(笑)。

[へべ]
 パイ包み、底の部分のパイもこんがり強めに焼けてておいしい。プーラルドだっけ?
 鶏に注目して食べ始めたのだけれど、フォアグラもたっぷりで、リッチな味わいの責任者をあまり深くは追求せず。おいしいからいいじゃない♪ シューブラッセルが嬉しい。
15
 白玉はココナツクリーム? 球体の殻を構成する飴(極薄)にも、ちゃんとおいしい風味がついていて、これはいいなと感服。

[AQ!]
 食べ収め、そして食べ初めじゃ。
 2015年も良い年でしたなあ(…フランスにとっては辛い年となったが(^^;))、と頭がボーっとフワフワとする内、デセール3皿の途中くらいだっけ、隣のご夫人がソワソワしだし、やがてスマホを取り出した。
 “あらま!?”という顔で見ているその画面を覗くと、
「23:59」!
「サンカンヌフや~ん」と、共に盛り上がる。そして、
「ボナネ!」
 の乾杯。
 いや、めでたい!

Yoshi [番外編: 青家×Yoshi Morié コラボ]

2015年 8月 ☆☆☆

 *Beurre de charbon de poireaux de Joël/ pain 100% blé Honoka 365
 *Concombre/vanille-sansho
  congre"anago"/ poivre des cimes/moroheiya-epine de vinette
 *Crabes"kégani d'été"/courgette
  espèce indigène/gelée de grain de coriandre/huile de pruneaux
 *Tsurumurasaki rafraîchi/ oursin de Hokkaido cru/ colatura-huile de fumée
 *Chinchard"Séki-Aji Ikéjimé" brûlée/ pavot/ junsaï/fleur de gambos
 *Calamar"shiro-ika"Toyama/papaye verte de Okinawa/ kinoa/ tadé-kinomé-bôfu/ao-yuzu (d'été) /bouillon de céréales&poulet de Aoya
 *Aubergine"kamo-nasu"Kyoto/Myrtilles Térada /huile de sureaux
 *Bavette aloyau de Wagyu"Ozaki"cuit en cocotte en terre cuite/jus de queue de bœuf d'Aoya au cardamome noire/ basilic de Kuma/ brioche de 365"patate douce"
 *"Nama fu" de Kyoto frite/reine des prés/ figues
 *Pêche blanche/ poivre timut/ verveine odorante

Yoshi

 +Champagne / Marguet
 +13 C de Marin / Dominique Lucas
 +09 Pernand-Vergelesses Ile des Vergelesses / Chandon de Briailles
 +14 Tavel Rose / Domaine l'Anglore
 +09 Beaune Les Bressandes / Domaine des Croix
 +04 Saumur Chamigny / Clos Rougeard
 +14 Cerdon méthode ancestrale / Alain Renardat-Fache
 +00-13 Grappa / Gino Barile

[AQ!]
 異色の興味深いコラボイベントのメモ。

 Auberge du 15の守江慶智シェフとRelais Louis XIIIの建部洋平ソムリエが、中目黒の京おばんざいとコラボするという。
 パリのバコンス組の凱旋帰国休暇イベント。

 ヒッジョーに楽しい会!…ということもありーの♪、なんだけど、絶対値的素晴らしさにもクラクラしたヾ(〃^∇^)ノ。
 我が家の渡航先名簿順位、パリが急上昇(^^;)。
Yoshi
 内容的には、青家さんのダシや野菜をはじめとする日本食材とのコラボ…ということでパリとは異なるが、パリで出しているものと同一趣向のものやエスプリは入れて、という形。
 欧州リーグの気の優しいサイドバック(の縮尺を縮めた)ような守江シェフ♪が極めて精緻でヴィヴィドに香りと味を操る。

 酒や旨し♪
 ペアリングコースのグラス芸もスバラし!…って、蕎麦猪口で飲むC de Marin(だっけ)なんてのも。
 点呼してるとキリがないけど、Saumur-Champigny、良かったですねえ、注いだだけで卓上に楽園が出来てました。

[へべ]
 自分たちの土地で得られる、季節ごとの素材。緑の濃淡や、白からグレイの陰影の美しさ。キャンバス一面に塗りを重ねた油彩ではなく、さらさらと筆を走らせた水墨画のような印象。
 清澄にして静謐、静かな音に耳を澄ますような味わい…「新北欧」料理に出会ってびっくりした、あの頃に胸をよぎった、ある思いがあった。

 「でもアプローチにしても、感性にしても、こういうのって、むしろ日本でアリな筈(なのに、なぜこれまでやられていなかったんだろうか…)」
Yoshi
 ここへ来て、ついに時は満ちた! という感がある。L'Auberge du 15の守江シェフは、まさにそんな新世代の一人だと思う。本拠のパリでも、ぜひ食べてみたい。

 ***

 パンは「365日」。下に杉窪さんいらしてたみたい。
 焦がし葱で灰緑色の瓢箪バター、落雁みたいな見た目もいいし、味もグッド。

Concombre/vanille-sansho
  congre"anago"/ poivre des cimes/moroheiya-epine de vinette

 穴子 モロヘイヤ 胡瓜 黒大蒜 / 緑ガスパチョ風すまし

Crabes"kégani d'été"/courgette
  espèce indigène/gelée de grain de coriandre/huile de pruneaux

 ズッキーニピュレ ズッキーニ皮と毛蟹和えジュレ

Chinchard"Séki-Aji Ikéjimé" brûlée/ pavot/ junsaï/fleur de gambos
  関鯵海水マリネ 芥子の実 蓴菜
Yoshi
Tsurumurasaki rafraîchi/ oursin de Hokkaido cru/ colatura-huile de fumée
 ツルムラサキとその花 雲丹 アンショワ風味

Calamar"shiro-ika"Toyama/papaye verte de Okinawa/ kinoa/ tadé-kinomé-bôfu/ao-yuzu (d'été) /bouillon de céréales&poulet de Aoya
 新潟白烏賊 キノア・ブルグル 防風 コブミカン 青柚子 山椒 ヴォー汁

Aubergine"kamo-nasu"Kyoto/Myrtilles Térada /huile de sureaux
 加茂茄子ムース 2種ブルーベリー ニワトコオイル

Bavette aloyau de Wagyu"Ozaki"cuit en cocotte en terre cuite/jus de queue de bœuf d'Aoya au cardamome noire/ basilic de Kuma/ brioche de 365"patate douce"
 尾崎牛カイノミ 2種バジル 365日ブリオッシュ
 尾崎牛にペアリングした365日パンは、サツマイモ(だっけ?)のブリオッシュ

"Nama fu" de Kyoto frite/reine des prés/ figues
 無花果 生麩焼 ナツユキソウ

Pêche blanche/ poivre timut/ verveine odorante
 桃。の、ジュレとソルベと、上からぱらっとスパイス/ハーブはなんだったかなぁ…。
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  La Bastide Odeon  バスティード・オデオン
  
7 r.Corneille 75006 PARIS 01 43 26 03 65 bastideodeon.com
ferme vacance(aout?), dim. et lundi
depuis1994 Chef: Gilles Ajuelos ~
・ ロスタンから独立したシェフの、南仏の風を感じる若々しい店 (1998.12)
Michelin 記載/GaultMillau 14 (2001)
Michelin 記載/GaultMillau 14 (2002)
Michelin 記載/GaultMillau 14 (2004)
Michelin 記載/GaultMillau 14 (2008)

 オーナーシェフGilles Ajuelosは15年ほどこの店を続けた後に売却、離脱した模様。

1998年12月 ☆

 *ラパンのクルスティヤン、クミン人参
 *茄子のミルフィーユ、シェーブル入り、緑と黒ソース
 *コキーユサンジャックのリゾット
 *ドラッドのロティ、アンディーブのマルムラード添え

[AQ!]
 ミシェル・ロスタンから独立したシェフで若いらしい。デジュネをいただいた。
 気楽さのある容れ物に気楽さのある料理。積極的に南の風を吹かせている。食べてみると、こういう料理は、「調理も気楽」になってしまって「旨いけどだらしなく」なりがちなのだが、そこはさすがにこないだまで2つ星の厨房にいただけあって、とてもしっかりいただける。つまり好印象ということになる。
 吉野さん(ステラマリスの)もこういうような店でスタートすれば良かったのに…、とか思うロケーション。
 パリでの評判は上昇中とかで、どうだろう、何とか1つ星には滑り込むのではないか?
 そうそう、昼は、「前菜+主菜」コース、「主菜+デセール」コースといったショートトラックも設けられているのが今風で、利便性あり。
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  Carre des Feuillants  キャレ・デ・フィヤン、カレ・デ・フィヤン
  
14 r.Castiglione 75001 PARIS 01 42 86 82 82 (Fax 01 42 86 07 71) www.carredesfeuillants.fr
ferme vacance(aout?), sam.midi et dim.
Chef: Alain Dutournier
・ パリでも屈指のワインリストを誇る中堅二つ星レストラン (1997.6)
Michelin ○○/GaultMillau 18 (1990)
Michelin ○○/GaultMillau 18 (2001)
Michelin ○○/GaultMillau 18 (2002)
Michelin ○○/GaultMillau 17 (2004)
Michelin ○○/GaultMillau 17 (2008)

CF1 1997年 6月 ☆☆

 *緑オリーブと生ハム
 *白身魚のブランダード風、タプナード添え、薄い四角いパイ
 *Les Grosses Asperges,玉子とトリュフ添え
 *パリパリ皮の「びっくり」リ・ド・ヴォーと茸・青葉、胡椒風味
 *乳呑み仔羊、夏野菜添え
 *ガトーショコラとフォンダンショコラ
 *ルバーブの焼菓子、ルバーブジャムと生姜のクリーム添え、ローズマリーの砂糖漬
 +87 Richebourg / H.Jayer

[AQ!]
 当日にユーロスターのロンドン側ウォータールー・ステーションからの電話で予約が入ったのですが、行ってみると大入り満員。賑わいがそのままに元気のよい店でOKです。ワインリストは「唖然」とするばかり…。すごい。

[へべ]
 夕食です。若々しく、活気のあふれる店内。かなり広そうですが、小間に区切れているので全体でどのくらいあるのか、謎。
 アミューズのブランダードに添えられた「薄い四角いパイ」がひょっとしたらCarre des Feuillantsでしょうか?
 料理も全体にいい感じ。びっくりしたのはLes Grosses Aspergesほんっとに巨大。旨い。大地の力を凝縮したような味。リドヴォーの茸と青菜はなんとなく、中華風っぽくて面白い。ルバーブのデセールも爽やかでよかったけど、ガトーショコラとフォンダンショコラのこてこてコンビはさすがに美味しい。
 ワインリストが面白かったので、同じ建物の地下のCave de Carre des Feuillantsにも興味を惹かれ、後日来てみました。あんまり時間なかったけど。
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  Le Celadon  ル・セラドン
  
15 rue Daunou 75002 PARIS  Tel. 01.47.03.40.42 / Fax. 01.42.61.33.78 www.leceladon.com
ferme sam. et dim. vacance d'ete
Chef: ~ Christophe Moisand
・ ホテル・ウェストミンスターのメインダイニング
 Michelin ○/GaultMillau 15 (2007)

         → 2008フランス旅行記はこちら

2008年 1月 ☆

 *シャテーニュのヴルーテ、フォアグラエマンセ・トリュフ
 *Consomme d'Etrilles au Curry Vert, Chantilly d'Oursin
 +04 Chateau Hermitage Saint Martin Enzo / Fayard
 *Filet de Biche poele au Poivre long, Poire du Cure au vin
 +01 Corbieres Cuvee Sextant / Cave Mont Temarel
 *Millefeuille aux Bananes Caramelisees, Glace Vanille
 +05 VdP de Vaucluse Perle Doree / Cave Castaud
 *Mignardises

[↓メモ版:工事中]
[AQ!]
 ホテル側からの入口を入ると、バーである。バーの奥にレストランらしき明りが見えているのでサービスに目配せ。
 「レストランの利用? 予約はあるか?」
 「うぃうぃ」
とやっていると、メートルドテルらしき恰幅がやってきて
「アナタノオナマエハナンデスカ?」(…と言ったのだ)
「石井だよん」
「イシイサンデース」
と奥に通される。愛嬌あるやん。世界中で中韓パワーに押され気味の日本ではあるが、まだパリにはニホンゴで頑張ってくれてるオッチャンもおるんや。
 かんけーないけど当ホテルWestminsterのルームサービス献立には一枚のペラ紙が挟まっており、それはデリバリーの寿司屋なのだが、屋号は「金 Kim」だそうで…。

 いい感じに小ぢんまりしたレストラン。おうちの書斎調と言いますか。小さいながらにサルは3ピース…かな、に分かれ、一番手前では10人ぐらいの円卓宴会真っ盛り。そこを通り過ぎ、ワシらはどん突きの真正面、お誕生席っつか床の間っつか。まぁ最上席というわけでも無さそうだが、いいとこを取ってくれていた。ま、これしきのとこ(^^;;;)に一ヶ月前から予約入れて、リコンファームまでばっちし送っておったからの。おっホッホ。
 ウェストミンスタホテルらしく、なのか、英語客密度かなり高め。
 はす向かいの卓、寄宿校風坊や…の喋るとベッカム声、に笑う。何か、カトラリーの使い方も合ってんだか合ってないんだか、ちょっとビザールに見える。
 ワシらは、おすすめコース、にする。これはよく出来てる。フツーにドゥプラ+デセールで最近のパリ風コテコテでは無いし、カルトやデギュスタシオンよりむしろ季節感のある素材名乗り、そしてメテヴァンである。白・赤・ミュスカとつく。これで72ユーロだったかな。設定に好感もてるし、実用的だ。
 概ねあったかみのある良いサービスで(凸凹はある)、ソムリエは好青年。コルビエールを誉めると喜んでたが、実際このコルビエールはクォリティ・相性ともに素晴らしい。

 さてまず、一口アミューズはシャテーニュのクレムかな、にひらりとフォアグラ・エマンセ。良い味である。
 次のコンソメも、良い味である。アセゾネ上手ねコチラは。十分の塩気の、止め所がいい。コンソメの具の海老は大ぶり過ぎるくらいで、若干食いにくい。雲丹の殻詰め、雲丹のシャンティが付いて来て美味しいし味相性も悪くないんだけど、コンソメ本体と食べ進む具合が難しい。どこで手を伸ばすか、どう合せて食うか、など。まぁ食いにくさのことだけではないのだが、この料理は、美味しいけどもっと完成形に持って行ける筈、と思う。
 ビシュはドーンと土管のようなフィレ。キュイソンは過たず、鉄分がプンプンに出ていて、良い。肉表面の、目に見えるような見えないような塩の塊が「ジャリっ」と3回くらいあたるのは、何とか工夫でけんか。その後、さすがに少し塩辛いし。ソース・付け合せも、もう気持ち、イロを出しバランスを整えてもよいかと思う。

 …と、料理はまずまず、0.5~1つ星見当で満足なものだが、パティシエは悪い冗談としか思えない。まぁ材料は良いものを使っているが、技術は、日本で言うとセブンイレブンレベル?
 クレームはもろもろだし、パイはぼったいにも程がある。ま、しかし、「とにかく甘いお菓子」にはなっているので、食えないことはない。「これはクビにするしかない」とはへべ談だが、パリのレストランのデセールって、結構、ナニだからねぇ…。パリに詳しい人ほど、シェフの動向以上にパティシエを追いかけてたりする、ってのがよくあるけど、アレってこういう背景 (要するにパリのレストランのデセールって平均的にはレベルが低いということ) があるからかなぁ、などとも思う。

 まぁ、などあるも、疲れの出そうな移動日に、宿泊ホテルで手軽に…という目的には大変に適うレストランであり、色んな面で、良い印象が悪い印象に大きく勝る店ですた。ワイン、エクスランやし。それにしても、もうちょっと、もうちょっと、もうちょっとだけ美味しいポイントが多ければ、かなり使える手駒になるんだけどなあ。

[へべ]
 感じ悪い、っつか、ツッケンドンなメートル一人。アバンデセールのオレンジ(またコレが手のかかってないものなのだが)をドンと置いて「オレン(ジ)」…「ジ」と発音する頃にはもう回れ右してお帰り遊ばされるとこ、…つうか、凄すぎて、暗い気持ちになるよりも、笑った。ウーンしかし、ちょっと味の濃ゆいサービスが多くて、ちょい昔のパリ調、とも言えるか(笑)。
 ホテルもレストランも、銀紙のお星様リッチ。ノエル~新年のお飾りでしょうな。

[↑メモ版:工事中]
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  Le 116 (116 PAGES)  
  
2 rue auguste vacquerie 75116 Paris +33 1 47 20 10 45 www.116pages.fr
日月休

・  

         → 2016パリ旅行記はこちら
116 2016年 6月 

 *枝豆
 *空豆
 *鮪タルタル
 *カリフラワー・オリーブ・サラダ
 *炭焼鶏胸
 *鶏からあげ
 *炭焼蕪
 *炭焼蛸
 *炭焼根セロリ
 *炭焼アーティショー
 *トンカツ
 *和牛バーガー
 *炭焼ハラミ
 *フロマージュブラン

[AQ!]
 さて、月曜の夜。  日曜ほどではないが、パリ食べ歩きにとっては鬼門の日。
 …そこに、「土:イストワール~日:Atsushi/Evenコラボ」からの続きの日…という条件がつく。
 まあここらで気分転換系?…とかもいいかな?
116
 そんなとこで、またパリのTさんと連絡してたら、
「その日は宴会なんですけど、混ざります?」
 って話が。
「場所は116ですけど」
 んー、
「混ざってもヨイもの?」
 どうもOKなようなのでこいつぁ有り難いとお願いする。

 「116」というのは“イマをトキメク”「Pages」(残念ながら月曜休)がその隣にオープンした「Sumibiyaki(炭火焼)」の店。
 なんか「ちょうど良さそう」じゃないですか♪

 ***

 駅で言うと、Kleber, Charles de Gaulle Étoile, GeorgeV…の真ん中あたりに「Pages」…ひょ~イイ場所だなあ。金主、金ありそ、、、(^^;)。
 その隣に「116」。
 とーぜんながら、作りも雰囲気もカジュアル。で、大繁盛…ひっきりなしのお客さん。
 品書を拝見すれば、ザ・居酒屋という感じ。
 枝豆にとりあえずビールか(笑)…って眺めんとこにパージュ手嶋シェフからご挨拶があってシャンパンが回ってきて、、、乾杯♪

 炭火焼に、鶏カラ食べたい・トンカツも・バーガーを…などの声も上がり、Izakayaでござる。
 そこは、向こうは狙い通り・こちらは想定通り…って感じかな、まあイマ旬ガストロの出した炭火焼セカンドという角度からは「ひょっとして羊の皮を被った狼」的な切れ味の皿も?…という想像も幾分は持っていたのだが、そこは真っ直ぐの居酒屋調料理。羊の皮を被った山羊…くらい(笑)。
 まあしかし「居酒屋調」も、パリの変なIzakayaくらいしか知らないパリジャン相手には教育的にまっつぐなル・居酒屋を示しているのかな。
116
 シンプルな調理のものが多いので、何か来る度に在住組の「こっちの食材は…」的な解説や自慢や愚痴が、楽しい♪
 炭焼の、蕪や蛸はナカナカ良かった。

 宴席には、近日開店を控える某Iシェフも。
「またフランス人が間違った色のペンキを壁に塗っちゃった…(^^;)」
 なんて話も楽しく。
「**年頃は***におりまして…」
「え、その頃、行ったよそこ♪」
「**年くらいには***に回って…」
「ほんと?…ちょうど行ったよ!」
「ぎょぎょぎょ!(^^;)」
 などと因縁は繋がるものであった。
 そういえばAuberge du 15のMorieシェフも独立開店を表明されていたし、まだまだパリの日本人料理人たちの活躍は続くのであるなあ♪
 皆さん応援してます、健闘アレ!
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  Chez Monsieur (Royal Madeleine)  シェ・ムッシュー
  
11, rue du Chevalier Saint-Georges (anciennement rue Richepanse) 75008 Paris 01 42 60 14 36 www.chezmonsieur.fr
無休

・  


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CM 2015年12月 ☆

 *Chiffonnade de jambon Ibaïama, brie de Meaux, poire Crassane et amandes grillées
 *Soupe à l'oignon fumé, croûtons gratinés au vieux comté
 *Terrine de gibiers, compotée d'oignons rouges, légumes automnaux en pickles
 *Sole meunière et écrasé de pommes de terre aux cébettes
 *Noix de Saint-Jacques rôties, légumes racines et sauce poulette à la truffe
 *La blanquette de veau traditionnelle servie en cocotte "Chez Monsieur"
 *Crêpes Suzette à l'ancienne
 +13 Rully V.D.Janthial

[AQ!]
 2日目、ディネ。
 クリスマス休暇の日曜である。
 はっはっは、それはいけませんね(^^;。そうそう「お望みのお店」が開いているような日ではない。
 無い知恵を絞るよりは面白いんじゃねーの、と、Tさんにぶん投げて(お願いして)ある。(彼の店も当然、休みだ)
 リクエストは、クラシックめのビストロとか、なんかパリやなあ…ていうので面白そうなとこ。

 マドレーヌ。
 寺院が渋さ知らずの7色のライトアップでビカビカと浮かびあがる。ああキレイになったのね。
 フォション前で待ち合わせて、歩いてものの数分。7j/7の頼もしい店が待つ。
CM
 随分イイ場所だけど、真っ直ぐのビストロ。
 グラス泡がグラシアン。

 ブランケットドヴォーがスペシャリテ扱いでとても美味しい。
 テリーヌのジビエはフザン・ペルドロ・リエーブルだったかな、これも良い出来。
 全体に丁寧な仕上がりで7j/7店だとは思えないくらい。
 正当ビストロ料理を、それなり…程度にリファインしたくらいの感じかなー。
 日曜で困った…的なケースにはオススメですよん、行きやすい場所だし。

 まあ何とも、鼻から口から目からそして耳(会話)から、ドバッとパリを浴びるようで、まことに気持ちよく酔っ払う。
 嬉しいね〜♪
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  Le Comptoir du Relais  ル・コントワール
  
9 Carrefour de l'Odeon 75006 PARIS 01 44 27 07 97 www.hotel-paris-relais-saint-germain.com
Chef: Yves Camdeborde
・ バリの「ネオビス」を代表する店 
 予約に関して、
 [昼] 予約を取らない。12:00開店で、11:45から行列開始。さほど待たずして食べられる場合が多い。
 [夜] 数ヶ月先まで満席が多い。ホテル・サンジェルマンの宿泊客が優先されると言う。
 ということのようです。

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2010年 8月 ☆

 *Bisque Hommard Froide
 *Aubergines Confites
 *Pave Rumsteak
 *Joue de Boeuf
 *Baba Rhum
 *Fraise Melba
 +Champagne / Gimonnet
 +Roussillon / Foulard

[AQ!]
 この10年ほどのパリを席捲した嵐、「ネオビス」の代表格を味わいに、並ぶ(笑)。いや、開店15分前くらい(駄目なら他に回ろうと…)だけど、十分に先頭集団。
 Yves Camdebordeも開店時間に向けてスタンバイ…してるのも、イイ感じです(笑)。

 内容に関して言えば、何の文句も無い、素晴らしい出来。一切のミスなく、品書に言う通りのモノが美味しくいただけた。幅広い層に支持されるのはとてもよくわかる。

 …と書いた上で、幅狭い層の方の話もすれば(^^;)、ベテラン勢の語る
「ネオビス? あんなもん、レストランの廉価版なだけ。かつての“ビストロ”が供した、魅力も魔力も艶もエンガチョも無い」
 …というコッチの方も、“まあ、そうだねえ”とは感じた(^^;)。
 量も質も、まことに食べ易い。…し、食べ易過ぎる(^^;)。

 …などまとめると、個人的にウチ的に言えば、旅行でパリに来てこういうものを食べたいとは、あまり思わない。…し、もし将来、パリに長期出張か住むことでもあれば、重宝させていただくことになると思う。ヽ(^~^;)ノ

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  Restaurant David Toutain  レストラン・ダヴィド・トゥタン
  
29, rue Surcouf 75007 Paris +33 1 45 50 11 10 davidtoutain.com
土日休

・  

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DT 2016年 6月 ☆☆☆

 [ Reine des Pres ]
 +Champagne
 *Ail des ours, pois
 *Betterave, cassis, mure, foie gras
 *Feuille, creme
 *Onsen-Tamago
 +Sancerre Nuance / Vincent Pinard
 *Cabillaud, combava, coque
 *Calmar, noisette, yuba, asperge blanche
 *Merlan, petits pois
 +14 Saint-Romain / Alain Gras
 *Anguille, sésame noires, pommes
 +11 Savigny-les-Beaune Les Bourgeois / Simon Bize
 *Selle d'agneau
 *Surprise
 *Blanche
 *Cerise
 +14 Moscato d'Asti / G.D.Vajra
 *Mignardises

DT
[AQ!]
 弾丸ツアーゆえ、もう帰国日である(^^;)。
 ただ夜遅くの便なので昼食は何でもOK。
 どこに聞いてみようかと迷ったが、まずは長年の懸案でもあるダヴィド・トゥタン。
 一ヶ月弱前の予約で、席があるか微妙かと思ったが、スルっと取れた。

 朝。
 エールフランスからメール。
 23時半の便が、ストライキのため2時間半遅れるという。
 フランスだ Orz...
 これならディネでも大丈夫だったな(薄笑)
DT
 …でもデモの一日は始まったばかり…、とは、まだ気付いていない(^^;)。

 店はアンヴァリッドにある。
 メトロで出かける。
 乗換えのサンジェルマン駅が人声で賑やかだ。
 見ると工事服?…のメトロ職員らしき?がホームから大勢歩いてくる。なに?…夜勤明け?

 広々としたアンヴァリド。
 着いた瞬間は雨。
 やがてあがると、ボールをもった子供たちが出てくる。鳥が地面の食い物をつつく。のんびりした緑地の情景。
DT  そこに大型バスが数台、到着する。
 ゾロゾロと降りてくるのが、また工事服?っぽい揃いの衣装。
 ん?、「cgt」?
 おおっとそうか、出ました、「Confédération Générale du Travail」(フランス労働総同盟)!
 こりゃ、労働法改正がらみの抗議デモだわ。
 早速、交差点を一時封鎖などして気勢をあげてる。さすがだ(^^;)。

 InvalidesからRue Saint-Dominiqueを西に入ると、すぐ、けっこー繁華なエリア。
 Boulevard de la Tour-Maubourgを渡ったところにHenri Le Rouxのショップがあった。帰りに寄ろう。
 Le RouxからすぐRue Surcouf、ものの20mほど行ったとこに「David Toutain」が見える。
DT
 店内は若い世代の作りだが、居心地は落ち着き方向で、ラクだ。
 コースはおまかせの大/小でそれぞれにメテヴァンがある。大のメテヴァンを願う。

[へべ]
 明るい woody クロスなし

Ail des ours, pois
 緑の豆の軽いチップス、ハーブ

Betterave, cassis, mure, foie gras
 カシスと桑の極薄べトラーブロール、フォアグラパルフェ巻
DT
Feuille, creme
 赤薄木の葉でクレームを

Onsen-Tamago
 「温泉卵とサケ」
 とろとろ玉子、トウモロコシ粒々、熱々燗酒

[AQ!]
 若いメートルが嬉しそうに「オンセンタマゴ!」と持ってくる。
 ちょいカレー風味で、出来は此処んちの中では若干ビミョー。

 さて、これより本編。
DT
Cabillaud, combava, coque
 キャビヨーにコンババ・コンソメ(と表現してたかな?)をかけて。
 見た目・仕様は、「まぁまぁ、ある」タイプの料理だが、キャビヨーというチョイスと、ちょっとビックリするくらい淡い味つけに軽く驚く。日本ですら、ここまで薄いのは記憶にないほど。
 食べてみて、この淡・薄は、強力に肯定できる。美味しい。
 コックのアクサンも活きる。

[へべ]
 キャビヨー、コック(貝)
 オニオン、アマンド、緑ハーブ、コンババ・クリアスープ、(胡瓜・セロリ・ディル)
 コンババ油を浮かべた水のような汁を注いだキャビヨー、ぎりぎりの火入れでこの魚にめずらしいなめらかな食感を引き出した、静かな味わいの一皿。

Calmar, noisette, yuba, asperge blanche
 白アスパラ、いか細切り、湯葉、魚卵、ノワゼット、ディル、クレーム泡ソース、緑ユイル
 おいしくバランス良い。
DT
[AQ!]
 「ユバは知ってるヨネ?」と嬉しそうにw。その湯葉はひっそりと入ってるくらい。
 これも登場人物たちの香りの響き合いが楽しい一皿。かなり細かいところの神経、感性が特徴的な店だなあ。
 ところで、どちらかと言うと後で気がついたのだが、前のキャビヨーの皿と「ツンモリした白に緑・オレンジの色彩、ヒタヒタのリキッド、ディル」…と「よく似てる」(^^;)。
 食べてまったく感じないので「ダブり感的問題」は無いのだが、…というか狙ってやってるとしたら、えらくマニアックやなあ(笑)。

Merlan, petits pois
 絶品!
 素晴らしい火入れ! …ってさあ、自分、最近のネットのグルメ系口コミとかって、なんだか「火入れ」という言葉を覚えちまってそれこそ何とかの一つ覚えみたいに「ヒイレ!」って連発するのにかなり食傷というか辟易気味(^^;)、自分の日記にはなるべく「火入れ」という言葉を避けるようになってるんだけど、まあこのひと皿にくらいは思い切り使うぞ! 素晴らしい火入れ!
 低温系基調なんだが、よく火の入った香ばしさを併せ持つ。まあアセゾネもいい訳だなあ。
DT
[へべ]
 メルラン、プティポワ、豆・蔓・ピュレソース、ソースコクリコ
 塩と火入ればっちり。この季節のプティポワとのとり合わせもgood、淡いピンクのコクリコソースはトマトかな?…やさしい酸とコク。

Anguille, sésame noires, pommes
 うなぎフュメ、黒ごまソース、りんご / シードル

[AQ!]
 一転して黒の世界(笑)。
 小鉢での提供で、何となく「お口直し」みたいなタイミングなのがオモロイ。ここではシードルが一杯合わされて、そのサッパリ感もお口直し調だ。
 ありそうであんまり見ないかな?…な、鰻+黒胡麻+林檎は、悪くない♪
DT
Selle d'agneau
 プラは仔羊、これも軽快に、明るいひと皿。
 羊自体は、濃くシッカリと…してる訳ではないのだが、相応に濃くシッカリ感じられるような味に決まっていて、巧みかな。

[へべ]
 セルダニョー+筋レイヤーおいしい部位、クルジェット、シトロンクレーム、ディル、キノアのクロカン

Surprise
 シュルプリーズ:白いアヴァンデセール
 グラスドココ&シューフルールのクレーム
DT
[AQ!]
 白…はテーマカラーなのか?(^^;)…白い小碗は、
「シュルプリーズ! これが何だか当ててミソヅケ?」
 と現れる。
「シュ、シュー?」
「ちっちっち、シューフルールよ~ん♪」
DT
Blanche
 白い筒、白グラス、茶ビスキュイ

Cerise
 スリーズ:クレーム・グラス・泡、ベルベンヌ
DT
Mignardises
 ベニエ、マカロン、トリュフ

 ***

 帰りに工事中の隣接物件でシェフDTにばったり遭遇、記念撮影。

 「David Toutain」、大駒ではないが予想以上に繊細な料理。
 火入れや味のバランスがぴたりと決まっている感じの、デリケートな味わい。軽快で精緻。
 パリでフランス人シェフでこういう料理もあるんだなあと。
 店のしつらえ、サービスまで含めて一貫性もあり。
 「フランス人のモダン下手」偏見を払拭してくれる一軒。
DT
[AQ!]
 香り味わいの、見た目以上に繊細な料理で、とくに魚介に対してのナッツや香味野菜のすり合せ方の感性がやや独特な妖しさでカッコいい。
 食べて、好きな料理♪

 一方、ちょい余計な感想を漏らせば、多少小ぶりな印象はある。
 …っていうかつまり、旅行者の感想となるが、「ダヴィド・トゥタン」と言えばもうどうしても、「世界ランキングでどこまで行くのよ?」とか「パリの次代を担うフランス人は彼」とか「本年版ミシュランの2つ星はなりませんでしたねえ」とか、そういう期待は担わされるポジではある訳だ。
 まあ我々、実際にいただいている時にはあんまし関係ない話だけど、いやでもそういうことが頭をよぎることもある。
 そういうポジションに照らし合わせてみた時、また我々としても先々の再訪動機について考えてみた時、多少、小ぶりで、ときに平板かなあ…という印象はある。
 味わいがトレレジェなのはたいへん結構だが、存在感も多少レジェかなあ。

 見た目そっくりなキャビヨーの皿とイカの皿、本編は4皿なのにキャビヨーとメルランというキャスティング(ともに白っぽい仕上げだし)、キャビヨー・イカ・羊の皿にふりまかれるディル(というある意味のカブリ)…などの諸点は、実は食べていてはまったく気にならずむしろマニアックな面白さがあった。
 けれど、まあインスペクター的な食べ方をする客には引っ掛かるところがあるかも知れない。
 まあ我々も、もしランキング対策で雇われたアドバイザーであったら、「得策ではない」とは言うとこだろう(笑)。

 まあしかし上の10行ほどは、余計な話♪
 楽しいデジュネでした♪
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  Le Divellec  ディヴェレック
  
107 r.Universite 75007 PARIS 
ferme Fin de l'ann, jour de l'an et dim.
depuis1983 Chef: Jacques Le Divellec (1932-)
・ 魚介料理で定評ある二つ星
Michelin ○○/GaultMillau 18 (1990)
Michelin ○○/GaultMillau 17 (2001)
Michelin ○○/GaultMillau 17 (2002)
Michelin ○○/GaultMillau 17 (2004)
Michelin ○ /GaultMillau 17  (2005)

 2005年、ミシュランの星を一つ、失う。

 2013年10月閉店。
 シェフ Jacques Le Divellec は1932年生まれ、まあ引退ということだろうか。店舗は現在のパリで鳴らすCostesのグループに売却され、スタッフも皆、Costesが抱えているそう。
 店の開業は1983年だからほぼ30年間続いた。また、Jacquesはこれ以前1976年にミシュランの2つ星を獲得しており、2005年まで(こちらも)ほぼ30年間保持していた。

 私が訪れたのは1991年。パリのガストロで、「魚料理」と言えば此処か Le Duc か、という評判であった。
 当時は、「さすが!」と思う側面がある反面、「いやあやっぱ魚は日本人の方が上手だわ」という感も少なくはなかった。

 いったん閉店するが、Mathieu Pacaudが経営権を獲得して再開。「古くて新しい店」としての再生が期待される。

1991年 
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  Les Elysees du Vernet  レ・ゼリゼ・デュ・ヴェルネ
  
Hotel Vernet,25 Rue Vernet 75008 PARIS  www.hotelvernet.com/public/restaurant

Chef: ~ Alain Soliveres ~ Eric Briffard ~ Guillaume Ginther
・
Michelin ○○/GaultMillau 18 (2001)
Michelin ○○/GaultMillau 18 (2002)
Michelin ○○/GaultMillau 16 (2004)

 2005年版ミシュラン・ギド・ルージュにて、無念の1つ星降格。聞こえてくる限りでは「そりゃないよミシュランさんよ」の声が圧倒的に多い。エリック・ブリファーにつきまとうこの悲運の影は何なの? 見た感じ、あまり人に嫌われそうなタイプでもないのにねぇ…。(2005)

 そのブリファー料理長ですが、ついについに、「ル・サンク」へ栄転(笑)の模様… また、後任のGuillaume Gintherシェフはまだ20代の若者のようで、こちらも「怖いもの見たさ」のヒトには面白いかも(^^;) (2008)

 Hotel Vernetのサイトを見ると、現在は「LE V, RESTAURANT DE L’HÔTEL VERNET」という名で営業しているようなので、「Les Elysees du Vernet」の歴史は幕を閉じた…ということですかね。美しいサルは健在のようです。
 そして、ブリファー料理長は「ル・サンク」を辞めた(辞めさせられた?)ようです。 (2014)

ELYS1 2002年12月 ☆☆

 *筒入りポティロンと泡
 *ポワロとトリュフのガレット、トリュフクレーム筒入り
 *冬の根菜のコンソメジュレ寄せ、カリカリトースト添え
 *プティ・ロットとシピロンの泡立ちソース、レモンコンフィ、そば、青菜海苔若布
 *アニョーのアリサ・フレ、そのアバの串焼とサラダ、茄子の茄子巻
 *クレモンティーヌグラスとマロングラッセ
 *フヌイユとポワールの組みあわせ
 *玉子容器、ショコラ、ピスタシュのミニャルディーズ
 *筒入りオリーブオイル・クレーム・柑橘ミニャルディーズ
 +01 Cotes du Rhone La Galance

[へべ]
 外光の感じられる明るいサルでデジュネを。エリック・ブリファー、充電期間を経て料理に精気みなぎる、という感じ。白いサル、温室を思わせる色ガラスの天井、南国=イタリア?調の壁の画。こまかーく刻んだトリュフとポワロのタルト、白いソースの小さなロット羊にアリッサ。食べて旨。
 あれこれ盛り込んで、これでもかとばかり工夫してあって、焦点がボケてしまいそうなものなのに、これが食べると旨い。

[AQ!]
 エリック・ブリファーは素晴らしかったね。俺ら的にパリじゃ要注目の一人となるか。
 客はしょぼかったね。「しょうがねーや、ヴェルネあたりにしとこか」、って顔に書いてあるような感じで。
 サービスもドヨ~ンとしている。[ワシらの目に映るそんなクタビレた客+フランス語の怪しい日本人夫婦(ボクらですね)]、じゃ、スタッフも力を出しかねて…みたいな所は、ありましたか…(^^;)。

ELYS2 [へべ]
 料理の、それぞれの源流から見たら噴飯かもしれないけど(アリサ・フレもゴム蕎麦も)、全般的にはよくまとめている。舌が良いのか、美味しい。最近のパリのズッコケ・シェフたちの中では素晴らしい。客は目覚しくしょぼかったけど(まぁクリスマス・イブの昼だから)、此処の温室みたいな屋根の下でのデジュネは、すっご~く気持ち良い。

[AQ!]
 …と言う訳で、アレコレと不満があるのも、今日が「パリのクリスマス・イブの昼」だから、という点が大きい。のではある。敬虔(?)なパリっ子たちは、家で家族と静かに過ごす日なのである(多分)。町のレストランなんかは「基本的にお休み(とくに夜は)」になる日だ。この点は「クリスマスと言えば年間最大の書き入れ時」となる日本のフランス料理店とはまったく様相が異なる。「メシ目当ての観光客」である我々は、イブには何処に行けばいいか途方に暮れるパリ…などという年もあった。
 そんな日だから、旅程の中での位置付けも難しい。我々は今回、この日を「アルザスへの移動日」にあてた。パリ東駅からストラスブール駅まで、SNCFは3時間半の旅である。イブの有効活用である。
 とはいうものの、「パリを出てストラスブール駅前のホテルへチェックイン、軽く夜食でも食って寝る」のを逆算してみると、パリで17時くらいまでヒマではある。
「ありゃ、これは昼メシは食えますなぁ~」
 だもんで、店選び。実は近年は、観光客にとっては状況が良くなっている。1990年代後半から目立つようになったパリの高級ホテル内レストランの改革の動きは一巡して、どのホテルもレストラン部門の品質向上を競っている。…らしい。俺ら、パリのホテルには暗いだで、実際にはよく知らんが、ミシュランはじめガイドのご託宣的には、「食うに値するホテル内レストラン」は急増してるようだ。その中には、ホテルという性格ゆえ「無休」であるとか、のレストランも珍しくない。
ELYS3  そんなこんなで、イブの昼をレゼリゼの卓で寛ぐ我々とあいなる。

 「温室みたいな屋根の下」、このサルは、ほんのちょっと古くて微妙にハナタレてて少し馬鹿だし、とってもイカした食堂だよねぇ。食堂の造りとしてパリでも、最も好みの一軒かも。
 アミューズのポティロンの橙色は上に薄緑の泡、が際立った色彩感だ。
 ポワロとトリュフは「メスで刻んだような」極細片が散らされて、“香り”を主張し、淡い質感を別添えのトリュフクレーム(チョコパフェみたい(^^;))で補強する。良い料理。
 根菜のジュレ寄せは、簡単に言っちゃうと“ブラス発で各地で展開してま~す”型の眺めでベラサテギのそれに似、ジュレと根菜の相性にカリカリトースト(トリュフ・クレーム・葱添え)を合わせたのが上手く、快くて美味しい皿。

 ここまでは申し分なし。おおお、なかなか結構なことじゃないかネ、と盛り上がっていると、サルの端にキラリと光る物が…。視線を移してみると、卵形の輝きは、おっと、エリック・ブリファー君の禿頭じゃないか。サルの様子を窺っているようである。
 Eric Briffard…。"Le Regence"(Hotel Plaza Athenee)で2つ星を持ちながら、Alain Ducasseに追い出されるような形で失職「浪人中」の身となっていた。様々なオファーがあったろうが、今一つ凸と凹が一致せずにいつの間にか年を重ねた、悲運のハゲ。エコール・ロブションの優等生。何を思うか、我らがハンプティダンプティ。
 おお客席でも回ってみるのかね、そしたら「アナタシュバラシイデチュ」とでも大いに褒め称えてやっか…と思ってたら、微妙な表情のまま引っ込んでしまった。まぁ俺らから見てもしょぼくれた客席だもんな(^^;)。
ELYS4  しかしなんですな、何となくですが、ロブションデュカスに関わるシェフと言いますとこれが何故か、時代を転がす男・弄ぶ男…でなくてどうも時代に転がされる男・弄ばれる男…になりがちであるように思われますのは如何でしょうな(^^;)?

 さて、自信なげに厨房に戻る後ろ姿がワシらには不吉な前兆であったか、パーフェクトなアミューズ~アントレから見ると、プラには幾分の申し分がアル。見映えからして、ボロッとしている。これは考えようによっては「21世紀型料理再考派」に見られるような、精妙なアントレ~重厚なプラ…といった骨格作りと言えないでもないのだが、それにしては内容が未だ21世紀型神経症的なのである。即ち、要りもしない日本蕎麦…しかもゴム蕎麦に海苔若布チピロン、であるとか、とってつけたようなアリサ、の所在無さである。ここにはフランス料理最大の魅力である「自己過信による威厳(笑)」はカケラも無い。
 と言いながらも、ウマいはウマい。まぁ面白おかしく語り合いながらガバガバ食い進んでしまう訳だ。羊アバの焼鳥状串焼なんてのは素晴らしい。

 デセールは、栗にクレモンティーヌを合わせたのも結構だが、それ以上なのはポワールにフヌイユの妖しい魅力。ミニャルディーズでは卵の殻に盛り込むという工夫が目を惹いた。
 アンフュージョンは堂々たるワゴンが来て、そこから好きなメランジェで…という素敵なシステム。
 ワインリストは全体に値付けが高く目ぼしい物なく、テキトーな安価物に落とし込んだ気がする。

 さてと、腹はくちいが気力充実したワシらは、東駅に向かいますかのぉ。
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  L'Espadon  エスパドン
  
Hotel Ritz 15 pl.Vendome 75001 PARIS 01 43 16 30 80 www.ritzparis.com
 
Chef: ~ Maurice Guillouet ~ Michel Roth
・ ワイングラスにまで「Ritz」の紋は輝いていたのであった (1998.12)
 2000年現在は、恵比寿「タイユヴァンロビュション」のモーリス・ギルウェットがこちらに移って料理長を勤めているようです。下記よりだいぶ傾向が変わっているかもしれませんね。ミシュランの星は1つに落ちています。(2000.11)

Michelin ○○/GaultMillau 15 (1990)
Michelin ○ /GaultMillau 17 (2001)
Michelin ○ /GaultMillau 16 (2002)
Michelin ○ /GaultMillau 16 (2004)
Michelin ○ /GaultMillau 16 (2008)

1998年12月 ☆

 *パネした魚と黄色いポタージュ、クミン
 *かき玉子とトリュフ、グリーンアスパラ添え、パイの器盛り
 *オマールビスクのスープとピスタチオのフラン
 *ブレスの鶏、トリュフ入りじゃがいもピュレ
 *タルトオショコラ、ショコラとキャラメルのグラス
 *洋梨のコンポート
 +85 Chambertin / J.Drouhin

[へべ]
 華やかなヴァンドーム広場でも、ひときわ目立つグリーンとネオンで装いを凝らしたホテルリッツ。高い敷居を踏み越えて、いざレスパドンへ。
 館内さすがに格式と歴史を感じさせる豪華さ。天井が高く高く、その高さいっぱいに緞帳のかかった窓やら鏡やらで埋った壁面。西洋格天井も迫力。中央には丈高くクリスマス雪飾りつきの枝が活けられ(中央の枝飾りと室内のポインセチア、卓上のサンタクロース等はちょっと安い)、生ハープと生バイオリンの楽の音が流れる(3セッションくらい)。この優雅な豪華に太刀打ちできる店はそうはないだろう。
 6人の会食卓、男と見まがういかつい金髪女性とやや若い男性、ジャポネ3人卓、同2人卓、イブニングドレスの娘連れ卓などで賑わう。

 シャンパーニュで乾杯。「古酒が好きでどうしても、というなら止めないけど…そうはいってもコレよね、あなたたちにはコレ!」とのソムリエールのご託宣に従いドルーアンの85シャンベルタンを頼むと、リッツの紋が入ったリーデルのブルゴーニュ用グラスが出てきた。なんと珍しい。
 シャンベルタン、素晴しい。堂々として古酒の風合いをそなえながらも、なおみっしりとした核が最後まで抜けない。色ににじむ若々しいルビーそのままの、フルーティーなところもある。中盤以降はコアのタンニンがほどけてきて圧倒的な甘やかさはポートを思わせる。いい思いをさせてもらった。

 ところで、ボクたちがオーダーすると、よく、「トレビアン!」とメートルの人々がにっこりうなずいてくれるけどあれって「はい、よくできました」みたいだとちょっと思う。
 ビスクドオマールが素晴しい。強くて軽い。旨いが雑味や下品さの出る手前に踏みとどまっている。おみごと。ピスターシュのフランともよく合って、この手のもので史上最もウマい。
 玉子にトリュフはしあわせ。パイかなにかのケースにふんわりかき玉子。そこにアスパラが3本突き立ててあるという盛り付け。これも文句なく旨い! 全体に悩みなく真っ正直に「旨い」と言い切れるタイプの料理で(意外にも)好感触。
 ブレスの鶏にて、ゲリドンを楽しませてもらう。ナイフさばきも鮮やかに切り分けてくれた鶏も旨い。そして付け合わせの(これに目がくらんだ、とも言うか…)トリュフをちりばめたじゃがいもピュレにうっとり。

 ごきげんである。しかし満腹でもあり、これまた状態の良さそうなフロマージュはノンメルシイ。美味しそうな店では胃袋に余裕がなく、料理の物足りなかった店ではフロマージュもそれなり、というのが浮き世の常か。

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  Faugeron  フォージュロン
  
52 r.Longchamp 75016 PARIS
ferme aout, Noel-NouvelAn, sam. sauf le soir d'oct. a avril et dim.
Chef: Henri Faugeron
・ ミシュラン2つ星を長くキープ …2004閉店
Michelin ○○/GaultMillau 18 (1990)
Michelin ○○/GaultMillau 17 (2001)
Michelin ○○/GaultMillau 16 (2002)

 アンリ・フォージュロン氏の引退に伴い、その跡に「ひらまつ」パリ店が入るという話です。つまり、「フォージュロン」は閉店ということだと思います。
 フォージュロンは1980年代にはロビュションのライバルと目され、「次の3つ星はフォージュロン」と称された時期も長かったと聞きます。結果的に非常に長い間、ミシュランの2つ星店であり続けたわけですが、こういう物は「時の運」である、と評する人も多いようです。ともあれ、アンリ・フォージュロン氏の実り多き料理人人生に乾杯!
 ボクらは只の一度訪れただけ(店の前はよく通るんだけどなぁ、ここ(^^;))でしたが、その夜のことは、パリの食事の記憶の中でも最上位に入ってくるだろう美味なる思い出となっています。 (2004)

Faugeron 1996年 1月 ☆☆

 *ブランダード・ド・モリュ
 *半熟玉子、トリュフのピュレ添え
 *セップのラヴィオリ、トリュフのジュ
 *とても小さい仔羊のジゴのロティ、パン粉炒めエピス風味
 *キャラメルとノワのスフレ
 +桃のKirRoyal
 +86 Puligny-Montrachet Les Combettes Sauzet

[AQ!]
 巡り合わせもあろうけど、すっごく良かった(最近の評判以上に)。感動のトリュフ玉子と仔羊。
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  Brasserie Flo Roissy Charles de Gaulle 2  ブラスリー・フロ・ロワジー・シャルルドゴール 2
  
Aérogare 2 F BP 30104 95 716 Roissy CDG 33 (0)1 48 16 30 29 www.flo.cn/brasserie/other-brasseries
Ouvert 7 jours sur 7 11h45 15h00 et de 18h30 à 22h30

・ CDG空港のブラスリー
Paris 2015年 5月 

 *Artichaut
 *Soupe glacée de lentille
 *Onglet de Boeuf à L'Echalote, Pommes frites
 *Tulipe de Sorbets et Glaces

[AQ!]
 CDGで乗り継ぎ。5時間待ちなのでメシとする。
 ターミナル2F、クラシック。
 お馴染の空港フロ。いつもの、その、ソレ…とか思うのは心理的なもので、実際には5回目くらい?か。
(後で見てみると、CDGフロの開店は1996年。その前って無かったのね~。そして、現在FLOグループは経営不振で建て直しの真っ最中らしい。ひょっとするとこの空港店ももう中国資本に売却されてるのかなあ)

 冷製レンティーユスープにアーティショー、めいめいにオングレ・ステーキ、ソルベがマンゴー・フレーズ・ピスターシュ、サラダフリュイ、ワインはコートデュローヌ。
 これだこれ、このオングレ。こんなんでいいんだけどなあ…けど、日本じゃほぼ、食えない、、、
 ゆったりと3時間。若い黒人メートレスが親切。
 ああこれから10時間のフライト、…の前に、まず第一ターミナルへ行かんと(^^;)。
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  Grand Vefour  グラン・ヴェフール
  
17 r.Beaujolais 75001 PARIS 01 42 96 56 27 (Fax 01 42 86 80 71) www.grand-vefour.com
ferme aout, sam. et dim.
depuis1820 Chef: ~ Guy Martin (1957-)
・ 歴史あるレストランの歴史ある客たちに斬新な料理が舞い踊るのだ (1999.4)
 私たちが訪れたすぐ後、ミシュラン2000年版で3つ星を獲得し、話題を呼びました。3つ星獲得は正直のところ、驚きました。面白いけどそれほど精度のある料理では無い、と感じていたので(もっともそれは、タイユヴァンなども同じ)。しかし、やはりこの由緒あるレストランが「ちゃんとしているのであれば」、3つ星に推したいというのがフランス人の心なのでしょう。(2000.11)

 2008年2つ星に降格。3つ星に昇格したのはブラウン編集長の初年度でしたっけ? 個人的には、料理の面で、3つ星は少々荷が重かったような気はします。ブラウンやナレでは、ネジュランの後任は荷が重い、ということもありますが(笑)。

Michelin ○○ /GaultMillau 16 (1990)
Michelin ○○○/GaultMillau 19 (2001)
Michelin ○○○/GaultMillau 19 (2002)
Michelin ○○○/GaultMillau 18 (2004)
Michelin ○○○/GaultMillau 18 (2005)
Michelin ○○ /GaultMillau 18 (2008)

参考:メールのページ

Grand Vefour 1999年 4月 ☆

 *カリフラワーのスープ
 *ボーフォールとアーティショーのグラタン、玉子ポシェ
 *エスカルゴ・プチ・グリの軽いスープ仕立て、コーヒー風味
 *オーソブッコ風仔牛、その耳を添えて
 *Lotteのココナツ風味、マンゴ・レーズン・サフラン・玉葱
 *変な格好のムース・オ・ショコラ
 *フリュイ・エクゾチーク(チュイル・パッションフルーツソルベ)
 +86 Musigny / Drouhin

[AQ!]
 ギイ・マルタン・シェフ(ゴー・ミヨの「今年のシェフ」に選ばれたようだ)の「出迎え」が珍しいGrand Vefourの大きい窓からはパレ・ロワイヤルの緑が豊富。店内は鏡が多用されているため、私からも緑がよく見える。メートルに「ここは初めてか?そんなら有難いGrand Vefourの歴史がここに書いてある」と卓上の能書きパンフ衝立を示される。そんなに広いわけでもない店内はサービス人が溢れかえっている。あふれていても流れがスムーズで良い。よくぶつからないものだと感心する。客は老人がとても多く、隣卓はエスタブリッシュト初老のパワーランチ風。

[へべ]
 アンティークのオルゴールか宝石箱の中に入り込んでしまったような店内は、いわゆる直球ロココの「豪華」とはまた一味違った、独特の趣きがある。

[AQ!]
 ワインリストは凄味はないが充実。お勧めが89のBoillotのカイユ辺りで、79(?)くらいのモンジャEchezeauxも迷うが、結局Musigny。これが大当りで素晴しい1200FF。ドルーアンは「まぁ良いが凄く良いかというと??」くらいのイメージが付きまといがちなのだが、昨年末のレスパドンでの85Chambertinの大当りが頭をよぎった。勿論86だから不安要素も大きかったのだが。
 初香からはっきりと魅惑的なこの酒をテストしたソムリエは、何より、「デリケート」と表現していたが、まさにこれはプロの要約を感じさせた。真に繊細でエレガント、細身の美女であるが色気はタップリ。いやぁ、旨いなぁ。濃密さは中程度で、家に帰ってみないとわからないが、パーカーポイントはそんなに高く付いてはいないのでは? しかし、素直に磨きこまれた美である。陶酔と上品が手を携えて快楽を案内する。…と昨日のJayerに似るのだが、無理に言えば、Jayerは作り手の反映、今日は畑の反映を思う。こう書くとあまりに教科書的感想でもあるが、ホントだからまぁいいや。80年代中葉のドルーアンは良いっす。

 アミューズのシューフルールスープのシューフルール臭さに驚き、これは「料理人の料理なり」と認識。品書きを眺めて目立つのは「ハチャメチャ系」料理の多さで、ゴーミヨに好まれそう。ウチもオーダーにその手のを多く採用する。
 アーティショーと生ハム・ボーフォールグラタンは「本日のお勧め」。玉子ポシェを本体部分の塩気に対してアテにして巧みだが、ボーフォールを減らしてアーティショーをもう少し前面に出したいところ。
 プチグリは無闇に旨くて脱帽。コーヒー豆も全体を締めている。
 アンコウ・ココナツ・マンゴ・サフラン・新玉葱は全員が所を得て尽力し、美味なるまとまりに至る。惜しむらくはメインとしての重量感に欠け、何にせよワインとの相性に問題がありそうな点。オーソブッコ仔牛はシンプルに旨く、Musignyとターボをかけあっている。仔牛の季節である。耳の細切りをハラリハラリとかけてあるのだが、これも良い。
 デセールも気持ち良さげに「暴れて」いる品々。

[へべ]
 さすがに満腹しつつミニャルディーズもつまみ、「ラディションS.V.P!」と声をかけるとなぜかクーゲルホフ様のスポンジケーキがひときれ運ばれてくる。首をかしげているとダメ押しのようにチョコレートの盆がやってきて、死にそうに楽しい終盤であった。


[番外編:シニエ・パ・ギ・マルタン]

2005年 5月 

 *Presse de legumes au basilic, pousses de salade et copeaux de parmesan
  バジル風味の特製野菜テリーヌ パルメザンチーズと季節のサラダと共に
 *Filet de daurade poele sur sa fricassee de legumes
  真鯛のポワレ 春野菜添え クリームコキヤージュソース
 *Cotes d'agneau, jus cafe-chocolat, de l'ail ecrase aux aromates
  仔羊のロースト コーヒーとチョコレートのクーリ ニンニクのクネル添え
 *Plateau de fromages Francais
 *Palette de souffle glace, croustillant au thym
  3種のフリュイ・ルージュの冷たいスフレ タイム風味のチュール添え
 *Cafe et mignardises
 +Vin compris: 1 verre de vin blanc et 1 verre de vin rouge

[へべ]
 愛知万博フランス館の2階にしつらえられた特設レストラン。豪華重厚は望むべくもありませんが、モダンでアート調の雰囲気にまとめた店内は、なかなかいい感じに作ってあります。ベンチシートが設けてあるのが意外と効果を上げているかも。
 店名の「シニエパ」は「サインドバイ」ってなことでしょうか。
 ここにはサービスを担当しているというS本氏(兄)を見に行ったようなものですが。活躍してました。その噂を聞いたのは遠く海の彼方はトゥール郊外の、弟さんの厨房でのことだった…などと思うと出会いはホントに面白いものです。

[AQ!]
 そうなんだよね、トゥール郊外はベルトネイなんて田舎で、「アニキだったら愛知万博でやってる筈ですよ」と日本の話を聞きつけて…なんだから笑ってしまう(^^;)。
 万博には何の興味も無いが(行ってみたら、大阪万博よりだいぶしょぼかった…とか言うと、爺くさい?(^^;))、万博絡みのシゴトというのはあるもので、それにかこつけて訪問。
 兄氏はじめスタッフの面々には良くしてもらい、感謝。

 料理は、この急な舞台と思えば、健闘している。十分に賞味できるものになっている。
 けど、ルセットはギ・マルタン本人かなぁ、(やはり)あまり感心しない。まぁここんとこよく、「今のパリは羊にチョコのソースでもつけてれば新しいとか言っているが少しも美味しくない」なんて文章を見かけるが、モロにソレ、だしなー。モロ。Grand Vefourに行ってもそうだが、「すげぇ美味い」ってんでは無いヒトなんですね。
 ま、しかし、21世紀初頭のパリを象徴してる料理とも言え、そういう意味では、万博にはベストチョイスであったかも。
 (注:…などとは言いながら、腕のいいシェフなんかだと、「羊にチョコ」でも美味い皿をサッと作ってしまう、とまぁそういうことは往々にしてあるのが料理である。きわめてビミョーな話ではある)
 (注:文中登場するS本氏(弟)は、ご存知の通り、現在はトゥールを離れ、St.Junien(リモージュ近郊)の「ローリーヴァン:Lauryvan」で料理長を勤めている、さらにその後はアルザスへ、そして帰国へ)
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  Guy Savoy  ギー・サヴォア
  
Monnaie de Paris : 11, quai de Conti PARIS 01 43 80 40 61 www.guysavoy.com
ferme sam.midi et dim./lun.
depuis1980 Chef: Guy Savoy (1953-)
・
Michelin ○○/GaultMillau 19 (1990)
Michelin ○○/GaultMillau 19 (2001)
 1985年からミシュラン2つ星を堅持する、実力派中の実力派。常に(^^;)、3つ星有力候補に数え上げられている。私は1990年代初頭に行ったキリであるが、パリの3つ星の何軒かより、ずっと良かった印象がある。ただ、これまた常に、Guy本人にも店にも「ムラっ気」とか「調子の波」が指摘され、実際、知人でも「全然良くなかった」という人もある。
 …なぁ~んてことがありまして、「また行きたいっ」と思い立ち、2001年9月某日の予約Faxを2001年7月に入れてみました。返ってきたFaxには、
"Nous avons le regret de vous annoncer que notre restaurant est complet au diner pendant tout le mois de septembre. " (ディナーは9月一杯、満席だよ~ん。)
と誇らしげに書かれておりました。この店は調子が良いようだなぁ。 (2001)

 祝!ミシュラン・ギドルージュ3つ星獲得! ただし、「スペインかぶれして3つ星は取ったけど昔の方がウマカッタ」というヒトもあり… (2002.2)
Michelin ○○○/GaultMillau 19  (2002)
Michelin ○○○/GaultMillau 19  (2004)
Michelin ○○○/GaultMillau 19  (2008)
Michelin ○○○/GaultMillau 5toques (2016)
 2015年上記へ移転。長く店のあった17区「18 r.Troyon」にはセカンドラインの「Etoile-sur-Mer」を開店。

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  Hugo Desnoyer  ユーゴ・デノワイエ
  
28, rue du Docteur Blanche 75016 Paris 01 46 47 83 00 www.hugodesnoyer.com
Le restaurant sert non-stop de 11h à 15h.

・
 パリを代表する…というか世界一とも称される肉職人ユーゴ・デノワイエの食肉店。その16区店 BOUCHERIE RUE DU DOCTEUR BLANCHE に併設されているイートイン。

         → 2015-6パリ旅行記はこちら

Hugo 2015年12月 ☆☆

 *シャテーニュ・ポティマロン・トリュフのヴルーテ
 *Terrine du moment: パンタードとアルマニャック、ヴォーとピスターシュ
 *Trilogie de viandes: Araignee, Onglet, Aloyau
 *タルトオポム

[AQ!]
 昼からユーゴ・デノワイエで肉を食う。
 …って、ユーゴのイートインは昼しかやっていないのだ。
 肉屋の店先の簡単席だが、サイトから予約が入る。

 Jasminなんて駅は降りたことが無かったが、駅前は閑静。
 ユーゴに向かって歩き出すと、これはアレですね、もう「高級住宅街」だわ、モロ。
 なるほど店の立地としてはうなづけるものがある。
Hugo
 チアフルな店内だ。
 肉屋の片隅にゴチャッと椅子テーブルが入って、イートインになっている。
 ボクらの席は陳列ケースの方に張り出した下席っちゃ下席だが、職人の動きやら客の購買内容やらが実況中継のようによく見えるポジションで、おもろかった。
 上から肉シバリ用の紅白紐が垂れている。お惣菜充実:ピュレ、グラタンドフィノワ、パテ、テリーヌ…

 まあところでアレですよ、先に言っときますと、さほど広くないスペースなのに、最も多かった瞬間には5組の『日本人客』っすよ(^^;)。
 いやはや…
 恵比寿効果?…すごい、、、(♪…とワタシも思われてる、ルルールルー♪)

 ちなみに今回の旅の立ち回り先レストランでは、相客日本人は、A.Tで1組。あとは特に気付かなかった。(大店もあるんで全ては見えていないが)
 ユーゴが如何に特殊か、と(笑)。
 また、町には一山幾らの勢いでいるチャイナも、ボクらの行くレストランでは見ないんだよなー。彼らは、ムーリスやエピキュールでロマコンでも開けてるか、マックかスタバで済ましてしまうか、とか、なのかなー(笑)。
Hugo
 注文は、
 本日のテリーヌ/肉のトリロジー/タルトオポム

 ワインはグラムノン…の、Poignee de Raisinsだっけな。
 注文すると、「あなた、この酒知ってるの?」と聞くから「これ自体は知らんけど、グラムノンは好きで信頼してるから」と答える。と、「素晴らしいから、コレ♪」って。
 グラス価格もあったから、ハウスワイン的に使ってるのかも。

 テリーヌは2種、パンタードとアルマニャック/ヴォーとピスターシュ…のようだ。
 みっしりと詰まって整い、肉ウマなテリーヌ。レストランじゃなくて肉屋の味。

 トリロジー…本日の肉3種は、Araignee, Onglet, Aloyau。
 ひーん、この3つ、耳で聴き取るの大変だったザンスヽ(^~^;)ノ。
 オングレはオングレとして、Araigneeはシンタマみたいなとこかな。Aloyauはサーロイン? 実は4切れ乗ってきたのだけど、アロワイヨとフィレ…と言ってた気もする(^^;)。
 部位名称はともかく、食べると味も食感もけっこー違う。「あとでブラインドテストしますから~」と言われたら困るが\(@▽@)/。
 それぞれの部位が豊かな表情を持っている。
 今日のトリオだと「どれか一つ」なら好みではオングレかなあ。バランスがイイ。
Hugo
 ナチュラル。いい草食っていい生活してたのが、透明に浮かんで見えてくる。全体にノンストレス。
 熟成香のノリも自然だ。いらぬ力の入らない香ばしさ。
 とても食いやすい、スコンスコン入ってくる。料理として見ると、やはり何処となくレストランと言うより肉屋のデギュステ的…である。

 付け合せはレタスとポムフリット。レタスがウマイ♪

 材料がいいねー、ってのはデセールの林檎でも、そう。

 店内、ユーゴ本人が出てくると空気が変わる。
 何より本人の動きの素早さがもんのすごい。へべによると「常時アドレナリンが出てるJean-Paul Belmondo」(^^;)。
 売れた肉たちが、目にも止まらぬ早業で包装紙に包まれていく。(…って何のワザだ(笑))
 当然のように全ての客に挨拶して回る。
 ハイパーアクティブ。通信簿には「落ち着きがない」と書かれていたに違いない(笑)。

 あと、店の奥のトイレへ行くダンジョン(笑)は楽しいゾ(^^;)。
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  Jamin  ジャマン
  
32,Rue de Longchamp 75116 PARIS
ferme vacances d'ete, vacances de fev., sam. et dim
Chef: Benoit Guichard
note ブノワ・ギシャールの新「ジャマン」です。 (1997)
 閉店? (2006)
 Jaminといえばジョエル・ロビュションを思い浮かべる方は多いと思いますが、下記はロビュションの移転→引退の後、ロンシャン通りの旧店舗(しばらくそのままの状態で使われていなかった)に、ロビュションの厨房のメンバーであったブノワ・ギシャールが開いた、新「ジャマン」です。料理は既にかなりレベルが高く、ミシュランでも二つ星までスンナリ行くことを予想します。ただし、ワインリストなどは(パリの星付きとしては)信じ難いくらいに貧弱で、我々のポイントもそこのところでは少し下がりました。
 ちなみに現役時代のロビュションについてですが、
○○○…ロンシャン通り旧店
○○…ポアンカレ通り新店
という印象でした。(1997.11)

 1998年版のミシュランで、見事にJaminは二つ星に輝きました。(1998.4)
 Michelin ○○/GaultMillau 17 (2001)
 Michelin ○○/GaultMillau 17 (2002)
 Michelin ○○/GaultMillau 16 (2004)

 閉店?
 なんでも、
Le restaurant de haute gastronomie Chez Jamin a change de mains, le Chef Benoit Guichard a choisi une dauphine, Babette de Rozieres, pour lui succeder avec une Cuisine Creole. La gastronomie antillaise est proposer sous l'enseigne La Table de Babette .
 だそうです。この新店はなかなか評判が良いようですが、それはともかく、ブノワはどうしたのかしらん???
 ロブションの弟子はなかなかスンナリ幸せになれないヒトが多いなぁ(?)。 (2006)

参考:メールのページ

1997年 6月 ☆☆

 *スモークサーモンとサワークリームのカナッペ
 *Lisette,赤ピーマン・茄子のマーブル仕立て、トマトクーリと黒オリーブ添え
 *クモガニの幻想、アボカドとジュレ
 *サンピエールのポワレ、新玉葱・ラディッシュ・アスペルジュソバージュ添え、バターソース
 *ロニョンとリ・ド・ヴォー、キノコ・ハーブ・ジャガイモ添え
 *焼桃、胡麻のフィヤンテーヌ、カシスのソルベ
 *苺のポワレ、ヴェルヴェンヌのグラス、胡麻の薄焼菓子
 *パンプルムースソルベ、グラス・ド・バニーユ
 +90 Riesling Grand Cru Brand Turckheim

[AQ!]
 新生Jamin! これは面白い。希望! まだまだこれからでしょうがワクワクします。ワインリストは弱いが、二つ星まではすぐに上がるのではないでしょうか。ヽ(^o^)丿

[へべ]
 新生Jamin!
 学生時代に「パリの味」を読んで以来思い描いていた、ロンシャン通りの Jamin にようやく足を踏み入れました。ああ、やっぱり、という雰囲気。フィリップ・グルーの店の雰囲気に通じるものがあります。女性的で、絹張りの、ちょっと親密な感じ。サービスはまだちょっとかためですが、料理は意欲的で、面白い。緻密で、勢いのある感じです。また行ってみたい。皿の上の野菜が生きてます。ねっとりと官能的な赤ピーマンと茄子。うっとりするジャガイモ。すこぶる上質のロニョンとリドヴォ。クモガニも旨い。
 …ロビュションの料理も此処で食べてみたかったなぁ。あの巨大城館的疑似書斎みたいな店よりも、似合っていたのではないかしら。

1998年

[AQ!]
 春といえばミシュラン。Jaminは順調に二つ星に上がったようです。うーん、この予想は簡単であった。世間ではロビュションの再現なるか(ホップステップジャンプ)ということも話題になっているようですが、まぁそれはないでしょう、と予想しておきましょう。…とか何とか言ってないで食べに行きたいよ~ん。
 ガニェールが三つ星ですしねぇ。パリはとにかくもう、サンドランスの三つ星を取り上げなければ新しく増やせないんじゃないかしらん。ヽ(^^;)丿
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  Joel Robuchon  ジョエル・ロブション
  
59 avenue Raymond Poincare 75116 PARIS
Chef: Joel Robuchon(1945-)
・
 1996年、ロブション氏の引退に伴い、閉店。

1995年 1月 ☆☆

 *串刺しサンジャックのアミューズ
 *ウフ・モレ、トリュフのジュレ、セロリのピュレ
 *ポムとトリュフの温製サラダ
 *Blanc de Barのソテ
 *Agneau Pastral aux herbes fraiches en Salade
 *フォアグラとトリュフのマカロニグラタン
 *チョコレートケーキ、ピスタチオとCocoのグラス
 +89 Meursault

[AQ!]
 ポアンカレ通りに移ってからは初めて。引退を公言するロブション、訪問はこれで最後だろうな。店の内装は「これから」シットリとくすんで良くなって来るのだろうピカピカ具合だけど、その時には多分、ロブションはいない。
●Kir Royalもどき。AmphyclesのAperitifに似ている。香りの強いKir Royalなのかもしれない。
●Blanc de Barの表面を軽く香草で炙ったソテは、プーレドゥで。緑のサラダ付き。身を半分くらいいただいた所で、メートルがソースを持ってくる。茄子のカレー甘酸味…といったところ。

[へべ]
●香り・味とも強いソースなのに、Barの味が、一段と引き立つ。
●隣席の謎の太った黒いおじさんは皿にこのカレーソースだけもらって、なめていた。なんなんだ。
●Agneau Pastral。"pink"のアニョーが口中でとろける。香りがひろがる。肉も焼加減も絶妙。なめらかでこっくりして軽いマッシュポテト、香草と緑の葉っぱのサラダ。
●フォアグラ・トリュフ・グラタン。トリュフは為平のニンジン並(笑)の思いきりのよいスライスがばんばん入っている。フォアグラの脂がまとわりつく。香ばしくて力強くてヘヴィ。
●Fromage:とろとろのサン・マルセラン、小さくて乾いた濃いの。mouton de culotte。フルム・ダンベール…これですよコレ状態。
●Dessertはワゴンから。とろりと濃いチョコレートのケーキとグラス。てりてりの黒いネットリ。Cafe。
●明朝:…いや、昼。起きる。くもり。昨夜のJ.Rのお持たせのパンをかじる。おいしい。

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  Ledoyen  ルドワイヤン
  
carre Champs-Elysees 75008 PARIS 01 53 05 10 01 (Fax 01 47 42 55 01) www.ledoyen.com
ferme vacances, sam.midi et dim.
depuis1792 Chef: ~ Guislaine Arabian ~ Christian Le Squer ~ Yannick Alleno(1968-)
・ 1792年創業の名門
Ledoyen  シャンゼリゼ通りはプティパレの隣にどっかと館を構える豪華な歴史あるレストラン。長く停滞していたが、90年代に入り、ベルギー人女性シェフを大胆にも起用、これが当たって再興した。我々も1994年にこのジスレーヌ・アラビアン料理長の料理をいただいたが、目を白黒させながらもとても美味しかった。確か、この前後くらいにミシュランも2つ星に戻している。2000年の今現在は、また料理長も変わっていたと思うが、元気に2つ星を維持しているようだ。(2000.11)

Michelin ○ /GaultMillau 15 (1990)
Michelin ○○/GaultMillau 18 (2001)
 祝!ミシュラン・ギドルージュ3つ星獲得! (2002.2)
Michelin ○○○/GaultMillau 18  (2002)
Michelin ○○○/GaultMillau 17  (2004)
Michelin ○○○/GaultMillau 17  (2008)

 クリスチャン・ル・スケール料理長とルドワイヤンのミシュラン3つ星獲得について、メールをいただきました。メールのページをどうぞ。

 ところで、ジスレーヌ・アラビアン料理長の消息だが、何処に書いとけばよいか迷わしいのだけど(^^;)、ここに書いておこう。自身の名前を冠したレストラン「Ghislaine Arabian」をオープンした彼女は、2002年版ミシュラン・ギドルージュで一つ星を獲得し、まずは順風満帆の船出か、と思われたのであるが、2002年秋、店を離脱した模様(オーナーと喧嘩でもしたか?、って感じなのだが)。
 店は「Seize au Seize」と改名し、現在の所、ジスレーヌ配下の部下たちが残って営業を続けているようである。 (2002.12)

 そんでもって、「Seize au Seize」は「La Table de Joel Robuchon 」となりましたとさ。(2004)

 Ghislaine Arabian、今はこちら。Petites Sorcieres (12, rue Liancourt - 75014 Paris. 01.43 21 95 68) (2008)

 シェフ交代があった。新任はムーリスのシェフだったヤニック・アレノ。 (2014)

1994年 4月 ☆☆

 *キッパーヘリング、コンソメクレーム
 *モリーユ、トリュフ、緑アスパラの前菜
 *ビールサバイヨンソースのデセール などなどなど

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  Lucas Carton  リュキャ・キャルトン
  
9,pl.Madeleine 75008 PARIS 01 42 65 22 90 (Fax 01 42 65 06 23) www.lucascarton.com
ferme vacance,sam.midi et dim.
depuis1890 Chef: Alain Senderens (1939-) ~ Julien Dumas(1979-)
・ 名シェフ、アラン・サンドランスが長く3つ星を堅持
ミシュラン3つ星獲得は1985年。
Michelin ○○○/GaultMillau 19.5 (1990)
Michelin ○○○/GaultMillau 17 (2001)
Michelin ○○○/GaultMillau 16 (2002)

 リュキャキャルトンを訪れたのはもう10年以上前。「え、フランスの3つ星ってこんなんでいいの?」と思ったものです。もう、粗くて旨くなくて。で、色々と書物を読むと、実際問題、アラン・サンドランスというシェフ(一般的には「ヌーベルキュイジーヌの旗手」…といったような紹介になります)主導型の店なのに、「美味しくない」という評判はその当時でも少なからず既にあったようです。
 2002年版ゴーミヨの16点なんてのを見ると、ようやくガイドブックも事実を書く気になったか、という感ですが、ミシュランには、是非、3つ星を献じ続けて欲しい。パリのど真ん中で、まさに豪華豪奢、素晴らしい店です。「味がどうの、新しい天体との出会いがどうの…」とか言わない、ミシュラン3つ星と聞けば満足出来る富裕層には、是非、この店に行ってほしい。それで少しでも、ランブロワジーやガニェに席が出来れば、万万歳というものです(^^;)。 (2002)

 アラン・サンドランスのリュキャ・キャルトンがギド・ルージュ・ミシュランの3つ星を自ら返上し、話題となりました。理由としては「3つ星故に背負う人件費などのコストが馬鹿馬鹿しくもっと実質的に顧客に利益を還元したい」というようなことが挙げられたようです。快挙だと思います。
 本件は、星はたまさかくれてやるけど、星を取り上げるという議題に対しては鬱病に引き篭るミシュランというシステムの脆弱性がよく現れていると思います。個人的には、ミシュランのシステムを維持するつもりなら定年制(オーナーシェフが60歳を越えたら一律3つ星は返上、のような)でも導入すべきかと愚考するところ。 (2005)

 ところで、www.lucascarton.comを見るとハッキリはしないのだけど、上記の動きは、“「Lucas Carton」を閉店し新店「Sanderens」を開店”という形で紹介されているのが多いようだ。ま、その言い方でいいのかはともかく、新店「Sanderens」は、2006年にミシュラン2つ星を得ている。

 2013年、サンドランスはこの店に関し所有していた権利を手放し、離脱。2014年新生「Lucas Carton」がスタート…という形になった、ようだ。

Michelin ○○○/GaultMillau 17 (2004)
Michelin ○○ /GaultMillau IC (2008)

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  Ma Bourgogne  マ・ブルゴーニュ
  
19 Place des Vosges, 75004 Paris +33 1 42 78 44 64 www.ma-bourgogne.fr
無休

・  
         → 2015-6パリ旅行記はこちら

Ma Bourgogne
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  Le restaurant Mathieu Pacaud – Histoires  ル・レストラン・マチュー・パコォ - イストワール
  
85 Avenue Kléber, 75016 Paris +33 1 70 98 16 35 hexagone-paris.fr
日月休

・  
         → 2016パリ旅行記はこちら
Histoire 2016年 6月 ☆☆☆

 [ Menu Decouverte Accord Mets & Vins ]
 *Amuses Bouches
 *Escargots : Parmentiere d'ail des ours
 *Turbot Sauvage : A la maltaise, courgettes violon et fumee de romarin
 +Trou Normand
 *Volaille de Bresse : Contisee a la truffe noire, celeri maraicher
 *Desserts : Petite valse brillante
 +Champagne / Billecart-Salmon
 +12 Chablis / Laurent Tribut
 +12 Crozes Hermitage / Alain Graillot
 +11 La Sirene Giscours
 +Wolfberger Gewurztraminer Vendanges Tardives

[AQ!]
 パリ到着日だが、短期滞在だし、早速ガストロするのだ。
 ホテルで一休みした後に出かける先は、トロカデロ。
 話題と言えば話題の一軒、"息子"マチュー・パコォの「イストワール」である。
Histoire
 (よくは知らないのだが)トロカデロに新しく出来た複合施設「ヘキサゴン」の中に、バー・カジュアル・ガストロの3軒の飲食店があり、それをマチューがプロデュースしている。
 ガストロが「イストワール」、昨年オープン。
 まずは…のミシュランの判定も、2016版で「イストワール」に2星ついて、順調な滑り出し。

 フツーに高級感あるエントランスを入り、総合案内に名を告げると、「イストワール」ですね…と奥に案内される。
 奥のドン突きがちょっと隠し扉風になっていて、開けゴマ…するとそこに「イストワール」。
 高級感ありつつ、軽くアートでポップな線を混ぜ込んで行くのを狙ったような内装で、上手くいってるように思う。
 中庭に鎮座していて窓から見える極彩色パンダ…は如何なものか、とも思うが、ご愛嬌♪
Histoire
 この旅行は約1カ月前の計画で、この日は土曜ということもあり第一希望の店は満席だった。
 「イストワール」はオンラインから予約が入ったが、行っていたらほぼほぼ一杯の盛況。
 特徴的なことには(たまたまかもしらんが)、ほとんど非白人・非日本人の客だった。
 ここ、絶対額が、けっこー高いからねえ…かな? …まあパンダがお出迎えしてるし(^^;)。

 献立の構成は、アラカルト/3皿構成デクヴェルト/デグスタシオン。
 きちんとアラカルトから推してるのがサスガで、清々しい。
 メートルが「アラカルトでしたら注文はドゥプラで十分でございます」と漏れなく説明していくのは、「現代」…って感じ、、。
 ウチもカルトで行こうかと思ったのだが、デクヴェルトがこちらの注文通りな内容で、初回訪問の様子見ということもあり、ソレで行く。比較的、リーズナブルな価格ということもあるが(^^;)。
 デクヴェルト・メテヴァンで350ユーロ、デグスタシオン・メテヴァンで500ユーロ。
 もっと高い、メテヴァングランクリュもある。
 内容が、デクヴェルトはちょいクラッシック寄り、デグスタシオンはちょいモダン寄り…という違いもあるようだ。
Histoire
 まあ、価格設定は強気ではある。けど、〝父親〝んとこよりは低め。かな(^^;)。

 *****

 「穴開きパレット」にアミューズがセットされていく。
 コンコンブル・ジュニパー・ローズウォーター
 イエローツナ・酢アーティショー・コリアンダーエムルジョン
 クトーを短くしたようなダックネック貝:赤貝っぽい殻
 モリーユの茶色スープ仕立て(旨)
 カレー風味の蟹
 レモンキャビア
 プティポワを小玉葱の中に フランス色が強い
 玉葱細クルクルに緑エムルジョン
 卵黄薄あめ
Histoire
Escargots : Parmentiere d'ail des ours
 エスカルゴ・バディアンヌ・ポムピュレと網フリット
 見事なエスカルゴ。ポムや緑との相性良さもきっちりおさえ、美味♪
Histoire
Turbot Sauvage : A la maltaise, courgettes violon et fumee de romarin
 まず焼き上がりのお姿を見せにくる。セ・フランセ!
 どこをどうするんや…というマッシフ…巻き上げではあるのだが上手。フランスに来たんや♪…という味わい。
Histoire
Volaille de Bresse : Contisee a la truffe noire, celeri maraicher
 ふっふっふ、いい並びだなあ、トドメはブレス鶏!
 我々にはsuprêmeが供された♪ 一羽で数卓まかなうようで(?)腿が出て行くように見える卓もある。
 ランブロワジーを彷彿…まではいかないか、ホオとさせる一品。出来自体は、エスカルゴ・テュルボの方が上かなあ。

Desserts : Petite valse brillante
 デセールは小型船団のように現れる。
 イルフロッタント プラリネ風味
 レモンソルベ
 苺・ルバーブ
Histoire
「こちらもお楽しみですよ」とメートルがミニャルディーズを持ってくる。
 たしかに高級店、抜かりなく美味しい。かなり美味しい。
「うん、いいね!」
 と告げると、
「で、ボクの分は(どこ)?」(笑)
 とカマしてくる。
 そんな具合で、気のいい禿メートルデトルを筆頭にサービス陣は、格式を備えながらもとても柔らかく気持ちいい。

 *****

 Mathieu Pacaud…、、、
 継ぐ者。
 現代化刷り合わせや自己の表現欲求とも十分に折り合いつつ、伝統を継いで行く意思を強固に感じさせてくれて、期待させるレベルにある。そういう思いを抱いて来る客と料理で対話できる域にある。
 ぶっちゃけで言うと、思ってたよりかなり良かったです。更にぶっちゃけると“息子s”の中ではイケてる方なんじゃないかなぁ、、、

 値段はかなり高いけど(^^;)。
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  Maxence  マクサンス
  
9bis bd.Montparnasse 75006 PARIS 
ferme vacance d'ete, sam midi et dim
Chef: David Van Laer
・ 売り出し中、ピチピチのミシュラン新1つ星 (2000.12)
Michelin ○/GaultMillau 16 (2001)
Michelin ○/GaultMillau 16 (2002)

 ミシュランは2003年版で星を失う。まぁ、ゲンキなだけじゃ星は厳しいか(^^;)。ここの売りのスシやテンプラも、パリ中のシェフがやるようになってしまったし…。

 …と書いていたが、シェフDavid Van Laerは2003年にこの店を離脱していた。David Van Laerの現職は、料理コンサルタントのようなこと…かなあ? 「マクサンス」のその後もよくわからないのだが、2005年くらいまであってその後移転…という記述もある。まあ、上記場所の同店は閉店している…だろう。 (2014)

MX1 2000年12月 ☆

 *タルトとシュー
 *ウフ、アドック・フュメ
 *サンジャックの天麩羅、林檎のチャツネ
 *パルマンティエ・ド・ユイットル、ポワロー添え
 *スーリダニョー、じゃがいものグラタン添え
 *鹿フィレと林檎、じゃがいものピュレ添え
 *フルーツヌガーのグラス
 *ウォッカとバジルのソルベ
 +89 Bandol / Terrebrune Delille

MX2 [AQ!]
 2000年の、だっけな、ミシュラン新1つ星。ゴーミヨも注目のオーナーシェフ、ダヴィド・ヴァン・ラエが腕をふるう。お品書には「Tempura…Daikon…sauce Soja…」の文字も踊り…、…色々と元気良さそうである。
 勢いのある1つ星は、客層が一番のゴチソウかもしれない。パリの普通の人々、だけど食いしん坊の人々が、まぁそんなに気を張らずに「旨い物、食わせろ」とワサワサしていて、実に楽しい。3つ星や有名どこ2つ星って、やっぱ、大量の外国人や妙チキリンなパワー階層が神妙にしてて…何か盛り上がりに欠けがちよね(「オマエモナー」…「はい」)。
 料理は、「おお、旨ぇ旨ぇ」という感じは確かにあり、精妙さに欠けるものの勢いにまかせて走る。多分、出来不出来はありそう。サンジャックの天麩羅に林檎のチャツネを合わせるという無国籍取り合わせはなかなか良かった。

[へべ]
 店には確かに、なんかエネルギーというか勢いというかパワーを感じました。で、料理もなんか威勢がいい。帆立天麩羅にチャツネなんて思いつきと勢いでしょ? 若々しくボリューム感もあります。面白かった。
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  Restaurant le Meurice  ル・ムーリス
  
228 rue de Rivoli, 75001 Paris Tel: +33 1 44 58 10 10, Fax: +33 1 44 58 10 15 www.meuricehotel.fr
ferme sam et dim
Chef: ~ Yannick Alleno(1968-) ~ Alain Ducasse
・  
 Michelin ○○○/GaultMillau 18 (2007)

 ヤニック・アレノが2013年1月一杯…かな、で、ムーリスを辞した。
 行き先は、とりあえず、LVMHのホテル2つ星Cheval Blanc Courchevelで、世界を股にかける計画もあるとかないとか。相変わらず、“ビッグビジネスだぜ俺は!”路線ですか(笑)。
 この情報自体は、2012中から流れていたので、
「ムーリスが3つ星を失うのでは?」
 という噂はかなりあったようだが、結果は、キープであった。
 これについては、まあボロボロの今のミシュランに言ってもしょうがないような気はするが、
「反応の鈍いミシュラン」
「権威に弱いこと」
 …などの声が散見されるようである。
 ただ、なんたってムーリスのこと、新シェフも既に3つ星所持者ではないか?という説もあり、この辺の手打ちはなされているのかも知れない。 (2013.3)

 Le Pointが伝えるところによれば、ヤニク・アレノ離脱後の「ル・ムーリス」の指揮をとるのはアラン・デュカス…に決まったらしい。9月から。
 背景には、プラザ・アテネとムーリスは同じドーチェスター・グループであること、また、プラザ・アテネが10月から大規模改装で7ヶ月間の休業に入ること、があるようだ。
 ヤニック・アレノ辞任の時に書いたように、既に「新シェフも既に3つ星所持者ではないか?」と言われていたのを見ると、「既定路線」というとこでしょうか。
 現在「ル・ムーリス」の責任者は、杉本雄氏(2012プロスペール・モンタニエ コンクール優勝)だと思うのだけど、どうなるんでしょう? (2013.7)

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2008年 1月 ☆

 *蟹スティックパイ、根セロリ千切り
 *シャテーニュのヴルーテ、そのコロッケ添え
 *Poireau a la Bechamel et au Jus de Roti
  Truffes epaisses cuites en papillote avec un morceau de moelle
 *Fagottini Fourres au Celeri Fondant
  Truffe noire, copeaux de lard fondus et jus d'herbe
 *Cotes D'Agneau de Lait des Pyrenees Poelees
  Dentelles crousillantes au pied d'agneau rafraichies au jus d'olive et truffes
 *Aiguillettes de Canette de la Dombes au Jus Corse
  Fricot de legumes de saison, pommes soufflees
 *CREME MASCARPONE BATTUE A LA REGLISSE
  Coque au caramel et madeleines tiedes au citron
 *Strong Coffee Moccha
  Crunchy roasted hazelnuts from Piemont
 +Champagne / Bollinger (glass)
 +02 Gevrey Chambertin VV / Geantet-Pansiot

[↓メモ版:工事中]
[AQ!]
 うーん…。このヒトが期待の星…となると、パリの料理は(パリはスランプだスランプだと言っているワシらの)想像以上に凋落してるのかも。
 天井高く、アホみたいに豪華。へべによると、モナコで覗き見たルイ・ケーンズ以来では、とのこと。ちょっと「プ…」風味かな。客はそう豪華一色でもない(少なくともSQNのサンシルベストルと比べると安っぽい)(パリの高級レストラン、「アメ公」を継ぐのは成金インド系なのかね~、などと)。
 ホテル入ってすぐ、レストラン案内ねーちゃん立ってて、予約名とマントー処理…レストランをもり立てるのに力入ってます。セ・ジョンティ。ひとつ大サルを通り抜けて入っていく。大サルは、セコンドリーラウンジレストラン…ってとこかな。EGとPfのデュオ生。ラウンジ感横溢。
 「(ワシら)Westminsterお泊りのジャポネ」で下席…は順当、やはり下流組のもう一組のジャポネも当所お泊りでは無いようだ。同胞はこの2卓。

 献立はイベール版、秋のグルーズとリエーブルはバイバイ。値付けはどんどん上げているようで、カルトのアントレでも"80ユーロ~"って感じ。名乗りも成金献立が多いため、アレいらんコレいらん…で収束的に注文が決まっていく。
 アミューズその1は、よくやる蟹+根セロリで、根セロリのどっちゃりまぜ込んだムタールが、アセゾネ大衆的過ぎネ?って感じ。
 アミューズその2は茶碗蒸し風容器、で、その蓋の上にチビ丸コロッケが乗っている。メートルがこれを蓋を開けて落とし入れる趣向で、コロッケをべしゃつかせない工夫だが、全体には「ふーん」で「さすがに人手が多くていらっしゃる」。
 おいしい/まずいで言うとおいしい、良い/悪いで言うと良い、のではあるけど、何ともその気にならない料理。料理人勝負というより、星取りビジネス料理の「どうでもよさ」。なんか、プリンスホテルあたりで出る皿をすごく旨くした(だけ)みたいな感じ…。
 それにしても、多くの「ムーリス絶賛」ライター諸氏は、なんぞイイ目にでも合せてもらっとるのかいゃ。それに対し、意外とネット上で検索してみると「ムーリス3つ星? 尚早でひょ」って声も多いんだけど、こっちに乗るわ、ワイら。
 量、少ない。
 味気ないラビオリは悪い出来で、こんなラビオリを作ったらば東京だったら5000円定食の店のコミでも、シェフから蹴りを入れられるよ、とへべ。
 どの皿によらず、味、というものが、貧弱な塩味くらいしかみつからない。
 多くの皿に、まぁまぁ良質なトリュフが山のように使われている。…使われている、というか、乗っている。使い方に工夫がないので、上手く香っている訳ではない。
 …なんていうと、口の上手いシェフには、「技術を駆使して引き出した香りより、ただ単に、量で自然に香らせるのが素直で優れた香りなのだ」とかゴマカサレてしまいそうな気もするが。
 ヴィアンドはどちらも、ソースは小容器に別添で、メートルが卓上でかける。ソース容器はそのまま卓上に残されるので、ドバドバ派はかけ足せばよい。これはなかなかgood、…というか、広大な客層への対応はよく出来てる点が多い。
 鴨、は、アカン。キュイソンもソースも、おいしないね。なんか、見た目、汚いし。ま、キュイソンが悪い。そんで、ビーツ。何の意味があるんや、きみ、ビーツ。フレデリックアントンの訳わからんビーツを思い出すが、アッチの方がまだ機能はあった。
 アニョードレは普通程度に十分ウマい。ソースがもう一息。
 デセールもしょぼんと小さい。

 サービス陣はニコヤカかつ柔らかく、なかなか良いコーチの下でトレーニングを受けてると思った。ただし、天井の馬鹿高さゆえか、ワンワンしてる店内のせいか、「料理の口上」などがビミョーに聞き取り辛いのは、お互い、ナンダカなーであるが。
 まぁしかし、これだけ優れたサービスであれば、米に加え中韓印の新興カネモチなんかも一発でコロリと参ると思うよ、せいぜいお稼ぎアレ!
 ワインははっきり言って、逃げチョイス。新興3つ星だもんな。ただ、逃げ道は確保されてる感もアリ。
 たしかインタビューで「店に三ツ星をもたらすのがボクのビジネス」と答えていたシェフ。優秀なビジネスマンである。商談の接待ならこれ以上望むものはあるまい、たしかに。

[へべ]
 ウェストミンスターから雨上がりの道をぶらぶら歩く。ヴァンドーム広場のFetes照明が美しい。透明フィルムをくしゃくしゃっとしたようなのがクリスタルちっくに見える。
 AQが告げる。ジェ・レゼルヴァシオン・オ・ノム・ド・イシイ。「ドイシイさん?」いや。「オイシイさん?」…どうしても頭になにかつけたいらしい。しばらく押し問答の末、あーあウェストミンスターにお泊まりのイシイさんね!と。当家破格の宿でもまだ不足だったかね、と笑いつつ着席。
 天井のおそろしく高い豪華なサルに大勢の黒服。しつけは行き届いているみたいで、皆つんけんせず物腰やわらかく、わりとやさしいし笑顔も見せる。ややいんぎんではあるけれど。天井のせいか、音声はききとりづらい。
 食前にシャンパーニュを頼むと、ロゼか、クリスタルか、ボランジェの三択。もちろんボランジェで。

 アミューズ1. カニと根セロリ胡瓜のマスタード風味薄焼カナッペ添え。粒マスタードのききすぎでデパ地下のおそうざい風の味わい。
 アミューズ2. 栗のヴルーテ。ふたの上にミニコロッケをのせて運ばれてきて、小さなトングでうやうやしく投入する。という演出はともかく、味はなんてことない。コロッケもふにゃとしている。
 ポワローは細いのが一本。ベシャメルソースをうすく塗ってはあるのだがこれがいまいちの味。きれいな酸がほしかったよねとAQとあとで話す。ラールとクルトンの角切りはいいけど、黒トリュフの分厚い二切れは香らない。
 でもラビオリ(皮がへたっぴ。おいしくない)よりはまだよかった。
 鴨(Canette) 肉質は上等、ガルニはなつかしのポンム・スフレ。ただし料理としてはつまらない。添えてあるビーツの意味がわからない。
 アニョーも質はもちろんよいが、なんというか、ごくふつう。イモの丸いカリカリ格子になんか塗ったガルニに、ぷにゃとしたもの(ぶどう?)添え。
 マスカルポーネのクレーム・リコリス風味は輪っかの四角い土星みたいな球体チュイルに入って登場。ちょっときれい。
 「ストロングコーヒー」はちび(金ぴか)x3個、どちらも味はまあふつう。

 支持者も多いパリの新鋭ということで、それなりに期待して行ったのだが結果はウーム……つまんなかった。プレキャトランの時の拍子抜けを思い出す。

[↑メモ版:工事中]

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  Pascade - alexandre bourdas  パスカード
  
14 rue Daunou 75002 Paris 01 42 60 11 00 pascade-alexandre-bourdas.com
日月休

・
 Sa.Qua.NaのシェフAlexandre Bourdasによるディフュージョンで、創作パスカード(オーベルニュ地方のクレープ)専門店。

         → 2015-6パリ旅行記はこちら

Pascade 2015年12月 ☆☆

 *quinoa le Saumon ?
  saumon étuvé, quinoa rouge & blanc, guacamole, sugar snap sauté, piment & yaourt
 *fan de Carottes
  des carottes justes braisées & shimeji blanc, fromage blanc, oignons frits, mandarine
 +Pascade風Mojito
 +Roc'Ambulle production Rurale

[AQ!]
 この昼はとても楽しみにしてた一軒、アレックス・ブルダスのPascadeに行くのだ。
 都心にある。
 オペラ駅から地上へ。
 金ピカが青空に映える。ほんまに金ピカやなあ(^^;)。パリも中心に来ると、金金ピカピカ大好きだ…。

 駅から5分もかからない。…道を間違えても10分もかからない。
 夜があるんで12時半と早めの予約を入れてたら、ほぼ最初の客だった。ポツポツポツポツ…と満席に向かうのだが。
 外が見える「客引き席」(笑)。
 向かいの店に「セラドン」って書いてある、…ってセラドンとこだったか、此処。
Pascade
 テーブルに丸い穴があいてて品書きが丸めて入れられている。それを客に手渡したあと、穴には、カトラリーセットが入った円筒が刺される。…お洒落だわ。

 パスカード・サレは4種類。けっこー目移りするw。
 キノア鮭と人参。
 突き出しのサラミで、オリジナルモヒートとRoc'Ambulle(赤く、ほとんどシードルのような呑み心地)をやりながら待つ。


[へべ]
 今回ひさびさのパリで、是非行きたいと楽しみにしていた一軒です。

 これは素敵!
パスカードという元々はトラディショナルなものを(文字通り)土台にして、サレにシュクレにと自在に展開する…というコンセプトも心憎いですが、なんといっても嬉しいのが味の良さ。一目見ただけでもわかりますが、一口食べて、これは料理だ! …と天を仰ぐ私たち。
 さすがアレックス、ルセットも実行班もレベル高いです。
Pascade
 ごろりと大ぶりに切った的確な火入れのソモンにキノアの取り合わせは、緑のワカモレソースとメキシコ風味で。
 白いクレームの酸味を効かせ、とどめには緑のさや豆(スナップえんどう、アリコヴェール)と、豆の葉先のつるのクルクルが散らしてあります。
 食べ進んでも、パスカードの縁のところはこんがり香ばしいままなのも、よくできた設計。

 もう一つ頼んだのは、やはりゴロリと存在感満点の人参が林立するキャロット祭りのパスカード。
 野菜売り場でいつもほれぼれする、フランスの人参のおいしさを満喫できます。適量散らした大葉が名刺代わり?

 シンプルな店内に、ちょっとした工夫(カトラリー立てとか)があったりして、飾り気のなさとセンスの良さと、ちょっとしたユーモアや温かみが感じられるのも、アレックスらしいところでしょうか。
 上質なおいしさと軽さ(あれもこれも食べたくなりますが、そこを自制できれば)は、ガストロ日のデジュネにも好適。貴重な一軒です♪
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  Pre Catelan  プレ・カトラン
  
rte Suresnes 75016 PARIS 01 44 14 41 14 (Fax 01 45 24 43 25) www.restaurant-precatelan.com
ferme vacances de fev., dim. et lundi
Chef: ~ Frederic Anton
・ ブローニュの森に豪華に構えるレストラン
Michelin ○ /GaultMillau 17 (1990)
Michelin ○○/GaultMillau 18 (2001)
Michelin ○○/GaultMillau 18 (2002)

 2007年、ミシュラン・ギドルージュで3つ星獲得の噂。

Michelin ○○○/GaultMillau 18 (2008)

参考:メールのページ

2001年 9月 ☆

 *ケシの実つきスティックパイ
 *緑のスープに白いスプーマ
 *ベトラーヴ、白トリュフとフロマージュ添え
 *ズッキーニと白ナッツのカレー風味、ラールとTEMPURA添え
 *オマールブルトンのケッパー風味、揚げオマールのブロシェット添え
 *ブイヨンでポシェした鳩、腿肉の小チョリソとカリフラワーのクスクス
 *桃のコンポートとムース
 *苺のスープ、グラス添え
 +94 Chateauneuf du Pape Hommage a Jacqes Perrin / Beaucastel

[Bois de Boulogne]
[へべ]
 調子のいい若い黒人のあんちゃんのタクシーに乗り、ブーローニュの森へ。実は初めて足を踏み入れるBoisの、聞きしにまさる広大さに驚く。さすがのパリといえども21時ともなれば森はかなり暮れてきた。
 「Pre Catelan はこちら」の標識に従い進むがなかなか辿り着かず、威勢のよかったあんちゃんも
「あと5分だ、安心しろ」
という言葉と裏腹にいささか不安そうな面持ちだ。途中の建物の門番をつかまえて
「プレカタランとかいうレストランはこれか?どこか?」
「もう少し奥だよ」

などと尋ねつつ、やがて道の奥に灯りのついた建物が見えてくる。
「目指すレストランはあれだと思う。車は入れないのでここで失礼させてもらうよ。んじゃ、あとは一つよろしく」
と言ったかどうかは定かでないが、我々を降ろすと運ちゃんはそそくさと走り去ってしまった。
PC1  若干のいやな予感を抱きつつ近寄ってみると、その建物はどうやらカジュアルなビュッフェなども営むホテルのようだ。ひえー、やられた。そこの門番みたいな人に聞くと、
「この道をまっすぐ行って左折。5分くらいだよ」
と言う。晴れた日中なら素敵な散策路なのだろうが、鬱蒼と茂る森の中はすでに夜である。車のヘッドライトばかりがやけに眩しい中を、ひたすら歩く。地方中心だった今回の旅では、パリ滞在は最後の一晩のみ。そのパリでまさかこんな目に遭うとは…。
 しかし、明けない夜はない。やがて広い敷地のはしっこにさしかかり、ぐるっと正面へ回り込んだ。これがナポレオン3世時代がどうとか言う白亜の館プレ・キャトランである。さすがに堂々として立派…とかなんとか感心するより息が切れた。ともあれ到着できてよかった、よかった。

[Pre Catelan]
[へべ]
 21時15分。夜更かしのパリっ子たちも、さすがに宴たけなわ状態で店内はさんざめいている。レリーフに縁どられた高い天井からは年代物のシャンデリアが下がり、堂々と華やかなサルはなかなかの雰囲気だ。二つのサルがつながった配置になっていて、その中央はサービス陣が往来する「セルヴール街道」状態。当家は手前のサルの街道沿いというか中央寄りのテーブルだったが、奥のサルは昼間なら庭なども見えて綺麗かもしれない。どっしりして愛想良い白髪大柄なメートル氏は、どうも誰かに似ている。「将棋の淡路仁茂八段」「Iさんの顔を赤く髪を白くしたみたい」「福臨門→金臨門の金さん」など、誰に似ているかでひとしきり盛り上がる。
 遅めの入店のためか全体にややアップテンポな進行。シャンパーニュに、バターの風味の強い棒状のパイをつまみながらカルトを検討。流麗な書体で印刷されたそれはムムム、読みにくい (^^;)。近所のテーブルも参照しつつ(アニョーのエポールは見た目あまりそそらないし、鴨はコテコテで甘そう…)注文決定。
PC2
 アミューズはなんだろう?パセリかな?鮮やかな緑の温かいスープが細長いグラスに注がれ、その上には白いスプーマの帽子といういでたち。いきなりエルブジ風か?と思ったものの味はフツーである。
 ベトラーヴは、ガラスの大皿に真紅のビーツの薄切り、淡黄色のチーズ、夏白トリュフの大きな水玉模様を散らしたロビュション風の仕立て。ハコベみたいな緑の草を添えてあるのはブラス風か。クミン(違うかも)かなにか、茶色いスパイスの風味とベトラーヴ、トリュフの組み合わせまではちょっと面白いが、フロマージュを一緒に食べると全部その味になってしまうのは残念。
 ガラスの深皿で供されたカレー風味の熱々クルジェットは、白いナッツ風の豆が好相性のわかりやすいおいしさ。パリパリのラール(ちょっとくどい)と、何かをテンプラ風に揚げたものが添えてあるが、揚がり具合は残念ながら、フェラン・アドリアの完璧な「てんぷら」の足下にも及ばない。これについてはデヴィッド・ヴァン・ラエと一緒にカラモンジョイで修行してくるといいでしょう。なんてね。
 半信半疑のアントレからプラへ突入。ブイヨンでをポシェするという意欲的な試みは、悪い方の予感が適中。ハッキリ言わせてもらえば、おいしくない。主役の鳩がこれでは皿の縁に盛ったカレーもチリも、カリフラワーのクスクス見立ても、なんだか空しい。チョリソもいまいち。
 オマールはどうかというと、緑色のオカヒジキ様の野菜とケッパーを添えたご本尊は問題ないが、一見こんがり揚がった串刺しの方は揚げも味もいま一つ。私達のシェフ評はおおむね「料理ヘタね、この人」というところに落ち着いてしまった。ちなみにプラも2品ともガラスの皿で、これはちょっと珍しいかも。
PC3
 そんなプレ・キャトランでも、いいことはあった。なんとAQ!がワインリストに94オマージュを発見! 姿は優美な貴婦人、でも肌はこんがりショコラ色、といった感じのとにかく美しいワインで、ほれぼれした。料理が気楽だと、ワインを味わったり、周囲のお客ウォッチングも楽しむといった余裕は生まれるものかもしれない。客の顔ぶれは多彩で、入口脇のジャポネ卓はなんと金髪と茶髪の若い男性2人組。料理人見習いか若手サービスか、はたまた六本木系まで含めた料飲ギョーカイ人か、それともパリに来たついでのアパレル系か???など、諸説を無責任に楽しむ。早起きに始まり、夜の森をパニック走りした波瀾の一日の疲れが出たのか、デセールを食べるうちに猛烈な睡魔が襲来。帰りのタクシーではどうやら爆睡してしまったようだ。

[AQ!]
 ジャポネ卓の2人の男性は、ストレートにしか見えないのだが、その隣のパリの中年男性二人はシックなお洒落がヤケに決まっていて格好良く、モーホーの空気を濃厚に振りまいている。いやどうだか怪しいものだが、おデートだと思った方が素敵に決まっとるという訳で、我々はホモカップルと認定させていただき、鑑賞。絢爛豪華な内装と、現代的で落ち着いたファッションが、良いコントラストを為している、などと。
 プレ・カトランは、内装・ロケーション・サービス・ワインリスト…、と、とっても優れた空気のレストランなのでありました。料理のことさえ思い出さなければ。
 全ての皿に共通していることは、何かしらの「現代的流行」が盛り込まれていることと、旨くないこと。うーん、料理ヘタ(^^;)。味の弱さと組み合わせの説得力の無さ、かな。とくにプラのヘタレぶりはちょっと珍しいくらいかも。
 フレデリック・アントン料理長。ロブションの愛弟子・ミシュラン2つ星・ゴーミヨ18点・2000年5月MOF獲得・ゴーミヨ2000「将来期待のシェフ」に選出…と旭日大将軍の如き勢いの、今、話題の人。…なんすけど、わからんものはわからん(^^;)。まさかみんな、ここで初めてカリフラワーのクスクス見て驚いてたりするんじゃあんめぇなぁ…なんてこた、無いだろけど。。
 でも、あんましヘタレなんで、かえって余裕ぶっこいてレストランタイムを楽しんでしまったのも事実。うーん、不思議な体験であった。ワインと周りの客たちがトレビアンだったお陰だけんども。

[2003年:AQ!]
 ↑以上は2001年の正直な所の日記である。である訳だが、プレ・カトランって評判良いんですよ。
 評判…ですが、いわゆる「世間の評判」とワシらの実感は多くの場合にズレていて、そーゆー物はあまり気にしてないんだけど、プレ・カトラン、フレデリック・アントンに関しては、常々「話が(嗜好が)合うよなー」と感じている知人友人でも褒めてる人が多くいるのです。
 それはちょっと気になっていて、俺らが行った時って何だったんかなぁ(何かしら調子の悪い時だったのか?)という疑念が無くもない。
 「ワシらのその日の日記」としては、上記で正直なとこなんだけど、一応ちょっと付記しとく次第。
 …と言ってると、「いや、アントンはやっぱり美味しくないですよ」とのメールもいただく。
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  Michel Rostang  ミシェル・ロスタン、ミッシェル・ロスタン
  
20 r Rennequin 75017 PARIS 01 47 63 40 77 www.michelrostang.com
ferme vacance d'ete, sam. sauf le soir de sept. a juin et dim.
Chef: Michel Rostang
・
 ここは1990年に行ったきり。ドッシリしてギョワッとして、当時の日本のフランス料理(少なかったんだよお)の量の倍以上は出ました。これぞフランス料理!という感じ。今はどうしてるのかなぁ。デュトルニエ・サヴォアと次期3つ星候補3羽烏だったんだけど、ギだけでしたねぇ…。

Michelin ○○/GaultMillau 18 (1990)
Michelin ○○/GaultMillau 18 (2001)
Michelin ○○/GaultMillau 18 (2002)
Michelin ○○/GaultMillau 18 (2004)
Michelin ○○/GaultMillau 17 (2008)

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  Les Ormes  レ・ゾルム
  
22 RUE SURCOUF 75007 PARIS
ferme vacance d'ete, nouvelle an., lundi midi et dim.
Chef: Stephane Mole
・
 2004年に、16区のはずれ「8 rue Chapu」から上記の7区アンヴァリド近くへ移転したそうである。それに伴い、若干の値上げがあったと聞くが、未だに星付きレストランとしては低価格な設定のようだ。

 2007年12月に閉店した、との噂です。はぁ~、残念。
 パリの高級フランス料理のスランプが続き、「ビストロノミー」のような括りで一種の「実質的料理ブーム」が来ている最中で、ある意味その代表的選手になれそうなコチラが閉めるとは、なんたるちーや(泣)。「ビストロノミー」の波に乗るには、ミシュランの星を持っていたのがかえって災いしたとかか?


Michelin 記載/GaultMillau 12 (2001)
Michelin  ○/GaultMillau 12 (2002)

[↓メモ版:工事中]
2002年12月 ☆

 [Diner du Reveillon]
 *Ronde d'Amuse-Bouche
  (サングリエのテリーヌ、エスカルゴ、クネルとパルメザン、牡蛎ラビゴット)
 +00 Champagne / Guy Charlemagne (glass)
 *Escalope de Foie Gras de Canard Enrobee de Noix, Servie Poelee, Petits Navets Confits au Jus
 +97 Riesling Steingrubler / Wunsch et Mann (glass)
 *Ravioles de Homard a la Nage, Emince de Choux Tendre aux Graines de Fenouil
 +00 Jurancon sec seve d'Automne / Cauhape (glass)
 *Saint-Jacques de la Baie de Morlaix et ses Coquillages, En Croute Feuilletee
 *Granite de Pommes Granny Smith au Calvados
 *Poularde de Bresse Demi-Deuil Pochee, Sauce Fleurette, Risotto Cremeux Truffe
 +98 Santenay Comme-Dessus / J.Marc Morey (glass)
 *Bleu de Termignon et son Mesclun a l'Huile d'Olive
 +96 Ch.La Mouline de Labegorce (glass)
 *Declinaison de la St-Sylvestre Autour du Chocolat, du Praline, du Coing et de la Poire
 +Cafe, Mignardises et Chocolats

[AQ!]
 16区のレストラン、ったって、ロビュションやフォージュロンやぺローの(例が古いな、オレ)高級感溢れかえる街並と店を想像してはいかん。16区は南北に長い区。パリ区分地図帳だと大概、16区北と16区南は別頁となっている。凱旋門から延々と南下しよう。小一時間の16区の旅だ。白人中心の住宅街なのは不変だが、南下に従い、少しずつ庶民的にボロッとしてくる。セーヌ川沿いに走るは**通り。いい加減飽きた頃合いにあるほんの数十mの路地がrue Chapuである。シャピュ、かな、お茶目な響きだが、いい加減くたびれたボロッとした通り。その中程にひっそりといい加減くたびれたボロッとしたビストロが一軒。壁に貼られたカルトを見ると、プリフィクス3500円定食がウリのようだ。此処が「楡の木」。小さくつつましく。
[↑メモ版:工事中]
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  Le Petit Sommelier  ル・プティ・ソムリエ
  
49 AVENUE DU MAINE - 75014 PARIS 01 43 20 95 66 www.lepetitsommelier.paris
ferme dim.

・

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         → 2016パリ旅行記はこちら
LPS 2015年12月 ☆☆

 *Huîtres « Prat-Ar-Coum » d’Yvon Madec – 6 Fines n° 2
 *Croustillant de boudin noir de chez Christian Parra, pomme Darphin
 *Pithiviers de colvert et perdreau, foie gras et champignons, garniture de saison
 *Côte de bœuf Aberdeen Angus d’Ecosse des Frères Metzger, frites, salade
 *Baba au rhum agricole ambré, crème Chantilly Maison
 *Comme un Paris-Brest, pistache, noisettes caramélisées
 +11 Scharzhofberger / Van Volxem
 +86 Château des Jacques - Clos de Rochegrès

[AQ!]
 3日目夜。
 さて今宵は、ちょっと変わった穴場で呑みましょう、とTさんが言う。
 勿論ヒョコヒョコついて行く。

 場所はモンパルナスビアンブニュ。
 駅前(笑)。
 そう、この穴場はちぃとも穴場らしくない穴場…というタイプの穴なのである。
 駅前・お気楽・観光客・通し営業…
 でもワインスペクテイターアワード(^^;)。
 ハリセルダンの第2ファウンデーションのような隠れ家wだ。

 めちゃくちゃイイ感じのハゲのおじさんが、店の目印というくらいのノリで迎えてくれる。
 小ネタを挟みながらニコニコサカサカと。
 季節がら牡蠣を流し込みながらメニューの相談。
 料理は正当古典ビストロ…な感じで、大概の融通がきく。
LPS
 モスバーガーのライスバーガーの中身を巨大化したような不思議なブーダンに、Scharzhofbergerが弾けるように合う!
 ピチビエはコルヴェールとペルドロの肉が結構ゴロゴロと入ってるタイプで、贅沢に美味い。

 コートドブフ塊焼きが、すんばらしい。
 …、ちょっとステーキ談義になってしまうが、まあヨーロッパで食うステーキは旨い。のだよなあ。
 で、よく空港のFLOで食うオングレですら、日本ではまず食えない…と貪ってしまうのだが、まあそれはどうか、とも思うのだが。
 だが、要するに、ステーキレボリューションで世界順位が付くような意味合いの”ウマウマ”なステーキでなく、”マズウマ”の方もこれが旨いんだよねー。という話はある。
 ホントにいい加減だったりするんだが、何か、肉心のコアがあるんよねー。
 で、ここのコートドブフだが、勿論ウマウマレベルのステーキであるのだが、何か、マズウマ界最強…みたいな、嬉しい感じの親しみ易さもある。
 …これで説明になってるかわからんが、かなり好きだ。
 そして、86ムーランナヴァンが怪力を発揮して、上げる上げる♪

 デセール。
 巨大ババに、パリブレスト”風”。

 気安く使えて居心地良くて、ここはまた来たい覚えとくべき一軒。
 そして、奇跡のようなワインリスト♪

LPS 2016年 1月 ☆☆

 *Planche de charcuteries : saucisson de Lyon, terrine de foies de volaille aux fruits secs et au Calvados, jambon de pays, jambon persillé et persillé, et jambon à la truffe
 *Le Boeuf Bourguignon grande tradition (mariné 24 h au vin rouge, oignons, lard)
 *Tartelette au citron meringuée
 +99 Chassagne-Montrachet La Goujonne / Hubert Lamy

[AQ!]
 1月2日。
 今日は帰る。
 昼食がビミョーだ。
 元日ほどではないが、やってない店は多い。滞在中にデジュネをいただいたPascade・Hugo Desnoyerも正月休み。
 18時CDG発の便というのも問題だ。
 20時発とかだと「昼は何でもアリ」なのだが、18時は昼にガストロをやってるとちょっと気忙しい…というかアブナイ。
 そこで思い出すのが月曜夕食を「また来たいね~」と言いながらいただいていた、この店。午前11時からやっていると言う。
LPS
[へべ]
 ソムリエTさんに案内いただいた2軒めはこちら。

 モンパルナス駅前という便利な立地に気楽な店構え、大荷物の旅人も外国人の観光客も気安く受け入れてくれる、なんとも使いやすいレストラン。
 …という第一印象も事実ながら、これが羊の皮をかぶった狼というか、隠れてない隠れ家というか、酒好きの楽園というか…。フツーのカルトとは別に用意されたワインリストのページをめくると、別の扉があなたをモンパルナスにビヤンブニュしちゃう訳です。

 帰国便は珍しく夕方発、名残の一食はどうしたものか、あれこれ思案の末に、やはりこちらをアンコールすることに。

 今日もお茶目なムッシューにやあやあと迎えられ、クロワッサンの朝食セットを食べるカップルのお隣で、さて本日の作戦会議をば。

 99のシャサーニュ赤が目にとまる。こいつをゆるゆる飲みながら、シャルキュトリー盛り合わせ、ブフブルギニョンなどをいただこうか、とたちまち衆議一致。

 この赤シャサーニュが大正解! 順次出てくる料理とともにいくと、またまた楽しい。軽い気持ちで頼んだ盛り合わせがまた良くて、2種類のパテがすこぶる上等、トリュフの香るハムはワインとの相性抜群と、文句なしのクオリティ。
LPS
 ブフブルギニョンは鋳物のココットで登場。肉と野菜の旨味にロマランの香り、ワインにばっちり合いつつ、意外とあっさりとした食べ心地。AQと「旨いねー、コレ」「元来こういうものなのかなあ」と言いながら、たいらげました。

 デセールはレモンメレンゲタルトで爽やかに。

 昔ながらの真っ当な料理に、手厚いワイン、味のあるサービスを、肩肘はらずに楽しませてくれる…いやー、本当にいい店でした。ちょっと内緒にしておきたいようなパラダイスを教えてくれたTさんに大感謝しながら、パリを後にするのでした。

[AQ!]
 ホントに、若い観光客が「この辺でいいべ」って朝メシ食ってる横で(笑)。
「昼を食うから。あとワインリストね」と頼むとワインスペクテイターも推奨するリストが出てくる…というカルトさ(笑)。

 ナチュラルな優美さをもって熟したラミ・シャサーニュ。
 ブフブルギニョンは「郷土料理ぢゃわい」って感じでよかったねー。よくマリネしてよく炊いただけやわ、っていう。アソコまで行くと見た目がブチャイクなのが却ってカッコイイかも(^^;)。

PS 2016年 6月 ☆☆

 *Planche de charcuteries : saucisson de Lyon, terrine de foies de volaille aux fruits secs et au Calvados, jambon de pays, jambon persillé et persillé, et jambon à la truffe
 *L-Bone de Simmental mature 60 jours - env.400gr - frites, bearnaise
 *Comme un Fraisier, pistache, et menthe marocaine
 *Tarte fondante chocolat noir 66% pur Caraibe, coulis passion/cafe
 +Affligem
 +03 CNDP Pignan

[へべ]
 パリ最後の一食はやはりこちらで。
 交通系ストで外は大混乱のこの日も、店内はいつもの空気・いつもの調子。ノンストップ営業、来る客は拒まず。

[AQ!]
 David Toutainで昼をいただいた後、

 ***
●ボクらは、ガストロの日は、一日一食+軽くツマミ…くらいが基本。いつオナカが空くかは謎(^^;)。
●この後、一本くらいは呑むぞ。
●帰国便は23時半予定…が2時間半のディレイ。
 というのが条件。
 …となると浮んでくるのが、半年前に教わった「Petit Sommelier」の存在である。
→酒が美味い。
→ノンストップ営業でいつでもOK。予約無しで席は大丈夫。
→食っても食わなくてもツマミだけも、何でもOK。
 おまけにですよ、
→店の目の前(モンパルナス駅前)からCDG直行バスが30分おきに出る。
 ***
PS
 という理屈で辿り着く。
 駅の前の人々の交差点。であってかつ、秘密の酒園♪

 まだ18時半だが、「最初はだらだら、ビールでも…」と入店する。
 AffligemのグラスだからAffligemかな…で乾杯(うまい)、シャルキュトリーを頼んで、ワインリスト(詳細リストは「カルトドヴァンくれや」と言って下さい)を眺める。
 幾つかピックアップしてへべに挙げたら、「今日はピニャンだワン♪」
 若主人はサーヴしてくれながら、「2003はこれが最後の一本だったよん(ウインク)」

 段々トシをとってくると、ワインをいただくシチュエーションとかにも幸福指数みたいのんが現れてくるもので…
 …
 こーゆーもんは「逆」で説明した方が簡単なんだけど、
 近年苦手になってきたので言えば、「隠れ家ワインバー」とかかなあ。
 それに「オトナのための」とか付いちゃうと、もうご勘弁。
 「オトナのための隠れ家ワインバー」とか言って雑誌に出ちゃってオマケに「電話番号不掲載」とか書いてあると、ヒトゴトながら恥ずかしくて身悶えちゃうわ~…みたいな(^^;)。

 ウマイ酒をウマくいただくとかさあ、此処んちみたいな、金玉ベロ~んみたいなとこでやるのがサイコーぢゃあん♪
PS
 行き来する人々。
 色んな人、旅行者、常連、闖入者、仕事する人、メシの人、サケの人。
 此処ね、しょうもないけど、トイレに行って帰ってきて店内を見回すと、なんか「人生劇場」って言葉が浮ぶんだわあ。
 Tan-Dinhでワイン飲むのとは、ちょっとだけ似てるかなあ。

 薀蓄っぽい会話が漏れ聞こえる卓の逆側卓では上品そうな英国マダムが
「おたくプチソムリエって言うのよね、プチってのはリトルだと思うけど、ソムリエってのはな~に?」
 …って禿主人が聞かれて、禿は若主人を呼んで、
「おおいマエストロ、英語の得意なオマエが説明してやってくれ」

 窓から、店の前の通り~駅が見える。
 ゾロゾロ帰って行くデモ行進の人々。
 時折、雨粒の大きい通り雨。今回の旅を象徴するように「まだ降るかね(^^;)」。

 そして、なかなか食い物が旨いのよね~。
 シャルキュトリーはCharcuterie Bobosseかな、美味だわ、ワインとこの盛り合せで十分かと思ってたのだが、腹が減ってきた。
 まあDavid Toutainのフルコースは軽かった…ということはあるけど。
 シンメンタール牛の60日熟成400gのLボーンをいただく。
 ウマ! 離仏直前にコレがいただけるとはハッピー♪
 澄ましバターがうめぇなあ…って感想が漏れるベアルネーズ。
 嫌んなるくらい、ピニャンが合う。
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  Pierre Gagnaire  ピエール・ガニェール、ピエール・ガニエール
  
6 r Balzac 75008 PARIS 01 58 36 12 50 (Fax 01 58 36 12 51 ) www.pierre-gagnaire.com
ferme vacances de fev, juil et aout, dim.midi et sam.
Chef: Pierre Gagnaire (1950-)
・ パリで再起した革命的料理人PGが叩きつける驚愕の皿 (1998.12)
 「嵐の中のピクニック」。ある人はガニェールの料理を、そう称した。何て魅惑的な響きだろう。ガニェールは、サンテチエンヌでミシュラン3つ星を勝ち取りながら、経営難から破産の憂き目にあった。しかし、その才能を惜しみ、拾う人が出てくるのは当然の流れであろう。彼はパリに再起したのである。

 ミシュラン3つ星は、サンテチエンヌで1993年、パリで1998年に獲得。
Michelin ○○ /GaultMillau 19 (1990)
Michelin ○○○/GaultMillau 19 (2001)
Michelin ○○○/GaultMillau 19 (2002)
Michelin ○○○/GaultMillau 19 (2004)
Michelin ○○○/GaultMillau 19 (2008)

参考:メールのページ

1998年12月 ☆☆

 *アミューズ1:タルトレット+チーズのクリーム+小野菜、甘い焼菓子+キュウリ、さくさくパイ+青葱小口切り
 *アミューズ2:鴨のジャンボンとほうれん草、貝類と葱のピエダニョーつなぎ、ピエドムトンとサヤエンドウ、ウニのムース(コーヒー?ココア?風味)とヌイユ
 *4種のパン
 *トピナンブーとトリュフと玉子、バニラとショコラ風味
 *温製牡蠣と小栄螺のくり抜き、鴨の細切りを添えて、紫蘇風味
 *アニョードレとトリュフ、蕪の賽の目、蕪のマリネ緑茶クリーム和え添え
 *北京風鴨のオレンジイチジクマルムラード、シャンピニオンとパイ添え
 *サフランのスフレ、グラスドヴァニーユ + トカイ
 *ミエルのスフレ、グラスドヴェルヴェンヌ + ミュスカ
 +92 Bonnes-Mares / Jadot

[AQ!]
 料理のインパクトはある意味、期待通りのところ。予想外だったのは非常にバランスのとれた3つ星だったこと。パリの3つ星中でも最もウェルバランスな一軒か。しいていえばワインリストが、質・量ともに不満はないもののどことなく「バタバタ集めた」感じであること。そして、個人的に残念なのは3つ星店の宿命でもあるが、全てを楽しみ尽くすにはあまりに量がtoo muchであることだ。いや、それだけの体力があればいいんだけどさ。

 タルトレット3種は軽妙な味ながら複雑。アミューズその2の4品は見事かつ食い応えのあるもの。貝類の皿のつなぎのピエダニョーのゼラチンが完璧で印象に残る。主に浅利っぽいが、一切れ、明らかに鮑の味のものが含まれていた。雲丹のムースはデミタスカップでヌイユ添え。幾分濃い茶色の玄妙な味。手を入れた雲丹は結局つまらないものに終わりがちな中、とても焦点のあった、しかし謎の一品。ココアでも使っているか。

 料理名を見ての通り、素材の組み合わせとアイディアは凝りまくり。だが、食べてハッキリわかるのは素材の特性に関しては真直ぐに考えられて出てきている点で、最終的にバッターボックスに到達した時点では150Km/hの直球である。そして不思議と感じられるのは、この組み合わせが、主力の素材に関しては極上の物を使っていないと面白く&美味しくはならなそうなこと。
 トリュフとトピナンブーは、とにかく卓上に置かれるや、むせかえりそうなトリュフの香りで極楽に直行。バニラとショコラとの不思議な取り合わせの中に、トリュフの持っているショコラ共振的な成分に気付かされる。
PG1  牡蛎温製は一面に散らされた小巻貝(貝殻から抜いたもの)が異様な眺め。鴨の細切りも半端な量・質でない。この鴨は普通の料理で言えばベーコン辺りのポジションと思われるが、その役割をもっと柔らかく深くこなしている。シソのソースはその場でメートルがかけてくれる。どうも日本人的には思い切りシソ臭いのを想像してしまったが、ホンノリと風味付けに落ち着いている。…これらの要素はピッタリとお御輿を形成し、牡蛎は見事に担がれている。まったく美味。

 アニョードレ冗談のように旨い。塩をして焼かれている、その焼きだけでも完璧。トリュフの香りが夢のように舞う。賽の目の大根(?)がそれらのジュを吸収して、また、たまらない。ガルニチュールの蕪マリネはサッパリ系のもので実に巧妙。うーん、この手のアイディアは日本人に思いついて欲しかった、とか思ってしまう。ちょっとお茶うけの千枚漬けとかそんな風情。ありそうでいて見たことない。もっとも主皿の力がよほど強くないと空振ってしまうが。

 の肉の力も驚き。血と肉が完全な味の形をしている。北京風というのだが、表面にミエルでもしてあるのか。鴨にミエルというとサンドランスの有名な物(あまり旨くない)を思い出すがそれとは桁違い。オレンジとイチジクのマルムラードも素晴しく、古典的な「鴨にオレンジ」というのは実はこれまで旨いと思ったことが殆どなかったのだが「いやいやコレか!」と知らされた。だが、別添のサルミソースがそれをもブッ飛ばす凶悪な旨さ。ちょっとこのソースは旨すぎてこの皿ばかりは、「鴨のサルミ」でもいいかと思ってしまった。

 フロマージュワゴンはハードのものが種類多く、実に魅力的だが、どうしようもない。パス。
 スフレは時間がかかるよ、と言われたがちょうどよい待ち時間であった。それぞれに合ったデセールワインが一杯ずつつくのは至上の幸せ。

 順序は戻るが…。ホテルバルザックの中にあるPGはホテル入口のすぐ横に独立の入口を持つ。不思議なπのマークがそこかしこに。πはバターにも砂糖にだって刻印されているのだ。帰りに聞いてみると、予想通り、「これはla tableだ」とのこと。入口は質素め、ウェイティングバーのスペースはゆったりと取られている。通りすぎてメインホール。割りと小じんまりとしている。個室などはわからないが、見回す所、50席と無いのでは?
 テーブルに目をやると思わず顔がほころぶ。珍しい細い縦縞ストライプの白いクロスの上にトゲトゲ木の実(キウイ、ランブータンの小さいの、みたいな…)が4つほど転がっている。これがいわゆるテーブルフラワー代わり。おっ洒落~。アート! グレーと木を多用した調度類、ちょっとキッチュで現代風の壁の絵、と独特の趣味が一貫しており、しかも居心地良し。

 サービス陣は安定した3つ星接待。割りと最初のうちにマダム然とした女性が「ぼんそわ~」と現れたが、マダム・ガニェールだったのか?
 グラスシャンパンはゴッセ。ブル赤のお薦めはまずショレレボーヌ、そしてこのJadot、DRCのEchezeaux(1700FFくらい、高い)。Bonnes-Mares / Jadotは冷静な値段で正解な感じ。予想より良かった。デキャンタしたい、とのことでデキャンタ。優美な酒である。煙もタンニンもグリップも便所も、要素として充実しながらその表現形がすべてエレガント。エロティックとまではないのだが、そそられる。便所型のすえた香りは1/3ほど過ぎた所で「突然」強く出現したが、下半身の見え方もやはり優美な感を受ける。
PG2  4種とカラフルなパン皿の上のパンたちだが、オーソドックスなフランスパンの旨さは衝撃的。ポアンカレ通りに移ってからのロブションに匹敵するかそれを上回るか。バターも最上クラス。それと記憶にある過去No.1間違い無しの、ミックスのアンフュージョン。かなり苦しくなっていた我々のおなかが一発でスーっと落ち着く。霊験とか奇蹟といった言葉が浮かぶ(オーバーだなぁ)。売っているものなら買いたい。

 帰りはタクシーを呼んでもらう。タクシーが来たちょうどその時にTELがはいってしまったとかで、PGの最後の挨拶を受けられなかったのが心残りではある。

[へべ]
 スタイリッシュ。店内も、卓上も、皿の上も。
 テーブルクロスは上等のシャツ生地のような白地に白うねのピンストライプ。その上にコロコロと緑のサボテンの実のようなものがいくつか転がっている。これ一発で参ってしまった。ガラス器のキャンドル2ケ。店内はグレーが基調。これもありそうで、ないクールな配色。花は一箇所だけ丈高くびっしりと白い薔薇の盛花。あとはグリーン。テーブルの横には肩くらいの高さのスタンド。傘の色はこれもグレイ。卓上を良い明るさに保つ。壁にはおバカな絵が2コーナーほど。肉用のナイフにはPierre Gagnaireと名前が入っていた。流線形の柄はグレイのマーブル。
 それもこれも写真でしか見たことないがあのブライアンフェリーばりの2枚目シェフのイメージに似合いすぎるくらい似合っている。今回残念ながらもうちょっとのところで会い損ねた(「今出てくるから-あ、電話中…」ということで-)のは惜しまれる。顔見るだけでいいから(どうせたいした話しもできまい)拝みたかった-。

 おつまみアミューズからすでに変っている。見た目なんてことない焼菓子に、それぞれひとひねりした感じ。シブレットのせたパイなど。4品のアミューズが華麗に並ぶ。貝とピエダニョーと葱の美しい相性のよさ! 葱が絶妙。ココア色したウニのムースに黄白いスパッツェル?細ちぢれヌイユを浮かべたカプチーノ仕立ての1品はすごい。明かにウニの味、でもこの甘やかなとろける周囲との一体感は何?

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  Pinxo  ピンチョ
  
9, rue d'Alger 75001 Paris 01-40-20-72-00 (Fax:01-40-20-72-02) www.carredesfeuillants.fr
ferme vacance d'ete

・
 「カレ・デ・フィヤン」のデュトルニエが展開するセカンドライン、Hotel Plaza Paris Vendome内。「つまんで食おうよ」というコンセプトで、卓上真ん中に小さい数ピースにわかれた料理を出す。無休で軽い食事も可能なユーティリティープレイヤー、覚えておくと便利。 (2008)

         → 2007パリ旅行記はこちら

2007年12月

 *Pate Chaud de Cepes sous "Capet" de Lentins
 *Cappuccino de Potimarron, Chataigne Rapee, Crouton de Lard et Parmesan
 *Noix de Saint Jacques, Topinambour Confit, Grecque de Champignons
 *Contre-Filet de Boeuf "Race Blonde d'Aquitaine" Cuite Epaisse, Charlotte Ecrasee aux Cebettes
 *Chocolat noir Pimente, Glace au Lait de Brebis, Gelee d'Espelette
 *Brioche facon Pain Perdu
 +04 Vdp Des Cotes Catalanes Mas Castello Domaine Cachau-Dubournais

[へべ]
 アラン・デュトゥルニエキャレデフィヤンのすぐ近所、ホテル内ではじめたピンチョス型レストラン。店内の入りはまあまあ、日本人グループ卓や男2人卓などありつつ、遅い時間になるとカウンターにも屈強アニキ2人連れなども現れてパリの夜ナリ。
 PINXOのロゴはグッドデザイン。視認性がものすごく高い。
 外の扉は閉まっていて「ホテル内を通り抜けてくれ」と貼り紙。ホテルに入ってみると、入ってすぐの中華はメニュー・看板など出ているが…。泊まり客用くつろぎサロン風コーナーの入り口に小さく「レストラン」の表示もある。ものすごくくつろいだ感じでソファに座ってたり頭をつっこんで暖炉の火をおこしてたりする横を「マジで?」と通り抜けて奥のトビラをあけると、そこにありました、PINXO
 ドアのノブがロゴマークになっててよかった。

[AQ!]
 「ホテルを通り抜けて行け」との裏口に掲げられた表示を見逃さぬへべ。たしかに、「暖炉のある居間」風サロンを押し通って入って行く度胸には、その情報が、必要だ。
 「Pinxo」のロゴはなかなかに良い。
 隣は黒人のサーバ管理者(?)とその息子幼児。オレジューにパンを浸けて叱られる。父子のコミュニケーションは大変だ(笑)。
 日本人客もチラホラ。
 アラプランシャなオープン厨房と其処にカブリつくようなカウンター席…そちらは気分良さそ。我々は普通のテーブル。
 我々の入店時には空いてたけど徐々に埋まって行く。お約束(?)のおホモだちなども。
 香港のように(?)豪快なサービス。カトラリーは投げ出すようにセット、用件が済んだ0.2秒後には立ち去る後ろ姿を見送ることに。オアイソですら早口で言う。
 この店は、皿を卓の真ん中に置いて「みんなでツマむ」というコンセプト。(一応「それでイイよね?」という確認あり) ラクでいい感じなのだが、何でだか一皿の構成が"3ピース"というのが多い。ウチらの反対隣の3人組なぞが最適ではある。

[へべ]
 隣席はITエンジニア風の異人おとーちゃん(Mさんのようにサーバーから?みたいなケータイ着信がたくさん)と、エマニュエル坊や風のちび坊やの父子連れ、でした。
 着席するとカイワレの盆栽みたいなのが出てきて、岩のくぼみの塩胡椒ピメントなどをつけて食えと指導される。旨くはない。
 シャンパーニュ(なんだっけ)で乾杯。無事に着いて予定通りにチェックインできることのありがたさを思い知らされた2006シッチェスの夜などうわさしつつ。

[AQ!]
 カイワレは脱脂綿から生やされクタっとしている。自家製かも。日本人的にはナンダカナー…、まぁイッか。
 セップのタルトには椎茸の帽子。
 筒状容器のポティマロンあったかスープ(塩気抑え目)にチーズトーストというか細切りクロックムッシュというか…を添えたのはファインプレイ。

[へべ]
 ポティマロンの小さな温かいカプチーノスープは長円形のチーズトーストを添え、泡の上のエピスとマッシュルーム生うす切りもイカしてる。なんでも3個ずつ出てくるがひと口サイズでらくちん。
 「セップの温パテ」は、きのこデュクセルの丸いフランに、しいたけ帽子。緑ソースひとすじ。
 帆立にアーティショー系のやや汁っぽいの添え。
 アキテーヌ牛のステーキ、マッシュポテトとポテトチップス添え(good!)。牛がいい。日本でいちばん食べられないのがこのタイプの、なんてことない赤身タイプの牛肉かも。

[AQ!]
 帆立はアーティショーエルサレムのピュレ添え。にポムピュレ。
 「それなり…であるギリギリの」量感の3ピースに分かれたステーキ&ピュレのチームはなかなかに美味。やっぱりフランスの牛肉はウマいざんす。いやマヂ。こういう、安くて旨い牛肉"だけ"は、なかなか日本に入ってこないからなぁ。ベカスでもぺルドログリでもグルーズでも何でもかんでも輸入される世の中になっても。
 しみじみと噛み締める。ホントに"この味"、なんだよなあ。
 コンセプトと相俟って一皿の量は軽めだ…と聞いていたが、ホントにそうで、普通のレストランに置き換えると、一人アタマで3~4皿+デセールくらいが普通の食事になろう。今夜の注文のような一人アタマ2皿+デセールだと、軽食に毛が生えたくらい。
 この辺りの量の調整が容易なのは、優れたユーティリティープレイヤー性を感じる。パリ到着日の疲れと眠気には絶好。味も軽快で悪く無いし、日曜営業もマル。
 デセールも意外に良い。
 /25ユーロのワイン/35ユーロのワイン/45ユーロのワイン/(赤白4,5種ずつ)…と並ぶワインリストは合理的というのか、コンセプトを表現している。ワインスペシャリストでもあるデュトルニエらしく、楽しんで作ってる好リストっぽい感じ。
 ピンチョ…やし、ボトル売りのシードルが2種オンリストしていた。
 このホテルPlaza-Vendome,、名も知らぬが、タリフなどチェックしてみたい(後日談:高かった(^^;))。
 12月30日日曜夜、パリ市中は閑散としたエリアが少なくないが、ヴァンドーム広場は、人も車も賑わい混み合っている。

[へべ]
 デセールのショコラピカンテとこんがりパンペルデュもばっちり。
 フロントで車をよんでもらってめでたく駅前ホテルへご帰館。
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  Le Relais Louis XIII  ル・ルレ・ルイ・トレーズ
  
8, rue des Grands-Augustins 75006 Paris +33 (0) 1 43 26 75 96 www.relaislouis13.fr
日月休
depuis1961 Chef: ~ Manuel Martinez (1953- ) ソムリエ: ~ 建部洋平
・   

         → 2015-6パリ旅行記はこちら

RL13 2016年 1月 ☆☆

 *グジェール、ビーツタルト
 *Veloute de potimarron - chataigne / truffe
 *Tourteaux de l'Île d'Yeu - tomate de jardin de Rabelais
 *Coquilles Saint-Jaques contisee a la truffe
 *Ravioli de homard Breton et foie gras - creme de cepes
 *Filet de sole souffle a la truffe noire - emulsion au vin jaune
 *Granite de Yuzu et Champagne
 *Huîtres
 *Poularde du Patis - jeune legumes d'hiver
 *Mont d'or affine au Chateau Chalon et truffe du Perigord
 *Les Desserts
 +76 Cahors Clos Triguedina Baldes

RL13
[AQ!]
 元旦。
 まずまず穏やかで温暖だ。
 フランスにとってもいい年でありますように。

 パリである。
 当然ながら、古くからの名門レストランといふものが何軒もある。
 Tour d'ArgentにTaillevent、Grand Vefourに「3L」(Ledoyen, Lasserre, Laurent)…といった迫力に気圧される面々。…は、行ったことあるとこないとこ様々だが、そうした名門の一つに「Le Relais Louis XIII」がある。今回ご縁もあって伺うこととなった。
RL13 「この地で1610年にルイ13世が即位した」…と聞いてもまことに何のこっちゃらだが(^^;)、1961年からレストラン「Le Relais Louis XIII」として続いている。
 1996年に就任した現シェフはManuel Martinez、それ以前は3つ星Tour d'Argentのシェフだった大ベテラン。
 そしてフロアを盛り立てるソムリエ建部洋平さん。

 Louis13は比較的よく働く(笑)店で、元日の今日も昼は営業(夜は休み)。元日営業店はさすがに少ないので助かる。
 しかも元日ムニュは、サンシルベストルムニュと大体同じものの廉価サービス…だとか、でラッキーなお話。

 こちらは、メトロ移動派はセーヌ河畔をフラフラ散歩しながら向かう場所にある。
 元日ではあるが、河畔中古書屋台はポツポツと開店し始めている。
RL13  ぼんじゅー、鯖?
 いい空気に温まっている。
 “おおさすが”…って感じの、熟したフランス人紳士淑女たちが集ってくる。
 やはり、
~サンシルベストルはバシっと決めて・元日はダラっとリラックス~
 なのかなあ、みな堅苦しくない恰好で寛いだ雰囲気である。

 いやいやボナネでござる…とこちらもサービス陣もニコヤカなものである、が、フロア陣容は人数が絞られているので、上半身は柔和にして足は水鳥の如し(笑)である。…などと気楽な観察でますますノンビリする(^^;)。
 ワインも、こちらを把握してる建部ソムリエのお見立てとあって楽チン…っつうか、嬉しいですなー、40年モノの今や優美なカオール。

 ツマミのグジェールに腰が入ってる。こーゆーとこは、嬉しい。
RL13
 ポティマロンにシャテーニュが、しっかりとしっとりと香る。
 やっぱクラシックってええわ~…とストレートに素直に感じられる。

Tourteaux de l'Île d'Yeu - tomate de jardin de Rabelais
 この日「実は(^^;)」一番驚いたのが、コレ。「よくある」コレ。
”フランス人大好きだよなあ、あの蟹マヨのトマト詰め”…って一品なんだけど恐ろしく旨い。え~!?、これこういう辻褄で成立してる料理なんじゃ~ん、ってくらいに味わえた。
 いつまでたっても、さふいふことは、ある(^^;)。
 フランスも産物になると後知恵が多いんだけど、l'Île d'Yeuはノワルムチエなんかの近くの、島。蟹の島なんですかねー。jardin de Rabelaisはロワールのトマトのスペシャリストらしい。これら食材の質の高さは重要なんかな。

 …と言う訳で、これより、フランス料理さまの大名行列のおな~り~。
 いやあホントにフランス料理って、素敵なもんざま~す♪
RL13
 ソールはちょっと趣向の一品で、フィレにスフレが乗っかった?ような恰好。
 こちらの魚部門は日本人シェフの方だそうだが、日本では調理経験のないプロデュイフランセ…という変わった経歴だそう。

 牡蠣はシェフからのアンシャンテ♪

 プーラルドは揺るぎなく着地を決めて、2016の開幕である。
 ロワールPatis産、質が高い。
RL13
Mont d'or affine au Chateau Chalon et truffe du Perigord
 こちら、フロマージュは「お料理」仕立ての用意なのだが、コレがまた驚き。素晴らしく魅力溢れる取り合わせ。

 期待した通りの古き佳き香りに包まれる。
 …まあ余計なことになるけど、若いヒトの初めてのパリ…とか、複雑で難しいとこにいきなり飛びかかるのもいいんだけど、まずはこーゆーの食ってごらんよ、と言ってみたくもなりに蹴る鴨♪

 ***

 ゆんわりとディジェスティフもいただいて、ほっこりと出来上がる正月。
 繰り返しになるが、暖冬がありがたい。シテ島を横断し、バスティーユ広場まで2km弱の帰途をフラフラと散歩する。
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  Stella Maris  ステラマリス
  
4 r.Arsene Houssaye 75008 PARIS http://www.tateruyoshino.com/chef/
ferme vacance d'ete, feries le midi, sam.midi et dim.
depuis1997 Chef: 吉野建
・ 日本人吉野シェフが果敢に挑戦するレストラン (1998.12)
Michelin 記載/GaultMillau 16 (2001)
Michelin 記載/GaultMillau 15 (2002)

参考:メールのページ

 帰国開店するのでは、という噂もあるようですが、どうなんでしょ。 (2003)

 芝パークホテルに「タテル・ヨシノ」、続いて汐留パークホテル東京にも開店し、怒濤のビジネス展開をしておられます。「帰国」については、パリと東京を「行ったり来たり」ということのようです。 (2003)

Michelin 記載/GaultMillau 15 (2004)

 祝!ミシュラン・ギドルージュ1つ星獲得! (2006)
 上記の東京2店に加え、和歌山やニューヨークにもビジネス展開を広げておられます。2006年、もう一人日本人でミシュランの星をもぎ取ったKei松嶋氏もテレビで「料理より料理店経営に重心」とおっしゃってたように、平松氏と合わせ、やはりミシュランで星を取るには「レストラン経営術」というのが鍵になるんでしょうなぁ。 (2006)

 週刊新潮「吉野シェフの尊敬できない「不倫騒動」 」をはじめ、数誌を賑わせる。“ソレガ記事ニナル”注目度は、さすが、です(^^;)。 (2006)

Michelin ○/GaultMillau 15 (2008)
Michelin ○/GaultMillau 15 (2009)

 お店のサイトによると、「2013年7月31日、「ステラ マリス パリ」を閉店」…とのこと。

1998年12月 ☆

 *ポテトポンポンとタルトレット
 *ウニのカボチャムース流し
 *鯖のカルパッチョ
 *鮑のコンソメジュレ冷製
 *鹿のグランベヌール風
 *仔牛の頭・舌・脳、鶉の玉子・鶏のトサカとともに
 *バナナの焼菓子
 *クイニアマンとヴェルヴェンヌのグラス
 *小ミカンのソルベ
 +94 Pommard Epnots / O.Leflaive

[AQ!]
 …
 (以下、10年以上前の古い日記となりましたので、「→過去倉庫」へ移動いたしました)
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  Taillevent  タイユヴァン
  
15 r.Lamennais 75008 PARIS 01 44 95 15 01 (Fax 01 42 25 95 18) http://www.taillevent.com/
ferme vacance d'ete, sam., dim. et feries
depuis1946 Chef: ~ Philippe Legendre ~ Michel del Burgo ~ Alain Soliveres サービス: Jean-Claude Vrinat
・ 名門レストランで本物のサービスを実感する (1997.6)
ミシュラン3つ星獲得は1973年。
Michelin ○○○/GaultMillau 19 (1990)
Michelin ○○○/GaultMillau 19 (2001)
Michelin ○○○/GaultMillau 19 (2002)

 シェフ交代があった模様です。Michel Del Burgoは、Vaucluseの"Bastide de Gordes"のシェフに就任。"Les Elysees"(Hotel Vernet)のシェフだったAlain Soliveresが、新シェフに就任。"Taillevent"のサイトでは既に、Vrinat氏との2ショット近影が見られます。 (2002秋)

Michelin ○○○/GaultMillau 17 (2004)

 2007年版ミシュラン・ギド・ルージュで、2つ星へ降格。見聞する限りでは異議多し。ヴリナ氏の、娘への「代替わり」に伴うものか?の観測も。(2007)

Michelin ○○ /GaultMillau 17 (2008)

参考:メールのページ

1997年 6月 ☆☆

 *チーズシュー
 *クルジェットの花の野菜包み
 *Bretonのラングスティーヌのガスパチョ
 *ラパンのパイ仕立て、サラダ添え
 *コート・ド・ヴォーのオゼイユソース、ヌイユ添え
 *アンズのスフレ、アーモンド入り
 *桃のコンポート、ヴェルヴェンヌのグラス添え
 +83 Vosne-Romanee les Malconsorts / Cathiard-Molinier

[AQ!]
 昼ですが、クロード・ブリナ氏は早くから各テーブルを回ってました。本当にサービスが好きなんだろうなぁ。でもお会い出来たのはラッキーで「間もなく東京に行くよ、夏は3か月間ほど東京の方で働くんだ」と言ってました。恵比寿でお目にかかりたいものだ。

[へべ]
 ついにブリナ氏(本物!)にご対面。お昼も出ているとは…。さすがに大店の安定感、安心感。ラングスティーヌの小さなガスパチョ、なかなかよかった。気に入ってしまいました。桃にヴェルヴェンヌも季節の気分。
 恵比寿の方にはなかなかご縁がないけど、ねぇ。

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  La Tour d'Argent  トゥール・ダルジャン
  
15 quai Tournelle 75005 PARIS 01 43 54 23 31 (Fax 01 44 07 12 04) www.tourdargent.com
ferme lundi
depuis1582 Chef: ~ Jean Locussol ~ Stéphane Haissant ~ Laurent Delarbre ~ Philippe Labbé  サービス: ~ Claude Terrail (1917-2006) ~ André Terrail
・ 元祖展望レストランで、辞書のようなワインリストにのけぞる (1999.4)
1933年から続いたミシュラン3つ星(1952年を除く)から陥落したのは1996年。
Michelin ○○○/GaultMillau 18 (1990)
Michelin ○○ /GaultMillau 記載 (2001)
Michelin ○○ /GaultMillau 15 (2002)
Michelin ○○ /GaultMillau 15 (2004)

 ミシュランのギド2006で、1つ星に降格になってしまいました。店側では「掲載辞退した筈」との主張もあるようで、揉めている模様。 (2006)

 オーナーで、フロアでも先頭に立って牽引していらしたクロード・テライユ氏がお亡くなりになられたそうです。御冥福をお祈りいたします。 (2006.6)

1999年 4月 ☆

 *軽いアンショワ・パイ
 *スペシャリテのブロシェットのクネル
 *ムール、アンショワ、小イカのタルト
 *鴨のオレンジ風味、エピナールのタルト
 *鴨のグリル・ベアルネーズソース、腿と人参キャラメリゼ、梨
 *スフレ・ショー
 *スペシャリテのショコラ・ミルフィーユ
 +85 Vosne-Romanee Cros Parantoux / H.Jayer

[AQ!]
 トゥールじゃ。快晴の天気にて展望レストラン(なのだ、トゥールは。パリの高級レストランとしてはとても珍しい)には好適。ほぼコンプレ。となってみると直前予約(5日前くらいのFAXであろうか)でよく取れたなぁ。13:00を断わられて12:00/12:30を指定されたのは「謎」だったのだが、エレベーターの時間集中(によってエレベーター待ち客が溜まってしまう)を避けたのか?などと。
 さすがにビッとした格好の客が多い中、隣のインド系男性のみラフなシャツ一丁。さすがにキマリ悪そう(な所を見ると常連ではないようだが、入店を断わられたりはしないんだな)である。
 昼定食は350FFとオトクで、狙い通りである。それでも2人とも鴨料理を食べると「鴨の番号札」(トゥールのお約束である)は貰えた。
 お目当てのワインリストは厚さにして5cmはあろうかという代物で、到底目を通しおおせるものではない。白旗。ボルドーはじめ、結構安からぬ値付けも目立つ。ヴォーニュロマネに絞ってチェック。DRC,Gros,Jayerが膨大。日本での希少性も鑑みてJayerのブリュレ、クロパラントゥ辺りを狙う(ともにヴィンテージがズラリ)。ソムリエとの相談の結果は、85のクロパラントゥ。

 軽く小洒落たアミューズ。クネルは軽い仕上がりも快いがシャンピニオンのピュレのソースが絶品で、これこそスペシャリテでしょう、って感じ。3種海鮮タルトはかなり南っぽい皿。ムールとアンショワのヌメヌメ具合が良く、口中で快感あり。オレンジ鴨はオレンジも嫌味なく、さすがという所か。ほうれん草タルトが濃ゆい存在感。鴨のグリエが旨い。焼鳥の世界。肉質といい塩といい、素晴しい。ベアルネーズソースはメートルが皿横に添えていく。これは気分転換にたまにつけて丁度良し。腿は後から。
 Jayerはほぼカーヴ温度で登場。美しいブケ。かなりな量の鋭角的酸。酸のキメがやたらと細かく陰影があって上品。この酸は時間と温度につれてほどける。温度上昇は急激にワインに魅惑をもたらす。ゾゾ毛が立つ。Jayerの世界に十分な成熟が加わった感じ。細かいオリは膨大な量。滑らかで大きく、上品・エレガントにして陶酔的なワイン。
 スフレはあまり上手でないが、膨れていれば美味しい、という代物ではある。ショコラミルフィーユは軽さが上出来でショコラの風味がかけ抜ける。アンフュージョンはティーバッグ

 クロード・テライユ氏はホントに青い矢車草を胸につけてテーブル間を回っていた。私のナイフをジッと眺めて「?」という顔をする。ナイフの汚れに気が付いたのだろうか。それとも我々が皿をチェンジしてるのに気付いたか、メートルを顎で使ってナイフの替えを届けてくれる。同じクロードでもヴリナ氏のように愛想良くはない。
 やたらと天気の良い巷に、クローク預け物をピックアップし忘れたまま出発し、取りに戻る。へべが「パスキルフェボオージョルデュィ」などと言って胡麻かす。

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  Les Trois Marches  トロワ・マルシェ
  
1 bd Reine 78000 VERSAILLES  
ferme vacance d'ete
Chef: Gerard Vie (1943-)
・ ヴェルサイユの宮殿の傍らで (1999.5)
Michelin ○○/GaultMillau 18 (1990)
Michelin ○○/GaultMillau 18 (2001)
Michelin ○ /GaultMillau 18 (2002)
Michelin ○ /GaultMillau 17 (2004)

 ホテルTrianon Palaceが誇ったTrois Marcheであるが、2007年閉店。同所は翌年からGordon Ramsayのレストランとなる。Gerard Vieはコンサルタントや著述業に転進。

TM1 1999年 5月 ☆

 *生ハム、緑アスパラのムース、海鮮タルタルに薄焼添え、茄子のキャビア風
 *セロリのクリームスープ仕立て、トリュフと帆立
 *ポワロのガトー仕立て(モリーユ、フォワグラ)、ラパンのフォワ・ロニョン、ソーセージ添え
 *コート・ド・ヴォーの蒸し焼、おばあちゃん風ガルニ(じゃがいも、シャンピニオン、にんにく)
 *テュルボのクリームソース、モリーユとシャンピニオン
 *ホワイトチョコのミルフィーユ、ブルーマウンテンアイス添え
 *林檎の温スフレ、ラングドシャのミルフィーユ、バニラアイス
 +95 Vosne-Romanee Haut-Maziers / P.Roche

[へべ]
 輝く好天のこの日、ベルサイユへの小遠足にはおあつらえ向き…と思いきや、"le 1er mai"(メーデー)に初手から翻弄されてしまった。
 すでに下見済みのサンラザール駅で快調に切符を購入。さてvoieへ行ってみると「1er maiと2me maiは社会的ウンドー的ふんちゃらにより時刻表はあっちのソレを見よ」的なことが書いてある。
 見ると、休日は10分に1本ペースの筈のベルサイユ行が1時間に1本程度という超間引きダイヤで愕然とする。まぁ20分も待てば出るから不幸中の幸いか、とウロウロと11:40発を待つ。やがてその列車がホームに入り、待ちかねた人々がワッと乗り込むが、数分後にフランス人がワラワラと降りていく。
 不吉である。…どうもこの列車は出ないらしい。いつのまにかホーム端の表示も消えているし、いつからか不明だが「ヴェルサイユ行き代替ルート」までご案内されている。
 しばしためらった後、モンパルナスまでメトロで出てSNCFへ、というコースを選択。これは正解だった。モンパルナス駅ではデモ行進?する陽気な集団などもいていささか不安になったが、電車は問題なく動いていて、無事ヴェルサイユ・シャンティエに辿り着いた(ヴィロフレも通ったし)。
 R.D.の予定がシャンティエに着いたおかげで宮殿門前町を突っ切ることに。30分あって「こりゃ余裕じゃー」と思いきや、炎天下てくてく歩いて10分送れるほどに。いやはや宮殿は巨大であった。次の角を曲がって…と思ってもさっぱり角にならないもんね。
TM2
 さて、ウェスティンのホテル「トリアノン・パレス」に到着。
 溢れる陽光、窓の外には緑の庭園が美しく、窓辺の席にほっと落ち着く。
 アミューズは盛り合わせ。それぞれにちょっとずつ気がきいている。ワゴンにセットしてその場で切ってる生ハムがおいしい。海鮮タルタルも品良く口当たり良し。茄子キャビアはアクのハシハシするくらい強気なものをトーストにのせて、これもイケる。アスパラは緑が今は旬なのかどこでも見るが、ここのもふんわりと香りを生かしたムースであった。

TM3  クリームスープはセロリの香り一杯、帆立は「チーカマ入ってる、コレ」(AQ!談)だったが、中央にこんもりとセロリ?の細切りも気分転換に良く、結構な一皿。ポワローは、薄く開いたポワローの皮でモリーユなどをくるんだガトーが上出来。栗の身くらいの大きさのラパンのロニョンが実に美味しい。薄切り肉でくるんだソーセージ風の部分もいい感じ。
TM4  コート・ド・ヴォーはタジン風とんがり蓋付き容器で登場、ごろんとした骨付き。おばあちゃん風ガルニによく合う。トゥルボはワゴンでさばいてくれるが径1cmはあろうかという巨体。

[AQ!]
 Trois Marchesのフロアは意外に若手が目立つ。5/1(土で祝)のせいかもしれない。「ポアソンだったらどれがいい?」と聞いて「Turbotがトレトレだよ」と答えたメートルもかなり若手だし、鼻の下にちょっとカサブタを作っているソムリエもいかにも若い。彼は熱心でオンリーフレンチスピーカーである。
 ワインリストは結構充実している。
 当初「ムルソー作戦」あたりを描いていたのだが、赤ブルの欄で、プリュレロックをかなり積極的に買っているのが目を引いた。Vosne-Romaneeの1erあたりの項にもよく並んでいる。これは一つまずここからカマをかけようと「Cotes de Nuitsにしようかな。Vosne-Romaneeだと、どう思う?」と聞くと早口の返答はどうも「最近のテイスティングの感じではプリュレロックのオーマジエルが素晴しい出来である」とのことのようだ。これはズバリ壷にはまった返答と感じられ、即決。
 この若いワインはブケこそまだ控え目であるが、舌に乗せると格調高い重層の構造を示し、赤紫黒いビロードの奥行を表わす。何となく、一格落ちの畑で作ったDRCというような印象がある。経時変化でゆとってきて香りも開くが、もう数年は上昇するか?


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  Vivarois  ヴィヴァロア
  
192 av.V-Hugo 75116 PARIS
ferme aout, sam. et dim.
Chef: Claude Peyrot
・ 惜しまれながら閉店したそうです。
 昨秋に、ここを読んで下さった方からメールをいたたぎました(ありがたい)。「1999年9月いっぱいをもって、クロード・ペローの引退に伴い、ヴィヴァロワは閉店したようです」、と。その方の文面からもヴィヴァロワへの愛が溢れていました。天才の名を欲しいままにしたものの奇矯ともムラっ気とも言われたクロード・ペロー(オーナー・シェフ)さん…短かった3つ星時代(1972-1982)…しかしよくこの容れ物で3つ星取れたものだ…再興と言われた90年代初頭…ベルナール・パコーや斉須マサオを門下に輩出…大混みの時代とガラガラの時代…ほんとに今現在みんなが食べて幸福を感じる新しく実直なフランス料理の創造……。色んなことがありましたが、「人から愛された店」、それがクロード・ペローのヴィヴァロワだったように思います(なんて、AQ!・へべ ともに2回ずつ訪店しただけのウチが言うこっちゃありませんけど(^^;))。
 その才能も影響力(何せパコーと斉須の師匠だもんね)も、ロビュションやサンドランスに比肩するものがあったろうと思われるのに(よほどのフランス料理好きじゃなきゃ)「誰も知らない」ペローさん。でも、「引退・閉店」と聞いて、思わずホロッと涙してしまうのは「ヴィヴァロワ」だったのです。1998年最後の訪問では、あの「トガった」ヴィヴァロワというのが嘘のような、穏やかで静かで暖かい…そんな時間を味わいました。 (00.01)

1998年12月 ☆☆

 *アンショワのクロワッサン
 *玉葱のタルト
 *オマールと帆立のパテ、ビスクのソース
 *ポワブロンのババロア、トマトのクーリ
 *舌平目・帆立とトリュフのパイ包み
 *アニョードレの各部、グラタンドーフィノワとアリコヴェール
 *タルトショコラ
 *マロンのパルフェ
 +92 Clos des Lambrays

[へべ]
VIVA00 ノエルの夜はまともな店はやってないらしい。(いや、観光レストランのボーヴィリエはやっていて、しかも席が埋っていないらしかった。ホテルカンパニーユバニョレのロビー柱にクリスマスメニューが貼り出してあったから)
 ギサヴォワ、キャレデフィヤン、アピシウス、ジャマンetc.かけてはみたが、皆、ferme。ようやく「イヤー、夜はやってないんだよ残念だなー、夜は。え、昼?昼ならやってるよ、来なさい来なさい」とおそろしく上機嫌で調子良く声のでかいおじさんが電話に応じてくれたヴィヴァロアで昼食ということでおちついた。

 白い外装、白いブラインド、相変わらずの店構えに例のプラスティック型抜き椅子。ヴィヴァロアだー! ヴィヴィッドな色柄ニットでにこにこと優しい大柄な(いや、太った、というべきか)マダムに迎えられ、裏手の小庭を望む右奥の席へ。丸テーブルにひじかけつき白椅子ですっかり落ち着き気分。皿も交換しやすい(^^;)。隣は5人席、年配の男女各2+ジーンズにセーターの若者がクリスマスの会食か。マダムなみに恰幅のいいご婦人は靴も脱ぎ捨てるくつろぎよう。
 白地にポップな幾何学紋様のクロス。変な色付き足のワイングラス。てきとーなカテラリーとテーブル回りも「軽い」。

 殻味噌の味のしっかり出たソースで食べるクルジェットの旨いこと!
VIVA01  軽めながらねっとりとしたババロアの中からグワッと立ち上がってくるポワブロンの存在感。素材の力強さがそのまま皿の上にある、というような。この旨さ、完成度の高さったらない。斉須さんが油絵のようだと言うのもよくわかるトマトとポワブロン。
 トリュフが香るパイ包み。歯応えのあるぎりぎりの厚さも嬉しい。帆立と舌平目の味の強さにトリュフが絡む~。
 マダムの強力お勧めアニョードレはそれだけのことはあった。肉もどこなのか数種類の味やテクスチャの違う部分と、心臓とおぼしきかたまりには香草と玉葱、もひとつどこかの内臓?らしきところはパネしてあった。絹のような肉の部分は茶色いジュのソース。あとのところはややブランケットっぽいクリームの入ったソースでこれがどちらもまた美味。とりわけ心臓(たぶん)がおいしかった…。このひと皿の”各部盛合わせ”には「肉食いの文化」を感じた。つけあわせはアリコヴェールとグラタンドーフィノワ。パンもそっけなくポンと出てくるのが実はおいしい。焼きも粉も旨い。

 明るい店内、マダムを含めたサーヴィスのあたたかくやわらかい雰囲気、くつろいだ客たち-。ヴィヴァロアの料理は、そんな風景にしっくりととけこんでいる。3つ星店のピンと糸を張り詰めたような緊張感や火花の散るような激しさではなく、もっと静かで穏やかな輝きを放つようなところがある。ダイヤではなく、ムーンストーンや乳白色のオパールのような…。旨くて居心地よくて幸せなノエルのデジュネ。
 ところで、あの電話に出たのはムッシュ・ペローだったのだろうか-?

 ブルゴーニュの赤を飲みたいが…? と問えば、もう「あーコレコレ、コレしかない」的に勧められたのが'92 Clos des Lambrays。姿のよい酒だな、というのが第一印象。30代後半、色気はまああるがほっそりとした茶色の瞳、茶色い髪の美女-かなぁ。

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  Willi's Wine Bar  ウィリーズ・ワイン・バー
  
13 r.Petets-Champs 75001 PARIS 01 42 61 05 09 williswinebar.com
11:00~22:00 ferme sam. et dim.

・ 話題のワインバーですが、ビストロだと思って訪ねても名店だと思います。 (1997.6)
Michelin 記載/GaultMillau 13 (2001)
Michelin 記載/GaultMillau 12 (2002)

1997年 6月 ☆

 *マグロ赤身のタルタル
 *鶉のサラダ仕立て、甘酢ソース
 *ラプローの腿、黒オリーブ・タイム・ジャガイモと葉っぱ
 *ビジョノーのロティ、ニンジンとインゲン
 *サクランボのスープ、アーモンドの焼菓子
 *Speial de Cambridge(クレームブュレ)
 +87 Cote Rotie la Mouline Guigal

[AQ!]
 話題のワインバー、ウィリースですが、およそビストロのような形態。とても気軽に使え、料理も美味しい! ワイン者にでなくても気楽に勧められそうな感じの店。クレームブリュレは…ロビュションも凌ぎそうな桁違いのうまさ! すごい。ワインリストはコートロティがやたらと手厚い。コートロティはすべて現地買い付けで生産者ととてもよい関係にあるそうです。

1998年12月 ☆

 *野菜チップス
 *小海老とこまごま野菜
 *Lavioli ouvert, champignon de bois, chevre frais
 *サングリアのコートレット、にんじんピュレなど
 *ヴォライユのフリカッセ、じゃがいもピュレ添え
 *Specialite de collage Cambridge
 *Terrine de chocolat Willi's
 +96 Cotes du Jura "P" / Domaine Eg? (glass)
 +97 Coudoulet de Beaucastel Blanc (glass)
 +81 Cote Rotie La Landonne / Guigal

[AQ!]
 ボース駅から歩く。また半分、迷う。r.Petit-Champsは何となくわかりにくく長い。20:15くらいか、着。まだ2卓くらい。21時頃にはほぼfull。本日のメニューの裏が最近お薦めのWine List。アペリティフにどうぞとグラス売りしている白ワインのコーナーなどを指さしてくれる。グラスの白2種はどちらも埃臭い中に酸が立っていて旨いが、とくにほどけてグングン甘くなりムルソーのような色気を放つジュラが好き。
 Landonneは、80.81.83.84.86etc.がリストに。「おそらくは80がベストであろうけどまだ若い感じを受けるかもしれない。81はジビエ臭(ここでは、ソムリエールと英語でやりとりしていた。「これはアニマルね、えーとなんて言うのかしら、ジビエよ」、に我々は「おー、じびえ!」が強く出ていて飲み応えがあるよ」とか。これは「完全な形」をしたワイン。むっくりと猛々しい巨躯を起こすが、どこまでも表情が微細でsilkyな表面が奥深さを保つ。デキャンタ。
 ラビオリはシャンピニオン自体にこっくりした香りの高さ。海老は野菜との出会いの香り。サングリエは味良く、ガルニ楽し。人参ピュレ旨し。鶏焼は納得の滋味。
 クレームブリュレは繊細でもないのに凄い。ショコラテリーヌはショコラのエッセンスを感じさせる。
 右隣卓のオヤジは愛人(?)の手を放さず、左隣卓のイングリッシュスピーカー男3人はさわがしくローヌを飲み、ケンブリッジとは何かと尋ねている。

[へべ]
 着いたその日にホテルから電話して夕食はウィリーズ。なんてゴキゲンなパリ!直行便で来るとこんなにいい思いができるのね、と不景気ゆえに享受する幸せをかみしめる。
 またしても迷い迷いたどり着き、あいかわらず元気な店内の賑わいを楽しみつつLa Landonneを飲んでいると、じわじわとパリにいるんだ来られたぞ万歳という気分が頭の中いっぱいに広がってくる。料理も旨い。グラスで飲んだジュラが実に旨い。そしてやっぱり81ギガルのLa Landonneが強烈に素晴しい。強く濃く迫りくる。「おーアニマルじゃー」などとたわけながら酔いました。デセールはもちろんケンブリッジスペシャル。なんてめでたい店。

1999年 4月 ☆

 *アーティショーのフリカッセと新玉葱、茸
 *小ジャガイモとベーコン・セロリ・クルミとブルーチーズ焼
 *Cavillaudのロティ、茄子のマルムラードとほうれん草添え
 *仔牛のLonge、グリンピースとほうれん草・ポレンタ添え
 *Cambredge Special(クレーム・ブリュレ)
 *プラリネのクロカント
 +98 Tour de Gendres / Cuvee des Conti (glass)
 +97 Croze Hermitage Blanc / A.Graillot (glass)
 +89 Cote Rotie Brune / Marius Gentaz Dervieux

[へべ]
 12:30の予約。今度こそ迷うこともなく余裕で到着。カウンターに少々人がいるくらいで、昼ラウンドの一番のりか。サービス陣、人は違えど威勢と感じの良さはやはりWilli's調である。最終的にはほとんど満席と相変わらずの賑わい。注文が決まると"tres bien!"とにっこり。アルティショーの皿はちょっとトロリとしっかりとした仕上がりに酸をしのばせたニクイ出来。ジャガイモ組はセロリが効果的で全体として旨い。家でマネしてみたくなる皿である。Cavillaudは強気の焼きに、茄子も強目の仕上がり。一方仔牛はプティポワといいソースといいどことなく春っぽく、ポレンタのおせんべ風香ばしさが愛敬を添えている。さて、ゲンタツ翁のロティは上質のボルドーを思わせるブケに、濃く強くこまやかな味。きめこまかなタンニンが旨い!

[AQ!]
 Guigalより女性的、そしてのどかな農家の庭先のような感じのMarius Gentaz Dervieux。
 クレームブリュレは相変わらず、そしてプラリネのクロカンがこれも見かけと違って絶妙の滑らかさ(そんなに見かけが荒いというわけでもないが)。ここんちのデセールは一味違う。

2000年12月 ☆

 *ムールの小さいスープ
 *ポレンタのフリットの半熟玉子かけ、フォワグラ添え
 *ドラッドのポワレ、くたくたポワブロン添え
 *エマンス・ダニョー、オリーブのクスクス添え
 +タンピエのバンドール白、A.Grosのオーコートドニュイ白
 +83 Hermitage / Chave

[へべ]
 休暇だ、Parisだ、Willi'sだ!…という実感が、いつもながらよく客の入った店内に落ち着いたら、じわじわとわいてきた。ホテルに到着後、電話ですぐ予約入れておいてよかった。TELの最後に「アドゥマン」と口をすべらさなければもっとよかったが…。おとーさんが横から「アドゥマンはダメダメ!!」と突っ込みを入れてくれて事なきを得る。言いたければ「アトゥッタルー」です、はい。
 小さなムールと野菜たっぷりのスープはやさしい味。セロリ、効いてる。こんがりしたポレンタの焦げ味に半熟玉子とフォワグラからめて赤ワインソースで食べるのが実にうまい。これはとてもWilli'sらしい一皿。

[AQ!]
 そうそう、何かこーゆーのは「世界一旨い居酒屋料理でいっ、このヤロ」って感じで良いのだ。  ドラッドは皮がカリカリ身はジューシー、と星付レストランのような加熱で、クタクタに煮られたポワブロンはじめ野菜の皆様の尽力もあり、旨い。仔羊はまあフツー、だが、オリーブのクスクスが上手なガルニ。
 Chaveの後半をゆ~っくり楽しんでから、スペシャリテ・ケンブリッジなど極上のデセールを、とも思うが、明日の「TGV全日コンプレにつき、通常列車で移動」事件がちらつき(実際、そのため明朝は午前6時起床だ)、サクサクとワインを飲み干し、早々に退散する。
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  Ze Kitchen Galerie  ザ(ズ)・キッチン・ギャラリー
  
4, rue des Grands Augustins 75006 PARIS 01 44 32 00 32 www.zekitchengalerie.fr
ferme sam.midi et dim.
Chef: William Ledeuil
・

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2010年 8月 

 *Tarama-Gingembre-Sesame, Seiche Grillee & Poutargue
 *Gaspacho deConcombre-Pomme Verte-Citronnelle, Crevettes "Obsiblue" Marinees
 *Gnocchi Sardi, Pistou Thai, Creme de Parmesan, Condiment Olive Verte
 *Maquereaux Grilles, Agrumes-Miso-Tomates Confites
 *Porc Noir de "Bigorre", Condiment Peche-Mostarda, Jus Chorizo
 *Moelleux Abricot-Cucuma, Glace Gingembre-Jasmin
 *Glace Chocolat Blanc-Wasabi, Condiments Pitache et Fraise
 +Saint-Joseph / P.Gaillard


[AQ!]
 Agrumes-Miso-Tomates Confites、は、味噌酢豚…みたいな感じ。
 んー、、、どうなんだろ、色々コンディマンが書いてあって、まあ入っているんだけど…、それぞれバラバラにその味がする、だけ、みたいな。ハーモニーとか、無いよなあ。
 極端な感想だけ言うと、俺でも、輸入食料品店に行ってパリっ子が知らなそうな調味料を数種買って混ぜて出せば、出来そう、…っつうか。

[へべ]
 パリのだめ料理。
 お子ちゃま味。でも、おしゃれな老若男女で大にぎわい。
 ガスパチョのスープとアイヨリは、ケチャップとマヨネーズの味がした。
 ここも翌日のコントワールも、ともにコムシェソワも真っ青なテーブルの詰め込みぶり。
 ガラス窓から厨房が見える。
 ガルドマンジェはアジアン3人娘。店の設定によるムードの出し方がNYに通じるものがある(モモフクコとか)。

[AQ!]
 ところで、かんけーないけど、食後の帰り道、犬を散歩させている老紳士から「日本人ですか?」と日本語で話しかけられた。
「ええそうですが…」、と、話してみるとこのオジーサン、なんとあの名匠、ジャック・カーニャ(Jacques Cagna)料理長じゃあ~りませんか。
 店はご近所。
 もう引退も近いか、と言われる名シェフと話し込んでしまいました。いやあ珍しい体験だ。なんかの冗談かと思うくらい、日本語が流暢。
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