1999年 9月のワイン |
| 09.30.99 at ワイン・バー 「わいん亭」 |
| '84 Pommard les Fremiers / Leroy |
| まだしっかりと飲める、さすがにルロワ。という上でいうと、相当にお茶目な酒である。様々な香りのヒップホップ。すなわち、大きな土・湿った枯葉(腐葉土?)・外傷用薬品類(トクホン、ヨーチンなど)… (AQ!)
|
| 09.26.99 at HOME (from Paris「Les Caves Taillevent」) |
| '83 Chateauneuf-du-Pape / Beaucastel |
| うおおっ、うまいっ!これは滅茶苦茶にうまい。5月にパリのカーヴタイユヴァンから担いで帰ったもので600FF。とても素直な成長を見てとれるコルクをかぐと、一流のブルゴーニュのようなスエていながら品格の高い香りが背筋にゾクゾクとクる。濃いが煩すぎない凝縮感、熟成と華麗な果実のバランス。ボトル中程に進むほど、幾らでもスケール感が増してくる。このクラスのものの15年くらい、というのはあまり飲んでいなかったが、すんばらしく好きざんす。 (AQ!) |
| 09.20.99 at フランス料理 「ガーデン」 |
|
'90 Bonnes-Mares / C.G.d.Vogue |
| 一貫して感じる、格の高いトーン。ただものではない。ソムリエの常安氏の表現は「深窓の令嬢」で、まさに同感するものである。9年にして、未だ社交界デビュー前を感じる。清楚であるが、並々ならぬ複雑な香りの素質を持ち、それらを振りまきはしないものの、もう十分に匂わせている。異様にキメの細かいテクスチャ、微細なヒダが何重にも何重にも…。目覚めもとてもゆっくり。やっとこれから、と思える酒、常安氏も「10年行けますよね、コレ」と言いながら「コレはですね、7ケース持ってたんですけどねぇ、あともう、5,6本かしら…」と。…。しょうがないよね、90のヴォゲをリストにみつけちゃった客は。(^_^;; (AQ!)
|
| 09.19.99 at イタリア料理 「マリーエ」 |
| '97 Rosso Piceno |
| 樽香の回りにバニラがあり、うっかりすると蜜を感じるような側面を持つ。ジワジワと味わっていると、サンジョベーゼらしさが支配的に。小林さんのチョイスらしく、不思議に9月気分の残暑見舞のキレ。 (AQ!)
|
| 09.15.99 at HOME (from 恵比寿「Party」) |
| '95 Prieure de St-Jean de Bebian Coteaux du Languedoc |
| あーあ、開けちゃった、95のコレ。しばらく持っていても面白いと思っていたのだが。3000円という値段の気楽さからは遠い酒である。濃く奇麗で素質豊か。今はとても素直な飲み口。 (AQ!) |
| 09.12.99 at フランス料理 「アンフォール」 |
| '90 Vosne-Romanee les Brulees / Camille Giroud |
| 小さなネゴシアンだそうだ。かなり梅酢が出ている、実直そうで、良い意味の素朴なワイン。農家の縁側だが良く見ると整理整頓が行き届いている、そんなところに品の良い爺さんが座っていて、通される、ってな感じ。若やいだ印象は無いが、1時間ほども飲んでいると、クゥーっと奥行きが広がり、表層に感じられていたタンニンが奇麗な闇を形成する。本格的な味わいに近づく。 (AQ!)
|
| 09.04.99 at フランス料理 「ボ***」 |
|
'85 Meursault Clos de la Barre / C.Lafon
'90 Chateauneuf-du-Pape / Rayas
'90 Tokay Pinot Gris Clos Jebsal V.T. / Humbrecht |
| ラフォンは勿論ラフォンであって、85にしたからと言って昨日の90ラモネの緊張感から逃げられると思ったら大間違いであった。そうか。それにしても未だに強烈。大理石を高圧噴水で砕いたかのようにミネラリー。ドミニクもクロドラバールを、最もミネラルが強い、と言うそうな。享楽性よりも意思の強さのムルソー。
90のラヤスはお化けである。この怪物ワインに再会を果たすことが出来た。このクレージーな飲み物は、ワインについてあまり知らない人に飲ませたら、「この飲み物がワインである」、という判定すら貰えないのではないか、そう思われるほどの驚異的凝集を誇る無茶な腕力の底無し沼。
ここでK田さんの必殺の追加はHumbrecht。うわー、旨ぇっ。ビシバシと要素が刺さってくるように美味なのに、完璧なバランスは一糸の乱れもなし。
[付記] そうだ、隣からのおすそ分けで、Ch.Lafite-Rothschildの62と75が一杯ずつ回ってきた。ありがたや。この75がクレージー。陶然、クラクラと倒れ込んだまま意識がなくなり…そうな酒。ボルドーとゆー奴も、これがあるからなぁ。まったく。 (AQ!)
|
| 09.03.99 at フランス料理 「ボ***」 |
|
'90 Batard Montrachet / Ramonet
'88 Clos St.-Denis / Dujac
'75 Port / Graham |
| K田夫妻(何から何までありがとうございました)と4人で。 とてつもない緊張感をみなぎらせたバタール。悪夢の中の京都のように重奏的に妖しげな香りの回廊。アフターはもろにインフィニティリバーブ(←音楽業界人しか通じねーっつの)。それにしても餅茶で後頭部を殴られるように塊となって押し寄せるエッセンスであって、後5年とか10年といったようなスケール上で語られるべきなのだろう。今でも感動的だが。 第一次接近からクラっとくるデュジャーク・クロサンドニは、4月にいただいた85クロラロッシュをすぐ思い出した。骨抜きにされるような豊潤で妖艶な酒。色濃いが華やかなベリー。こちらは骨抜きでもワイン自体は骨格がしっかりしていて構成的、トップクラスの芸者はお稽古ごともしっかり修めておる感じ。 2日かけて飲もうとグラハムのポートを開けまして、幸せな夜は更けて行く。ワシがトップを切ってお眠ちゃんになったと思うので後はへべが書きなさい。(^_^;; (AQ!)
|
|